Age of Wonders 4

Age of Wonders 4|自分だけの種族を作って異世界を征服する、最高峰ファンタジー4X戦略

最初の30分で「あ、これはやばいゲームに手を出した」と気づいた。種族を作る画面で「食人族のドワーフにカオスの魔法を持たせて、翼を生やすか?」という選択肢が出てきた瞬間、もうそこから戻れなかった。

Age of Wonders 4 は、オランダの Triumph Studios が2023年5月にリリースしたターンベースの4Xファンタジー戦略ゲームだ。「4X」というのは Explore(探索)・Expand(拡張)・Exploit(開発)・Exterminate(征服)の略で、要は「広大なマップを探索して都市を建て、技術や魔法を研究しながら他の勢力を征服していく」タイプのゲームを指す。シヴィライゼーションのファンタジー版、と言えば伝わる人も多いだろう。

ただ、Age of Wonders 4 が他の4Xゲームと一線を画しているのは、「自分だけの種族を完全に作れる」という点だ。エルフ、ドワーフ、ゴブリンといった既存のファンタジー種族に縛られず、フォーム(外見・身体的特性)・文化・社会特性を自由に組み合わせ、さらに魔法の書(Tomes)を選ぶことで、完全にオリジナルの文明を作り上げてゲームを始められる。その組み合わせパターンは実質無限に近い。

Steamのレビューは21,000件超えで「非常に好評(82%)」。Metacriticスコアは83/100。PC Gamer誌は87点、IGNは8点を付け、PCGamesNのレビュアーは「ここ数年でプレイした中で一番好きな4Xゲームだ」と書いた。発売から9日間で25万本を売り上げ、Steam最大同時接続4万2千人以上を記録した。2023年のDutch Game Awardsでは最高賞も受賞している。

このゲームには、一度ハマったら「もう1ターンだけ」を繰り返して気づいたら朝になっている、あのタイプの中毒性がある。この記事では、そのシステムの仕組みから魅力の核心まで、全部書いていく。

目次

こんな人に読んでほしい

Age of Wonders 4 は、合う人と合わない人がはっきりしているゲームだ。先に整理しておく。

こんな人に刺さる:

  • シヴィライゼーション、英雄伝説、Master of Magic などの4X・ターン制ストラテジーが好きな人
  • 「自分だけのオリジナル文明・種族を作って遊びたい」という欲求がある人
  • RPGとストラテジーが合体したような体験が好きな人
  • ファンタジー世界の設定や魔法の書を読んでいるだけで楽しめる人
  • プレイするたびに毎回違う展開が楽しめる、リプレイ性の高いゲームを探している人
  • マルチプレイで友人と長期戦を楽しみたい人
  • DLCを含めて長く遊べるゲームにコストをかけたい人

向いていないかもしれない人:

  • リアルタイムのアクションや素早い操作が好きな人(このゲームはすべてターン制)
  • ストーリーがしっかりあって、キャラクターに感情移入したい人
  • 設定や数値を読み込むのが苦手で、直感的なゲームプレイを求める人
  • 「短時間でサクッと終わるゲーム」を探している人

特に「Civ系は好きだけどファンタジー要素が欲しかった」という人には、ほぼ確実にハマる。逆に、ターン制ストラテジーを一度も触ったことがない人には、最初の学習コストが少し高いかもしれない。ただし、コツさえつかめば経験者でなくても十分に楽しめる。この記事では初心者向けのアドバイスも後半にまとめた。

「とりあえず触ってみたい」なら Steam の返金制度(2時間以内)を利用する手もある。ただし2時間ではこのゲームの面白さの半分も体験できないので、できれば5〜10時間は試してほしい。

ゲーム概要・基本情報

Triumph Studios と Age of Wonders シリーズの歴史

Age of Wonders シリーズを作っているのは、オランダのゲームスタジオ Triumph Studios だ。1997年に設立された老舗スタジオで、最初の Age of Wonders をリリースしたのは1999年のこと。以来、同シリーズを約25年にわたって開発し続けている。現在は Paradox Interactive(スウェーデンのストラテジーゲーム大手)が発売を担当している。

シリーズの歴史を簡単に振り返ると、Age of Wonders(1999年)、Age of Wonders 2(2002年)、Age of Wonders: Shadow Magic(2003年)、Age of Wonders 3(2014年)と続き、間に SF 版の Age of Wonders: Planetfall(2019年)を挟んで、2023年に Age of Wonders 4 がリリースされた。どの作品もコアなファンから高く評価されているシリーズで、特に3はメタクリティック86点を記録した名作だ。

4 は3から約9年のブランクを経てリリースされた正統続編であり、開発期間は約4年。「シリーズの伝統を受け継ぎながら、大幅な進化を遂げた」という評価が多く、シリーズ初体験の人にも入りやすい一作に仕上がっている。

開発リードの言葉によると、ビジュアルの方向性は「明るい春の色彩、初期中世ファンタジー、創造と高位魔法」をテーマにしており、前作よりも鮮やかで生命力あふれる世界観を目指したとのことだ。実際にゲームを起動すると、その明るい色調とアート方向性が目に入る。

ゲームの基本構造:4Xとは何か

「4X」というジャンルに馴染みがない人のために説明しておく。Civ や Endless Legend を遊んだことがあれば同じ感覚で入れる。

ゲームは「ワールドマップ」と「戦術戦闘」の2層構造になっている。

ワールドマップでは、帝国全体の管理をターン単位で行う。都市の建設・拡大、軍隊の移動、資源の収集、魔法の研究、外交交渉——これらすべてを1ターンの行動の中でこなしていく。1ターンが終わると、AIや他プレイヤーが同じように行動し、次のターンが来る。

戦術戦闘では、ワールドマップで接触した軍隊同士が別のマップで戦う。各ユニットが3アクションポイントを持ち、移動・攻撃・スキル使用などに消費する。地形、ユニットの配置、士気、スキルの組み合わせ——こうした要素が勝敗を左右する。戦闘が面倒なときは「自動解決」も選べる。

ゲームの目的は「勝利条件を達成すること」だが、勝ち方は一つじゃない。詳しくは後述する。

プラットフォームと日本語対応

Age of Wonders 4 は Windows PC(Steam・Epic Games Store)、PlayStation 5、Xbox Series X/S でプレイできる。PC 版は Steam AppID が 1669000。

日本語には残念ながら非対応で、インターフェースとテキストはすべて英語だ(2025年4月現在)。ただし UI はアイコンや数値で直感的に読み取れる部分が多く、基本的なゲームプレイは英語が読めなくても慣れれば対応できる。テキストが多い部分(魔法の書の説明・イベント選択肢など)は英語の理解があると楽しみが増す。

推奨スペックは CPU が i7-9700K、メモリ 16GB、GPU が GTX 1070 Ti 程度。最低動作は i5-2500K・8GB RAM・GTX 670 から。2020〜2022年ごろに組んだゲーミング PC なら問題なく動くはずだ。

システム詳細:Age of Wonders 4 の仕組みを深掘りする

種族・派閥作成システム:無限に近いキャラクリ

Age of Wonders 4 で最初にやることは「自分の帝国(派閥)を作ること」だ。そしてこれが、すでにゲームの一番の楽しみの一つになっている。

派閥を作る要素は大きく4つある。

フォーム(身体的形態)では、種族の外見と基本的な身体特性を決める。人間、エルフ、ドワーフ、ゴブリン、フェルゴーレム、ドラガン(トカゲ系)など多彩な選択肢があり、それぞれに固有のボーナスと特性がある。たとえばドワーフのフォームを選ぶと防御力やゴールドの生産に優れる一方、移動速度が遅くなる。

文化では、社会の在り方と開始時のアフィニティ(魔法の方向性)を決める。「高貴な文化」「野蛮な文化」「神秘的な文化」など複数あり、それぞれ独自のユニットと派閥能力を持つ。文化は戦略スタイルに直結する。

社会特性では、2つの特性を種族に付与する。たとえば「食肉主義(Carnivores)」「水棲(Aquatic)」「カオスの申し子(Chaos Born)」など、ゲームプレイに影響するユニークな特性が揃っており、世界観的なフレーバーも豊かだ。

魔法の書(Tome)の初期選択では、ゲームスタート時に1冊のティア1魔法の書を選ぶ。これがその後の魔法研究の方向性の種になる。

この4つに加えて、統治者(ルーラー)のカスタマイズもある。ウィザードキング(魔法使い)、チャンピオン(戦士系)、Dragon Lord(ドラゴンそのものとして君臨するDLC追加キャラ)など、複数の統治者タイプから選べる。それぞれ固有のスキルと外見があり、ゲームの流れに大きく影響する。

組み合わせの例を挙げると:「翼を持つゴブリン(フォーム)+略奪文化(文化)+蛮族特性・夜行性(社会特性)+カオスの書(Tome)」という「空飛ぶ夜盗ゴブリン帝国」が作れるし、「岩のような巨人(フォーム)+秩序文化(文化)+不死身特性(社会特性)+秩序の書(Tome)」という「不死の聖騎士帝国」も作れる。自分で作った種族が画面の中で動き回るのは、それだけで楽しい。

プレイヤーが作ったカスタム帝国は保存・共有でき、Steamワークショップでは他のプレイヤーが作った帝国のプリセットも公開されている。

魔法システム:Tomes of Magic の仕組み

Age of Wonders 4 のゲームデザインの核心にあるのが、「魔法の書(Tomes of Magic)」システムだ。

Tomes は6つのアフィニティに分類されている。

  • Astral(星界):知識と支配、精神系魔法
  • Chaos(混沌):火と変異、破壊と突然変異
  • Materium(物質):工学・建設・機械仕掛け
  • Nature(自然):生命力・回復・自然の猛威
  • Order(秩序):光と聖性、法と防御
  • Shadow(影):闇と死、毒と隠密

各アフィニティにはティア1〜5のTomesが複数存在し、ゲームを通じて研究していく。ティアが上がるほど強力な魔法・ユニット・特殊改善が解放される。ティア5の Tome を研究すると、「Age of [アフィニティ名]」という強力な呪文が解放され、これが魔法勝利への道筋になる。

Tomes が面白いのは、単に「魔法を覚える」だけじゃないことだ。Tome を研究するたびに、自分の種族(国民)が物理的・精神的に変容していく。Chaos の Tome を多く研究すれば、かつて普通の人間だった国民が変異して悪魔的な外見になる。Nature の Tome を積み重ねれば、国民に植物的な特性が宿る。これが「トランスフォーメーション」と呼ばれるシステムで、後半になるほど自分の帝国が見た目も能力も独自の進化を遂げていく。

また、Tomes を研究するたびにキャスティングポイント(呪文を使うためのリソース)が+5される。序盤は使える呪文が少なくシンプルだが、研究が進むにつれてできることが急速に広がっていく成長感も、このゲームの大きな楽しみの一つだ。

呪文には「戦略呪文」と「戦術呪文」の2種類がある。戦略呪文はワールドマップで使うもので、地域に農業の恵みを与えたり、敵の都市に呪いをかけたりする。戦術呪文は戦闘中に使うもので、炎の壁を張ったり、ユニットを強化したり、敵を混乱させたりできる。呪文の数と多様性が非常に豊かで、探索していくだけでも楽しい。

都市管理と帝国発展

都市はAoW4の経済的基盤だ。食料・ゴールド・マナ・生産力・ドラフト(軍の補充)という主要資源を都市が生み出し、それを使って建物を建て、軍隊を作り、研究を進める。

都市の人口は最大30まで増加し、人口が増えるほど周辺の州(Province)を吸収して領土を拡大できる。州には農場・鉱山・魔法のノードなどの改善施設を建設でき、都市の産出量を底上げしていく。

都市には「安定性(Stability)」という概念もある。-100から+100の範囲で変動し、7段階に分類される。安定性が低いと暴動が起き、生産・食料・徴兵にペナルティがかかる。征服した都市はしばらく安定性が低い状態になるため、拡大のスピードと内政管理のバランスが問われる。

ヒーローを「ガバナー(知事)」として都市に配置すると、農業・防衛・秘術など10以上の専門分野でボーナスが発生する。どのヒーローをどこに配置するかも、中盤以降の重要な判断になってくる。

包囲戦(Siege)のシステムも凝っていて、城壁を持つ都市を攻撃するには通常の野戦とは異なる包囲プロセスが必要だ。攻撃側は複数の包囲オプション(砲撃・掘削・陽動など)を選択し、城壁の耐久値をゼロにして初めて内部へ突入できる。防衛側も壁上からの射撃や出撃で対抗できる。要塞化された都市の攻略は、それ自体が一つの戦略パズルになっている。

戦術戦闘:ターンベースのタクティカルバトル

戦闘はワールドマップから切り離された専用の戦術マップで行われる。地形は戦闘が起きたエリアによって異なり、森林・砂漠・湿地・都市・ダンジョンなど、それぞれの地形が戦闘に影響を与える。

各ユニットは1ターンに3アクションポイント(AP)を持つ。移動には最大2APまで使えて、残りで攻撃やスキル使用ができる。このシンプルなルールの中に、ユニットの種類・地形効果・スキルの組み合わせが複雑な戦術的深みを生み出している。

ダメージ計算は乗算方式で、耐性が高まるほど指数関数的に生存力が上がる設計になっている。単純に攻撃力だけ上げても、耐性の高い相手には効率が悪くなる。

士気(Morale)システムも戦闘の面白さを増している要素の一つだ。士気が高い(20〜40)とクリティカル率が20%上がり、逆に低い(-20〜-39)と失敗率が20%上がる。さらに士気が壊滅状態(-60以下)になると、ユニットは自動的に後退する。戦況が悪くなると崩れやすくなる、という現実的な仕組みが緊張感を生む。

地形の影響も具体的だ。水地形では移動コストが2倍になり、茂みでは遠距離攻撃の命中率が40%低下する。高台を取るか、カバーを使うか——位置取りの判断が毎回問われる。

戦闘が面倒な場合は「自動解決」も選べるが、数値的に不利な戦闘では損害が大きくなりがちなので、ある程度は手動でやると損失を抑えやすい。

ヒーローシステム:成長するキャラクター

ヒーローは一般ユニットとは別格の「スーパーユニット」だ。ゲームを通じてレベルアップし、スキルを取得していく RPG 的な成長が楽しめる。

ヒーローのスキルは3つのツリーに分かれている。クラススキル(戦士・守護者・レンジャーなど9クラス)、種族由来のオリジンスキル、そして4・8・12・16レベルで選ぶシグネチャースキル(アフィニティへの傾倒による特殊能力)だ。

装備スロットも豊富で、主武器・副武器・頭・胴体・脚・指輪・その他3個・乗騎と、かなり細かくカスタマイズできる。装備はゲーム中に発見したり制作したりして入手する。強い装備を持ったヒーローは戦場でもガバナーとしても非常に強力な存在になる。

ヒーローの採用には100ゴールド+レベルあたり50ゴールドが必要で、採用プールには自派閥から2体、中立以上の関係にある自由都市からも採用できる。ゲームが進んで強力なヒーローを複数並べられるようになると、軍事的な展開も大きく変わってくる。

外交システム:6種類のAI性格と条約の積み重ね

外交は単純な「友好・敵対」二択ではなく、関係値(-800〜+800)という連続的なスケールで管理される。関係値に応じて条約の締結が可能になり、上位の条約ほど強力な協力関係が結べる。

AI の統治者には6種類の性格(パーソナリティ)がある。

  • Diplomat(外交家):同盟と外交を重視する。話しやすいが依存的になることも
  • Isolationist(孤立主義者):防衛的な帝国を好む。放っておけば拡張してこない
  • Merchant(商人):経済重視。取引条件の交渉に応じやすい
  • Sage(賢者):研究と魔法を好む。不当な戦争を避ける傾向がある
  • Spy(諜報員):従属国化を狙う。油断すると内側から崩される
  • Warlord(戦争指揮官):征服を好む積極的な拡張者。早めに対処が必要

条約を破ると「邪悪な評判」と不満(Grievance)が発生し、外交関係全体に悪影響が出る。戦争を始めるにも正当性が必要で、不満の蓄積がそれを決める。正当性なしで開戦すると、帝国収入と関係値に大きなペナルティが生じる。ゲームをどんどん外交で有利に進めることもできるし、武力で押し切ることもできる。

勝利条件:4つの勝ち方

Age of Wonders 4 には4種類の勝利条件がある。

軍事的勝利(Military Victory)は、マップ上のすべての統治者を征服すること。ストレートな征服プレイ。軍事力を集中させる戦略が必要になる。

拡張的勝利(Expansion Victory)は、マップの一定割合の領土を支配すること。軍事力だけでなく、内政と素早い拡張の組み合わせが重要になる。

魔法的勝利(Magic Victory)は、古代の不思議(Ancient Wonders)を複数支配・統合すること。魔法研究と特定の呪文の使用が鍵になる、最もユニークな勝ち方だ。

スコア勝利(Score Victory)は、一定ターン数が経過した時点で最高スコアを持っていること。都市数・人口・魔法研究・勝利などを総合評価したスコアで順位が決まる。

どの勝利条件を目指すかは、最初に選んだ種族と Tomes の構成によって自然に決まってくることが多い。魔法特化で作った帝国が気づいたら魔法勝利を狙う流れになっていた、みたいな体験が楽しい。

マルチプレイ:同時ターン制という工夫

Age of Wonders 4 はマルチプレイにも対応している。ターン制ストラテジーのマルチプレイは「1人のターン中、他の全員が待つ」という問題がありがちだが、AoW4 には「同時ターン制(Simultaneous Turns)」のオプションがある。全員が同時に行動を入力し、まとめて解決するため、人数が増えても待ち時間が膨れ上がりにくい設計だ。

「クラシックターン(Classic Turns)」も選べるので、どちらを好むかでグループに合わせて選択できる。オンラインのほか、ホットシート(1台のPCを複数人で交代しながらプレイ)にも対応している。

DLC と継続的なアップデート

AoW4 はリリース後も継続的にコンテンツが追加されている。2025年4月時点での DLC 一覧は以下のとおりだ。

  • Dragon Dawn(2023年6月):ドラゴンロード統治者タイプ、新ドラゴンユニット、新 Tomes を追加するコンテンツパック
  • Empires & Ashes(2023年11月):新文化・新勝利条件・新イベント群・カスタムシナリオエディタを追加する大型拡張
  • Primal Fury(2024年2月):野生・原始テーマの新文化・Tomes・ユニット群を追加するコンテンツパック
  • Eldritch Realms(2024年6月):エルドリッチ・ソブリン統治者タイプ、新次元的ゲームプレイ要素を追加する大型拡張
  • Ways of War(2024年11月):戦闘に特化した新 Tomes・戦術オプション・ユニットを追加するコンテンツパック

大型拡張(Expansion)は単体でも遊べる追加コンテンツで、コンテンツパックは比較的コンパクトな追加。シーズンパスも販売されており、複数の DLC をまとめて購入できる。ベースゲームだけでも十分なボリュームがあるが、DLC を重ねていくほど選択肢が広がっていく構造だ。

Age of Wonders 4 が人気な理由:なぜこのゲームは刺さるのか

理由①:「自分だけの帝国」を作る喜びが他のゲームにない

多くの4Xゲームでは、既定の文明や種族の中から選んでゲームを始める。「フランスを選ぶか、ローマを選ぶか」という選択であって、自分で作るわけじゃない。

AoW4 は違う。フォーム・文化・社会特性・Tomes という要素を自由に組み合わせ、「自分が想像したファンタジー帝国」を実際にゲームの中に連れ込める。「知性あるキノコ帝国が影の魔法で世界を征服する」みたいな設定を自分で作って、それを実際に動かせる。

この「自分だけのもの」という感覚が、プレイヤーの愛着を強く引き出す。Civ でフランスを使っても「自分のフランス」という感覚は薄いが、AoW4 では「自分のオリジナル種族」がそこにいる感覚がある。それが、プレイ時間の長さに直結している。

理由②:毎回違う展開になる、高いリプレイ性

ゲームを始めるたびに異なるマップが生成され、異なるAI帝国と隣接し、異なるイベントが発生する。さらに自分の選んだ種族・Tomes・プレイスタイルによって、毎回まったく異なる展開になる。

「今回は Nature 特化で植物化した種族でのんびり拡張プレイ」「次はChaos全振りでひたすら戦争するカオスデーモン帝国」といった具合に、同じゲームを何十回やっても毎回新鮮な体験ができる。Steam で数百時間プレイしているレビューも珍しくない。「1000時間超えたけどまだ飽きない」というコメントがレビューに散らばっている。

理由③:Tomes システムがもたらす「研究の旅」

新しい Tome を研究するたびに、新しい呪文・ユニット・特性が解放される。これが「次は何を研究しようか」「この組み合わせどうなるんだろう」という好奇心を常に刺激し続ける。

RPG の「スキルツリーを伸ばしていく感覚」に近い。でも AoW4 の場合はそれが帝国全体に波及し、種族の外見や特性まで変わっていく。Tome を積み重ねるほど「自分の帝国らしさ」が増していく成長感が、セッションを延長させる大きな力になっている。

理由④:戦略層と戦術層の両方で考える面白さ

「次のターンにどこを攻めるか」というワールドマップレベルの戦略と、「この戦闘でどのユニットをどう動かすか」という戦術レベルの問題解決、この2つが交互に要求される構造が飽きにくさを生んでいる。

ワールドマップが「チェスのような長期計画」だとすれば、戦術戦闘は「小さなパズル」だ。両方のレイヤーで頭を使わされることで、一方だけを続けるより脳への刺激が多様になる。「Civ は好きだけど戦闘がもう少し面白ければ」と思っていた人に刺さりやすい設計だ。

理由⑤:発売後も育ち続けるゲーム

2023年の発売以来、Triumph Studios は定期的なパッチと DLC でゲームを育て続けている。バランス調整・新コンテンツ・新メカニクスが追加されており、発売当初よりも完成度が上がっている。

多くのゲームが「発売直後が最も盛り上がって、あとは下降線」になりがちな中、AoW4 は継続的な更新によってプレイヤーを長期間引き留めることに成功している。「1年後に戻ったら知らない要素が増えていた」という体験も、長期プレイヤーからよく聞く話だ。

理由⑥:フェアな評価を受けたゲームプレイのバランス

PCGamesN のレビュアーが「ここ数年でプレイした最高の4Xゲーム」と書き、PC Gamer が87点、IGN が8点を付けた。批評家の評価がそろって高い理由は、ゲームバランスが丁寧に調整されており、「強すぎる戦略」「詰みになる展開」が少ないことにある。

また、AIの難易度設定が幅広く、初心者から上級者まで対応できる点も評価されている。難易度を上げたAI相手に戦うのは本格的な挑戦になるが、下げればゲームシステムをゆっくり学びながら進められる。

注意点・気になるところ

日本語非対応は正直つらい

このゲームの最大のハードルは日本語対応がないことだ。Tomes の説明文、イベントのテキスト、外交の文言など、英語を読む場面は多い。UIや数値は直感的でも、効果の詳細を正確に理解するには英語力が必要になる。

英語が得意でなくても遊べないわけではないが、ゲームの面白さを100%引き出すには英語の壁がある。有志の日本語化パッチが登場する可能性はあるが、2025年4月時点では存在しない。

序盤の学習コストが高め

ゲームが始まってすぐに「何をすればいいかわからない」状態になりやすい。チュートリアルは存在するが、すべてのシステムを丁寧には教えてくれない。Tomes の組み合わせ、外交の仕組み、ユニットの相性——これらを実際にプレイしながら少しずつ学んでいく必要がある。

最初の数ゲームは「なんか負けたけど何が悪かったかよくわからない」という状態になることも多い。そこで諦めず、5〜10時間ほど試行錯誤し続けると、突然ゲームの全体像が見えてくる瞬間がある。その瞬間が来れば、あとはもう止まらない。

1セッションが長くなりがち

これは長所でもあるのだが、1ゲームの時間がかかる。マップサイズや設定にもよるが、1ゲームを完結させるのに5〜15時間かかることも珍しくない。「今日は30分だけ」がほぼ不可能なゲームだ。「もう1ターンだけ」を繰り返すタイプの中毒性があるので、始める前にある程度まとまった時間を確保しておいた方がいい。

DLC の積み上げでコストがかさむ

ベースゲームに加えて、2025年時点で5つの DLC がリリースされている。個別に全部揃えようとすると費用がかなりかかる。シーズンパスを利用するか、まずはベースゲームのみで遊んでみてから追加するか、検討が必要だ。ベースゲームだけでも十分に楽しめるボリュームはあるので、最初はベースゲームのみで始めるのが賢い選択肢だと思う。

PC スペックの上限チェック

最低動作要件は低くないが、マップが大きくなったり後半ターンで演算が複雑になると、推奨スペック未満の環境では処理が重くなるケースがある。特にマルチプレイで大規模なゲームをする場合は、推奨スペックを満たしていた方が安心だ。

後半に感じるスケーリングの問題

一部のプレイヤーからは「後半になるほどターンあたりの管理が増えて疲れる」という指摘もある。帝国が大きくなると都市・軍隊・ヒーローの管理項目が増え、1ターンにやることが多くなる。これは多くの4Xゲームに共通する課題でもあるが、AoW4 も完全に解決されているわけではない。「早めの拡張・早めの勝利」を心がけると快適に遊べることが多い。

初心者へのアドバイス:最初の10時間を乗り越えるために

まず「プリセット帝国」から始めよう

最初のゲームは、自分でカスタム帝国を作るより「プリセット帝国」を選ぶことをおすすめする。ゲームには数十種類の完成された帝国プリセットが用意されており、それぞれに解説が付いている。自分の直感に刺さる設定のプリセットを選んで、まずゲームの流れを覚えよう。カスタム帝国は、一通りのシステムを理解してから作る方が設計の意図が通りやすい。

チュートリアルは必ずやる

面倒でもチュートリアルは一通りやっておこう。すべてを教えてはくれないが、移動・戦闘・都市管理の基本的な流れは掴める。チュートリアルをすっ飛ばして「とりあえず始めた」結果、序盤で何もわからずに詰まってしまうパターンが多い。

最初の数ゲームは難易度を下げる

AI の難易度は「Simple(簡単)」から始めることをすすめる。システムを学びながら最初のゲームを完走することが大事で、難敵のAIに序盤で潰されて「よくわからないまま終わった」状態では何も学べない。システムへの理解が深まってから徐々に難易度を上げていけばいい。

Tome の選択は1つのアフィニティに集中させる

最初のうちは複数のアフィニティに手を出さず、1つか2つに絞ることをすすめる。アフィニティポイントが分散すると上位ティアの Tomes に届きにくくなり、強力な後半の魔法が解放されない。「Nature 一本」「Order メインにAstral少し」など、方向性を決めて研究するとゲームが進めやすくなる。

都市は質を重視、序盤から闇雲に拡張しない

序盤に都市を増やしすぎると、安定性の維持が難しくなり内政が崩れやすい。最初の都市を丁寧に育て、生産・食料・ゴールドの基盤を作ってから次の都市に移る方が安定した展開になる。「都市を増やせば勝てる」という発想は序盤には通じにくい。

戦闘は地形を意識する

戦術戦闘では「地形を取る」意識が重要だ。高台に位置すれば射程や視界の優位があり、茂みに潜むと遠距離攻撃を受けにくくなる。敵に突撃するだけでなく、まず有利な地形に移動してから戦闘を始める習慣をつけると、勝率が上がりやすい。

ヒーローは早めに採用する

ヒーローはゲームが進むほど強くなるが、経験値を貯めるには時間が必要だ。採用コストを気にして後回しにせず、早めに1〜2人採用して戦闘・都市管理に投入しよう。序盤から育てたヒーローが後半に圧倒的な戦力になる体験は、このゲームのRPG的な醍醐味の一つだ。

外交はとりあえず友好的に始める

最初は軍事力が十分でないため、序盤から複数のAIと戦争状態になると厳しい展開になりやすい。隣接するAIとはまず友好関係を結んで時間を稼ぎ、内政が整ってから戦略的に動こう。Wizard’s Bond(基本の外交条約)は関係値-100以上あれば結べるので、戦争より先に関係を保つことを意識する。

勝利条件を1つに絞る

4つの勝利条件すべてを同時に目指そうとすると、どれも中途半端になりやすい。最初は「軍事的勝利」か「拡張的勝利」など、わかりやすい目標を1つ設定して、それに向けてリソースを集中させる方がゲームをまとめやすい。慣れてきたら「次は魔法勝利に挑戦」という形で1ゲームごとに試す勝ち方を変えると、それ自体が楽しみになる。

「負けてもOK」の気持ちで臨む

最初の数ゲームは負けることを前提に、「どんなシステムがあるかを学ぶ時間」と考えよう。「このTomeは強い」「この文化は序盤に弱い」「このAIは攻撃的だ」という知識が、次のゲームをうまくする。最初から完璧なプレイを目指さず、失敗から学ぶゲームとして楽しむと、学習コストが下がりやすい。

まとめ:Age of Wonders 4 はどんなゲームか

Age of Wonders 4 を一言で言うなら、「自分だけのファンタジー文明を作り、魔法で世界を征服するターン制4Xストラテジー」だ。

このゲームの核心にあるのは「創造する喜び」だ。種族を作る、Tomes を選ぶ、帝国を育てる——プレイヤーが手を加えるたびに「自分のもの」になっていく感覚が、このゲームへの愛着を深める。それが21,000件超のレビューに「また新しい種族を作りたくなった」「今度はカオス一本でやってみよう」という言葉が並ぶ理由だ。

難点は確かにある。日本語非対応は日本語話者には正直つらいし、序盤の学習コストは高め、1ゲームが長くなりがち、DLC のコストも積み重なる。これらをクリアできるかどうかは、このゲームを楽しめるかどうかの判断材料になる。

それでも、「Civ 系が好きでファンタジー要素が欲しかった」「自分だけのオリジナル帝国を作って遊びたい」という人には、このゲームは間違いなく刺さる。2023年のリリースから2024年末まで継続して DLC が追加され、今もプレイヤーが遊び続けている事実が、その価値を証明している。

Metacritic 83点、IGN 8点、PC Gamer 87点、Dutch Game Awards 最高賞——これだけの評価を集めたゲームを、まだ遊んでいないのはもったいない。

最初の10時間は「なんか難しいな」と感じるかもしれない。でも、最初のゲームを完走して、2本目に自分でカスタム種族を作り始めた瞬間——そこからが本番だ。あなたが作った帝国が、独自の進化を遂げながら世界を塗り替えていく体験は、他のゲームではなかなか得られない。

ファンタジー世界の「我が帝国」を作りたい人は、ぜひ試してほしい。

Age of Wonders 4

Triumph Studios
リリース日 2023年5月2日
サービス中
同時接続 (Steam)
1,584
2026/04/16 アジア圏ゴールデンタイム計測
レビュー
21,904 人気
81.4%
全世界
非常に好評
21,904件のレビュー
👍 17,821 👎 4,083
74.1%
やや好評
116件のレビュー
👍 86 👎 30
価格¥6,990
開発Triumph Studios
販売Paradox Interactive
日本語非対応
対応OSWindows
プレイ形式シングル / マルチ
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