Gorilla Tag

Gorilla Tag|VRゴリラ鬼ごっこが世界中で愛される理由、移動の快感と中毒性を徹底解説

VRゲームを検索しているときに、「ゴリラになって四つん這いで走り回るゲームがあるらしい」という話を聞いて、最初は半信半疑だった。コントローラーのスティックで移動するわけでも、ボタンを押してジャンプするわけでもない。両腕を地面に突いて、本当にゴリラのように体を動かして移動する。「それが楽しいの?」と思う気持ちは自然だと思う。

でも実際に起動して5分経ったころ、全身から汗が出ていた。壁を両手で押して跳ね上がり、木の枝に手を伸ばして掴まり、坂道を転げながら逃げる。画面の向こうでゴリラが動いているのではなく、自分の腕が動いて、自分の体が移動している感覚がある。「VRってこういうことだったのか」と思った瞬間だった。

Gorilla Tagは2021年にリリースされたVR専用の鬼ごっこゲームだ。AppIDは1533390、Steam上のWPは68660。開発・運営はAnother Axiom。Meta Quest(旧Oculus)でのリリースが先行し、その後SteamVRでも遊べるようになった。コントローラースティックによる移動操作を一切排除し、プレイヤーの実際の腕の動きだけで移動するという設計が、このゲーム最大の特徴だ。

無料でプレイできる(Steam版・Quest版ともに基本プレイ無料)こともあり、VRゲームの中では異例の規模のプレイヤーコミュニティを持っている。日本でもプレイヤーが増えており、実況・配信コンテンツとしても人気が高い。

この記事では、Gorilla Tagとは何か、なぜこんなに面白いのか、初めてプレイするときに何を知っておくべきかを丁寧に書いていく。VRヘッドセットを持っていて「次に何か遊ぼうか」と探している人にも、VRを検討中でどんなゲームがあるか調べている人にも、参考になる内容を目指した。

目次

こんな人に向いているゲーム

Gorilla Tag その他アクション スクリーンショット1

  • VRで「本当に体を動かす」体験がしたい人
  • 競争よりも「鬼ごっこ的な遊び」が好きな人
  • 完全無料でVRマルチプレイを楽しみたい人
  • 短時間でサクッと遊べるゲームを探している人
  • 友達と一緒に笑いながら遊べるVRタイトルが欲しい人
  • VRを始めたばかりで、最初に遊ぶゲームを探している人
  • 体を動かすゲームでダイエット・運動をしたい人
  • 配信・実況ネタになる見た目にわかりやすいゲームが欲しい人

逆に向いていない人もはっきりしている。コントローラーの操作スティックで移動したい人には向かない。このゲームは両腕を実際に振って移動するため、腕や肩に相当な負荷がかかる。激しく動くことに身体的な制限がある人は注意が必要だ。また、VR必須なのでヘッドセットがなければ遊べない。PCゲームとして通常の形式では遊べない点も覚えておいてほしい。

Gorilla Tagとはどんなゲームか

ゲームの基本的な仕組み

Gorilla Tagを一言で説明するなら「VRゴリラ鬼ごっこ」だ。プレイヤー全員がゴリラの姿で、鬼(タガー)が他のプレイヤーをタッチして感染させていく。タッチされたプレイヤーは鬼になり、最後まで逃げ切ることを目指す。

このシンプルな鬼ごっこに、Gorilla Tag独自の要素が加わっている。それが「プロペル(Propel)システム」と呼ばれる移動方式だ。コントローラーのスティックで移動するのではなく、両腕を地面に突いて実際に体を押し出すように動かすことで移動する。腕を速く振るほど速く移動できる。木の幹に手をつけばそこを足場に飛び上がることもできるし、壁を使って斜めに跳ねることもできる。

この移動システムがGorilla Tagを他のVRゲームと根本的に違うものにしている。プレイヤーの実際の体力・反射神経・腕の力が直接ゲームの結果に影響する。うまくなるにはゲームの操作に習熟するだけでなく、実際に体を鍛える必要がある。VRゲームとしては珍しく、「うまい人が体も使える」という関係性がある。

開発者と開発背景

Gorilla Tagを作ったのはAnother Axiomというスタジオで、実質的にはひとりの開発者によって初期バージョンが作られた。開発者のHank(Kerestell Smith)は、もともと趣味でVRゲームを作っていたアマチュア開発者だった。

ゲームのアイデアは非常にシンプルなところから来ている。「VRで鬼ごっこをしたい。でも移動はコントローラーではなく、本当に体を動かして行いたい」——この発想をそのまま実装した。最初のバージョンは2021年1月頃にMeta Quest向けにリリースされ、当初は小規模なVRコミュニティ内で口コミで広まっていった。

しかし2021年夏頃から状況が変わる。YouTubeやTwitchで有名なゲーム実況者たちがこのゲームをプレイし始め、動画が急速に拡散した。移動の様子が「本当にゴリラみたいだ」「腕が痛くて笑える」「子どもが泣いて嫌がる」といったリアクション系コンテンツとして非常に映えたこともあり、爆発的な注目を集めた。

その後、Another Axiomは正式なスタジオとして組織化され、継続的なアップデートと新マップの追加を行っている。現在もメインの開発チームは小規模だが、コミュニティが非常に活発で、ユーザー生成コンテンツ(カスタムマップなど)も豊富に存在する。

対応プラットフォームと価格

Gorilla TagはVR専用ゲームだ。対応ヘッドセットは以下の通り。

  • Meta Quest 2 / 3 / Pro:Metaの公式ストアからダウンロード可能。基本無料。
  • SteamVR対応ヘッドセット:Valve Index、HTC Vive、Pimax、HP Reverb G2など。Steamから無料ダウンロード。
  • PlayStation VR2:2024年以降に対応が拡大。

基本プレイは無料。ゲームのコア部分(鬼ごっこ)はすべて無料で遊べる。有料要素はコスメティックアイテムのみで、ゲームプレイに影響しない。Meta Questでは「Gorilla Tag Shop」という公式アイテムストアがある。Steamでも同様に見た目のカスタマイズ要素が課金対象だ。

PCでSteamVRを使う場合、一定のスペックが必要だ。VRゲームとしては比較的軽い部類だが、VRヘッドセットの動作要件を満たすPCが必要になる。Meta Questのスタンドアローンモード(PCなしで単体動作)では、PCが不要でヘッドセットだけで遊べる。これがカジュアルプレイヤーに広く普及している大きな理由のひとつだ。

ゲームシステムの詳細

Gorilla Tag その他アクション スクリーンショット2

プロペルシステム:腕で移動するとはどういうことか

Gorilla Tagの核心は「プロペルシステム」にある。コントローラーのスティックで移動する通常のVRゲームとは根本的に異なる移動方式で、プレイヤーの実際の腕の動きをそのまま移動に変換する。

具体的にどうするかというと、地面や壁・木などに両手を触れ、そこを押し出すように腕を動かす。地面を強く押せば前に進む。坂道を押し上げれば加速する。壁面を叩けば横に跳べる。木の幹を両手でつかむように触れながら上方向に力を加えれば、木に沿って登ることができる。

この移動をうまくやるには「モンキーターン」と呼ばれるテクニックが重要になる。片腕を軸にして体をスイングさせ、もう一方の腕で次の地点を掴む。慣れてくると、木々の間をサルのようにスイングしながら移動できるようになる。これがうまくできると「本当にゴリラになった」感覚があって、かなり爽快だ。

また「スライディング」という技法もある。坂道に手をついて下方向に勢いをつけながら滑り降りることで、急速に加速できる。これを使いこなすと、鬼から逃げる際のスピードが大きく変わる。

初心者が最初に戸惑うのは「思ったように動かない」という点だ。腕を激しく振れば速く動けると思いがちだが、実際には「しっかりと地面を押す」意識が重要で、ただ腕をバタバタさせても速くは動けない。物理演算に基づいた動きなので、力の方向と強さをうまくコントロールする必要がある。

マップの構造:逃げ場と鬼ごっこのデザイン

Gorilla Tagには複数のマップが存在し、それぞれが鬼ごっこに特化したレイアウトになっている。代表的なマップを紹介しよう。

Forest(フォレスト)は最も基本的なマップで、木々が立ち並ぶ森が舞台だ。木に登ることができ、高所を逃げ場として使える。地上・木の上・斜面と、立体的な逃げ回りが楽しめる。初心者がまず遊ぶべき場所で、このゲームの基本的な楽しさが詰まっている。

Canyon(キャニオン)は岩場の峡谷が舞台。垂直の岩壁が多く、壁を利用した移動テクニックが重要になる。Forestよりも立体感が強く、上下の移動差を使った逃走・追跡が面白い。中級者以上に人気のマップだ。

Caves(ケイブス)は地下洞窟がテーマ。暗さと複雑な地形が特徴で、視界が制限される分、予測しにくい動きが生まれる。ランダムな混戦になりやすく、短い時間でスリルを楽しみたい人に向いている。

City(シティ)は都市の建物街が舞台。ビルの屋上や壁面を使ったパルクール的な移動が楽しめる。水平方向の移動距離が長く、鬼との距離を取りやすい一方で、逃げ道を読まれると一気に詰められる。スピード感のある鬼ごっこが楽しめる。

Clouds(クラウズ)は雲の上が舞台の空中マップ。足場が限られており、落下したら脱落(アウト)というプレッシャーがある。他のマップとは一線を画したスリルがある一方、移動の難易度も高い。上級者向けの特殊マップという位置づけだ。

鬼のルールと感染の仕組み

Gorilla Tagの基本ルールはシンプルだ。ゲーム開始時に数人が「鬼(タガー)」になり、他のプレイヤーを追いかけてタッチする。タッチされたプレイヤーは鬼の仲間になる。最後まで逃げ切ったプレイヤーが生存者として勝利する。

鬼と逃げる側の見た目は色で区別される。鬼側はオレンジ・赤系のゴリラ、逃げる側はグレー・白系のゴリラというような形で視覚的にわかりやすく区分されている。

ゲームモードは複数ある。一般的な「感染モード(Infection)」のほかに、「タグ(Tag)」というシンプルな一対一的な鬼ごっこモードや、「ハント(Hunt)」という特定プレイヤーを全員で追いかけるモードなどがある。マップとモードの組み合わせによって、毎回違う展開が生まれる。

ラウンド時間は通常数分程度で、何ラウンドもプレイすることを前提とした短いセッション設計になっている。「もう一回」が非常に言いやすいゲームリズムで、気づけば30分・1時間と遊び続けることになる。

コスメとカスタマイズ要素

Gorilla Tagのゴリラは基本的に「なにも着ていないゴリラ」だが、様々なコスメアイテムで見た目をカスタマイズできる。アイテムの種類は以下のようなものがある。

  • 帽子・ヘッドウェア:海賊の帽子、工事現場のヘルメット、サンタ帽など季節限定アイテムも多い
  • 顔アイテム:サングラス、マスク、鼻アクセサリーなど
  • 体のカラーリング:ゴリラの毛色を変えられるカラー系アイテム
  • エフェクト:移動時に光るエフェクトや煙が出るエフェクトなど
  • タグエフェクト:タッチしたときに発生する視覚効果

コスメアイテムはゲーム内通貨(Shiny Rocks)で購入する。Shiny Rocksはゲームをプレイしていると自然に貯まるほか、課金で購入することもできる。ゲームプレイへの影響はなく、純粋に見た目だけの要素だ。

コミュニティでは「誰がどんなコスメを持っているか」が会話の種になることも多く、レアアイテムを持っているプレイヤーはリスペクトされる文化がある。ハロウィン・クリスマスなどの季節限定アイテムは期間が過ぎると入手困難になるため、コレクター的な楽しみ方もある。

コミュニティとソーシャル要素

Gorilla Tagにはボイスチャット機能があり、同じロビーにいるプレイヤー全員と距離に応じた音量でリアルタイムに会話できる。近くにいれば声が大きく聞こえ、遠ければ小さくなるという空間的な音響処理がされている。

このボイスチャット機能が、ゲームに独特の「生感」を生み出している。鬼が迫ってくる直前に誰かが叫ぶ声、タッチされた瞬間の「やられた!」という声、逃げながらの冗談……こういったやり取りがGorilla Tagの楽しさの大きな部分を占めている。テキストチャットでは絶対に出ないリアクションがボイスで生まれる。

一方で、オープンなボイスチャットには荒らし・暴言といった問題も存在する。特に子どもプレイヤーが多いゲームなので、不適切な発言への対処が課題になることもある。ミュート機能は搭載されているが、野良ロビーでは注意が必要だ。フレンドのみのプライベートロビー機能を使えば、知っている人とだけ遊ぶことができる。

Discordには公式サーバーがあり、日本人コミュニティも一定数活動している。トーナメントイベントや特定テーマの集まりも定期的に開催されており、ゲームを超えた交流の場になっている。

Gorilla Tagがここまで人気になった理由

理由1:移動の「体感」が他のVRゲームにない

VRゲームには数多くのタイトルがあるが、「腕を動かすことで移動する」という体験を高いクオリティで実現しているゲームは非常に少ない。Gorilla Tagのプロペルシステムは、プレイヤーが本当に「自分の体で動いている」感覚を生み出すことに成功している。

コントローラーのスティックで移動する通常のVRゲームでは、視界は動くが体は動いていないという乖離が生じる。これがVR酔いの主な原因にもなる。Gorilla Tagでは自分の腕が動いているから体が動く、という一致があるため、VR酔いが起きにくいという特徴もある。腕の動きと視界の動きが一致しているため、脳が矛盾を感じにくい。

この「自分の体が動く感覚」は一度経験すると病みつきになる。ゴリラのように四つん這いで走り、木を登り、壁を蹴って方向転換する。ゲームとしての楽しさだけでなく、純粋に「この動き方が気持ちいい」という感覚がある。これはGorilla Tag特有のもので、他のゲームでは代替できない体験だ。

「ゴリラになって動き回るのが本当に楽しくて、気づいたら1時間も腕を使い続けてた。翌日は筋肉痛でひどかったけど、また夜にはやってた」

Steamレビューより

理由2:「鬼ごっこ」というシンプルなルールの普遍性

鬼ごっこは説明不要のゲームだ。世界中のどの文化圏でも似たような遊びが存在し、子どもから大人まで「タッチされたら鬼になる」というルールを直感的に理解できる。

Gorilla Tagがこのシンプルなルールを採用したことは非常に賢明だった。VRゲームにありがちな「チュートリアルを終えるまでゲームを理解できない」という問題がない。マップに入った瞬間から何をすればいいかがわかる。オレンジのゴリラが近づいてきたら逃げる。それだけだ。

このシンプルさがプレイヤーを選ばない間口の広さを生んでいる。普段ゲームをしない人でも、家族でも、初めてVRを体験する人でも、すぐに楽しめる。コミュニティが大きくなればなるほど、初心者と上級者が混在しても成り立つゲームの設計が機能する。

理由3:無料という参入障壁のなさ

VRゲームは本体のヘッドセットが高価なため、ゲーム自体に追加でお金を払うことへの心理的ハードルがある。Gorilla Tagが基本無料というのは、この層にとって非常に重要な要素だ。「せっかくヘッドセットを買ったから、まず無料のゲームで試してみよう」という動機でプレイを始める人が多い。

無料ゆえにプレイヤー数が多く、ロビーに入ればすぐに他のプレイヤーと遊べる。マルチプレイゲームにとって「人がいること」は最重要条件のひとつで、無料であることがその条件を満たし続けている。

また無料タイトルは配信・実況にとっても参入障壁が低い。視聴者が「自分でも遊べる」という状態が、配信を見ながら自分でもプレイするというサイクルを生んでいる。YouTubeで人気実況者の動画を見た視聴者が翌日にはプレイしている、という流れが続いてきた。

理由4:子どもプレイヤーを中心とした爆発的な拡散

Gorilla Tagはプレイヤー層が幅広いが、特に10代前半を中心とした若年層に非常に強い人気を持っている。Meta Questを持っている子ども・若者の間でGorilla Tagは「まず入れるゲーム」として定番化しており、学校や友人グループでの話題になることが多い。

子どもの間でのクチコミは非常に強力だ。「友達がやってるから自分もやりたい」という動機は、広告や公式プロモーションよりも強いことが多い。Gorilla Tagはこのクチコミによる拡散を非常にうまく受け取った。

また、親が子どもに安心して与えられるゲームという側面もある。暴力的な描写が少なく(ゴリラが走り回るだけ)、ゲーム内購入もコスメのみで課金を強要する設計ではない。これが「子どもに持たせるVRゲーム」として保護者層にも受け入れられた。

理由5:配信・実況映えの抜群さ

Gorilla Tagは観ていて楽しいゲームだ。プレイヤーが四つん這いでゴリラのように走り回り、叫びながら逃げ、壁に激突する。視聴者から見て「何をしているのか」が一目でわかる。リアクションが大きく、ハプニングが頻繁に起きる。

特にVRゲームの配信はプレイヤーのリアルな動きがカメラに映ることもあり、「本当に体を動かしている人間」が見えることでエンタメ性が上がる。腕が疲れて動きが鈍くなる瞬間や、VR酔いと格闘しながらプレイする様子なども配信コンテンツとしての見どころになる。

YouTubeのサムネイルとの相性も良い。ゴリラのビジュアルはインパクトがあり、「なんだこれ」という興味を引きやすい。「初めてGorilla Tagをやってみた」「Gorilla Tagが怖すぎた」といったリアクション系の動画タイトルはクリックされやすく、新規プレイヤーを呼び込む入口になり続けている。

理由6:コミュニティが作り続けるカスタムコンテンツ

Gorilla Tagにはモッディングコミュニティが存在し、公式以外のカスタムマップや追加機能を作り出している。PC版(SteamVR)では特にModが豊富で、公式マップとは全く異なる世界観のコンテンツが存在する。

カスタムマップの中には、公式マップに匹敵するクオリティのものも多い。宇宙ステーションが舞台のマップ、日本の神社をモチーフにしたマップ、ホラーゲームのような暗闇マップなど、テーマは多岐にわたる。公式が更新を止めても、コミュニティが新しいコンテンツを作り続けるというエコシステムが成立している。

このカスタムコンテンツの存在が、長期プレイヤーがゲームを続ける理由のひとつになっている。「公式マップは飽きた」という人も、カスタムマップを探せばまだ遊んでいない場所がある。

「Gorilla Tagのカスタムマップを初めて遊んだとき、これがコミュニティの力か、と正直驚いた。公式より面白いと思えるマップが普通にあった」

Redditのr/GorillaTagより

プレイする前に知っておきたい注意点

Gorilla Tag その他アクション スクリーンショット3

注意点1:腕・肩への身体的負荷

Gorilla Tagで最初に驚くのは「こんなに疲れるのか」という点だ。両腕を使って移動するゲームシステム上、特に肩・二頭筋・前腕に大きな負荷がかかる。初めてプレイした場合、30分も遊んでいると腕が上がらなくなるほど疲れることがある。

翌日に筋肉痛が出るのはほぼ確実と思っていい。これはゲームとして異常なわけではなく、「本当に体を使うVRゲームがこれだ」という証明でもある。ただし、慣れていない段階で無理をすると腕・肩・肘の痛みや違和感につながる可能性がある。

最初のうちは20〜30分程度を目安にプレイし、体が慣れてきてから徐々に時間を延ばすことを強くすすめる。特に肩や肘に既往症がある人は事前に医師に相談してほしい。

注意点2:プレイスペースの確保

両腕を実際に動かすゲームなので、プレイスペースの確保が必要だ。腕を大きく振る動作が発生するため、周囲に人や壁・物がないことを確認してからプレイしてほしい。

激しく動いている最中に壁やテーブルに手が当たるといった事故が起きやすい。VRの没入感が高いため、現実の障害物の位置感覚が薄れる。Meta Questの「Guardian」機能などを使って、プレイエリアを設定した上でプレイすることが大切だ。

最低でも横1.5m×縦1.5m程度の空間を確保したい。より動き回るためには2m×2m以上あると快適に遊べる。

注意点3:VR酔いの可能性

先ほど「腕の動きと視界の動きが一致しているため酔いにくい」と書いたが、完全に酔わないわけではない。特に高速で動き回るシーンや、Cloudsマップのように高低差の大きい環境では酔いが出る人がいる。

VRに慣れていない人は最初の数回、セッションを短めにして様子を見ながら進めることをすすめる。気分が悪くなったらすぐにヘッドセットを外して休憩する。無理して続けると症状が悪化することがある。

注意点4:コミュニティのマナーと荒らし問題

Gorilla Tagのオープンロビーはボイスチャットが基本的に有効になっており、見知らぬプレイヤーと音声でやり取りする状況が生まれる。大多数のプレイヤーは問題ないが、一部に暴言・ハラスメント・不快な言動をするプレイヤーが存在するのは事実だ。

子どもがプレイする場合、保護者が最初の数回は一緒にプレイして環境を確認することを強くすすめる。公式のミュート・ブロック機能は存在するが、野良ロビーである以上ある程度の不快体験のリスクはゼロにはならない。

対策としては、フレンド限定のプライベートロビーを使うことが最も確実だ。知っている人とだけ遊ぶ場合は、この問題はほぼ発生しない。

注意点5:Modの導入は自己責任

PC版ではModの導入が比較的容易だが、公式サポート外の行為であることを理解した上でやる必要がある。Modの中には動作不安定を引き起こすものや、オンラインでの不正行為に使えるものもある。

公式サーバーでModを使ってゲームバランスを崩す行為(壁抜け、速度改ざんなど)はBANの対象になる可能性がある。カスタムマップを楽しむ目的のModは問題ないが、オンライン対戦に影響するものは使わないことが基本的なマナーだ。

注意点6:ヘッドセットの蒸れと衛生管理

Gorilla Tagは体を激しく動かすゲームなので、プレイ中にヘッドセットのフォームパッドに汗が染み込む。長時間プレイしたあとは適切なケアが必要だ。

メーカー推奨のクリーニング方法でパッドを定期的に清拭し、必要であれば交換用パッドを用意しておくことをすすめる。特に複数人で同じヘッドセットを共用する場合は衛生面に注意してほしい。サードパーティ製のシリコン製カバーは洗いやすく、衛生管理に便利だ。

初めてプレイするときのアドバイス

最初の30分:まずForestマップで感覚を掴む

Gorilla Tagを初めて起動したら、まずForestマップのロビーに入ることをすすめる。いきなり鬼ごっこのゲームに参加してもいいが、最初は人のいないプライベートスペースで移動の練習をするのが一番だ。

練習の順番としては、まず地面を両手で押して前進する感覚を掴む。次に坂道でスピードを上げる感覚を試す。それから木に近づいて手を触れながら、幹を登る練習をする。これだけで「このゲームがどういうものか」の7割はわかる。

移動の基本が分かったら、野良ロビーで他のプレイヤーと鬼ごっこをしてみよう。最初は全然逃げられないし、すぐに捕まる。それでいい。「どう動けば速く逃げられるか」「上手いプレイヤーはどこを使って動いているか」を観察しながら遊ぶと上達が早い。

腕の疲れと休憩のタイミング

前述の通り、腕の疲れが出やすいゲームだ。最初は「まだ疲れていないから続けよう」という感覚でも、ゲームに集中しているうちに疲れが蓄積している。

目安として、15〜20分に一度はヘッドセットを外して腕のストレッチをする習慣をつけよう。腕を上下に振ったり、肩を回したり、手首を動かすだけでも疲れの取れ方が違う。「疲れたから休む」ではなく「時間が来たら必ず休む」という設計で動くと、身体的なトラブルを防ぎやすい。

水分補給も忘れがちだが重要だ。激しく動くと汗をかく。ゲームセッションの前後に水を飲む習慣をつけておくといい。

移動テクニックの上達:見て真似る

Gorilla Tagの移動テクニックはYouTubeに大量の解説動画がある。「Gorilla Tag movement tutorial」「Gorilla Tag どうやって速く動く」といったキーワードで検索すると、初心者から上級者向けまで様々なガイドが見つかる。

特に「モンキーターン」「バニーホップ的な挙動」「壁キックのタイミング」などは動画で見た方が理解しやすい。言葉で説明しても体で再現するのが難しい動きが多いので、動画を見ながらゲームで試すというサイクルが効果的だ。

うまいプレイヤーと同じロビーで観察するのも有効だ。野良ロビーには必ず何人か動きが滑らかな上級者がいる。彼らがどのルートを使って移動しているか、どのタイミングで手を地面に着いているかを注目して観察すると、テクニックの理解が深まる。

フレンドと遊ぶ環境を作る

Gorilla Tagは野良でも楽しめるが、フレンドと一緒に遊ぶとさらに面白さが増す。ボイスチャットで会話しながら一緒に逃げ回ったり、わざと鬼に渡してみたり、協力して鬼を翻弄したりするやり取りは、野良では生まれにくい。

フレンドとプレイするにはプライベートロビーを作成し、招待コードを送る形で集まることができる。最初にこの設定に慣れておくと、後々もフレンドと遊ぶ際にスムーズだ。

VRを持っているフレンドが周囲にいない場合は、DiscordのGorilla Tag公式サーバーで日本語話者を探してみるのも手だ。一緒に遊ぶ相手が見つかると、ゲームへの定着度が大きく上がる。

カスタムマップへの挑戦:飽きてきたときの次のステップ

公式マップをひと通り遊んで「少し飽きてきたかな」と感じたら、カスタムマップへの挑戦がすすめだ。PC版(SteamVR)ではMod対応のランチャーを使うことで、コミュニティ製のカスタムマップを遊べるようになる。

カスタムマップへの導入手順はGorilla Tag Moddingコミュニティ(Discordやreddit)に詳しい情報がある。初心者向けのステップバイステップガイドが存在するので、検索してみてほしい。ただし前述の通り、Modの導入は公式サポート外なので自己責任で行う。

Meta Quest版では公式ストア外のSideQuestというプラットフォームを経由してカスタムコンテンツを楽しむ方法もある。こちらも自己責任の範囲での話になるが、コミュニティとしては活発に活動しており、情報量は豊富だ。

同じような方向性のゲームと比べてみる

VRで楽しめるソーシャルゲームとしては、Rec Roomも非常に人気が高い。こちらはVRなしでも遊べる間口の広さがあり、ゴリラ鬼ごっことは違う「ソーシャル空間に集まる」タイプの楽しさがある。Gorilla Tagが「運動系のVR体験」なら、Rec RoomはVRを使った「溜まり場づくり」という感覚だ。

VRを使わない無料マルチプレイゲームでもパーティーゲーム的な楽しさを求めるなら、Crab Gameも候補に挙げられる。こちらはイカゲームにインスパイアされたミニゲーム集で、友人と一緒に笑いながら遊べる。

また無料でアクション系のマルチプレイを楽しみたいなら、Brawlhallaという格闘ゲームもある。VRは不要で、PCで手軽に始められる対戦ゲームとして人気が長続きしている。

Gorilla Tagをより深く楽しむために

Gorilla Tag その他アクション スクリーンショット4

競技シーンとトーナメント

Gorilla Tagにはカジュアルな遊びの先に、競技的なコミュニティが存在する。スピードランニング(特定のルートを最速でクリアするタイムアタック)や、鬼ごっこのルールを複雑にした公式・非公式のトーナメントが定期的に開催されている。

特に上級者コミュニティでは移動テクニックの研究が活発で、新しい動きのテクニックが発見されるたびにコミュニティが盛り上がる。「こういう動きが可能だったのか」という発見が連続して生まれており、ゲーム発売から数年経った今もまだ新しいテクニックが発掘され続けている。

競技として遊ぶ場合、まずDiscordの競技コミュニティに入って他の上級者のプレイを見ることから始めるといい。実際にトーナメントに参加する前に、基本的なテクニックを習得してから挑戦する方が楽しめる。

実況・配信をする場合

Gorilla Tagは配信コンテンツとして非常に映えるゲームだが、OBSなどの配信ソフトとVRの連携設定が少し複雑な場合がある。特にMeta Quest版をPCに映像を飛ばして配信する場合、「Air Link」や「Quest Link」といった接続方式の設定が必要だ。

配信にVRプレイヤーの実際の体の動きも映したい場合は、別途カメラを設置する必要がある。ゲーム画面だけの配信でも面白さは十分伝わるが、プレイヤーのリアルな動きが映ることで視聴者のリアクションが大きくなる傾向がある。

配信の際はボイスチャットの音声管理に注意が必要だ。野良ロビーでの他のプレイヤーの声も配信に乗ることになるため、不適切な発言が流れてしまうリスクがある。配信時はフレンド限定のプライベートロビーを使うか、マイク・音声のミックスを工夫することをすすめる。

VRゲームとしての立ち位置:Gorilla Tagが証明したこと

Gorilla Tagは、VRゲーム市場において重要な意味を持つタイトルになった。「VRゲームは凝ったストーリーや豪華なグラフィックがなくても、移動体験のユニークさだけで世界中のプレイヤーを引きつけられる」ということを実証した。

開発初期はほとんど予算もなく、ひとりの開発者が趣味として作ったゲームが、数百万プレイヤーを持つコミュニティに成長した。このことは、VRゲーム開発において「体験の質」が「制作コスト」より重要である場合があることを示している。

VR市場ではしばしば「キラーアプリが必要だ」という議論がなされる。「このゲームのためにヘッドセットを買う」と思わせるほどの作品が必要だという話だ。Gorilla Tagがその候補として挙げられることが増えており、実際に「Gorilla Tagのためにヘッドセットを買った」という人が相当数存在する。

「VRゲームを全然やっていなかった息子がGorilla Tagを友達から勧められて、Quest 3が欲しいと言い出した。ゲームの力ってすごいと思った」

あるユーザーのSNSより

他の無料VR・アクションゲームと比較すると

純粋なアクション体験という意味では、Titanfall 2のようなスピーディーなFPSとは方向性が全く異なる。Gorilla Tagは武器を使わず、純粋に「逃げる・追う」という原始的な遊びに特化している。

マルチプレイ中心の無料ゲームとしてHalo Infinite(マルチプレイ部分は無料)と比べると、Gorilla Tagは「VR特有の体験」に振り切っている点が違う。ゲームシステムとしての完成度はHalo Infiniteの方が高いが、Gorilla Tagが持つ「腕で動く」というコア体験は他では代替できない。

純粋にリラックスして遊べる無料ゲームという観点では、PowerWash Simulatorのような「のんびり系」とは全く異なる方向性だ。Gorilla Tagは激しく動き回るゲームなので、疲れを癒したいときには向かない。逆に「運動しながらゲームしたい」という人には非常に向いている。

VRを使ったサバイバル系ではMuckのようなゲームと比べると、Gorilla Tagの方が人との対戦がメインで、勝ち負けのストレスが少ない点が気軽さにつながっている。

よくある疑問

Q. VR酔いしやすい人でも遊べる?

Gorilla Tagはスティック移動を使わないため、一般的なVRゲームよりも酔いにくいと言われている。ただし個人差があり、高速で動き回る際や特定のマップでは酔いが出る場合もある。最初は短時間から試して、自分の体の反応を確認しながら遊ぶことをすすめる。もしGorilla Tagでも酔いが出る場合は、VR自体との相性の問題が大きい可能性がある。

Q. 日本語に対応している?

Gorilla Tagのゲーム内UIは現時点で日本語完全対応ではない。英語・スペイン語・韓国語などに対応しているが、日本語UIは限定的だ。ただしゲームとしての操作はシンプルで、言語力がなくてもプレイできる。メニューを読む程度の英語力があれば困らないレベルだ。日本人コミュニティはDiscordを中心に活発なので、日本語で情報を得たい場合はそちらを活用するといい。

Q. Meta QuestとSteamVR、どちらで遊ぶべき?

カジュアルに遊ぶなら、PCが不要なMeta Questのスタンドアローン版が手軽だ。ヘッドセットひとつで完結し、セットアップも簡単。一方でカスタムマップやModを楽しみたいなら、PC接続のSteamVR版が向いている。グラフィック品質も有線接続のPC版の方が高い。最初はMeta QuestのApp Store版から入って、さらに深く遊びたくなったらPC版に移行するという順番が多くのプレイヤーが辿るルートだ。

Q. 一人で遊んでも楽しい?

野良ロビーに入ればすぐに他のプレイヤーと一緒に遊べるため、一人でも全く問題なく楽しめる。むしろ野良ロビーで見知らぬ人たちと鬼ごっこをする楽しさがGorilla Tagの醍醐味のひとつだ。会話しなくても一緒に走り回るだけで楽しい、という体験はこのゲームならではの感覚がある。

Q. プレイ推奨年齢は?

公式のレーティングはMeta Questで「Everyone(全年齢対象)」だ。内容的には問題ないが、ボイスチャットでの不適切な発言リスクと、身体的な負荷(腕の疲労)の観点から、子どもが遊ぶ場合は大人の目が届く環境でのプレイが望ましい。特に低年齢の子どもが激しく腕を動かすことによるケガや疲労に注意してほしい。

Q. 将来的な運営継続性はどうか?

Another AxiomはVCから投資を受けており、定期的なアップデートを続けている。2024年時点でも新マップの追加・コスメの追加・システム改善が続いており、運営が終了する兆候はない。無料ゲームである以上、プレイヤーが急激に減少するリスクは常にあるが、現時点でのコミュニティ活動量を見る限り、中期的には安定した運営が続くと見ていい。

まとめ:ゴリラになって走り回ることが、これほど面白いとは

Gorilla Tagは「VRゲームとはどういうものか」を体で教えてくれるゲームだ。コントローラーのボタンをいくつ押してもVRらしさは伝わらないが、両腕を使って実際に体を動かして移動したとき、「これがVRだ」という感覚が初めて生まれる。

シンプルな鬼ごっこというルール、完全無料というアクセスのしやすさ、体を使う移動システムのユニークさ、若年層を中心とした活発なコミュニティ——これらが組み合わさって、Gorilla Tagは数あるVRタイトルの中でも特別な位置を占めるゲームになった。

腕が疲れるのは本当だ。最初は全然うまく動けないのも本当だ。でも上達していくにつれ、木々の間をスイングして移動できるようになったとき、鬼から絶妙なルートで逃げ切れたとき、「このゲームをやって良かった」と思える瞬間が必ずくる。

VRヘッドセットを持っているなら、インストールしない理由がない。無料だし、それほど重くないし、30分あれば「どんなゲームか」は十分わかる。最初は笑いながら遊んでいただけのはずが、いつの間にか真剣に上達を目指している自分に気づく——それがGorilla Tagという体験だ。

同じく無料で遊べるVRソーシャル空間として、Rec Roomも合わせてチェックしてみてほしい。Gorilla Tagで体を動かした後、Rec Roomでのんびりフレンドと話す、という組み合わせも悪くない。

無料のマルチプレイゲームをいくつか試しながら自分に合うスタイルを見つけたい人は、Brawlhalla(格闘ゲーム)やCrab Game(パーティーゲーム)もVRなしで手軽に遊べるタイトルとして覚えておいてほしい。

さあ、ゴリラになって走り回ろう。腕の筋肉痛は、その証だ。

Gorilla Tag

Another Axiom Inc.
リリース日 2023年1月1日
サービス中
価格¥2,300
開発Another Axiom Inc.
日本語非対応
対応OSWindows
プレイ形式マルチ
世界観・テーマ ホラー
ゲーム要素 MOD対応 PvP Steam配信
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