プレイを始めてしばらくたった頃、崖の上に立って地平線を眺めていた。空は夕暮れで橙色に染まり、眼下にはジャングルと砂漠が入り混じった広大な土地が広がっている。遠くに機械獣の群れが動いているのが見える。川があって、廃墟があって、部族の集落らしき光が点々と見えた。「あそこまで行ったら何があるんだろう」という気持ちを抑えられなかった。
Horizon Forbidden West Complete Editionは、Guerrilla Gamesが開発したオープンワールドアクションRPGだ。機械生命体(マシン)が支配する未来の地球を舞台に、狩人のアーロイが世界崩壊の謎を追う。PS4/PS5向けに2022年2月に発売された後、2024年3月21日にPC版がSteamへと上陸。Complete Editionには本編に加えてDLC「焦熱の海辺(Burning Shores)」と全てのボーナスコンテンツが含まれる。
Steamのレビュー評価は「非常に好評」で、PC版アクションRPGの中でもトップクラスの映像品質と評価されている。全プラットフォーム合算の販売本数は800万本以上(2023年4月時点)。PC版は発売直後からSteamチャートに食い込み、高品質なPC移植作品として話題を呼んだ。
「グラフィックが綺麗なだけのゲーム」だと思ったら大間違いだ。戦闘は属性・武器・マシンの弱点を読み合う戦術的な深みがあり、探索は広大なフィールドに散らばる遺跡・部族・謎を追いかける充実感がある。そして物語は、前作Horizon Zero Dawnから続く世界の謎——なぜ地球は機械獣に覆われたのか、人類は何者なのか——を一段と深く掘り下げていく。この記事では、Horizon Forbidden West Complete Editionがどんなゲームで、なぜ多くのプレイヤーを虜にしているのかを全部書いていく。
こんな人にドンピシャなゲームです

- 映像品質に妥協したくない、PC版で最高のグラフィックを体験したい人
- 広大なオープンワールドを自由に探索するのが好きな人
- 機械獣という独特の世界観に興味をそそられた人
- 弓・槍・罠を使い分ける戦術的な戦闘が好きな人
- SF要素とファンタジー的世界観が混ざった設定が好きな人
- 一人でじっくりストーリーに没入できるシングルプレイゲームを探している人
- 前作Horizon Zero Dawnを遊んでいて続きが気になっている人
- 「God of War: Ragnarök」「Ghost of Tsushima」のような高品質なアクションRPGが好きな人
- フォトモードでゲーム内の美しい景色を撮影するのが好きな人
逆にこういう人にはミスマッチかもしれない。「高速なFPS系の戦闘が好き」「マルチプレイで友達と一緒に遊びたい」「複雑な経営シミュレーションやストラテジーが好き」という方向性なら、別のゲームの方が合う可能性がある。Horizon Forbidden West Complete Editionは基本的にシングルプレイのオープンワールドアクションRPGで、オンライン要素はない。
ゲーム概要——機械獣が支配する未来の地球で、アーロイは何を追うか
どんな世界か
舞台は数百年後の地球だ。かつて人類が築いた文明は崩壊し、高層ビルの廃墟にジャングルが絡みつき、錆びた橋に野草が生えている。そしてその世界を支配しているのが「マシン」——機械生命体だ。イノシシ型、ワシ型、ゾウ型、クジラ型まで、あらゆる動物を模した機械が地球の生態系を形成している。
人々はそのマシンを狩り、部品を武器や道具に変えながら部族社会で生きている。弓矢と槍を使い、焚き火を囲み、神話で世界を語る——かつての文明の痕跡は「古き地」と呼ばれ、その遺物は「機械時代の遺物」として神秘視されている。前作Horizon Zero Dawnでは、この世界がなぜこうなったのかという謎の一端が明かされた。
Horizon Forbidden Westでは、その先がある。主人公アーロイは前作で世界の崩壊を一度防いだが、新たな異変が始まっている。植物が赤く変色する「赤い疫病」が広がり、空気が汚染され、生態系が急速に壊れていく。それを止めるためにアーロイは西部の「禁断の土地」へと踏み込む。そこには未知の部族、新種のマシン、そして前作では登場しなかった脅威が待ち受けていた。
主人公アーロイという人物
アーロイは前作から引き続く主人公で、自分が古き科学者「エリザベト・ソベック」のクローンであることを知っている。特別な力を持つ存在として育てられた彼女は、孤独に戦いながら世界を救ってきた。
今作のアーロイはその重さをより深く背負っている。「自分一人で全部やらなければ」という強さと焦り、そして「人を信頼して頼ることへの苦手さ」——これが今作の物語の核心的なテーマのひとつだ。強力な仲間たちと出会いながら、アーロイが「孤独な英雄」から「仲間とともに戦う人間」へと変わっていく物語でもある。
声優はAshly Burch(英語版)で、日本語版は田村睦心が担当。感情の込め方と台詞の間の取り方が非常に自然で、長いプレイ時間の中でアーロイという人物をしっかりと好きになれる演技だ。
開発元Guerrilla Gamesについて
Guerrilla Gamesはオランダ・アムステルダムを拠点とするゲームスタジオで、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの傘下にある。もともとはFPSシリーズ「Killzone」で知られていたが、2017年に全く異なるジャンルのHorizon Zero Dawnを発表して世界を驚かせた。
Horizon Zero Dawnは発売直後から「PS4史上最高のグラフィック」と評され、ゲームの世界観設計とビジュアル品質で業界に強烈な印象を残した。Horizon Forbidden Westはその続編として約5年の開発期間とおよそ2億1200万ドルの開発費をかけて作られた大作だ。PC版の移植はNixxes Softwareが担当しており、同社はHorizon Zero Dawnや「Ratchet & Clank: Rift Apart」のPC移植実績もある高品質な移植で知られている。
ゲームシステムの詳細——戦闘・探索・成長システム

マシン戦闘の奥深さ——属性と弱点部位の読み合い
Horizon Forbidden Westの戦闘で他のアクションRPGと一線を画す部分が、マシン(機械生命体)との戦い方だ。単純に攻撃を当て続けるだけでなく、各マシンの弱点部位と属性を理解して戦う必要がある。
例えば「フロストクロー」(大型の熊型マシン)は胴体に火炎弱点があり、そこへ焼夷矢を当てると一気に熱ダメージが入る。さらに脚部の装甲パーツを破壊すると移動速度が落ち、胴体の爆発パーツを狙って撃つと大爆発を引き起こせる。どこを狙って何の属性で攻撃するか——この判断が戦闘の醍醐味だ。
属性は「火炎」「氷結」「電気」「酸」「腐食」「プラズマ」「衝撃」と多岐にわたる。武器もそれぞれの属性に対応したものがあり、弓・ボルト撃ち・ロープキャスター・ブラスター・シュレッダーガントレットなど多彩なラインナップが揃っている。
前作から大きく改善されたのが近接戦闘だ。今作では槍による連続コンボが可能になり、「レゾネーターブラスト」という新システムが追加された。近接攻撃を繰り返すと槍にエネルギーが蓄積され、それをマシンに浴びせると「レゾネーターブラスト」が炸裂、その後に射撃でトドメを刺すと巨大ダメージが入る。弓と槍を組み合わせたコンビネーション攻撃が戦闘の核心になっている。
「オーバーライド」——マシンを乗りこなす
このゲームで特に楽しい要素のひとつが「オーバーライド」だ。特定のマシンに近づいて特殊アクションを発動すると、そのマシンを乗り物や戦闘の仲間として使えるようになる。
ウマ型のマシン「ストライダー」をオーバーライドすれば移動手段として乗り回せる。さらに高いレベルのオーバーライドを習得すれば、ワシ型の「グライダー」のようなマシンを呼び出して空を飛べるようになる。巨大なマシンをオーバーライドして敵部族の基地に解き放つ——そんな使い方もできる。
マシンを乗り物として使いながら広大なフィールドを疾走する感覚は独特で、「自分の乗り物はどのマシンにしようか」という選択肢がフィールド移動をゲームとして成立させている。
水中探索と「シールドウィング」——移動の自由度
前作Horizon Zero Dawnでは水中に潜れなかったが、今作では水中探索が可能になった。海底遺跡、水没した廃墟、水中に棲むマシン——これらが新たなコンテンツとして大量に追加されている。
また「シールドウィング」というグライダーのような装備を使うことで、高いところから飛び降りてゆっくりと着地したり、気流に乗って滑空したりできる。崖の上から広大な景色を眺めながら地上に向かって飛び降りる——この瞬間の気持ちよさは何度体験しても飽きない。
爪を使って岩壁をよじ登る「グラップルアロー」も追加されており、フィールドの縦方向の移動がずっと自由になった。前作ではよじ登れる場所が限られていて「なんでここ登れないんだ」という場面があったが、今作ではその制限がかなり緩和されている。
スキルツリーと武器強化
アーロイのスキルツリーは「勇者(Warrior)」「狩人(Hunter)」「組み手(Trapper)」「探知(Infiltrator)」「機械師(Machine Master)」「自然界(Survivor)」の6系統に分かれている。それぞれが戦闘スタイルに対応しており、自分がどう戦いたいかに合わせてポイントを振り分けられる。
「勇者」は近接戦闘のコンボを強化する。「狩人」は弓の精度とダメージを上げる。「組み手」はトラップや罠の効果を増強する。「探知」はステルスと感知能力を伸ばす。「機械師」はマシンのオーバーライドと解体を有利にする。「自然界」は回復とサバイバル能力を高める。
武器にはそれぞれ強化段階があり、部品を集めることで性能が上がっていく。また各武器には複数のコイルスロットがあり、属性追加・ダメージ強化・装填速度向上などの「コイル」をはめ込んでカスタマイズできる。「この弓には電気コイルを2つ刺して対マシン戦に特化させよう」という選択が戦術の幅を広げている。
部族と世界観——6つの部族と文明の記憶
フォビドゥン・ウェスト(禁断の西部)には複数の部族が生きており、それぞれが独自の文化・信仰・政治を持っている。
テナークスは海岸の漁師と戦士の部族で、鮮やかな入れ墨と海洋文化が特徴だ。カイジャは砂漠の遊牧民で、高度な機械使いの技術を持つ。オサラムは密林の大都市「プレイアデス」を拠点とする高度な文明を築いている。ユートゥルーは宗教的な信仰で結束した部族だ。
それぞれの部族には内部の対立・歴史的な傷・アーロイとの複雑な関係がある。メインクエストだけでなく、各部族のサブクエストを追いかけると彼らの世界がどれだけ豊かに設計されているかがわかる。「ゲームの世界の住人たちに生活がある」という感触がHorizon Forbidden Westの世界没入感を高めている。
Complete Editionの内容——本編+DLC「焦熱の海辺」
本編「Horizon Forbidden West」のボリューム
本編のメインストーリーは、プレイスタイルによって異なるが概ね30〜40時間程度でクリアできる。ただしこれはほぼメインのみを追った場合で、サブクエスト・部族の依頼・収集要素も含めると70〜100時間以上になる。
マップの広さはPS5世代のゲームとして破格で、砂漠・ジャングル・雪山・海岸・都市廃墟と全く異なる地形が地続きに広がっている。新しいエリアに足を踏み入れるたびにビジュアルが一変し、「次に何が見えるか」という期待感が持続する。
DLC「焦熱の海辺(Burning Shores)」
Complete Editionに含まれるDLC「焦熱の海辺」は、本編のエンディング後に解放される追加コンテンツだ。舞台は火山活動によって海面に浮かぶロサンゼルスの廃墟——灼熱の岩礁と海が広がる独特のビジュアルが特徴。
新たな敵対組織「ファー・ゼニス」の残党との戦いを描いており、本編からの続きとして物語上も重要な内容だ。新しいマシン、新しい装備、新しいスキルが追加されており、DLC単独のプレイ時間は10〜15時間程度。「このくらいの規模のDLCが最初から含まれている」というのがComplete Editionの大きな価値だ。
「焦熱の海辺」は元々PlayStation 5専用のDLCとして発売されていたが、PC版Complete Editionには最初から含まれている。PC版から入るプレイヤーはDLCのために追加購入する必要がないのが嬉しい。
ボーナスコンテンツ
Complete Editionにはボーナスコンテンツとして以下が含まれている。
- 「ノラ族の遺産」衣装・武器セット
- ゲーム内通貨「シャード」追加パック
- 装備強化素材パック
- デジタルアートブック(閲覧可能)
- デジタルサウンドトラック
ゲームプレイに直接影響するボーナスはあくまで序盤を少し楽にする程度で、ゲームバランスを大きく崩すものではない。
マシンの種類と戦い方——どんな機械獣と戦うのか

草食系・肉食系・索敵系のマシン
Horizon Forbidden Westに登場するマシンは大きく「草食系(Grazer)」「肉食系(Predator)」「輸送系(Transport)」「索敵系(Watcher)」「大型系」など複数のカテゴリーに分かれている。それぞれ行動パターンが全く異なり、同じ弓で戦うとしても立ち回りは全然違う。
草食系のマシンは基本的に攻撃してこない。こちらが近づきすぎたり脅かしたりすると逃げるか反撃するかだ。素材集めや部品集めで有用で、オーバーライドして乗り物にすることもできる。索敵系のウォッチャーは集団で周囲を警戒しており、群れの仲間がやられると仲間を呼ぶ。これを無音で処理できると「上手く狩れた」という達成感がある。
大型の肉食系マシンは戦闘の見せ場だ。「テラウィング」(大型の翼竜型)、「ストームバード」(嵐を起こすワシ型)、「タイデウォーター」(クジラ型・水中)など、ボス級の大型マシンとの戦いは視覚的にも戦術的にも圧倒的だ。これらは体が大きいぶん攻撃パターンも複雑で、部位破壊のチャンスを見計らいながら戦う必要がある。
新登場マシンの特徴
前作から引き続くマシンに加えて、今作では禁断の西部ならではの新種のマシンが多数登場する。
「スランプバック」は沼地に棲む巨大なカバ型マシンで、水中と陸上を行き来する。水中に引き込まれると一気に不利になるため、陸上に誘い出しながら戦う必要がある。「シェルスナッパー」は亀の甲羅を持つ防御型のマシンで、正面からの攻撃が弾かれる。脚部の装甲を破壊してひっくり返すか、背後に回り込む必要がある。
「フロストクロー」は前述の通り氷の環境に棲む大型熊型マシンで、突進と爪攻撃の組み合わせが非常に速い。初めて戦うと対策なしには瞬殺される。逆に弱点を把握した後は「この動きが来たらここに移動してこれを撃つ」という戦術が確立して、勝てるようになる達成感がある。
「スクラウドライダー」はオーバーライドして乗れる高速移動型のマシンで、非常に速いが操作が難しい。乗りこなせると広いフィールドの移動が爽快で、「このマシンを移動手段にしたい」と思わせてくれる。
「マシン・ストライク」——戦略ボードゲームの要素
ゲーム内には「マシン・ストライク」というボードゲームが存在する。各部族の居住地にいるNPCと対戦できるチェスに近い戦略ゲームで、マシンを模した駒を使って相手の拠点を攻めるものだ。
本筋のアクションとは全く別のゲームだが、これがなかなか奥が深い。駒ごとに移動範囲と攻撃パターンが違い、相手の駒の特性を読みながら手を組む戦略性がある。「息抜きにちょっとやるか」と思ったら熱中して1時間経っていた、という体験をしたプレイヤーが多い。コレクター要素もあり、新しい駒を集めることで戦術の幅が広がる。
「カルジャ・スピナー」——音楽ゲーム的な要素
同様にゲーム内ミニゲームとして「カルジャ・スピナー」という円盤投げのような競技もある。こちらはフィールドに設置されたターゲットに向かって円盤を投げるシンプルな内容だが、角度と力の加減を調整しながら高スコアを狙う射的のような楽しさがある。
このようなミニゲームや余暇的なコンテンツが散らばっているのも、「この世界の人々が実際に生活している」というリアリティを生む要素のひとつだ。
なぜここまで人気なのか——PC版が高評価を維持する理由
視覚的な完成度が他と一線を画している
正直に言って、Horizon Forbidden West Complete EditionのグラフィックはPC向けゲームの中でも突出している。
葉一枚一枚が揺れるジャングル、水面に映り込む空、砂丘の細かい砂粒のテクスチャ、人物の肌の毛穴まで描き込まれたモデリング——これが動くゲームのリアルタイムグラフィックとして成立している事実が、初めてプレイした人に「これ本当にゲームか」という驚きを与え続けている。
PC版はPS5版をさらに上回る設定が可能で、4K解像度・60fps以上・光源の精細な表現・シャドウの解像度上限解除などが加わっている。高性能なGPUを持っているプレイヤーにとっては、ゲームとして以前に「PCの性能を見せびらかすためのショーケース」として機能するくらいの映像品質だ。
21:9のウルトラワイドモニターや32:9のスーパーウルトラワイドモニターにも対応しており、横に広がる景色がさらに広角に広がる体験はPS版では不可能だった。
マシンというコンセプトが独創的すぎる
Horizonシリーズ最大の独自性は「機械獣」という世界観だ。恐竜・イノシシ・ワシ・クジラ・ゾウ——あらゆる動物を模した機械が生態系を形成している、このコンセプトは最初に聞いた瞬間から「なぜ機械なのか」という謎を植え付ける。
そしてその謎への答えが物語で少しずつ明かされていく構造が、ゲームを進めるモチベーションとして強力に機能している。「次の遺跡に行けばまた何かわかるかもしれない」「あのマシンの設計図の意味は何だろう」——世界の謎とゲームの進行が一体化している。
マシンのデザイン自体も見事で、動物の骨格・筋肉・動きの法則をしっかりと機械的に再解釈している。フォトモードで止めてじっくり見ると、各マシンの造形の精緻さがわかる。「倒すのはもったいない」と感じる美しさがある。
前作から続く世界の謎の深さ
Horizon Forbidden Westのストーリーは、前作Horizon Zero Dawnを遊んでいる人には特に刺さる内容だ。前作で「人類はどうやって滅んだのか」「GAIAとは何か」「アーロイはなぜ生まれたのか」という謎が明らかになったが、今作ではその先——「世界を再建するために何が必要か」「NEMESISとは何者か」「ファー・ゼニスは誰なのか」——という新たな問いが積み上がっていく。
前作未プレイでも本作単独でのプレイは十分に成立するが、前作の記憶を持って今作をプレイすると「あのシーンがこういうことだったのか」という発見が何度もある。シリーズを通して読み込むとゲーム全体が一つの壮大なSFとして完成していく感覚がある。
このゲームに登場する「古き世界」の歴史は現実の地球の歴史をベースにしており、廃墟に落ちているデータログを読むと「かつてここで何が起きたか」が断片的に明かされる。ただ強くなるためでなく、世界の記録を読むためにも探索が楽しくなる。
部族文化の描き込みが本物らしい
Guerrilla Gamesは世界各地の部族文化や先住民族の文化を参考にしながら、ゲーム内の各部族を設計した。テナークスの彫刻や入れ墨、カイジャの砂漠の生活様式、ユートゥルーの宗教的な儀式——それぞれが「作り物っぽくない」リアルさを持っている。
またキャラクターの多様性も意識的に取り入れられており、様々な外見・バックグラウンドを持つキャラクターがストーリーの中で対等な存在として描かれている。これが「この世界は本当に成立しているんだ」という説得力につながっている。
PC移植の品質が高い
PC版の移植を担当したNixxes Softwareは、PlayStationタイトルのPC移植を専門とするスタジオだ。Horizon Zero Dawnの初期PC版が最適化問題で批判を受けた経緯から、Horizon Forbidden Westのチームは移植品質に特別な注意を払った。
NVIDIA DLSS 3(フレーム生成対応)、AMD FSR、Intel XeSSとアップスケーリング技術の選択肢が揃っており、中程度のGPUでも高解像度相当の映像が出しやすい。DualSenseのハプティクスフィードバックと適応トリガーにも対応しており、PS5版で評判だった「弓を引く手応えが指に伝わる」体験がPC版でも可能だ。
HDR対応も実装されており、HDRモニターを持っているプレイヤーは朝焼けや夕暮れの色彩表現がさらに豊かになる。
「PC版で初めてプレイしたが、これが今まで見た中で一番綺麗なゲームだった。グラフィックだけでなくゲームとしても非常に楽しかった。マシンとの戦いが予想以上に戦術的で、難しいがちゃんと対策すると倒せる達成感がある。」
Steamユーザーレビューより
「前作Zero Dawnから大好きなシリーズ。PC版は映像のアップグレードが素晴らしく、前作でもきれいだと思っていたのにさらに上があったと驚いた。DLC「焦熱の海辺」もComplete Editionに入っているので追加購入なしで全部遊べるのもいい。」
Steamユーザーレビューより
注意点——正直に伝える
ストレージ容量が150GB必要
Horizon Forbidden West Complete Editionはインストールに150GBのSSDが必要だ。これは近年の大作PCゲームの中でも大容量の部類に入る。SSDが推奨されており、HDDでの動作は公式に非推奨となっている。
500GB〜1TBのSSDを使っているなら、他のゲームと合わせるとかなりの容量を圧迫する。インストール前にストレージの空き容量を確認しておくことをお勧めする。
メモリは16GB必須
最低スペックの時点でRAMが16GB必要だ。8GBではプレイできないため注意が必要。現在のPCゲームの主流は16GB以上になりつつあるが、まだ8GBで使っている人は先にメモリを増設することを考えてほしい。
ストーリーが複雑でわかりにくい部分がある
Horizon Forbidden Westの物語は壮大なSFで、登場人物・組織・AIの名前が多く、世界の仕組みがかなり複雑だ。前作Horizon Zero Dawnを遊んでいないと序盤から話についていくのが難しい場面がある。
ゲーム内に「ノート」や「データログ」で世界観の補足説明があるが、それを全部読むのは時間がかかる。「ストーリーを深く理解したい」なら前作から始めることを強くお勧めする。前作も現在PC版がSteamで入手可能で、こちらも高評価の作品だ。
前作未プレイでも物語の大筋は追えるが、「なぜアーロイがここまで特別な存在なのか」「なぜ世界がこうなっているのか」という核心的な謎の感動は、前作ありきで味わえるものだ。
操作性——パルクールの感触に慣れが必要
一部のプレイヤーからは「崖を登る・飛び越えるパルクール系の操作が思い通りにいかない場面がある」という指摘がある。アーロイが登れる場所とそうでない場所の判断基準が直感的でなく、「あそこに行けそうなのにいけない」というもどかしさを感じる場面が時々起きる。
前作からの改善点ではあるが、完全に解決されたわけではない。コントローラーでの操作とマウス&キーボードの操作で感触が異なり、特に崖登りと水中移動はコントローラーの方が自然に感じる人が多い。
一部のサブクエストがメインストーリー進行依存
サブクエストの中には、メインストーリーの特定チャプターを進めるまで受注できないものがある。「全部やってからメインを進める」スタイルで遊びたい人には、この制限が少し気になる場面もある。ただし逆に言えば「何から手をつければいいかわからない」という状況になりにくい構造でもあるので、好みが分かれる部分だ。
比較的ライン的なオープンワールド設計
一部のプレイヤーからは「見た目はオープンワールドだが、実質的にはメインストーリーに沿って進む構造が強い」という指摘がある。特定のクエストが完了するまで特定エリアに入れなかったり、マーカーが常にメイン目標を指したりするため、「完全に自由に動き回れる」感覚より「ガイドされながら広いフィールドを旅する」感覚が近い。
これをマイナスと感じるかどうかは好みの問題で、「迷子にならず確実に物語を追える」という観点では初心者に優しい設計でもある。ただし「Skyrimや原神のような完全自由型オープンワールド」を期待するとギャップを感じる可能性がある。
前作Horizon Zero DawnとのPSNアカウント連携
Steamで購入した場合、PSNアカウントとの連携は任意だ。連携することで「ノラ族の遺産」衣装・武器セットが解放されるが、ゲームプレイ上は必須ではない。PSNアカウントを持っていない人も問題なくプレイできる。
PC版ならではの要素

グラフィック設定の幅広さ
PC版Horizon Forbidden West Complete Editionは、コンソール版を大きく上回るグラフィック設定のカスタマイズ性を持っている。テクスチャ品質・影の解像度・アンビエントオクルージョン・反射品質・植生の密度など、細かい項目をスペックに合わせて調整できる。
高性能なGPUを持っているなら、PS5版では不可能だった「4K・60fps以上・全設定最高」という環境が実現できる。逆に古いPCでも設定を下げれば、最低スペック(GTX 1650 4GB)でも動作する。自分の環境に合わせた最適なバランスを探せる柔軟性は、PC版の大きな強みだ。
DLSS3・FSR・XeSS対応
RTX 40シリーズのGPUを持っているなら、DLSS 3のフレーム生成機能が使える。これは実際に描画したフレームをAIが補間して、描画負荷を増やさずに倍のフレームレートを生成する技術だ。4K・高設定でもフレームレートが確保しやすくなる。
NVIDIAのGPU以外でもAMD FSRやIntel XeSSが選べるため、AMDやIntelのGPUを使っているプレイヤーも恩恵を受けられる。
DualSenseのハプティクスと適応トリガー
PC版でPS5コントローラー「DualSense」をUSBで接続すると、PS5版で評判だったハプティクスフィードバックと適応トリガーを体験できる。
弓を引くとき右トリガーが徐々に重くなり、満引きで「カチッ」という手応えが来る。機械獣が近くを歩くときに振動の質感が変わる。雨粒がコントローラーを叩くような細かい振動——これらを実際に体験すると、なぜPS5版でこの機能が評判になったのかがわかる。DualSenseがある人はぜひUSB有線接続で試してほしい。
ウルトラワイド・スーパーウルトラワイド対応
21:9(ウルトラワイド)および32:9(スーパーウルトラワイド)の解像度に完全対応している。横に広がる禁断の西部の景色が、モニターの端から端まで広がる体験はPS版では不可能だ。特に水平線が続く海岸や広大な砂漠のシーンは、ウルトラワイドで見ると全く別の体験になる。
フレームレート上限解放
PS5版は最高60fpsだったが、PC版はフレームレートの上限が解放されており、120fps・144fps・240fpsなど高リフレッシュレートモニターのポテンシャルをフルに活かせる。特に戦闘中のアクションは高フレームレートで一段と滑らかになり、弓の照準精度も上がる感覚がある。
マウス&キーボードとコントローラー
マウス&キーボードにも対応しており、特に弓の照準精度はマウスを使った方が高くなる場面がある。ただし全体的な操作感はコントローラーの方が自然で、特に移動・パルクール・近接戦闘のリズムはアナログスティックとの相性がいい。
どちらでもプレイできるが、アクションRPGとして没入して遊ぶならコントローラーをお勧めする。DualSenseがあれば一番いいが、XboxコントローラーでもSteam版は問題なく動作する。
初心者へのアドバイス——はじめて遊ぶ人へ
前作Horizon Zero Dawnから始めるかどうか
「前作を遊んでいないが今作から始めていいか」という疑問をよく見かける。結論から言うと、今作単独でもストーリーは追えるし楽しめる。ゲーム内にも前作のあらすじ確認機能がある。
ただし個人的な意見を言えば、時間があるなら前作Horizon Zero Dawnから始めることをお勧めする。前作はPC版Steamで購入でき、価格も今作より安い。前作でアーロイが誰なのか、この世界がどうなっているのかを知った状態で今作をプレイすると、物語の感動が大きく変わる。「なぜアーロイがこれほど孤独なのか」「GAIAとは何のために存在したのか」——その背景が前作で描かれているからだ。
もし今作をすでに購入したなら今作から始めて問題ない。面白いと思ったら後から前作を遊んで「あれはこういうことだったのか」と振り返る楽しさもある。
難易度は「普通(Normal)」から始める
難易度は「Story」「Easy」「Normal」「Hard」「Very Hard」の5段階がある。アクションゲームに慣れていれば「Normal」から始めることをお勧めする。マシンとの戦いは序盤こそ難しく感じるが、弱点属性と部位破壊を覚えていくと「Normalでも十分な歯応え」がある。
「Storyモード」はストーリーを重視して戦闘の難しさを大幅に下げたモードで、アクションが苦手な人でも最後まで楽しめる。「Very Hard」はかなりシビアで、マシンの動きを全て把握した上でも緊張感が続く。最初は「Normal」で始めて、「少し楽すぎるな」と感じたら「Hard」に上げればいい。難易度はいつでも変更できる。
序盤のうちに「スキャン」の習慣をつける
アーロイのバイザー(ARゴーグル)で周囲をスキャンすると、マシンや敵の弱点情報・体力・ドロップアイテムが表示される。戦闘前にスキャンする習慣をつけると、「このマシンは火炎弱点なんだ」「あの部位を狙うと大ダメージが入るんだ」という情報が常にわかり、戦闘の効率と楽しさが大幅に上がる。
序盤は「とりあえず攻撃」でも進めるが、中盤以降のマシンは難しくなるためスキャンと弱点攻撃が実質的に必須になっていく。早いうちにスキャンしてから戦う流れを身につけておくといい。
武器は複数種を持ち歩く
弓・ボルト撃ち・ロープキャスター——それぞれ得意な場面が違うため、複数の武器を装備スロットに入れておくことをお勧めする。特に序盤のうちに「氷結系武器」と「火炎系武器」の両方を準備しておくと、多くのマシンの弱点に対応できる。
中盤以降はマシンの種類が増えて弱点の属性も多様になるため、「状況によって切り替えられる武器のセット」を用意しておくと戦闘が楽になる。
「キャルデムの大釜」を積極的に攻略する
フィールドに点在する地下施設「キャルデム(Cauldron)」を攻略すると、オーバーライドできるマシンの種類が増える。特にウマ型マシン「ストライダー」のオーバーライドが解放されると移動が格段に快適になる。序盤のうちに最初のキャルデムを攻略することを強くお勧めする。
データログとノートを読む習慣をつける
フィールドや廃墟で拾えるデータログ・ノートには、世界の歴史とストーリーの謎を深掘りする情報が詰まっている。「強くなるためのヒント」だけでなく、「なぜ世界がこうなったのか」という謎の断片がここに隠れている。全部読む必要はないが、遺跡で見つけたデータログは習慣的に読んでおくとストーリーの理解度が全然違う。
フォトモードは積極的に使う
D-pad(十字キー)左長押しでフォトモードに入れる。このゲームはどの瞬間を止めても絵になる。機械獣と戦闘中、夕暮れの断崖の上、霧に包まれた森の中——遠慮なく止めて撮影していい。
フォトモードはカメラの位置・向き・焦点距離・絞り・深度・フィルター・カラーグレーディングが自由に調整できる。Steamのスクリーンショット機能と合わせて使えば、映画のポスターのような写真が撮れる。SNSでシェアすると「ゲームのスクリーンショットとは思えない」という反応が来ることも多い。
Horizon Forbidden West Complete Editionの魅力をさらに深掘り

サウンドデザインと音楽の完成度
Horizon Forbidden Westの音楽は作曲家のJoris de ManとNiels van der Leestを中心としたGuerrillaの内部チームが担当した。前作でも評価が高かったサウンドトラックが今作でさらに進化しており、原始的な楽器と電子音楽が融合した独特の世界観を形成している。
マシンとの戦闘中は緊張感のある電子的なサウンドが鳴り、静かなフィールドを歩くときは風と虫の音の中に柔らかい楽器が溶け込む。朝焼けの海岸に立つと光の色と音楽が一体化して「この世界にいる」という感覚が強まる。
マシンの音も凝っていて、それぞれのマシンが独自の機械音・歩行音・警戒音を持っている。草むらの向こうから聞こえてくる金属音で「あれはグレイザー(草食系)かウォッチャー(索敵系)か」が判断できるようになる。サウンドが戦術情報として機能している。
ナラティブデザイン——脇役の深さ
Horizon Forbidden Westのストーリーでアーロイと同行する仲間たち——エレンド、ポシェ、アルバ、ゾー、ヴァールなど——それぞれが独立したバックストーリーと個性を持っている。彼らを深掘りするサブクエストを追いかけると、メインストーリーとは別の人間ドラマが見えてくる。
特にエレンドとアーロイの関係の変化は、今作の感情的なハイライトのひとつだ。「孤独に戦い続けてきたアーロイが誰かを信頼することを学ぶ」という内的な物語が、彼らの会話の中に少しずつ積み上がっていく。
脇役の声優陣も充実しており、Lance Reddick(エレンド役・享年)、Angela Bassett(レガーラ役)、Carrie-Anne Moss(ティルダ役)など実力派が揃っている。特にLance Reddickは惜しくも2023年に逝去しており、彼の演技が聴けるゲームとしても今後貴重になっていく。
探索の「発見の喜び」——廃墟と遺跡の設計
フォビドゥン・ウェストのフィールドには、古き世界——現代の私たちの世界——の廃墟が散らばっている。ゲームの中でキャラクターたちが「古き地の遺物」と呼ぶものは、プレイしている私たちには「現代の建物・乗り物・技術」として認識できる。
「これはビルの廃墟だ」「これは空港だった場所だ」「あそこに見えるのはダムじゃないか」——未来人の目線と現代人の目線が重なる瞬間が、このゲームのナラティブの巧みさだ。ただの廃墟が「かつてここで人々が生きていた証拠」として見えてくる。その感覚があると、フィールドの探索が全く違う意味を持ち始める。
アクセシビリティへの配慮
Horizon Forbidden West Complete Editionはアクセシビリティ機能が充実している。難易度のカスタマイズ(各パラメーターを個別調整)、字幕サイズと背景の調整、コントローラーのボタン配置変更、高コントラストモード、照準補助の強度調整など、様々なプレイヤーが遊びやすいよう設計されている。
「アクションが苦手だけどストーリーは体験したい」というプレイヤーでも、Storyモードと照準補助を組み合わせることで最後まで楽しめる。ゲームの醍醐味を難易度の壁で閉じてしまわない設計は、今作が幅広い層に受け入れられている理由のひとつだ。
Steam実績とやり込み要素
Steam実績は全80個。ストーリーをクリアするだけでなく、全部族のクエスト完了・全タイプのマシンのオーバーライド・全エリアのクリアなど、やり込み要素を全て達成することで解放されるものも多い。
完全クリアを目指すと100時間以上はかかるが、コンプリート思考でなければ「メインストーリー+好みのサブクエスト」で40〜60時間程度という目安になる。「一本のゲームをしっかり遊び尽くしたい」タイプのプレイヤーには、ボリューム面でも十分に応えてくれる。
フィールドの地形多様性——禁断の西部は何でできているか
砂漠・ジャングル・雪山・海岸——全部ある
Horizon Forbidden Westのフィールドが他の多くのオープンワールドと根本的に違うのは、ひとつの世界の中にこれだけの地形の種類が詰まっていることだ。
序盤の砂漠地帯は灼熱の砂と赤い岩盤が広がる荒野だ。水が少なく、そこに適応したマシンが棲んでいる。中盤に差し掛かると熱帯のジャングル地帯に入り、薄暗い木立の中に巨大マシンが潜んでいる。北部には雪山と氷河があり、吹雪の中で視界が遮られながら戦う緊張感がある。海岸沿いはまた全く違う雰囲気で、波打ち際に廃墟が沈んでいる。
これらの地形が地続きに接続されているため、ゲームをプレイしていると「砂漠を抜けたらいきなりジャングルに入った」という驚きが何度もある。新しい地形に足を踏み入れるたびにビジュアルと環境音が一変し、「次に何が見えるか」という期待感が途切れない。
廃墟と自然の融合——現代との重ね合わせ
フォビドゥン・ウェストの各地には、現代の私たちが見れば「ああ、あれはラスベガスの廃墟だ」「あそこに見えるのはハリウッドサインの跡だ」と気づける場所が点在している。ゲームの登場人物たちはそれを「古き地の遺物」として神秘視しているが、プレイヤーには「これは自分たちの文明の末路だ」という奇妙な既視感がある。
この「未来の目線から見た現代」という構造が、Horizonシリーズのナラティブの独自性を生んでいる。廃墟を探索することが単なる「強化素材集め」ではなく、「失われた文明の記憶を掘り起こす行為」として感じられる。データログに残された「普通の人々の記録」を読んでいると、その時代の人々がいかに自分たちと変わらない存在だったかがわかる。そしてその人々がどうなったかを知っているプレイヤーには、それが切なく響く。
「オメガ・グレイン」と各地のフィールドギミック
フィールドの各所には謎の機械装置や古き世界の遺跡が設置されており、これらを調べると特殊なアクション要素が発生する。磁力フィールドを利用して壁を登る「グリップポスト」、熱気流に乗って高く飛ぶ「サーマルベント」、水中の鍵を解除して新エリアに入る「アンダーウォーターロック」など、各地形に応じたフィールドギミックが探索を単調にしない工夫をしている。
これらのギミックはパズル的な楽しさもあり、「この装置はどう使えばいいんだろう」と考えながらフィールドを読む楽しさがある。特にキャルデム(地下施設)の内部は完全に探索パズルの構造になっており、外のオープンワールドとは別のゲームをやっているような感覚になる。
他のゲームとの比較——どんな立ち位置か

Horizon Zero Dawnと比べて
前作Horizon Zero Dawnと比べると、今作は全ての面で規模が大きくなっている。マップが広く、マシンの種類が多く、戦闘システムに近接コンボが加わり、水中探索が追加され、グラフィックもさらに上がった。
ただし「前作の方が好き」という意見も一定数ある。前作はシンプルな構成で世界の謎に集中できたのに対し、今作はコンテンツが多すぎて「何をすればいいのか」という迷いが生じやすいという指摘だ。どちらが優れているということではなく、「前作の良さをそのままに大きく膨らませた続編」という位置づけだ。
God of War: Ragnarökと比べて
同じPlayStation系のPC移植大作として比較されることが多いのがGod of War: Ragnarökだ。両作品はどちらも映画的な演出と高品質なグラフィックを持つシングルプレイアクションRPGだが、方向性はかなり違う。
God of War: Ragnarökは「ほぼ一本道の演出重視のアクション」で、映画を見ているような体験に近い。Horizon Forbidden Westは「広大なオープンワールドを自分で探索する体験」が中心だ。「演出と物語の密度」はGod of Warが上かもしれないが、「世界を自由に探索する自由度と規模」はHorizonの方が大きい。どちらも遊んでほしいが、どちらか一方を選ぶなら自分のプレイスタイルに合う方を選ぶといい。
The Witcher 3と比べて
オープンワールドRPGとして比較されることがあるThe Witcher 3だが、こちらは「会話・選択・モラル的な判断」でストーリーが分岐する構造が強い。Horizon Forbidden Westはプレイヤーの選択による分岐は少なく、アーロイの物語を「追体験する」方向性が強い。
「自分の選択で世界が変わるRPG」を求めるならThe Witcher 3の方が向いている。「映像と世界観の没入感を重視した探索型アクションRPG」を求めるならHorizon Forbidden Westが向いている。
アサシン クリードシリーズと比べて
広大なオープンワールドを探索しながらストーリーを進めるという点で、アサシン クリードシリーズと構造が近い。ただし大きな違いは「マシンとの戦闘の戦術的な深さ」だ。アサシン クリードのシリーズは近年RPG要素が増しているが、敵との戦いは「数字が大きい方が強い」という側面が強い。
Horizon Forbidden Westは数字よりも「弱点を理解して戦う」設計が強く、同じ強さのマシンでも対策なしと対策ありで全く違う戦いになる。「戦術的な戦闘が好き」なら Horizonの方が向いている。「膨大なコンテンツを段階的にこなす達成感が好き」なら両方向いているかもしれない。
こんな疑問によく答える——よくある質問
前作を遊んでいないと話がわからない?
ゲーム起動時に前作Horizon Zero Dawnのあらすじを映像で確認できる機能がある。それを見れば今作のストーリーの大筋は追えるし、登場人物の関係も把握できる。ただし「なぜアーロイがこれほどこの世界に執着しているのか」「GAIAが何者で何をしようとしたのか」という感情的な核心は、前作を通じて初めて腑に落ちる部分が多い。時間があるなら前作から、急いでいるなら今作単独でも大丈夫——という判断でいい。
難易度は高い?
「Normal」は慣れないうちは大型マシンに手こずるが、弱点を覚えれば対処できる難易度だ。「アクションゲームが苦手」という人は最初は「Easy」か「Story」にして、慣れてきたら上げればいい。難易度変更はいつでもメニューからできるので、「詰まったら下げる」という使い方が気軽にできる。
日本語に完全対応している?
テキスト・UIは完全日本語対応。音声は日本語音声・英語音声を選択できる。日本語音声のクオリティは非常に高く、主人公アーロイ(CV:田村睦心)をはじめとするキャスト陣の演技は映画級だ。英語音声で遊びたい場合も日本語字幕で追える。
PCスペックが不安——動くか確認したい
最低スペックはGTX 1650 4GB・Core i3-8100・RAM 16GBで、これ以上なら起動できる(設定を下げる必要はある)。RTX 3060相当以上あれば1080p・中設定・60fpsは快適に出る。4K・高設定を狙うならRTX 3080以上が欲しい。SteamのシステムスペックページとSteamコミュニティハブに、GPU別のベンチマーク報告が多数投稿されているので、自分の環境と照らし合わせて確認することをお勧めする。
セール頻度はどのくらい?
SteamのサマーセールやウィンターセールなどSteam定期セール時に割引されることが多い。過去の履歴では30〜40%引きになったことがある。ウィッシュリストに登録しておくと価格変動のメール通知が届くので、定価で買うのが惜しいと感じるなら登録しておくといい。
関連ゲームと内部リンク
Horizon Forbidden West Complete Editionのような高品質なシングルプレイアクションRPGが好きな人には、以下も参考にしてほしい。
- 「Ghost of Tsushima DIRECTOR’S CUT」侍として生きた対馬の記憶が、今も頭から離れない — 同じPlayStation系のPC移植大作。映像美とアクションの手触りが近い。「オープンワールドアクションで没入したい」人に。
- 「God of War: Ragnarök」北欧神話を舞台にした映画的アクションRPG — 同じPC移植の高品質アクションRPG。演出重視でストーリーに集中したいなら。
- 「Dying Light」夜が来ると世界が変わる、絶望的に面白いオープンワールドゾンビゲーム — オープンワールド探索の楽しさが似ている。探索重視のアクションゲームが好きなら。
- 「Middle-earth: Shadow of War」広大なオークの世界を支配する戦略的アクション — 広大なオープンワールドと戦闘の深さを兼ね備えたアクションRPG。
- PCアクションRPG一覧 — 当サイトが紹介するアクションRPGをまとめて探せる。
- オープンワールドゲーム一覧 — 広大な世界を自由に探索できるゲームをジャンルでまとめて紹介。
- ゲーム街トップ — ジャンル・目的別にPCゲームを探せるトップページ。
まとめ——禁断の西部は、まだそこにある
Horizon Forbidden West Complete Editionは、「PCゲームで体験できる映像の頂点」のひとつだ。機械獣が満ちた広大なフィールド、廃墟と自然が混在する世界、属性と弱点部位を読み合う戦術的な戦闘——これらが一体になって、長いプレイ時間の中でも「まだ先に行きたい」という気持ちを持続させてくれる。
ストーリーも単純ではない。「世界はなぜこうなったのか」という謎の追求と、「アーロイという人間が成長していく」内的な物語が平行して動いており、クリアした後にも何かが残る。「機械獣を倒すゲーム」以上のものが、この作品にはある。
マシンの種類は前作から大幅に増え、大型マシンとの戦いのたびに「どうすれば倒せるか」を考えさせられる。それが毎回違う答えを要求してくるので、同じ戦闘の繰り返しになりにくい。「弓で弱点を狙い続けるだけのゲーム」という先入観は、最初の強敵に出会った瞬間に消える。
PC版の強みも本物だ。4K・高フレームレート・ウルトラワイド対応、DLSS3によるフレーム生成、DualSenseのハプティクス——コンソール版では体験できない形でこのゲームを楽しめる環境が整っている。高性能なGPUを持っているなら、まずこのゲームで性能を試してみてほしい。きっと満足できる。
「前作を遊んでいないが大丈夫か」という人も安心してほしい。今作単独でも十分楽しめる。ただ、もし時間があるなら前作Horizon Zero Dawnから始めることをやはりお勧めしたい。アーロイが誰で、この世界がどうなっているのかを知った状態で禁断の西部へと足を踏み入れると、最初の景色の意味が全く違って見えるはずだ。
DLC「焦熱の海辺」まで含めると60〜80時間は遊べる。Complete Editionとして最初からDLCが含まれているのも、PC版から入るプレイヤーには嬉しい。セール時には大幅割引になることも多いので、ウィッシュリストに入れておいて価格が下がったタイミングで購入するのも賢い選択だ。
「映像が綺麗なだけのゲームじゃないか」という疑念を持って始めたとしても、最初の大型マシンとの戦いで戦術の奥深さに気づき、最初のデータログで世界の謎に引き込まれ、最初の仲間との会話でアーロイという人間を好きになっていく。その積み重ねが70時間のプレイを支えている。
あの崖の上から地平線を眺める瞬間——「あそこまで行ってみよう」という気持ちが一度でも湧いたなら、このゲームはあなたのために作られていると思う。
Horizon Forbidden West™ Complete Edition
| 価格 | ¥7,590 |
|---|---|
| 開発 | Guerrilla, Nixxes Software |
| 販売 | PlayStation Publishing LLC |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル |

