「Ghost of Tsushima DIRECTOR’S CUT」侍として生きた対馬の記憶が、今も頭から離れない

クリアしてから数日、頭の中に対馬の風景が居座り続けた。黄金色に揺れるすすき野原、黒い嵐雲が迫る岬、白い雪に覆えた山の寺院。ただのゲームのグラフィックなのに、もう一度あの世界に戻りたいという気持ちが抑えられなかった。

Ghost of Tsushima DIRECTOR’S CUTは、Sucker Punch Productionsが開発したオープンワールドアクションゲームだ。1274年の元寇を舞台に、対馬を侵略した蒙古軍に立ち向かうひとりの侍・境井仁(さかい じん)の物語を描く。PS4/PS5で発売され、2024年5月にPC版がSteamとEpic Games Storeに上陸した。

Steamのレビューは現在約97%の「圧倒的に好評」で、日本語タイトルを冠したゲームとしてこれほど高い評価を受けるのは珍しい。累計販売本数は全プラットフォーム合算で1,300万本以上。PC版は発売直後から爆発的に売れ、Steamの週間売上チャートのトップに立った。

「侍のゲームをやりたい」という欲望を究極の形で叶えてくれる作品が、これだ。それだけじゃない。物語の深さ、音楽と映像の美しさ、主人公が背負う矛盾と葛藤——全部が一体となって、プレイ後に何かを残していく。この記事では、Ghost of Tsushima DIRECTOR’S CUTがどんなゲームなのか、なぜこれほど支持されているのかを全部書く。

目次

こんな人にドンピシャなゲームです

Ghost of Tsushima DIRECTOR'S CUT その他アクション スクリーンショット1
  • 侍や武士道、日本の歴史・文化に興味がある人
  • 美しい映像と雰囲気重視のゲームが好きな人
  • オープンワールドをのんびり探索するのが好きな人
  • 手触りのよいアクション戦闘を楽しみたい人(難易度調整で初心者でも大丈夫)
  • ストーリーもアクションも両方しっかり楽しみたい人
  • 「黒澤映画」「時代劇」「武士映画」が好きな人
  • 壮大なBGMと風景の中をただ馬で駆け回りたい人
  • やり込み要素が豊富で長く遊べるゲームを探している人

逆に「高速なFPS系アクション」「複雑な戦略シミュレーション」「マルチ対戦がメイン」という方向性を求めているとミスマッチになる可能性がある。Ghost of Tsushima DIRECTOR’S CUTは基本的にシングルプレイ重視のオープンワールドアクションだ。ただし後述する追加コンテンツ「壱岐之譚」を含むDIRECTOR’S CUTには2〜6人用のオンライン協力モード「冥人奇譚(くろうどきたん)」も収録されているので、一緒に楽しみたい友人がいる人にも対応している。

ゲーム概要——1274年の対馬で、侍はどう生きるか

どんな世界か

1274年。蒙古帝国の軍勢が対馬に上陸した。圧倒的な数と戦術の前に、島の侍たちは次々と倒れていく。境井仁も戦いの中で致命的な傷を負い、ひとり取り残される。

侍の掟は正々堂々と戦うことだ。だが正面から戦えば、残された島民も仁自身も生き残れない。蒙古を倒すには、暗殺・奇襲・毒・欺瞞——侍が忌み嫌う「冥人(くろうど)」の手段しかない。「侍としての誇り」と「対馬の民を守ること」。どちらを選ぶか——それが物語全体を貫くテーマだ。

ゲームの舞台は対馬の三つの地域に分かれており、北から南へと侵略を食い止めながら解放していくという大きな流れで進む。広大なオープンワールドにはメインストーリーの他、膨大なサブクエスト、各地の神社・温泉・竹林などの探索スポット、収集要素が詰め込まれている。

主人公・境井仁とその葛藤

境井仁は幼い頃から侍の道を歩んできた人物だ。叔父である志村城主のもとで武道と侍の心得を叩き込まれ、武士としての誇りを何より大切にしてきた。

その仁が、蒙古との戦いを経て「冥人」へと変わっていく。暗闇に潜み、背後から敵を仕留め、恐怖で敵の心を折る——それは侍の美学とは正反対の戦い方だ。志村をはじめとする侍たちからは軽蔑され、民からは「幽霊」と呼ばれ畏れられる。

面白いのは、この変化がただのゲームの成長システムじゃないことだ。冥人としての力を磨くたびに、仁の内面でも何かが変わっていく。それが物語の終盤でどう帰結するか——この点がGhost of Tsushimaが単なるアクションゲームでない理由のひとつだ。

開発元Sucker Punch Productionsについて

Sucker Punch Productionsは米国ワシントン州ベルビューに拠点を置くゲームスタジオで、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの傘下にある。PlayStation用のアクションゲームシリーズ「Sly Cooper」と「inFAMOUS」シリーズで知られている。特にinFAMOUSシリーズはオープンワールドアクションとして高い評価を受けており、そのノウハウがGhost of Tsushimaに注ぎ込まれている。

Ghost of TsushimaはPS4向けに2020年7月に発売され、PlayStation独占タイトルとして出発した。PS5強化版(DIRECTOR’S CUT)は2021年8月に発売。PC版はおよそ4年の時を経て2024年5月にリリースされた。日本語の時代劇的世界観をここまで本格的に描いた海外スタジオ作品はきわめて珍しく、そのリスペクトの深さが日本のプレイヤーにも強く刺さった。

ゲームシステムの詳細——戦闘・探索・そして「風」

Ghost of Tsushima DIRECTOR'S CUT その他アクション スクリーンショット2

刀と弓の戦闘システム

Ghost of Tsushimaの戦闘は、シンプルに見えて奥が深い。基本は刀での近接戦闘で、攻撃・回避・受け流しの三要素を状況に合わせて切り替えていく。

特徴的なのが「型(かた)」システムだ。仁が身につける戦闘スタイルは複数あり、敵の種類に合わせて切り替えることで戦いが有利になる。盾持ちの敵に有効な「石の型」、大剣使いに有効な「水の型」、槍使いに有効な「風の型」、素早い敵に有効な「月の型」——それぞれ異なるモーションと戦術を持つ。場面ごとに最適な型を選びながら戦う感覚は、剣術の駆け引きのようでもある。

また「居合の型」と呼ばれる立ち回りも存在する。敵の前に堂々と立ち、向かってくる相手を迎え撃つ「決闘」スタイルで、敵の攻撃を目前で受け流してカウンターを決める形だ。成功したときの気持ちよさが異常で、これをやるためだけに難易度を下げたくないと感じるくらい爽快だ。

弓も重要な武器で、通常弓・重弓・爆発矢・煙幕矢など複数の種類を使い分けられる。遠距離から静かに敵を仕留めたり、集団に爆発矢を叩き込んだりと、戦術の幅が広い。

冥人スタイル——暗殺と恐怖

正面から戦う侍スタイルとは別に、冥人としての戦い方も充実している。草むらや木の上から気づかれずに近づいて暗殺する、蒸気爆弾で煙に巻く、風上から毒煙を流して集団を弱体化させる——これらが「冥人」の手段だ。

「恐怖ゲージ」という要素があり、仁が派手な暗殺を繰り返したり、複数の敵を瞬殺したりすることで、近くの敵が恐怖で怯え始める。怯えた敵は逃げ出したり、武器を落として降参したりする。これが「幽霊の伝説が広まっていく」というゲームの世界観と見事に連動していて、単なるゲームメカニクス以上の説得力がある。

ステルスと正面戦闘は完全に自由に切り替えられる。「今日は全部暗殺で行く」でも「毎回真っ向勝負で行く」でも、プレイスタイルに合わせてゲームが成立するよう設計されている。

探索と「風の道標」

Ghost of Tsushimaの探索システムで特に評価が高いのが「風の道標」だ。目的地を設定すると、地図を開かなくてもゲーム内の「風」が吹く方向が目的地を示してくれる。ミニマップもHUDも最小限で、プレイヤーは画面に広がる対馬の風景だけを見ながら旅できる。

この仕組みは革新的で、多くのゲームメディアが「オープンワールドの道案内の理想形のひとつ」として評価した。マーカーを追いかける作業感がなく、道中の景色そのものに価値を感じながら移動できる。「あの山の向こうに何があるんだろう」という自然な好奇心で探索が進んでいく。

探索スポットも豊富だ。鳥居をくぐって参拝する神社、身を清める温泉、詩の記録が残る石碑、竹を切る居合の鍛錬スポットなど、日本的な文化・様式を反映したコンテンツが各地に点在している。ただ強くなるためだけでなく、この世界の空気を吸い込むための要素として機能している。

「黒澤モード」と「侍映画」の美学

Ghost of Tsushimaには「黒澤モード」という独特のオプションがある。画面をモノクロームにし、音声を日本語のみに固定、フィルムグレインを加えることで、まるで昭和の時代劇映画のような雰囲気でプレイできる。これは黒澤明監督へのオマージュとして実装されたもので、「七人の侍」「用心棒」などの時代劇映画を連想させる。

このモードで遊ぶと、ゲームの印象が全く違う。色鮮やかなモードとはまた別の趣があって、「映画の中に入って動いているような感覚」が強まる。黒澤映画が好きな人はぜひ試してほしい。

難易度設定と「先人の道」

Ghost of Tsushima DIRECTOR’S CUTには複数の難易度が用意されている。「やさしい」「普通」「難しい」の3段階に加え、最高難易度として「冥人の道」が存在する。さらにPC版では「先人の道」というカスタム難易度も追加されており、敵のダメージ量・プレイヤーのダメージ量・ステルスの見つかりやすさなどをそれぞれ個別に調整できる。

「やさしい」はアクションが苦手な人でもストーリーを最後まで楽しめるよう設計されており、敵の攻撃が遅く受け流しのタイミングが緩い。「冥人の道」は一撃で死ぬ緊張感があり、戦闘の読み合いが極限まで研ぎ澄まされる体験になる。「普通」でも十分歯応えがあるので、初回プレイなら普通から始めて感触を掴むのが無難だ。

DIRECTOR’S CUT独自の要素——壱岐之譚と追加コンテンツ

「壱岐之譚」——新しい島と新しい物語

DIRECTOR’S CUTの最大の追加要素が、DLC「壱岐之譚(いきのたん)」だ。メインストーリーのある時点以降に解放される新章で、対馬から離れた壱岐島を舞台にした完全新規のストーリーが展開する。プレイ時間は7〜10時間程度と、単独のゲームとして十分な分量だ。

壱岐之譚は仁の過去——幼少期の傷や家族の記憶——に深く踏み込む内容で、メインストーリーとはまた違う角度から仁という人間を描き出す。新しいフィールド、新しい敵、新しい武器、新しい能力が追加されており、本編クリア後の「もっとこの世界で遊びたい」という欲求をしっかり満たしてくれる。

壱岐島のフィールドデザインも対馬とは異なる雰囲気で、海岸沿いの景色、険しい断崖、神秘的な遺跡など、新鮮な景観が楽しめる。本編とは独立した評価で「これだけで単体作品として成立する」と言われるほど完成度が高い。

冥人奇譚——オンライン協力モード

DIRECTOR’S CUTには「冥人奇譚(くろうどきたん)」というオンライン協力モードが収録されている。2〜6人でチームを組み、蒙古軍のキャンプを攻略していくモードだ。

メインストーリーとは別の「物語」が連作形式で用意されており、各クラスのキャラクター(侍・弓取・刺客・武道家の4クラス)を育てながらストーリーを進めていく。協力プレイならではの戦術的な楽しさがあり、「ひとりで全部やりたい」派と「友達と一緒に遊びたい」派、どちらも楽しめる。

ただし冥人奇譚はどちらかというとおまけ的な位置づけで、ゲームの本質はシングルプレイのストーリーにある。マルチ目当てで購入するより、シングルプレイを楽しんだ後に「まだ遊べる」という感じで使うのが自然だ。

PS5強化要素のPC版での実現

DIRECTOR’S CUTはPS5版でデュアルセンスのハプティクスフィードバック(弓を引く手応え、馬の足音、雨粒が鎧を叩く感触など)に対応していたが、PC版ではDualSense(PS5コントローラー)を有線接続するとこれらのフィードバックを体験できる。DualSenseをUSBでPCに接続した状態でプレイすると、弓の弦を引く緊張感が手のひらに伝わってくる。これは実際に体験するとかなり感動する要素だ。

なぜここまで人気なのか——PC版が97%を記録した理由

Ghost of Tsushima DIRECTOR'S CUT その他アクション スクリーンショット3

「日本をリスペクトした海外ゲーム」という特別な感覚

Ghost of Tsushimaが日本のプレイヤーに刺さった最大の理由のひとつは、「アメリカのスタジオが作ったのにここまで本物っぽい」という驚きだ。鎌倉時代の武士の装束、寺社仏閣の建築、日本の農村風景、能面を模したような演出——細部まで丁寧に作られており、「外国人の見た偏った日本」という印象がほとんどない。

むしろ「日本人が作ってもこれが限界かも」というくらい、侍の美学と時代劇の雰囲気が徹底している。開発チームは対馬に実際に足を運び、地形・文化・建築を徹底的にリサーチしたという。その姿勢は作品全体から伝わってくる。

「対馬という実在の島が舞台」という点も日本のプレイヤーには特別な響きがあった。ゲームが話題になった後、対馬の観光客が増え、実際に「ゴースト観光」というブームが起きたほどだ。フィクションが現実の場所への関心を呼び起こした稀有なケースとして、ゲーム産業でも注目された。

映像美と音楽の組み合わせが突出している

このゲームはスクリーンショットが異常に映える。風に揺れるすすき、夕暮れの朱い空、霧の中に浮かぶ鳥居、雪原に響く刀の音——どの瞬間を切り取っても絵になる。「フォトモード」が充実しており、一時停止してカメラアングル・絞り・深度・フィルターを自由に調整してスクリーンショットを撮影できる。プレイヤーが撮影した写真をSNSでシェアする文化が盛んで、それがさらに「このゲーム、絵が綺麗すぎる」という評判を広めた。

音楽も圧倒的だ。作曲は「Ilan Eshkeri(イラン・エシュケリ)」と日本人作曲家「三宅一徳(みやけ かずのり)」の共同作業で、尺八・三味線・和太鼓などの和楽器と西洋オーケストラが融合した壮大なサウンドトラックが全編に流れる。戦闘中の激しい打楽器と弦楽器の重なりから、静かな田園を馬で走るときの柔らかな尺八の音まで、その場の空気と完璧に合っている。

「馬で走りながら音楽を聴いているだけで時間が溶ける。これを体験するだけで買う価値がある。」

Steamユーザーレビューより

オープンワールドの「密度」と「質」のバランス

近年のオープンワールドゲームは「広いけどスカスカ」「マーカーだらけで作業感がある」という批判を受けることが多い。Ghost of Tsushimaはその対極にある設計をしている。

探索スポットはマップに最初から全部表示されない。馬を走らせていると自然に発見できる構造になっており、「歩き回ることそのものが楽しい」という感覚が持続する。金の鳥が飛んでいる方向に進むと神社がある、煙が上がっている場所に向かうとキャンプがある——ゲームの世界が自分でヒントを出してくる。

サブクエストの質も高く、単なるおつかいではなく小さな人間ドラマが描かれている。NPC一人ひとりに事情があって、仁が関わることで彼らの状況が変わっていく。メインストーリーと直接関係なくても、プレイ後に印象に残るサブクエが複数ある。

日本語音声・英語音声どちらも最高品質

Ghost of Tsushimaは日本語音声が本当に素晴らしい。境井仁を演じる中井和哉をはじめ、キャスト全員のパフォーマンスが映画級だ。海外製ゲームの日本語版でありながら、日本語音声が「後付けの吹き替え」ではなく「本来の声」に感じられるくらいクオリティが高い。

英語音声も同様に優秀で、こちらは英語圏のプレイヤーから絶賛されている。「日本語音声のがより本物っぽい」という意見も多く、PC版を英語音声でプレイしてから日本語に切り替えて再プレイするという人もいる。どちらでも満足できる。

「日本語の台詞の重み、間の取り方、感情の乗せ方——これは完全に映画のレベル。日本人として、海外のスタジオがここまでやってくれたことが誇らしいと同時に、嬉しかった。」

Steamユーザーレビューより

PC版ならではの要素

グラフィック設定とパフォーマンス

PC版Ghost of Tsushima DIRECTOR’S CUTは、PS5版をさらに上回るグラフィック設定が可能だ。4K解像度・60fps以上での動作に対応しており、テクスチャ品質・影の品質・アンビエントオクルージョン・深度エフェクトなどをPCのスペックに合わせて細かく調整できる。

NVIDIA DLSS・AMD FSR・Intel XeSS のアップスケーリングに対応しており、中程度のスペックでも高解像度相当の映像が出しやすい。RTX系のGPUを持っているなら、DLSSを活用することで4K+高フレームレートの環境をつくりやすい。

最低スペックはWindows 10・i7-8700・16GB RAM・GTX 970(VRAM 4GB以上)・SSD 75GB。推奨スペックはi7-9700K・16GB RAM・RTX 2070 SUPER(VRAM 8GB以上)・SSD 75GB。PS5版と同等以上の映像を楽しむには推奨スペック以上が欲しいが、設定を下げれば中スペックのPCでも動作する。

DualSenseのハプティクスと適応トリガー

前述の通り、PC版でDualSenseをUSB接続することで適応トリガーとハプティクスフィードバックを活用できる。特に弓を引くシーンで右トリガーが実際に重くなる感触は、他のゲームでなかなか味わえない。コントローラーがあるならDualSenseでのプレイを強くお勧めする。

フレームレート上限解放とウルトラワイドモニター対応

PC版はフレームレート上限を任意に設定でき、120fps・144fps・240fpsなど高リフレッシュレートのモニターを持っていれば存分に活かせる。また21:9や32:9のウルトラワイドモニターにも対応しており、広大な対馬の風景がモニターいっぱいに広がるのはPS版にはない体験だ。

マウス&キーボードとコントローラー

マウス&キーボードにも対応しているが、このゲームはコントローラーでのプレイが圧倒的に気持ちいい。特に刀での近接戦闘、馬の操作、弓の照準——どれもアナログスティックとトリガーの組み合わせで最大限に楽しめる。マウス&キーボードでも支障なくプレイできるが、できればコントローラーを推奨する。

注意点——正直に伝える

Ghost of Tsushima DIRECTOR'S CUT その他アクション スクリーンショット4

オープンワールドの収集要素が多い

Ghost of Tsushimaには探索・収集要素が大量にある。甲冑のカスタマイズ素材、装備の強化素材、伝説の武器・甲冑、史詩(詩の石碑)、神社の鳥居など、コンプリートを目指すと相当な時間がかかる。

「全部埋めないと気が済まない」タイプの人はここが沼になる。「必要なものだけ取ればいい」と割り切れる人は問題ないが、マップを全部埋めようとするとメインストーリーの5〜6倍の時間がかかる。本編クリアまでは25〜35時間程度、完全コンプリートは60〜80時間以上という声が多い。

戦闘がやや単調になる中盤

「型」の切り替えと「居合」の緊張感は序盤〜中盤にかけて楽しいが、能力を解放しきった後半は敵がやや単調に感じられる場面もある。最高難易度「冥人の道」にすれば常に緊張感があるが、普通〜難しいだと慣れてきたころに少しマンネリを感じる人がいる。

これは多くのオープンワールドアクションに共通する問題で、Ghost of Tsushima特有の欠点というわけではない。壱岐之譚の追加コンテンツで新しい敵タイプも増えるので、そちらで刺激を取り戻せる。

ストーリーの「選択肢」は基本的にない

物語の方向性に選択肢はほとんどなく、ストーリーは基本的に一本道で進む。「自分の選択で結末が変わる」タイプのゲームが好きな人は、この点では物足りさを感じるかもしれない。Ghost of Tsushimaは「仁の物語を追体験する」タイプで、「プレイヤーが物語を作る」タイプではない。

これはどちらが優れているという話ではなく、ゲームの方向性の違いだ。一本道のストーリーだからこそ、演出の密度と物語の完成度が高い。

PC版発売直後のパフォーマンス問題

PC版リリース直後は、特定のGPU環境でシェーダーコンパイルによる一時的なカクつきや、VRAM使用量が高めになる問題の報告があった。パッチでほぼ改善されているが、古めのGPUやVRAMが少ない環境では設定を落とすことを検討したい。Steamコミュニティハブに環境別の設定例が充実しているので、動作が重い場合はそちらを参考にするといい。

Steamのオンライン認証が必要

PC版はSteam版・Epic版ともに起動時にオンライン認証が必要だ(PSNアカウントとの連携は任意で、必須ではない)。完全オフラインで遊びたい場合は、Steamのオフラインモードを使えば問題なく動作する。

初心者へのアドバイス——はじめて遊ぶ人へ

難易度は「普通」から始めてみる

アクションゲームが苦手でなければ、最初は「普通」で始めることをお勧めする。このゲームの戦闘の醍醐味——敵の攻撃を見切って受け流す感触、型を切り替えてリズムに乗る感覚——は「普通」くらいの難易度でもちゃんと感じられる。「やさしい」だと少し物足りないという声が多く、「難しい」はアクション慣れしていないと序盤が辛い。

途中で変更してもペナルティはないので、「普通」で始めて「ちょっと楽すぎるな」と感じたら「難しい」に上げればいい。

馬を早めに入手してフィールドに出る

序盤に馬を入手できるイベントが発生する。これを早めにこなして、馬に乗って対馬の風景を走り回ることがこのゲームの楽しさの核心だ。メインクエストを一直線に追うより、「風の道標」に従いながら見えた場所に寄り道しつつ進むと、オープンワールドの豊かさを最大限に味わえる。

フォトモードは積極的に使う

L3長押し(デフォルト設定)でフォトモードに入れる。美しい瞬間は遠慮なく止めて撮っていい。このゲームのフォトモードはアングル・焦点距離・深度・フィルム表現・フィルターの自由度が非常に高く、本当に映画のワンシーンのような写真が撮れる。SteamのスクリーンショットをSNSにシェアするとゲームを知らない人にも「え、これゲームなの?」と驚かれることが多い。

「黒澤モード」を一度試してみる

カラーモードでひと通りプレイした後でも、「黒澤モード」を一度試してほしい。世界の印象が全く変わる。特に夜の戦闘シーンや霧の中の景色はモノクロームで映えるので、「同じゲームを別の映画で見ている感覚」になる。序盤から黒澤モードで始めるのも悪くない。

サブクエストは積極的にこなす

メインストーリーだけ追うと、ゲームが提供する感情の幅の半分も体験できない。「従者の誓い」などのサブクエストシリーズは、各仲間キャラクターの物語を深く掘り下げており、本編と同等の重みがある。道中で見かけた旗印や民の話しかけには積極的に応じておくといい。

コントローラーを使う(DualSenseがあれば最高)

繰り返しになるが、PC版でもコントローラーでの体験が圧倒的にいい。DualSenseがあれば適応トリガーのハプティクスも楽しめる。XboxコントローラーでもSteam版は問題なく動く。マウス&キーボードでもプレイはできるが、特に馬での移動と近接戦闘の操作感が変わるので、できれば用意してほしい。

他のゲームと比較して——どんな立ち位置か

Ghost of Tsushima DIRECTOR'S CUT その他アクション スクリーンショット5

アサシン クリードシリーズと比べて

オープンワールドアクションとして真っ先に比較されるのがアサシン クリードシリーズだ。どちらも広大なオープンワールドを探索しながら物語を進めるスタイルだが、方向性はかなり違う。アサシン クリードは近年RPG要素が強くなり、装備品の管理・スキルツリー・レベルアップといった要素が盛りだくさん。Ghost of Tsushimaはそれらを極力シンプルにして、「戦闘の手触り」と「世界の美しさ」に集中した作りになっている。

「数字を増やす達成感が好き」ならアサシン クリードの方が向いているかもしれないし、「RPG要素は少なくていいから、世界をシンプルに楽しみたい」ならGhost of Tsushimaの方がスッキリ感がある。

Sekiro: Shadows Die Twice と比べて

「侍もの」として比較されるのがSekiro: Shadows Die TwiceだがGhost of Tsushimaとはゲームデザインの方向性がかなり違う。Sekiroは「高難易度の死にゲー」でシビアな戦闘の攻略に特化しているのに対し、Ghost of Tsushimaは難易度を下げれば誰でも最後まで楽しめる間口の広さがある。「侍ゲーを遊びたいがSekiroは難しすぎた」という人に、Ghost of Tsushimaが強く推薦されることが多い。

Dying Light やアクション系オープンワールドと比べて

Dying Lightのようなアクション系オープンワールドと比較すると、Ghost of Tsushimaは「爽快感より没入感」という設計だ。派手なコンボやルート間の移動アクロバットよりも、一刀一刀の重みと景色への没入を優先している。「スピーディーなアクション」より「重みのある時代劇的な戦い」を求めている人に向いている。

関連ゲームと内部リンク

Ghost of Tsushima DIRECTOR’S CUTのような一人称・三人称のアクションゲームやオープンワールドが好きな人には、以下も参考にしてほしい。

まとめ——対馬の風が、まだそこにある

Ghost of Tsushima DIRECTOR’S CUTは、「オープンワールドゲームって、こういうことができるのか」と思わせてくれた作品だ。広大なフィールドが絵として完成していて、そこを駆け抜けるだけで気持ちいい。戦闘は手触りがよくて重みがある。物語は一本道だが、仁という人間を最後まで追いかけたくなる強さがある。

「侍が好き」「日本の風景が好き」「映像美のあるゲームが好き」——どれか一つでも当てはまるなら、間違いなく刺さる。Steamのレビュー97%という数字は、実際に遊んだ人が積み上げた正直な評価だ。

日本語音声での体験は特に推薦したい。中井和哉が演じる境井仁の、抑えた感情の中にある揺れが、台詞のひとつひとつから伝わってくる。英語音声も素晴らしいが、この物語は日本語で体験する価値がある。

壱岐之譚まで含めると40〜50時間は遊べる。セールを狙えば半額以下で入手できることも多い。「PCで遊べる最高の和風アクション」を一本選べと言われたら、今は迷わずこれを挙げる。

クリアした後に対馬の風景画像を検索して、「あそこに行ってみたいな」と思ったら、それがこのゲームが作り出した最高の余韻だと思う。

Ghost of Tsushima DIRECTOR'S CUT

Sucker Punch Productions, Nixxes Software
リリース日 2024年5月16日
サービス中
同時接続 (Steam)
2,672
2026/04/17 アジア圏ゴールデンタイム計測
レビュー
89,868 人気
93.8%
全世界
非常に好評
89,868件のレビュー
👍 84,341 👎 5,527
90.6%
非常に好評
574件のレビュー
👍 520 👎 54
価格¥7,590
開発Sucker Punch Productions, Nixxes Software
販売PlayStation Publishing LLC
日本語非対応
対応OSWindows
プレイ形式シングル / マルチ
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