Ravenswatch|童話の英雄たちが悪夢と戦うローグライトアクション、最大4人で挑む協力型ダンジョン探索
「赤ずきん」が夜になると狼に変身する。「ベオウルフ」が子竜を連れて戦場を駆ける。「孫悟空」が如意棒を振り回して悪夢の怪物を薙ぎ倒す。Ravenswatchはそういうゲームだ。
おとぎ話や神話から飛び出した英雄たちが、悪夢に飲み込まれた世界「レヴェリー」を救うために戦う。見下ろし視点のアクションで、ランダム生成されたマップを探索しながらビルドを組み上げ、制限時間内に強大なボスを倒す。ひとりで黙々とクリアを目指すこともできるし、最大4人でワイワイ協力プレイも楽しめる。
開発元はフランスのPasstech Games。2021年にローグライトアクション「Curse of the Dead Gods」で注目を集めたスタジオが、次の一手として作り上げたのがこのRavenswatchだ。2023年4月にSteamで早期アクセスを開始し、2024年9月26日に正式リリース。Metacriticスコアは84、Steamレビューは2万件超えで「おおむね好評」を維持している。
この記事では、Ravenswatchの面白さの核心はどこにあるのか、どんなシステムで動いているのか、11人いるキャラクターそれぞれの個性はどう違うのかを、できるだけ丁寧に書いていく。「このゲームが自分に向いているかどうか」を判断できる内容にするつもりだ。
こんな人に向いているゲーム

Ravenswatchは独特のゲームだ。ローグライトとして見ると「箱庭探索型」という珍しい設計を採用しており、同ジャンルの他のゲームとは少し異なる感触がある。だからこそ向き・不向きをきちんと整理しておきたい。
こんな人には強くおすすめする
HADESやVampire Survivorsのようなローグライトゲームが好きで、次の一本を探している人には高確率でハマる。特に「Hadesはクリアしたけど次に何を遊べばいい?」と思っている人に向けておすすめしやすいゲームだ。戦闘の爽快感、ビルドの多様性、リプレイ性の高さ、この三つが揃っている。
協力プレイが好きな人にも向いている。Ravenswatchは最初から最大4人の協力プレイが設計の中心に据えられており、友人と一緒に遊ぶとキャラクターの役割分担や連携という新しい楽しさが生まれる。特にロミオとジュリエットという2人で1セットのキャラが存在するくらい、協力プレイへの力の入れ方が尋常ではない。
短時間で区切って遊びたい人にも向いている。1チャプターが18〜20分程度で完結する設計なので、「30分あれば1ランできる」というリズムで生活に組み込みやすい。ゲームの入り口に立つ敷居も低く、最初のチャプターから割とすぐに手応えを感じられる。
キャラクターの個性にこだわりたい人にも刺さる。11人いるキャラクターはそれぞれまったく異なる操作感と特性を持っており、全員を試してみると毎回ゲームの顔が変わる。「赤ずきんで遊んでいたら別ゲームみたいだった」という感覚を持つプレイヤーが多い理由はここにある。
見た目にこだわりがある人にもおすすめだ。Ravenswatchのビジュアルはコミックブック風のセルシェーディングで描かれており、キャラクターが絵本のページから飛び出してきたような独特の質感がある。同じローグライトでも、グラフィックの方向性はHADESとも異なる、Ravenswatchだけの個性がある。
こんな人には合わないかもしれない
死亡によるリセット、つまりローグライトの根本が受け入れられない人には向いていない。Ravenswatchでは死亡するとそのランのビルドやアイテムはすべてリセットされ、最初のチャプターからやり直しになる。永続アップグレードはあるが、蓄積したビルドの喪失感はある。
タイムプレッシャーが苦手な人には少し辛いかもしれない。各チャプターには18分間の制限時間があり、時間が来るとボスが起動してプレイヤーに強制的に挑戦させる設計になっている。「じっくり探索して準備してからボスに挑みたい」というプレイスタイルには、この仕様が窮屈に感じることがある。
広大なオープンワールドをゆっくり歩き回りたい人には向いていない。ゲームの構造は「限られた時間でマップを効率よく回る」というもので、自由気ままな探索とは違うリズムで進む。目的地が次々と現れる感覚は、ゆったりした探索ゲームとは根本的に異なる。
ひとつのキャラクターを使い込んで極めたいタイプの人は、最初は少し戸惑うかもしれない。キャラクターのロック解除に他のキャラを使う必要があるため、全員試すことが前提に設計されている。「ひとりのキャラだけで遊び続けたい」という人には少し窮屈に感じる可能性がある。
Ravenswatchとはどんなゲームか
世界観:夢が悪夢に変わった「レヴェリー」
Ravenswatchの舞台は「レヴェリー(Reverie)」と呼ばれる幻想の世界だ。かつては夢と伝説の源として穏やかだったこの世界が、今は悪夢の力に蝕まれ灰色に染まっていく。
侵略者の名はバーバ・ヤーガ。スラブ神話に登場する魔女が率いる悪夢の群れ(ナイトメア)が、レヴェリーの各地に住む生物を蹂躙し続けている。その脅威に対抗するために結成されたのが「レイヴンズウォッチ」という組織だ。プレイヤーはこのレイヴンズウォッチの英雄として、悪夢に侵食された地を巡り、最終的にバーバ・ヤーガを打ち倒すことを目標とする。
英雄たちのバックストーリーはそれぞれ独特の形で語られる。ベオウルフの物語は古英語の詩のように語られ、メリュジーヌの過去は歌として紡がれ、カーミラの物語は失われた愛人への手紙として描かれる。童話や神話の雰囲気を壊さない表現の工夫が随所に見られ、この世界に愛着が湧いてくる仕掛けになっている。
ゲームの基本構造:箱庭探索型ローグライト
Ravenswatchを他のローグライトゲームと比べたとき、最初に気づく大きな違いが「箱庭探索型」という設計だ。
多くのローグライトゲームはフロア形式、つまりひとつの部屋を突破したら次の部屋を選んで進むという構造をとっている。しかしRavenswatchでは、チャプターごとに大きなマップ全体がひとつのフィールドとして広がっており、プレイヤーはその中を自由に移動しながら様々なスポット(Point of Interest)を訪問して回る形になっている。
ゲームには昼夜サイクルがある。チャプター内の時間経過で昼から夜へと切り替わり、それが制限時間の役割を果たしている。画面右下の時計がじわじわと進み、夜が完全に来るとボス(マスターナイトメア)が目覚める。それ以降はボスと戦うしかない。この仕組みによって「まだ準備できていない」という焦りと「できるだけ探索したい」という欲求が常にせめぎ合い、独特の緊張感が生まれる。
1回のランは複数のチャプターで構成される。各チャプターで独立したボスを倒すことで次のチャプターに進み、難易度によってはエピローグチャプターまで続く。全体を通じると、ランのプレイ時間は難易度や立ち回りによって異なるが、チャプターひとつあたり20分前後が目安になる。
開発元と前作との関係
Passtech Gamesはフランスのゲームスタジオで、2012年の設立以来「Space Run」「Masters of Anima」「Curse of the Dead Gods」を経て、このRavenswatchに至っている。
前作「Curse of the Dead Gods」は2020年から早期アクセスを開始した縦スクロール視点のローグライトアクションで、高難易度と独特の呪いシステムで一定のファンを獲得した。Ravenswatchはその系譜を引きながらも、協力プレイを前面に出し、世界観を童話・神話ベースに一新した全く異なるゲームとして生まれ変わっている。
Naconという大手パブリッシャーのサポートを受けての開発で、アートスタイルや音楽のクオリティは明確に前作からスケールアップしている。2023年4月の早期アクセス開始から1年半をかけて完成させた正式版は、11人のキャラクターと複数のチャプター、無料DLCキャラクターまで含む充実した内容になっている。
ゲームシステムの詳細

昼夜サイクル:制限時間が作り出す緊張感
Ravenswatchのゲームプレイを理解する上で最も重要なのが、昼夜サイクルの仕組みだ。
各チャプターはいくつかの「日」で構成されており、画面右下の時計が1日を刻んでいく。ひとつの点がおよそ22.5秒に相当し、昼と夜のひとサイクルが約3分間。チャプターが始まると昼から始まり、夜に切り替わると敵の行動が活発になり、特定のイベントが発生する。そして制限時間が尽きると、ボスが目覚めてプレイヤーに向かってくる。
この昼夜サイクルはキャラクターの能力にも直接影響する。赤ずきん(スカーレット)は夜になると人狼形態に変身して戦い方が完全に変わり、笛吹き男(パイパー)は昼と夜で使える能力が異なる。昼夜を単なる時間制限として扱うのではなく、キャラクターの個性と組み合わせることで戦略的な奥行きを持たせているのがこのゲームの巧みさだ。
タイムプレッシャーの設計については批判的な意見もある。「まさにビルドが乗ってきたというタイミングでボスが来てしまい、ローグライトで最も楽しい瞬間をぶつ切りにされる」という指摘だ。確かに、このゲームのタイムリミット設計は人によって感じ方が分かれる。しかし逆に「常に時計を意識して動くことで、探索とビルドの優先順位を判断する面白さが生まれる」という評価もあり、これはデザインの方向性の問題だといえる。
マップ構造とPoints of Interest
各チャプターのマップにはランダム生成で様々なスポット(Points of Interest)が配置される。限られた時間の中でどのスポットを回るかを判断する行動選択が、このゲームのプランニングの核心だ。
主なスポットの種類とその意味を整理しておく。
回復の泉(Healing Fountain)は体力を回復し、最大体力を増加させてくれる場所だ。生き残りを重視するなら積極的に訪問したいが、時間を使うことへのトレードオフもある。
砂男(The Sandman)はチャプター開始地点付近にいる商人的な存在だ。ドリームシャード(夢の欠片)という通貨を使って、タレントのアップグレードやマジカルオブジェクト(魔法のアイテム)の購入ができる。
願いの井戸(Wishing Well)はドリームシャードを使うとランダムなマジカルオブジェクトがもらえる場所だ。緑の井戸はDepth50から始まり、黄色の井戸はDepth100から始まる。序盤は安い緑の井戸から使い、後半で黄色の井戸も使うという判断が一般的だ。
グリモワール(Grimoire)は大量の敵が湧く挑戦イベントだ。制限時間内に敵を全滅させると、ステータスに永続ボーナスが付与される。リスクはあるがリターンも大きい。
ナイトメアチューモア(Nightmare Tumor)はマップ上にある悪夢の腫瘍だ。これを2つ全て破壊すると、チャプターのボス体力が合計40%減少する。時間を確保できるなら非常に効果的な準備手段で、ボスが強く感じるときはチューモアを先に潰すことで大きく楽になる。
呪われた鍵(Cursed Key)はマップ上で入手できるアイテムで、これを使うとオプショナルボスへの扉が開く。このオプショナルボスを倒すと呪われたマジカルオブジェクトを選べるようになる。呪われたオブジェクトは強力な効果の反面、デメリットも持っている。
テレポーター(Teleporter)はマップの特定地点を繋ぐワープ装置だ。マップを効率よく回るために積極的に活用したい。宝箱(Treasure Chest)は鍵を使って開けるとアイテムが入手できる。
ビジョンタワー(Vision Tower)は起動するとマップの霧が晴れ、未訪問のスポットが一覧できるようになる。マップの全体像を把握してから動き方を決めたい場合に有効だ。
タレントシステム:レベルアップで積み上げるビルド
Ravenswatchにおけるビルド構成の核心が「タレント」だ。敵を倒したりスポットを訪問したりして経験値を得てレベルが上がると、タレントを選択する機会が訪れる。毎回2択を迫られ、選んだほうが自分のキャラクターに追加される仕組みだ。
タレントは大きく3つのカテゴリに分かれる。「パワー」は純粋なダメージや攻撃性能を高めるもの。「ユーティリティ」は追加効果や利便性を上げるもの。「マスタリー」は能力そのものの機能を変えてしまうものだ。
重要なのは、タレント同士のシナジーだ。初期に選んだタレントが後のタレント選択肢の方向性を示唆するため、序盤の選択がランの色を決める。例えば「スカーレットの素早い一撃に関するタレント」を序盤に取ったなら、後続のタレント選択でもその方向性に乗っかる選択肢を優先するのが基本戦略になる。
レベルの目安として「チャプター1のボス前にレベル4〜5、チャプター2のボス前にレベル7〜8、チャプター3のボス前にレベル10以上」が一般的な目標とされている。戦闘だけでなくスポット訪問でも経験値が入るため、マップを効率よく回ることがレベリングにも直結する。
タレントのリロール機能もある。選択肢が気に入らなければドリームシャードを使ってタレントを引き直すことができる。完全に方向性に合わないタレントを無理に選ぶよりも、リロールで適切な選択肢を引いた方がランの精度が上がることも多い。
マジカルオブジェクト:ビルドに厚みを加える装備品
タレントと並んでビルドの重要な要素が「マジカルオブジェクト」だ。装備品と呼んでもいいアイテムで、持つことでキャラクターに様々な効果を付与する。
レアリティは5段階。コモン、レア、エピック、レジェンダリーの4段階に加えて、強力な効果の代わりに何らかのデメリットも持つ「呪われた(Cursed)」オブジェクトが存在する。高レアリティのものは性能も当然高く、ランの後半でレジェンダリーが揃い始めるとビルドの強さが一気に跳ね上がる感覚がある。
入手方法は主にサンドマンからの購入か、マップ上での発見だ。宝箱や特定のスポットでもらえることもある。オプショナルボスを倒した場合は呪われたオブジェクトを選べる。
タレントとマジカルオブジェクトの組み合わせによってビルドが完成する。「このタレントとこのオブジェクトが組み合わさると爆発的に強くなる」という発見が毎ランあり、その組み合わせを見つけること自体が楽しさになっている。
協力プレイ:1〜4人で異なる楽しさ
Ravenswatchは1人から4人まで対応したオンライン協力プレイゲームだ。ソロでのプレイと、複数人でのプレイでは、ゲーム性が大きく変わる。
ソロの場合はシンプルに自分のキャラクターのビルドだけを考えればいい。自分のペースでマップを回り、自分の判断だけで動く。集中して取り組める静かな時間にも向いている。
複数人で遊ぶ場合は、キャラクターの役割分担と連携が新しい楽しさを生む。例えば凍結系の能力を持つ雪の女王が敵の動きを止め、アタッカー系のキャラが一気に倒すというコンビネーションは、ソロでは実現しにくい戦術だ。各プレイヤーが得意なキャラクターを選び、チームとして補い合うことでより難しいコンテンツを攻略できる。
また、マップ探索の効率も変わる。複数人でいれば手分けしてスポットを回ることができ、時間あたりの収穫量が増える。ソロでは諦めざるを得なかったスポットにも余裕を持って訪問できるため、ビルドの完成度が上がりやすい。
ただし、協力プレイには接続の問題が報告されることもある。プレイヤーが途中でセッションを抜けた場合の難易度調整が十分でないという指摘も過去にはあった。開発側は継続的にアップデートを重ねているが、ネットワーク環境や接続の安定性には注意が必要だ。
難易度システム:アドベンチャーから悪夢まで
Ravenswatchの難易度は4段階あり、段階的に解放される仕組みになっている。
アドベンチャー(Adventure)はデフォルトの難易度だ。初めてプレイするならここから始めるべきで、システムを理解しながら遊ぶには適切な難易度に調整されている。
トワイライト(Twilight)はアドベンチャーをクリアすると解放される。腐敗した敵(通常の敵の強化版)が登場し始め、マスターナイトメアの強さも増す。システムへの理解が問われるようになってくる難易度だ。
ダークネス(Darkness)はトワイライトをクリアすると解放される。敵撃破後の回復量が削減され、回復の井戸からの回復も減少する。物資管理の重要性が一気に高まり、立ち回りにも細心の注意が必要になる。また、ダークネス以上の難易度でないとラスボスの真の形態が現れない。つまり、ゲームの最終コンテンツに挑むにはダークネスのクリアが必要になる。
ナイトメア(Nightmare)はダークネスをクリアすると解放される最高難易度だ。このゲームを極めたいプレイヤーが目指す目標で、相応のビルド理解と操作精度が求められる。
難易度は下げることができない点に注意が必要だ。解放された難易度の中でのみ変更可能で、よりやさしい難易度に下げることは仕様上できない。初めて遊ぶときはアドベンチャーで始め、システムへの理解が深まってから上の難易度に挑戦するというステップが推奨される。
11人のキャラクター全員紹介
Ravenswatchの最大の魅力のひとつが、キャラクターの多様性だ。11人のキャラクターはそれぞれ異なる童話・神話から生まれており、能力も操作感も根本的に違う。全員を一度は試してみることで、自分に合ったプレイスタイルを見つけられる。
キャラクターには最初から使える「初期キャラ」と、条件を満たすことで解放される「解放キャラ」がある。まず初期キャラから始め、ランを重ねながら解放条件を達成していくことで徐々にロースターが広がっていく。
スカーレット(赤ずきん):昼夜で二面性を持つ変身アタッカー
童話「赤ずきん」をモチーフにしたキャラクターだが、Ravenswatchにおいては「狼に食べられた赤ずきんが、呪いで狼の血を引くことになった」という設定になっている。
昼間は暗殺者スタイルだ。短剣での素早い連続攻撃、炸裂弾、ショットガン的な散弾と、スピードを活かしたヒット&ランが基本戦術になる。移動が速く、敵の間を縫って戦うことが求められる。
夜になると人狼形態に変身する。変身後は短剣を捨てて素手の爪攻撃となり、近距離での圧倒的な破壊力を発揮する。昼の「遠距離気味のヒット&ラン」から夜の「接近して叩き潰す」へと戦い方が180度変わるため、このギャップを理解して使いこなすことがスカーレットの醍醐味だ。
総合的には操作の幅が広く、慣れると非常に強力なキャラクターだ。ランキング上位にも挙げられることが多く、多様なビルドが成立する器用さを持つ。
ベオウルフ:初心者にも扱いやすい正統派戦士
北欧神話の英雄ベオウルフをモチーフにしたキャラクターで、伝説の竜退治のイメージに沿って子竜(ドレイク)を連れて戦う。
能力は直感的でわかりやすい。ルーン文字が刻まれた巨大な剣での近接攻撃が基本で、子竜に火炎攻撃を指示したり、炎・氷・電撃といった複数の属性攻撃を使い分けたりできる。近距離での強さが際立っており、ボス戦でも安定した戦いができる。
「初心者向けの強キャラ」と評されることが多く、最初に触れるキャラクターとして非常に適している。操作が複雑でなく、動かしていてわかりやすい手応えがある。熟練プレイヤーが本気で使っても十分通用するだけの強さも持っている。
笛吹き男(パイパー):ネズミを操る独特のサポート型
「ハーメルンの笛吹き男」をモチーフにしたキャラクターで、笛の音色で周囲のネズミを操って戦う。
昼間は音符を打ち出す遠距離攻撃が主体で、特定の単一目標への高いダメージを出せる。夜になるとネズミの群れを大量に召喚して遠距離から敵群を攻撃するスタイルに切り替わる。
使いこなすには少し学習が必要なキャラクターだ。昼夜のモード切り替えの管理と、ネズミを有効活用するポジショニングを理解するまでは扱いにくく感じることがある。慣れると攻守のバランスが高く、難しい局面でも対処できる選択肢が多い。
雪の女王(ニス):敵を凍らせる広範囲魔法使い
童話「雪の女王」をモチーフにした氷魔法の使い手。遠距離から氷の槍を放ち、敵を凍結状態にして動きを封じる。
特徴は広範囲への同時攻撃と、凍結による行動妨害の組み合わせだ。自分の分身を作り出し、分身が破壊されると追加ダメージが発生するという変わった能力も持っている。氷上を軽やかにスケートする機動性の高さも特筆点で、見た目にも動かしていて気持ちいいキャラクターだ。
「凍結させた敵へのダメージアップ」系のタレントやオブジェクトと組み合わせると、凍結→大ダメージというループが完成する。協力プレイでは他のアタッカーとの連携が特に活きるキャラクターだ。
アラジン:万能型の素早い近距離戦士
「アラビアンナイト」のアラジンをモチーフにしたキャラクターで、魔法のランプから召喚したジーニーと共に戦う。
シミター(曲刀)での素早い近接攻撃、魔法のカーペットでの飛行移動、ジーニーを使った魔法攻撃と多彩な行動ができる。サポート能力も持ち合わせており、協力プレイではヒーラー的な役割も担える柔軟性がある。
多くの攻撃パターンがあるため習得に時間がかかるが、一度使いこなせると汎用性の高さで様々な状況に対応できる。
メリュジーヌ:昼夜で性格が変わる水の精霊
フランスの伝説に登場する水の精霊メリュジーヌをモチーフにしたキャラクター。声を武器にするサイレン的な設定だ。
昼間は「歌唱モード」で広範囲の音波攻撃を放ち、夜間は「移動モード」で水魔法とテレポートを使って位置取りを変えながら戦う。敵に地中から潜り込んで回避するという独特のアクションも持っている。
序盤から効果的に戦える点が評価されており、初期レベルでも十分な働きができる。ただし移動に制約が生まれる状況が多く、マップ上での立ち回りに工夫が必要だ。
ゲペット:人形遣いの技師型キャラクター
「ピノキオ」の人形職人ゼペット(ゲペット)をモチーフにしたキャラクターで、操り人形(パペット)を前線に立たせて間接的に戦う。
ハンマーでパペットを修理・強化しながら、パペットを敵に向かって射出したり爆弾を投下したりする。自分自身は前に出ず、パペットを盾と武器として使う独特のスタイルだ。
パペットの管理が常に求められるため、プレイヤースキルへの依存度が高い。慣れないうちはパペットが破壊されて無力化しやすく、少し難しめの入門になる。上手く使いこなした際の複数パペットによる制圧力は見ていても気持ちいい。
孫悟空:陰陽の切り替えで戦うモンキーキング
中国の古典「西遊記」の主人公、孫悟空をモチーフにしたキャラクターだ。如意棒での戦闘と、「陰(YIN)」「陽(YANG)」という2つのスタンスの切り替えが特徴。
陽スタンスは攻撃特化で高ダメージを出せるが、その分防御が薄くなる。陰スタンスは防御重視で、ヒット時に体力を10%回復するという持続力に優れた設計だ。状況に応じてスタンスを素早く切り替えることで、攻守のバランスをコントロールする。
群衆戦にもボス戦にも対応できる柔軟性があり、難しい場面での対処法の多さがこのキャラクターの強みだ。陰陽のスタンス管理という要素が操作に独自の深みを与えている。
カーミラ:血を吸って強くなる吸血鬼
アイルランドのゴシック小説「カーミラ」をモチーフにした吸血鬼キャラクター。昼夜を歩ける「デイウォーキング・バンパイア」という設定で、血を吸収して力を高めながら戦う。
爪での近接攻撃、血の棘で敵を貫く攻撃、コウモリ形態への変身(無敵状態になる)と、攻撃・防御・回避の手段が揃っている。敵の血を吸収することで能力が強化されていく「成長しながら戦う」スタイルが独特だ。
波状攻撃してくる大量の敵に対する処理能力が高く、チャプター終盤のラッシュでも対応しやすい。解放条件として「アラジン・メリュジーヌ・ゲペット・孫悟空のいずれかでチャプター1をクリア」が必要だ。
ロミオとジュリエット:唯一の2人1セットキャラクター
2025年5月27日に無料DLCとして追加されたキャラクター。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をモチーフにしており、2人は人生においても死においても切り離せない存在として設計されている。
ロミオは細剣(レイピア)を使う近接フェンシングマスターで、優雅さと素早さで戦う。ジュリエットは銃使いのシャープシューターで、安定した手先で遠距離から敵を狙い撃つ。
この2人の最大の特徴は「基本的に2人一緒に使うことが前提」という設計だ。お互いを守り合い、1人が倒れると能力が制限されてしまう。協力プレイを楽しみたい2人組のプレイヤーに向けた設計であり、ひとりでどちらかだけを使うよりも、2人でロミオ&ジュリエットのペアを担当するほうが能力が最大限に活きる。
全キャラクターの中で最も協力プレイを体現したキャラクターだ。
キャラクター解放条件まとめ
初期から使えるキャラクターはスカーレット、ベオウルフ、笛吹き男、雪の女王の4人だ。
メリュジーヌは「異なる2人のキャラクターでチャプター1を2回クリアする」ことで解放される。ゲペットはメリュジーヌ解放後、特定の条件を満たすことで解放。孫悟空とアラジンも同様に段階的な条件が設定されている。カーミラはアラジン・メリュジーヌ・ゲペット・孫悟空のいずれかでチャプター1をクリアすることで解放される。ロミオとジュリエットは無料DLCを入手することで追加される。
解放条件の詳細は変更されることもあるため、ゲーム内のロック解放画面で確認するのが確実だ。
Ravenswatchが評価される理由

Metacriticスコア84、Steamレビュー2万件超で「おおむね好評」という評価はどこから来ているのか。具体的な要素を掘り下げていく。
戦闘の爽快感と操作の気持ちよさ
Ravenswatchに対する批評家レビューで繰り返し目にするのが「戦闘の気持ちよさ」への言及だ。「滑らかで気持ちいい動き」「各キャラクターの能力が爽快感を持って機能している」という評価が多く、まず基礎の操作を楽しめるかどうかという観点でクリアしている。
これは意外に重要な点で、どれだけビルドシステムが面白くても、基本操作が気持ちよくなければローグライトは長続きしない。Ravenswatchは戦闘の基礎部分、攻撃の感触、回避の反応、能力のエフェクト、この辺りの作り込みが丁寧だ。
キャラクターの個性と多様性
GameRantのレビューで「Ravenswatch最大の強みはプレイアブルキャラクターのキャストだ」と指摘されているように、11人それぞれがまったく違うゲーム体験を提供していることが評価の柱になっている。
「赤ずきんから孫悟空に持ち替えたら別のゲームみたいだった」という感想は珍しくない。ローグライトにおいてこのキャラクター間の差別化は重要で、「もう1ランやってみよう」という動機を形成する。全キャラを一通り試すだけで相当な時間が必要で、そのひとつひとつに固有の学習カーブがある。
協力プレイへの本格的な投資
ローグライトジャンルの中でも、協力プレイ設計に真剣に取り組んでいるゲームは多くない。Ravenswatchは最初から1〜4人の協力プレイを前提に設計されており、人数に応じて敵の強さが調整される。ロミオ&ジュリエットという2人専用キャラまで実装するほどの本気度だ。
友人と遊ぶ体験としてのRavenswatchは、ソロで遊ぶ体験とは別のゲームといっていいほど変わる。ビルドの相談をしながら進め、ボス前に「どう分担する?」と話し合い、倒した瞬間に一緒に喜ぶ。協力プレイのローグライトを探していた人にとって、これは大きな加点要素になる。
ビジュアルとアートスタイルの完成度
コミックブック風のセルシェーディンググラフィックは、Ravenswatchの視覚的なアイデンティティとして機能している。God is a Geekが「gorgeous to look at」と書いたように、見た目の完成度は批評家の間でも一致した評価点だ。
童話のイメージをダークな方向に解釈しながらも、カラフルで鮮明なビジュアルを維持しているバランスが独特の雰囲気を作っている。キャラクターのアニメーションも滑らかで、戦闘中の動きを見ているだけで楽しい。
ストーリーテリングの工夫
ローグライトゲームにおいてストーリーを深く語ることは難しい。しかしRavenswatchは各キャラクターの語り方を工夫することでこの問題に対処している。ベオウルフの物語が詩として語られ、メリュジーヌの過去が歌で表現され、カーミラの物語が手紙として描かれる。その形式の多様性がキャラクター自体の個性をさらに際立たせている。
継続的なアップデートと無料DLC
正式リリース後も開発チームは更新を続けており、2025年5月にロミオ&ジュリエットが無料DLCとして追加された。「購入したゲームが継続的に育っていく」という安心感は、長期的なプレイ意欲の維持に繋がる。有料の追加スキンパックも販売されているが、ゲームコンテンツ本体への追加は無料で行われている点は好印象だ。
気になる点と課題
全体的に好評なRavenswatchだが、批判的な意見も存在する。購入を検討する前に把握しておきたい点をまとめておく。
タイムリミットに対する賛否
前述のとおり、タイムリミット設計は最も議論になりやすい点だ。「ビルドが仕上がってきた頃に強制的にボスと戦わされる」という不満と、「時間制限があるからこそ探索の判断が面白くなる」という評価が共存している。
The Escapist誌の記事では「ローグライクの最もいい部分、つまりビルドが最高潮に達した状態でゲームが終わってしまう」と批判的に論じている。この批判は的を射ており、「もう少し時間があれば」と感じる場面は確かにある。時間管理の楽しさととるかストレスととるかは人それぞれだが、事前に知っておくべき設計上の特徴だ。
キャラクター間のバランス
11人のキャラクターの中には使いやすさに差があるという意見もある。ゲペットのパペット管理の難しさや、初期状態では弱みが目立つキャラクターの存在が指摘されることがある。開発側もバランス調整を継続的に行っているが、常に「一部のキャラが明らかに強い・弱い」という状況は存在している。
マルチプレイの安定性
協力プレイ時の接続問題は過去のバージョンでも指摘されてきた課題だ。プレイヤーが抜けた際の難易度調整や、ラグが発生した際のプレイアビリティに関しては継続的な改善が求められる部分だ。現在のバージョンでどの程度改善されているかは、最新のユーザーレビューで確認することをおすすめする。
ロケーションの繰り返し感
チャプターが3つ(難易度によってはエピローグを含め5つ)という構成上、複数回のランをこなすと同じマップ背景を繰り返し見ることになる。プロシージャル生成でスポットの配置は変わるが、視覚的な変化には限界がある。長期間プレイするとマンネリを感じる可能性はある。
各チャプターの舞台と雰囲気

Ravenswatchには複数のチャプターがあり、それぞれ異なる場所を舞台にしている。
チャプター1:ダークヒルズの村
最初のチャプターの舞台は「ダークヒルズ(Dark Hills)」と呼ばれる腐敗した田園地帯だ。かつてホグスデンという村があった場所で、今は沼地、野原、廃墟、洞窟が広がる荒廃した風景が広がる。ヨーロッパの童話に出てきそうな田舎の村という印象で、Ravenswatchの世界観を初めて体験する場として雰囲気が整っている。
ここで戦うボスはマスターナイトメアの最初の形態だ。触手の生えた巨大な悪夢の存在で、初見では動きを読みながら対応することになる。ナイトメアチューモアを事前に倒しておくことで体力を40%削った状態で戦えるため、初めてのボス戦には活用を検討したい。
チャプター2:深い森の奥地
第2チャプターはさらに深い森の中へと進んでいく。木々が鬱蒼と茂り、昼間でも光が届きにくい環境だ。敵の種類も変わり、新しいタイプの悪夢が登場する。このチャプターから攻撃パターンの複雑な敵も増えてくるため、戦闘への対応力が問われるようになる。
チャプター3と先へ:荒廃した地
第3チャプター以降は荒廃した土地が舞台となり、世界の崩壊がより顕著に描写される。難易度が上がるにつれ、ダークネス・ナイトメアモードではエピローグチャプターが追加され、バーバ・ヤーガとの最終決戦に向けた流れが続く。
最終ボスのバーバ・ヤーガは、ダークネス以上の難易度でその真の形態を現す。ゲームの全コンテンツを体験したい場合は、難易度を段階的に上げてダークネスに到達することが目標のひとつになる。
ビルドの組み方:初心者から上級者まで
Ravenswatchのビルドは奥が深いが、基本的な考え方を理解すれば効率よく組み上げられるようになる。
序盤のタレント選択が方向性を決める
最初のタレント選択は非常に重要だ。序盤に選んだタレントがそのランのビルドの軸になる。「素早い連撃を強化するタレント」を選んだなら、その後の選択肢でも「連撃」「素早さ」というキーワードが含まれるタレントを選ぶことでシナジーが生まれる。
迷ったときは選択肢のキーワードを見比べて、すでに持っているタレントと共通するキーワードを持つ方を選ぶのが安全な選択だ。全く別方向のタレントをバラバラに集めると、中途半端で強みのないビルドになりやすい。
ドリームシャードの使いどころ
ドリームシャードは貴重なリソースで、使い方の優先順位が重要だ。基本的な考え方として、序盤は砂男でタレントをアップグレードするか、緑の願いの井戸でアイテムを引くことに使うのが効率的だ。後半になるとより高品質な選択肢が増えてくるため、序盤で全部使い切るのは避けたい。
タレントのリロールにも使えるが、完全に方向性がずれた選択肢でない限り温存しておく方が無難だ。後半でより重要な決断が迫られる場面で使えるよう、常に少しの余裕を持っておくことが推奨される。
ナイトメアチューモアを倒すかどうかの判断
チューモアを2つとも倒すとボスの体力が40%減るという効果は非常に大きい。特にボスで詰まっているプレイヤーには「チューモアを先に全部倒す」ことを強くおすすめする。
ただし時間には限りがあるため、チューモアに時間を使うということは他のスポットを回る時間が減ることを意味する。レベルが十分に上がっていて体力回復の余裕があるなら、チューモアを後回しにしてレベリング優先でもいい。状況判断が必要なところだ。
タレント・オブジェクトのシナジーを意識する
Ravenswatchのビルドが輝く瞬間は「タレントとマジカルオブジェクトのシナジーが機能し始めたとき」だ。例えば「攻撃のたびにバフを積むタレント」と「バフが一定数溜まると爆発的なダメージを出すオブジェクト」が組み合わさると、カウンターが溜まるたびに強烈な一撃が飛ぶループが完成する。
このようなシナジーは事前に計画して狙いにいくこともできるが、最初のうちはランの中で「これとこれ、なんか合ってるな」という発見を積み重ねる体験型の探索が楽しい。失敗も含めて試行錯誤することがRavenswatchのプレイサイクルの核心だ。
敵の優先順位と戦場の管理
Ravenswatchの戦闘で初心者がやりがちなミスは「動き回らずに敵の攻撃を受け続けること」だ。敵の攻撃は速く、大量の敵に囲まれると一瞬で体力が削られる。常に動きながら、一方向から攻撃を受けないよう立ち位置を意識することが生存の基本だ。
大量の雑魚敵と強力な特殊敵が混在する場面では、まず特殊敵を優先して倒すことで状況が楽になることが多い。雑魚敵は移動しながらさばき、危険な技を持つ特殊敵を早めに処理する。この優先順位の判断は繰り返しのプレイで自然に身についていく。
Steam評価と他のローグライトとの比較

Steamでの評価状況
Ravenswatchは2024年9月の正式リリース時点でSteamのレビュー数が急増し、現在は2万件超の累計レビューを持つ。評価は「おおむね好評」で、直近のレビューも80%前後のポジティブ率を維持している。
批評家の評価はより高く、Metacriticで84点。PC版だけでなくPS5とXbox Series X/Sにも展開し、コンソール版のMetacriticも同水準だ。「一年で最も優れたローグライトのひとつ」という評価もあり、2024年のインディーローグライトの中で明確にひとつの成功例として位置づけられている。
最大同時接続プレイヤー数は早期アクセス開始直後の2023年4月に約10,000人を記録。現在は落ち着いたが、定期的なアップデートで新規プレイヤーの流入も続いている。
HADESとの比較
Ravenswatchを語るとき、HADESとの比較は避けられない。どちらも見下ろし視点のローグライトアクションで、キャラクター性と戦闘の爽快感を軸にしている。
HADESとの最大の違いはゲームのリズムだ。HADESは次々と部屋を突破していく「フロア型」で、ビルドが積み上がるにつれて破壊力が増していく後半への「スケーリング」が醍醐味だ。Ravenswatchは同じ大きなマップを自分で動き回る「箱庭探索型」で、「どこを先に回るか」「時間をどう配分するか」というプランニングの面白さが加わっている。
協力プレイについてはRavenswatchが明確に勝っている。HADESは基本的にソロゲームで、2人での協力プレイは後から追加された要素だ。Ravenswatchは最初から4人協力を前提にしている。友人と一緒に遊ぶことが前提なら、Ravenswatchの方が設計の意図に沿った体験ができる。
どちらを選ぶかについては、「HADESに近い感触を求めているならHADESをやれ」というのが正直なところだが、「HADESの次に何か面白いローグライトを探している」なら、Ravenswatchは強い候補のひとつだ。
Vampire Survivorsとの比較
Vampire Survivorsは「自動攻撃のバレットヘル系ローグライト」として、ゲームの操作感や求められるスキルがRavenswatchとかなり異なる。Vampire Survivorsでは回避さえできていれば戦闘自体は自動で進むが、Ravenswatchでは能動的な攻撃入力と判断が常に求められる。
「もっとアクティブに動きたい」「自分の手で戦いたい」というプレイヤーにはRavenswatchの方が向いている。逆に「パッシブに構えながらビルドが育っていく様子を楽しみたい」ならVampire Survivorsの方が向いている。
Curse of the Dead Gods(同開発元前作)との比較
同じPasstech Gamesが作ったゲームだが、RavenswatchとCurse of the Dead Godsはかなり違う体験だ。Curse of the Dead Godsはより高難易度で、呪いシステムによる厳しいリスク管理が特徴的だった。Ravenswatchはより協力プレイ向けで、世界観も明るい童話ベースに変わり、入口の敷居も下がっている。
「Curse of the Dead Godsが好きだった」人には、同じ開発元としての戦闘の丁寧さと快感は伝わってくるはずだ。ただし難易度の方向性やゲームのリズムはかなり変わっているため、前作と全く同じを期待するのは少し違う。
実際のプレイヤーの声
Steam上の実際のレビューからプレイヤーの声を拾ってみる。
「Hadesを遊んだ後に何か似たゲームを探してたどり着いた。戦闘の感触がとてもいい。」という声は定番のパターンだ。HADESからの流入プレイヤーが多く、その期待に対してある程度応えられていることがわかる。
「キャラクターによってゲームの感触がここまで変わるのは驚きだった。赤ずきんで遊んでいたら夜になった瞬間に戦い方が完全に変わって、別のゲームをやってる感覚だった。」というキャラクター多様性への評価も多い。
「協力プレイで友達と遊んだら思った以上に楽しかった。ソロでの評価は7〜8点くらいだけど、マルチなら10点」という声も見られる。協力プレイによる評価向上が大きいゲームであることが伺える。
批判的な声では「もう少し時間があればビルドをもっと楽しめるのに、制限時間でブツ切りになる感じがある」「序盤は特に難しくないのに、高難易度に入ると急に手応えが変わる」という内容が目立つ。バランスについての意見は現在も継続的に議論されている部分だ。
また「ローグライトとして深みがHadesには及ばないが、協力プレイの楽しさとキャラクターの個性で十分に楽しめる」という総評も多く、「Hadesほどではないが、協力プレイ用途としては優秀」という立ち位置で評価されていることが多い。
どのキャラクターから始めるべきか

初めてRavenswatchを遊ぶ場合、どのキャラクターから始めるかは重要な選択だ。
最もおすすめなのはベオウルフだ。操作がシンプルで、能力の意味が直感的にわかりやすい。近接攻撃の手応えがあり、子竜の火炎攻撃というわかりやすいサブ能力も楽しい。ゲームのシステムを学ぶ上で余計な複雑さがなく、「まずRavenswatchというゲームを理解する」という目的に最適だ。
次点はスカーレット(赤ずきん)だ。昼夜で変身するという分かりやすいギミックがあり、ゲームの昼夜サイクルの概念を体感しながら学べる。変身後の人狼形態の爽快感も高く、ゲームの魅力を早期に体験できる。操作の幅は少し広いが、慣れてくると応用が利いて楽しい。
雪の女王も初心者向けとして悪くない。遠距離から安全に攻撃できるため、敵の攻撃を受けにくく生き延びやすい。ただし複数のスポットを素早く回るゲームの性質上、純粋な遠距離キャラは動き方に慣れが必要な側面もある。
笛吹き男はネズミ召喚という特殊能力の理解が必要で、初回プレイには少し複雑だ。慣れてから試す方が良さそうだ。
価格と購入タイミング
Ravenswatchの標準価格はPC版で2,545円(税込み)だ。コンソール版(PS5・Xbox)はやや高めの設定になっている。
Steamではセール時に40〜50%オフになることがある。これは過去の実績からの傾向で、大きなSteamセール(夏・冬・秋)の時期に割引が入ることが多い。急いでいない場合はセールを待つのも選択肢だ。
コンテンツ量と価格のバランスについては、「妥当か良心的か」という評価が多い。2,000〜3,000円という価格帯において、ひとつのキャラクターをある程度遊び込むだけでも5〜10時間はかかり、11人いれば単純計算でも相当の時間が楽しめる。協力プレイを含めると総プレイ時間は更に伸びる。「値段分は確実に楽しめる」という評価は多く見られる。
無料DLCとして追加されたロミオ&ジュリエットも含めれば、追加コストなしで11人分のキャラクター体験ができることも価格面では好印象だ。
まとめ:Ravenswatchはこういうゲームだ
Ravenswatchを一言で表すなら、「童話・神話の英雄たちで遊ぶ、協力プレイ重視の箱庭探索型ローグライトアクション」だ。
このゲームが特に輝く場面は3つある。まず、初めてキャラクターを切り替えたときに「こんなに別のゲームみたいに変わるのか」という驚きを感じる瞬間。次に、友人と一緒に遊んで役割分担しながらボスを倒したときの達成感。そして、タレントとアイテムのシナジーが噛み合い始めて突然ビルドが爆発的に強くなる瞬間。この三つの体験を得られるゲームだ。
弱点も正直に言えば、時間制限によって「もっとやりたかった」という気持ちのままランが終わることへの不満と、キャラクター間のバランスのばらつきが存在する。HADESの深度には及ばないという意見もある。ただしこれらは許容できる範囲に収まっており、「おおむね好評」という総評は正直な評価だと思う。
「HADESみたいなゲームを友達と一緒にやりたい」という動機に対して、Ravenswatchは現状でもっとも合致するゲームのひとつだ。「童話キャラが好き」「多様なプレイスタイルを試したい」「短いセッションで区切って遊びたい」という人にも向いている。
正式リリースを経て安定しており、無料DLCによる継続的な成長も確認できる今のRavenswatchは、ローグライトファンとして試す価値が十分にあるタイトルだ。
- タイトル:Ravenswatch
- 開発:Passtech Games
- 発売:Nacon
- リリース:2024年9月26日(正式版)※早期アクセスは2023年4月6日開始
- 対応プラットフォーム:PC(Steam)、PS5、Xbox Series X/S
- Steam AppID:2071280
- ジャンル:ローグライトアクション
- プレイ人数:1〜4人(オンライン協力プレイ対応)
- 日本語対応:あり
- Steam価格:2,545円(税込み)
- Metacriticスコア:84
- Steamレビュー:2万件超・おおむね好評
Ravenswatch
| 価格 | ¥2,800-40% ¥1,680 |
|---|---|
| 開発 | Passtech Games |
| 販売 | Nacon |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル / マルチ |

