Batman Arkham Knight

Batman: Arkham Knight|バットマンとして生きた夜が、今も忘れられない

クリアしてから何日も、あのゴッサムシティの夜景が頭から離れなかった。霧雨に濡れた路地、高層ビルの隙間から見える光、そしてどこまでも続く暗闇の空をケープで滑空する感覚。あれだけ壮絶なフィナーレを迎えたのに、もう一度あの世界に飛び込みたいという気持ちが止まらなかった。

Batman: Arkham Knightは、Rocksteady Studiosが開発したアクションアドベンチャーゲームだ。バットマン アーカム三部作の完結編として2015年にリリースされ、圧倒的なビジュアルとゲームプレイで全世界のプレイヤーを魅了した。DC コミックス屈指の人気ヒーロー「バットマン」の物語を、シリーズ最高の規模と演出で締めくくった一作だ。

Steamのレビューは「非常に好評」(約78%)——発売直後のPC版に大規模な最適化問題が起きたことで低評価が重なったが、現在は修正が進んでおり、ゲーム本体の内容に対しては世界中のプレイヤーから高い評価を受けている。アーカムシリーズ全体の累計販売本数は3,000万本以上に達しており、スーパーヒーローゲームの金字塔として語り継がれている作品だ。

「バットマンになりたい」という欲望を究極の形で叶えてくれるゲームが、これだ。ただそれだけじゃない。ゴッサムシティという巨大な舞台、練り込まれたシナリオ、爽快すぎるバットモービルとケープでの移動、そして容赦ない悪役たちとの頭脳戦——すべてが一体となって、「俺はバットマンだ」という没入感を作り上げてくれる。この記事では、Batman: Arkham Knightがどんなゲームなのか、なぜこれほど愛されているのかを全部書く。

目次

こんな人にドンピシャなゲームです

Batman™: Arkham Knight その他アクション スクリーンショット1
  • バットマンが好きな人、DC コミックスやバットマン映画のファン
  • 爽快な近接格闘アクションが好きな人
  • 広いオープンワールドを自由に飛び回りたい人
  • 高速で乗り回せる車(バットモービル)が出てくるゲームが好きな人
  • ストーリー重視で、緊張感のある心理戦・頭脳戦を楽しみたい人
  • スーパーヒーローものだけど「ダークで大人向けな物語」を求めている人
  • 探索・収集・やり込み要素が豊富で長く遊べるゲームを探している人
  • アーカムシリーズ前作(Asylum・City・Origins)をプレイ済みでシリーズの結末を見たい人
  • 映画並みの演出と声優演技でゲームを楽しみたい人

逆に「マルチプレイ・対戦重視」「リアル系シミュレーション」「ファンタジーRPG」方向のゲームを求めているとミスマッチになる可能性がある。Batman: Arkham Knightは基本的にシングルプレイのアクションアドベンチャーで、オンライン要素はほとんどない。ただ、後述するDLCコンテンツの豊富さと本編のボリュームで、1本のゲームとして相当長く遊べる。

ゲーム概要——ゴッサムシティ最後の夜

どんな物語か

ある日、ゴッサムシティ全体を恐怖に陥れる毒ガス兵器「スケアクロウ毒素」の散布予告が届く。スケアクロウことジョナサン・クレインが街全体の市民を人質にとり、バットマンに最後の戦いを挑んできた。市民は避難し、ゴッサムシティは無法者たちの巣窟と化した。

しかし問題はスケアクロウだけではない。「アーカム・ナイト」と名乗る謎の武装軍団がゴッサムを掌握し、バットマンを追い詰めようとしている。この仮面の男は、バットマンのことを誰よりも知っているかのような行動をとる。そして物語が進むにつれて、バットマン自身の内面にも異変が起き始める——スケアクロウの毒素がもたらす幻覚と、消えたはずの男の声がブルース・ウェインの精神を蝕んでいく。

「バットマンとして戦い続けること」と「ブルース・ウェインとして生きること」の矛盾が、シリーズ最後の夜に収束する。これがBatman: Arkham Knightの物語の核心だ。

シリーズの完結編として

アーカムシリーズは2009年の「Batman: Arkham Asylum」から始まった。精神病棟アーカムアサイラムを舞台にした密室アクションアドベンチャーで、スーパーヒーローゲームの常識を変えた一作だった。2011年の「Batman: Arkham City」では舞台が広大な隔離都市に拡大し、ハーレイ・クインやキャットウーマン、マッドハッターなど多数の悪役が登場する壮大な物語が展開した。

そして2015年の「Batman: Arkham Knight」でシリーズは完結する。ゴッサムシティ全域がオープンワールドとして描かれ、バットモービルが初めてプレイアブルな乗り物として登場。グラフィックスはPS4/Xbox One世代の性能を最大限に活かした超高品質で、「アーカムシリーズの集大成」と呼ぶにふさわしい規模になった。

前作「City」のラストで衝撃的な幕切れを迎えた物語がどう終わるのか。そのための答えがすべてArkham Knightに詰まっている。シリーズを最初からプレイしてきたファンにとっては感情的なクライマックスになっており、それが今もなお語り継がれている理由のひとつだ。

開発元 Rocksteady Studios について

Rocksteady Studiosはイギリス・ロンドンに拠点を置くゲームスタジオで、ワーナー・ブラザース ゲームスの傘下にある。2004年に設立され、比較的小規模なスタジオながらアーカムシリーズで世界的な評価を得た。

彼らがアーカムシリーズで革命的だったのは、「バットマンの戦い方をそのままゲームにした」点だ。それまでのスーパーヒーローゲームはキャラクターのライセンスを借りただけの凡庸な作品が多かったが、アーカムシリーズは「バットマンとして動き、考え、戦う」感覚を徹底的に作り込んだ。その結果、スーパーヒーローゲームというジャンル全体の水準を引き上げた。Arkham Knightの後、Rocksteadyは「Suicide Squad: Kill the Justice League」を手がけたが、そちらはファンの評価が分かれており、アーカムシリーズの完成度の高さが改めて際立つ結果となった。

ゲームシステムの詳細——フリーフロー戦闘、探偵モード、バットモービル

Batman™: Arkham Knight その他アクション スクリーンショット2

フリーフロー戦闘システム——気持ちよさの設計

Batman: Arkham Knightの戦闘の核心は「フリーフロー戦闘」と呼ばれるシステムだ。複数の敵に囲まれながら、攻撃・カウンター・回避・スタン技をリズムよく繰り出し、敵を次々と倒していく。ひとつひとつの操作は比較的シンプルだが、組み合わせると信じられないほど格好いいアクションが生まれる。

このシステムの最大の特徴は「流れを維持することへの報酬」だ。攻撃を止めず、カウンターを成功させ続けることで「コンボメーター」が上がっていく。コンボが続くほど攻撃が派手になり、特殊技が解放され、経験値の効率も上がる。「コンボを途切れさせたくない」という気持ちが自然に生まれ、それがゲームのリズムを作り出す。

敵の種類も豊富で、素手の雑魚から盾持ち、電気ムチ使い、大型の装甲兵まで、同時に複数の敵タイプが混在する。盾持ちは飛び越えてから後ろから攻撃、電気ムチ使いはまず武器を奪う、装甲兵には重攻撃でスタンさせてからフィニッシュ——敵ごとに対処法が違い、それを瞬時に判断して動くのが醍醐味だ。

シリーズを重ねるごとにフリーフロー戦闘は進化しており、Arkham Knightでは「ダブルカウンター」「ケープスタン連打」「アーセナルコンボ」など新技が追加。また「バットファミリー」とのタッグ戦闘もあり、ロビン・ナイトウィング・キャットウーマンといったパートナーキャラクターを呼び出して連携技を出すことができる。

プレデター(ステルス)モード——思考する恐怖

武装した敵(銃を持っている集団)との対峙では、正面から突っ込んでも銃撃で即死する。ここで機能するのが「プレデターモード」だ。高所から敵の動きを観察し、ガーゴイル像の後ろに隠れ、通気孔の中を移動しながら一人ずつ孤立した敵を仕留めていく。

「見えない恐怖」を武器にするのがこのモードの核心だ。仲間が次々と消えていくことで残った敵は怯え始める。怯えた敵は固まって移動し、足音に反応し、パニックで仲間に撃ちかかることもある。バットマンが「恐怖そのもの」になっていく感覚は、プレデター2 や エイリアン2 を彷彿とさせるスリルがある。

「どこからでも電撃グラップルで天井に引きずり上げる」「換気口から気づかれずに吸い込む」「壁越しに音波で気絶させる」——アンロックできるガジェットが増えるほど、プレデター戦術の幅が広がる。ギミックだらけの「プレデター戦闘チャレンジ」は、攻略法を考える楽しさが詰まっている。

探偵モードとスキャニング——バットマンの頭脳

バットマンは腕力だけじゃない。「世界最高の探偵」という側面が、探偵モードとして実装されている。特殊なビジョンに切り替えると、壁越しに敵の動きが透けて見え、証拠品を発見できる。犯罪現場では残された痕跡を分析して事件を再現するシーンもあり、ゲームプレイに変化をつけている。

謎解き要素も充実している。各所に配置されたリドラーのパズルは、探偵モードを駆使しないと見つからないものも多い。「あ、こういうことか」と気づいた瞬間の爽快感は、戦闘とはまた違う達成感をもたらす。

バットモービル——もうひとつの自分

Arkham Knightで最大の新要素が「バットモービル」だ。それまでのアーカムシリーズになかったプレイアブル車両として初登場し、ゴッサムシティの広大な道路を高速で駆け抜けられるようになった。

バットモービルは単なる移動手段ではない。「追跡モード」と「戦闘モード」の二形態があり、戦闘モードでは車体がホバー移動に変形して大砲を展開する。戦車部隊との砲撃戦が繰り広げられ、バットマンが降りてからの格闘戦とシームレスに切り替わる場面は、映画のアクションシーン以上の迫力がある。

ゴッサムシティの街並みの間を高速で駆け抜けながら、グラップルフックで車外に飛び出してケープで滑空し、また飛び乗る——この「バットモービル⇔ケープ移動」のコンビネーションが気持ちよくて、目的地まで最短ルートで行かずについ遠回りしてしまう。

ただしバットモービルの使用頻度はかなり高く、メインミッションの多くがバットモービルを使うシーンを含む。「車の操作が苦手」という人にはやや難しく感じる部分もあるが、慣れると「これなしでどうやって遊んでいたんだろう」と思うくらい中毒性がある。

ゴッサムシティのオープンワールド探索

Arkham KnightのゴッサムシティはArham Cityの5倍以上の広さを持つ。中心部の三つの島(マイロンポイント、ミアガニー島、ブレストン地区)からなる巨大な都市が、夜の闇と霧雨の中に広がっている。

ケープを使ったグライド移動は、アーカムシリーズ通じて最も洗練された形に仕上がっている。ビルの端からダイブして、地面スレスレでスカイロケットしてまた高度を稼ぎ、強風地帯でブーストしながら次のビルへ——これだけで延々遊べる。「ゴッサムシティを飛び回ること自体がミニゲーム」と言われるほど、移動の手触りが気持ちいい。

市街地には様々なサイドミッション、リドラートロフィー、犯罪現場が点在している。完全にクリアしようとすると相当な時間がかかるが、どれも「ただの収集要素」ではなく、各悪役にまつわるサブストーリーとして機能している。ハーレイ・クイン追跡、ファイアフライ撃破、ペンギンの兵器ルート壊滅——それぞれが独立した小さなゲーム体験になっている。

バットモービルのパズル要素

バットモービルはアクションだけでなく、パズル解法にも使われる。特定のエリアでは車体を使って巨大なギミックを動かしたり、ワイヤーをつないで発電したりする仕掛けがある。アクション一辺倒にならないよう、知恵と試行錯誤が求められる場面が適度に挟まることで、ゲームプレイに緩急がついている。

ガジェットとアップグレードシステム

バットマンの装備(ガジェット)は豊富で、バタラン(投擲武器)、グラップルフック、爆発性ゲル、リモートハッキングデバイス、フリーズグレネード、グラップリングホーク(敵を引き寄せて壁に叩きつける)など多数が使える。

ミッションを進めることで新しいガジェットや技がアンロックされ、バットポイントを消費してアップグレードしていく。「このガジェットをここで使うのか」という発見が積み重なり、60時間以上遊んでも「まだ使いきれていない技があった」と気づくことがある。ガジェットは戦闘でもプレデターでも探索でも活用できるため、何に使うかを考える楽しさがある。

なぜこれほど人気なのか——アーカムシリーズ最終章の重み

「バットマンになれる」感覚の完成度

アーカムシリーズが他のスーパーヒーローゲームと根本的に違うのは、「キャラクターを動かしている感覚」ではなく「自分がそのキャラクターである感覚」を与えてくれる点だ。

フリーフロー戦闘のリズム、ケープでの滑空の浮遊感、プレデターモードで暗闇に潜む緊張感——どれも「バットマンならこう動くだろう」という想像と一致している。コミックスや映画で見てきたバットマンの戦い方が、そのままゲームコントローラーで再現される。これが「バットマンになれる」と多くのプレイヤーが口にする理由だ。

Arkham Knightではその完成度がシリーズ最高に達している。バットモービルを運転しながらゴッサムシティを走り、降車してケープで飛んで、着地と同時に格闘を始める——このシームレスな流れに断絶がない。ゲームを操作しているという感覚が薄れ、本当にゴッサムシティにいるような錯覚が起きる。

ジョーカーとバットマンの関係が完結する

ネタバレになるため詳細は書かないが、Arkham Knightにはジョーカーが深く関係している。Arkham CityのラストでジョーカーとバットマンのArkhamシリーズにおける関係は一応の決着を迎えたが、Arkham Knightでは「それでも消えないジョーカー」という形で、バットマンの精神に刻みつけられた宿敵の影が描かれる。

ジョーカーを演じるのは「マーク・ハミル」だ。スター・ウォーズのルーク・スカイウォーカーで知られる俳優だが、アーカムシリーズのジョーカー役は彼の代表的な仕事のひとつとして語られるほどの名演だ。狂気的なユーモアと本物の殺意が混在するジョーカーの声は、このゲームの恐ろしさと面白さの大きな部分を占めている。

「ジョーカーとバットマンの物語」という視点でシリーズを追ってきたプレイヤーにとって、Arkham Knightのラストは感情的に強烈な体験になる。それがこのゲームが長く語り継がれている理由のひとつだ。

バットマン声優「ケヴィン・コンロイ」の最後の仕事

バットマン役のケヴィン・コンロイは、1992年のアニメ「バットマン」から30年以上にわたってバットマンの声を担当してきた「バットマン声優の本家」だ。2022年に彼は亡くなった。Arkham Knightはその彼がメインで担当した最後のメジャーゲーム作品のひとつとなった。

今この作品を遊ぶと、ケヴィン・コンロイの声で語られるバットマンの台詞ひとつひとつが、特別な重みを帯びて聞こえてくる。それはゲームの内容とは別の次元で、このタイトルを「記録として残す」理由になっている。英語音声でプレイすることを強くお勧めしたい。

ゴッサムシティのビジュアルと雰囲気

Arkham Knightのゴッサムシティは、2015年当時の最高水準のグラフィックで作られている。雨に濡れた路面に光が反射し、霧の中にビルの輪郭が浮かび、煙突から蒸気が立ち上る夜の都市——コミックスやバートン版バットマン映画の雰囲気を現代のリアルタイムCGで再現したビジュアルは、今見ても色あせない完成度がある。

特にケープで高所からゴッサムシティを見下ろしたときの景色は、「これが見たかった」という気持ちにさせてくれる。街は無法者たちの暴力で荒れているが、それでも美しい。その矛盾した美しさがこの都市の魅力だ。

音楽も圧倒的で、Nick Ariasが手がけたサウンドトラックはアーカムシリーズ最高傑作との声も高い。重厚なオーケストラとダークな電子音楽が混在し、バットモービルで爆走するときの高揚感から、クライマックスの緊張感まで完璧に支えている。

悪役の豪華な布陣

Arkham Knightに登場する悪役の数は圧倒的だ。スケアクロウ、アーカム・ナイト、ハーレイ・クイン、ペンギン、ツーフェイス、ファイアフライ、ポイズン・アイヴィー、マッドハッター、ハントレス——バットマンの敵キャラクターがこれだけ一作に集まっているタイトルは他にない。

各悪役にはそれぞれのサイドミッションがあり、メインストーリー以外でも悪役との絡みを楽しめる。ペンギンの武器密輸ルートを潰していく過程で交わされる会話は、コミカルな悪役描写として秀逸だし、マッドハッターのパズル世界は圧倒的に不気味で面白い。

物語の「重さ」がシリーズで一番

アーカムシリーズの物語はどれも完成度が高いが、Arkham Knightは特に「重い」作品だ。バットマンがシリーズを通じて失ってきたもの、守れなかったもの、そして「バットマンとして生き続けること」の代償——これらが正面から描かれる。

スケアクロウの毒素が引き起こす幻覚シーンは、バットマンの内面と恐怖を直接描いており、戦闘の合間にプレイヤー自身も同じ恐怖を体験するように設計されている。「ゲームで感情を揺さぶられた」という体験を多くのプレイヤーが報告しており、アクションゲームとしてだけでなく「物語体験」として評価が高い理由がここにある。

「クリア後しばらくエンディングの余韻が抜けなかった。バットマンのゲームでここまで感情的になるとは思っていなかった。」

Steamユーザーレビューより

DLCとゲーム・オブ・ザ・イヤー・エディション

Batman™: Arkham Knight その他アクション スクリーンショット3

豊富なDLCコンテンツ

Batman: Arkham Knightには大量のDLCが存在する。現在Steamで販売されている「プレミアム・エディション」や「バットマン アーカム ナイト ゲーム オブ ザ イヤー エディション」には、本編に加えて以下のDLCが収録されている。

まず「スーパーヴィランストーリーパック」として、ハーレイ・クイン、レッド・フード、キャットウーマン、ナイトウィングをそれぞれ主人公とした短編ストーリーが遊べる。いずれも1〜2時間程度の内容だが、本編とは違う操作キャラクターで遊べる貴重なコンテンツだ。特にレッド・フードのストーリーはキャラクター的にも濃く、バットマンファンなら絶対に遊んでほしい内容になっている。

「A Matter of Family(ア・マター・オブ・ファミリー)」はアーカムシリーズ前のバットガールを主人公にした過去編で、ハーレー・クイン率いるジョーカー軍団を相手にするアクションだ。バットガール専用のアクションが追加されており、本編とは異なるキャラクター体験ができる。

「Batgirl: A Matter of Family」の他、「エクスクルーシブ スキン」「バットモービルスキン」なども多数収録。スキンはゲームプレイには影響しないが、ゴッサムシティをアダム・ウェスト版のバットマンスーツで走り回れるのはファンサービスとしてニヤリとさせられる。

チャレンジマップ

本編とは別に「チャレンジマップ」モードがある。戦闘系チャレンジとプレデター系チャレンジがあり、特定の条件やスコアを目指して繰り返し挑戦できる。本編クリア後のやり込みとして充実しており、「もっとうまくなりたい」という向上心を刺激する。

チャレンジマップで各キャラクター(バットマン、ナイトウィング、ロビン、キャットウーマン)を使えるものがあり、それぞれの操作感の違いを楽しめる。ナイトウィングのアクロバティックな動きやキャットウーマンのしなやかな戦闘スタイルは、本編のバットマンとはまた違う楽しさがある。

注意点——正直に伝える

PC版の最適化問題——過去の経緯と現状

Batman: Arkham KnightのPC版は、2015年の発売直後に深刻な最適化問題が発覚した。フレームレートが30fps固定(当初)、テクスチャのロード遅延、クラッシュの多発——当時の状況は「未完成品を発売した」と評されるほど酷く、Steamでの販売が一時停止されるという異例の事態になった。

現在は複数のパッチで大幅に改善されており、フレームレートキャップの解除・グラフィック設定の幅の拡大・各種バグ修正が行われている。ただし「完全に問題がなくなった」とは言い切れず、今でも特定のGPU・CPU環境で動作が不安定になるケースがある。

特に注意したいのは、VRAM(ビデオメモリ)の使用量だ。Arkham Knightは高解像度テクスチャを使用すると大量のVRAMを消費する。VRAM 4GB以下のGPUでは高画質設定でのプレイが難しく、Steamのコミュニティハブで環境別の推奨設定を確認してから始めることをお勧めする。

バットモービルの割合が多すぎると感じる人も

バットモービルはArkham Knightの目玉要素のひとつだが、「使いすぎ」という批判もある。メインミッションにバットモービルを使うシーンが頻繁に登場するため、「バットモービルより格闘や探索がしたい」というプレイヤーには、やや消化不良感があるかもしれない。

特に戦車戦のシーンは好みが分かれる。爽快感があって楽しいという意見と、「バットマンのゲームで戦車シューターをやりたくない」という意見が両方ある。ただ慣れてくると「バットモービルもバットマンの一部」と感じられるようになり、バランスが悪いとは思わなくなってくるプレイヤーが多い。

序盤はストーリーの前提知識があると楽しめる

Arkham Knightはシリーズ3作目の完結編なので、前作「Arkham City」の出来事を踏まえた展開が序盤から続く。前作を知らないままプレイしても単体として十分楽しめるが、登場人物への感情的な繋がりはやはり前作を経験した方が強くなる。

「シリーズを追う時間がない」という人は、Arkham KnightをプレイしながらYouTubeでシリーズのあらすじ動画を先に見ておくだけでも、物語への没入感が全然違ってくる。特にArkham Cityのラストシーンの内容は把握しておいた方がいい。

リドラーのサイドミッション難易度が高い

「リドラーのトロフィー」収集はArkhamシリーズ恒例のやり込み要素だが、Arkham Knightでは総数が非常に多く(243個以上)、かつパズル難易度も高いものが多い。リドラーの完全攻略を目指すと20時間以上かかると言われており、「コンプリートしたい」という気持ちが沼にはまる原因になる。

「全部集めなくても物語は完結する」と割り切れる人は問題ないが、コンプリート主義の人はここで詰まりやすい。ヒントシステムがあるので、それを活用しながら無理のないペースで進めることをお勧めする。

一部の結末はゲーム内コンテンツで解放される

エンディングには通常版と「完全版」があり、完全版エンディングを見るにはサイドミッションを一定数完了させる必要がある。具体的には各サイドミッションをクリアし、リドラーを含む主要な悪役全員の件を解決することが条件だ。

完全版エンディングはストーリーの観点から非常に重要な内容が含まれており、「本当の意味でのArkhamシリーズの終わり」を見るには全てのコンテンツを楽しむ必要がある。これを「やり込みへの動機付け」と捉えるか「強制」と感じるかは人によって分かれる。個人的には、それだけの価値がある内容なので、じっくり楽しんでほしい。

初心者へのアドバイス——はじめて遊ぶ人へ

Batman™: Arkham Knight その他アクション スクリーンショット4

アーカムシリーズ未経験でも楽しめるか

結論から言うと、Arkham Knightだけでも十分楽しめる。ゲームシステムの説明はしっかりあるし、物語の前提となる主要な出来事についての言及はゲーム内でも行われる。ただ「Arkham City を先に遊んでおいた方がより深く楽しめる」というのも本音だ。

もし時間があるなら、「Batman: Arkham Asylum」か「Batman: Arkham City」からシリーズを順番に始めることを強くお勧めする。AsylumとCityは両方合わせても30〜40時間程度でクリアできるし、現在は安価に入手できる。Arkham Knightへの感情的な投資が全然違ってくる。

難易度は「ノーマル」から始める

Arkham Knightの難易度は「イージー」「ノーマル」「ハード」「ナイト・ナイト」(最高難易度)の4段階だ。初めてアーカムシリーズを遊ぶ人なら「ノーマル」を推奨する。フリーフロー戦闘のカウンタータイミングが「ノーマル」だと比較的長く、戦闘のリズムを体で覚えやすい。

「ハード」以上ではカウンタータイミングが短くなり、一部の便利なHUD表示がなくなるため、シリーズ慣れしていない人には序盤が辛くなる。「アクションゲームが得意」という人は最初からハードを選んでもいいが、まずはノーマルで遊んでみて、もの足りなければ途中で変更するのが無難だ。

「フリーフロー戦闘」のカウンターを最優先で練習する

Arkham Knightの戦闘で最初に習得すべきなのはカウンターだ。敵の頭上に稲妻マークが出たらカウンターボタン(デフォルトではY/△)を押すだけでいいのだが、このタイミングを安定させることが全戦闘の基礎になる。コンボが続く限り、理論上どんな多人数戦闘でも無傷でさばける。

序盤の戦闘チュートリアルで丁寧に練習できるので、ここは焦らず反射が体に入るまで繰り返すといい。カウンターが安定すると、戦闘が急激に「楽しいもの」に変わる。

バットモービルの操作は慣れるまで少し時間がかかる

バットモービルの操作(特に戦闘モードの旋回と砲撃)は最初は戸惑う人が多い。通常の車と違って横移動ができるホバー移動なので、はじめはスピンして壁に突っ込むことも多い。最初のバットモービル戦闘ミッションで時間をかけて操作感を体に染み込ませてしまえば、後は自然に扱えるようになる。

サイドミッションを無視しないで

「メインストーリーだけ追う」プレイは勿体ない。特に序盤〜中盤にかけてのサイドミッションでは、各悪役との絡みが楽しく、ゲームの世界観が立体的になってくる。「ジョーカー関連の幻覚イベント」は意識してサイドミッションを進めないと発生しないものも一部あるため、メインを追いながら街で気になった事件には積極的に関わってほしい。

英語音声で遊ぶことを検討してほしい

前述の通り、ケヴィン・コンロイのバットマンとマーク・ハミルのジョーカーの英語音声は別格だ。日本語吹き替えも高品質だが、英語音声版とは演技の質感・間の取り方・声の深みが違う。英語が聞き取れなくても、字幕を日本語に設定して英語音声でプレイする方法を強くお勧めする。特にジョーカーが登場するシーンでマーク・ハミルの声を聞くと、「この人がこのキャラクターのためにいる」という唯一無二感がある。

プレデター戦闘は「全員仕留めなくていい」場合がある

プレデター戦のシーンで「全員ステルスで仕留めよう」と思うと非常に難しく感じることがある。実際には「一人見つかったらそこから格闘モードに切り替える」という対応でほとんどのシーンは攻略できる。完全ステルスを目指すのはやり込み派向けで、初プレイはクリア優先でOKだ。

グラフィック設定の注意点

PC版でプレイする場合、初期設定では環境ティアリングや一部のエフェクト設定がグラフィックボードの能力以上に高くなっている場合がある。動作が重い・カクつくという場合はまず「環境の詳細度」と「テクスチャ解像度」を下げるところから始めるといい。V-Syncはオンにするか、フレームレートを使用モニターのリフレッシュレートに合わせて上限設定することも安定化に効果的だ。

NVIDIA製GPUを使っているなら、GeForce Experienceの「最適な設定」機能で自動調整することも選択肢のひとつだ。AMD製GPUでも同様のツールが使える。起動直後に最初のムービーシーンがあるので、設定を決める前にベンチマーク的に少し動かしてみて、フレームレートを確認してから最終調整するのがスムーズだ。

他のゲームと比較して——どんな立ち位置か

Marvel’s Spider-Man シリーズと比べて

スーパーヒーローゲームとして最もよく比較されるのが「Marvel’s Spider-Man」シリーズだ(PC版はMarvel’s Spider-Man Remastered として2022年に発売)。どちらも大都市を自由に飛び回り、格闘と特殊技で悪と戦うオープンワールドアクションだが、方向性はかなり異なる。

Spider-Manはより明るくポップな雰囲気で、スウィングで空中を移動する爽快感が圧倒的。アーカムシリーズはよりダークで重厚な作風で、戦闘の緊張感と物語の深さを重視している。「どちらが上か」ではなく、「今どういう気分で遊びたいか」で選ぶのが正しい。

「バットマンの雰囲気が好き」「暗くて大人向けの物語が欲しい」ならArkham Knight、「明るく爽快な移動を楽しみたい」「マーベルのキャラクターが好き」ならSpider-Manという分け方が自然だ。

Batman: Arkham City と比べて

「シリーズ内でどれが一番いいか」という議論は今でも続いており、Arkham CityとArkham Knightの二択になることが多い。Arkham Cityの方がマップの密度が高く、バットモービルがない分「ケープとケーブルだけで動き回る純粋なバットマン体験」が味わえるという意見がある。

一方Arkham Knightは規模・グラフィック・物語の完成度で圧倒しており、「完結編としての感情的な着地点」を持っている。シリーズを順番に遊んでからArkham Knightに辿り着くのが最も豊かな体験になるが、Knightから入ってもその価値は十分ある。

Shadow of Mordor / Shadow of War と比べて

「フリーフロー戦闘が好きで次に遊ぶゲームを探している」という場合によく挙がるのが「Middle-earth: Shadow of Mordor」と「Middle-earth: Shadow of War」だ。これらはArkham Knightと同じアクションアドベンチャー系で、フリーフロー戦闘の影響を強く受けているゲームだ。

Shadow of MordorはArkhamのシステムをベースにしつつ「ネメシスシステム」(敵の記憶・成長・復讐)という独自要素を加えた意欲作で、こちらも非常に高評価だ。Arkham Knightをクリアして「もっと似たゲームが遊びたい」と思ったときの最有力候補になる。

まとめ——ゴッサムシティが待っている

Batman: Arkham Knightは、「スーパーヒーローゲームの集大成」として10年以上経った今も色あせない作品だ。フリーフロー戦闘の気持ちよさ、バットモービルとケープを組み合わせた移動の爽快感、ゴッサムシティの夜景の美しさ、そしてバットマンとジョーカーの物語の完結——すべてが一体となって、クリア後に何かを残していく。

PC版の最適化問題という過去のキズは否定しない。発売当初の状況は本当に酷かったし、今でも環境によっては調整が必要だ。ただゲームとしての内容——物語・戦闘・世界観・音楽——は本物だ。設定を正しく整えさえすれば、2025年の今でも「これはすごい体験だ」と思わせるタイトルだ。

シリーズ未経験の人には、まずAsylumかCityをプレイしてみることをお勧めする。それが面倒なら、Arkham Knightだけでも十分に完成した体験ができる。「バットマンになる感覚」を味わいたいなら、今すぐゴッサムシティに飛び込んでほしい。あの夜の都市は、いつでも待っている。

ケヴィン・コンロイの声でバットマンが「I am vengeance. I am the night. I am Batman.」と言う瞬間を、あなたにも体験してほしい。

  • Steam AppID: 208650
  • ジャンル: アクションアドベンチャー / オープンワールド
  • 開発: Rocksteady Studios
  • 発売: 2015年6月(PC版)
  • プレイ人数: シングルプレイ
  • 日本語: テキスト・音声対応
  • 本編クリア目安: 15〜20時間(メインストーリーのみ)
  • 完全攻略目安: 40〜60時間以上

Batman™: Arkham Knight

Rocksteady Studios
リリース日 2015年6月23日
サービス中
同時接続 (Steam)
1,489
2026/04/16 アジア圏ゴールデンタイム計測
レビュー
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181件のレビュー
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価格¥1,980-80% ¥396
開発Rocksteady Studios
販売WB Games
日本語非対応
対応OSWindows
プレイ形式シングル
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