Monster Hunter Stories 3: Twisted Reflection|モンスターと絆を結ぶターン制RPGシリーズ最新作
最初にハッキリ言っておくと、これはモンスターを「狩る」ゲームじゃない。
モンスターハンターというシリーズ名を聞いて、大剣でリオレウスをブン殴るイメージを持った人は一度頭をリセットしてほしい。Monster Hunter Stories 3: Twisted Reflectionは、そのモンスターハンターの世界を舞台にしながら、全く異なる楽しみ方を提供するターン制RPGだ。モンスターを倒す側ではなく、モンスターと「絆」を結び、共に旅をする側の物語を描いている。
2026年3月12日にSteamでリリースされたこの作品は、CAPCOMが手がけるMonster Hunter Storiesシリーズの第3弾にあたる。Steamレビューは2,600件超で「非常に好評」(82〜84%ポジティブ)、Metacriticスコアは87点と、高い評価を維持している。
「ポケモンみたいなゲームでしょ?」と思った人、半分正解で半分違う。確かにモンスターを集めて育てる要素はある。でもその先にある戦略の深さ、遺伝子を組み合わせてオリジナルのモンスターを作り上げる育成の自由度、そして「このモンスターを強くしたい」という執着心を生み出す絆システム——これらを体験すると、単純な比較では語れないゲームだとわかる。
前作「Monster Hunter Stories 2: Wings of Ruin」(2021年)のファンにとってはシリーズの進化を確かめたい作品であり、初めてStoriesシリーズに触れる人にとっても十分に単独で楽しめる入り口だ。
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こんな人にドンピシャなゲームです

- モンスターハンターのモンスターたちが好きで、狩るだけでなく一緒に戦いたいと思ったことがある人
- ポケモンやドラゴンクエストモンスターズのような「モンスター育成+RPG」が好きな人
- ターン制の戦略バトルをじっくり楽しみたい人(アクションが苦手でも問題なし)
- 遺伝子を組み合わせてオリジナルのモンスターを作る「育成沼」にハマりたい人
- モンスターハンターシリーズを遊んだことはあるが、アクションよりRPG寄りの体験がしたい人
- 世界の謎を追うシナリオ重視のJRPGが好きな人
- 前作「Monster Hunter Stories 2」が好きで、シリーズの続きを楽しみにしていた人
- カスタマイズの自由度が高いゲームで、自分だけの最強パーティーを作りたい人
逆に「アクションで自分の腕を試したい」「ハンターとしてモンスターを素材に変えたい」「マルチで仲間とリアルタイム協力したい」という人には合わないかもしれない。本作はシングルプレイのターン制RPGで、メインシリーズのアクション要素はほぼない。でも「そこさえ問題なければ」という人には、モンスターハンターの世界観をこれまでとは全く違う角度から楽しめる作品だ。
ゲーム概要——滅びゆく世界で双子のリオレウスと旅する物語

どんな物語か
物語の中心にあるのは、「奇妙な紋様を持つ双子のリオレウスの卵」だ。
主人公はライダー(プレイヤーが名前と外見を自由に設定できる)。ある日、通常では考えられない状況で双子のリオレウスが同じ卵から孵化する。その双子が持つ紋様は、200年前に起きた内戦「スカイスケールの乱」に関わる古い印と一致していた。
それを発端に、世界各地でモンスターたちに異変が起き始める。モンスターが突然凶暴化し、自然のバランスが崩れ、村々が脅かされる。かつての戦乱の影が現代によみがえってくるような不穏な空気の中、主人公と双子のリオレウスは真実を求めて旅に出る。
「なぜ双子が生まれたのか」「200年前に何があったのか」「世界の異変の原因は何か」——これらの謎が少しずつ解き明かされていく構成は、シリーズを通じてStoriesが得意としてきた物語の組み立て方だ。本作はその丁寧さがさらに増しており、ストーリー重視のプレイヤーも十分に引き込まれる。
ライダーという存在
モンスターハンターシリーズの主人公は「ハンター」で、モンスターを狩ることで生計を立てる。一方でStoriesシリーズの主人公は「ライダー」と呼ばれる特殊な人々だ。
ライダーは「絆石」という力を使ってモンスターと精神的な絆を結ぶことができる。野生のモンスターは通常ハンターを脅威と認識して攻撃してくるが、ライダーはその本能を超えて共感を築き、モンスターをオトモン(仲間モンスター)として共に戦う。
この設定がゲームの根幹にある哲学を決定している。「強いものが弱いものを狩る」ではなく、「共に生きる」という関係性だ。それがゲームプレイにも反映されており、オトモンが戦闘で活躍するほど絆が深まり、より強力な技を繰り出せるようになる。プレイするにつれて「このモンスターを大事にしたい」という感覚が自然に生まれてくる。
世界観とモンスターハンターとの関係
Storiesシリーズはメインのモンスターハンターシリーズとは別軸の物語だ。世界観や生態は共通しているが、直接の続きではなく独立した作品として楽しめる。
モンスターハンターシリーズを知っている人なら「あのモンスターが仲間になった!」という驚きと嬉しさがある。リオレウス、ラギアクルス、ナルガクルガ、ティガレックスといったシリーズを代表するモンスターたちが、戦う相手ではなく仲間として登場する。
一方でStoriesシリーズを初めてプレイする人や、モンスターハンター自体が初めての人でも問題ない。本作は単独の物語として成立しており、前提知識がなくても楽しめる設計になっている。むしろ本作からシリーズに入って、後でメインシリーズを遊んでみるという順序でも全く構わない。
開発元CAPCOMとStoriesシリーズの歩み
CAPCOMは1979年創業の大阪発のゲーム会社で、バイオハザード、デビルメイクライ、ストリートファイターなど数多くの名作を世に送り出してきた。モンスターハンターシリーズは2004年の初代から続く看板タイトルのひとつだ。
Storiesシリーズは2016年に3DS向けに初代「Monster Hunter Stories」としてリリースされた。アクション主体のメインシリーズとは異なるターン制RPGというアプローチで、新規層とコアファンの両方から支持を集めた。2021年の「Monster Hunter Stories 2: Wings of Ruin」はPC(Steam)でも高評価を受け、そのシリーズ第3弾が本作だ。
前作から5年のブランクを経てリリースされた本作は、システムの多くを改善・進化させつつ、シリーズのDNAを受け継いでいる。
ゲームシステムの詳細——絆と遺伝子が生み出す戦略の深さ
三すくみ戦闘——じゃんけんを超えた読み合い
本作の戦闘はターン制で、「力」「速」「技」の3属性による三すくみシステムが核心にある。力は技に強く、技は速に強く、速は力に強い。シンプルに言えばじゃんけんだ。
しかし実際の戦闘では、それほど単純ではない。
敵の行動パターンを読んで正解の属性で攻撃すると「ヘッドトゥヘッド」が発生し、大ダメージを与えられる。これが成功したターンは気持ちいい。しかし敵も同じように読んでくる(というか敵の思考を読む必要がある)。前のターンに何を使ったか、HPがどれくらいか、特定の条件で行動が変わるかどうか——こういった情報を整理しながら戦術を組み立てていく。
さらに本作では全体攻撃技を持つ敵が増えており、三すくみの読み合いだけでなく「全体攻撃が来る前に削り切るか、回復に回るか」というリソース管理も必要になる。前作より戦略性が上がった部分で、慣れたプレイヤーほど「考えさせてくれる」と評価している。
一方で、全体攻撃の多さが「三すくみの読み合いが活きにくい場面が増えた」という批判にもつながっている。これは好みが分かれる要素だ。
オトモン——仲間モンスターとの戦闘連携
戦闘は主人公(ライダー)とオトモン(仲間モンスター)の2人組で行動するのが基本だ。ライダーは武器で攻撃し、オトモンは固有のスキルと三すくみ攻撃を使う。
戦闘中に「絆ゲージ」が溜まっていき、最大になるとオトモンに「ライド」することができる。ライドした状態では移動速度が上がるだけでなく、強力な「ライド攻撃」が使用可能になる。このライドの強さが本作では大幅に強化されており、ボス戦での切り札として機能する。
また一定の絆ゲージが溜まった状態でライダーとオトモンが同じ属性攻撃を選ぶと「絆技」が発動する。これはキャラクターとモンスターが息を合わせた必殺技で、演出が派手で爽快感が高い。「このタイミングで絆技が出た!」という瞬間の気持ちよさはシリーズを通じて変わらない魅力だ。
最大6体のオトモンをパーティーに連れて戦闘に参加させることができる(戦闘に出るのはそのうち1体)。どのモンスターをパーティーに入れ、戦闘に出すかが戦術の大きな要素になる。
遺伝子システム——育成の本当の深さはここにある
このゲームで最も沼にハマる要素が遺伝子システムだ。
モンスターには「遺伝子」と呼ばれるスキルの種が埋め込まれている。「絆の儀式」というシステムを使って、2体のモンスターの遺伝子を組み合わせることで、一方のオトモンに他方の遺伝子スキルを移植できる。つまり「このモンスターの体に、全く別のモンスターが持つ強力なスキルを乗せる」ということが可能になる。
例えば、もともと遅いが高火力なモンスターに、素早いモンスターの速度系遺伝子を組み合わせると「速くて強い」オトモンが誕生する。属性攻撃の遺伝子を複数積んで特定の弱点を突く専用オトモンを作ることも、回復系のスキルを全身に積んだサポート特化オトモンを作ることも可能だ。
遺伝子には配置のグリッドがあり、同じ色や属性の遺伝子を縦・横・斜めに揃えると「ビンゴボーナス」が発動してさらにステータスが上がる。この配置パズル的な要素が、遺伝子組み合わせの奥深さを何倍にもしている。
「このモンスターに理想のスキル配置を実現するために、どの遺伝子を持つモンスターを何匹集めて組み合わせていくか」——この試行錯誤がStoriesシリーズの育成沼の正体だ。本作では前作より遺伝子の移植や確認が便利になっており、以前のような「どこに何があるか追いにくい」という不満が軽減されている。
卵収集——フィールドを探索してオトモンを増やす
新しいオトモンは主に「巣」から卵を持ち帰ることで入手する。フィールドには各エリアに生息するモンスターの巣があり、中に入ると卵を1〜2個発見できる。その卵を孵化させると新しいオトモンが誕生する。
卵には「レア度」があり、希少な卵ほど有用な遺伝子を持つモンスターが生まれやすい。どの巣でどのモンスターの卵が手に入るか、どうすれば高レアの卵が出やすくなるか——このあたりの研究がコミュニティで活発に行われている。
本作では前作からの改善点として、拾った卵の時点でモンスターの名前が表示されるようになった。前作では孵化するまでどのモンスターか確認できなかったため、「また違うモンスターだった……」という体験が多かった。この改善は地味だが、効率よく目当てのオトモンを集めたい人にとっては大きなQoLアップだ。
また1回のフィールド探索で一つの巣から卵が2個取れる頻度も増えており、育成素材の収集効率が全体的に上がっている。
フィールド探索とライド
フィールド移動中はオトモンに乗って移動できる。どのオトモンに乗るかによって移動速度が変わるだけでなく、乗っているモンスターの種類によってフィールドのギミックを突破できる場面がある。水中を泳げるモンスター、高い壁を登れるモンスター、翼を使って空を飛べるモンスター——こういった移動アクションがフィールドの多様性を生み出している。
本作ではフィールド移動中のオトモン乗り換えがよりスムーズになった。前作では特定の行動をとるたびに「乗り換えのストレス」を感じるプレイヤーが多かったが、本作では操作感が改善されており、探索中の快適さが上がっている。
武器とライダーの装備
ライダー本人も装備を持つ。剣と盾、大剣、片手剣、弓、ランス、ハンマーなど、メインシリーズのモンスターハンターに登場する複数の武器種から選べる。武器によって基本的な攻撃モーションと絆ゲージの溜まり方が変わるため、好みのスタイルに合わせた選択が重要だ。
防具はライダーのステータスを上げるだけでなく見た目も変わる。メインシリーズのモンスター素材から作る防具のデザインが豊富で、「お気に入りのデザインの装備を作る」というファッション的な楽しみもある。さらにレイヤード(見た目だけ変えられる外見専用の装備)も充実しており、強さとビジュアルを独立してカスタマイズできる。
キャラクタークリエイト
主人公のライダーは性別、顔のパーツ、肌の色、髪型、目の色などを細かく設定できる。本作ではキャラクターエディットの自由度が前作から大幅に上がっており、課金なしで豊富な選択肢が用意されている。前作で「有料DLCが多すぎる」と批判されたキャラメイク関連の制限が、本作では基本システムとして無料で提供されている。
ゲーム開始後もいつでも外見を変更できるため、「最初はとりあえずデフォルトで進めて、後でじっくり好みのキャラクターに調整する」という進め方もできる。
なぜ高く評価されているのか

モンスターハンターの世界観への愛情
このゲームに対する評価の根底には、「モンスターハンターのモンスターたちへの愛着」がある。
メインシリーズのゲームは「モンスターを倒して素材にする」という構造だ。リオレウスを狩って翼を剥ぎ取り、甲殻を砕いて武器や防具の材料にする。これが楽しいゲームではあるのだが、シリーズを長く遊んでいるとモンスターへの愛着が生まれてくる。「この子、強くてかっこいいな」という感情が生まれる。そこに「狩る側ではなく、一緒に旅する側の物語」というコンセプトが刺さる。
Storiesシリーズはこの感情に正面から応えているゲームだ。本作でも歴代人気モンスターが多数登場し、それぞれが個性的な遺伝子や能力を持っている。「このモンスターと一緒に戦いたい」という欲求を、ゲームシステムとして実現しているわけだ。
遺伝子育成の中毒性
前述した遺伝子システムの深さが、長時間プレイの原動力になっている。
「もう少し遺伝子の配置を改善したら最強になる」「あのモンスターの卵をあと5個集めれば理想の遺伝子が揃う」「この組み合わせで新しいスキルが発動するはずだ」——こういった思考が止まらなくなる。RPGの育成沼としてはかなり完成度が高い設計で、やり込み層からの評価が特に高い。
遺伝子組み合わせの研究がコミュニティで共有され、「最強オトモンのレシピ」や「特定のボスに有効なパーティー構成」といった情報が活発に投稿されている。「自分で答えを見つける楽しさ」と「攻略情報を参照して効率を追う楽しさ」が共存しているゲームだ。
ターン制RPGとしての完成度
最近のゲームトレンドはアクションRPG寄りのものが多いが、ちゃんと考えて戦うターン制RPGを求めているプレイヤー層は根強くいる。本作はそのニーズに対して高いクオリティで応えている。
三すくみの読み合い、絆技のタイミング、オトモンの使い分け、アイテムの温存と消費のバランス——これらを全部うまく噛み合わせた時の「うまく戦えた感」は、アクションゲームとは異なる種類の達成感を生む。「自分の判断が勝利に直結する」という感覚が、ターン制ならではの面白さだ。
ストーリーとキャラクターの深み
Storiesシリーズのもう一つの柱はストーリーだ。モンスターハンターというシリーズはメインシリーズではストーリーが薄めで、ゲームプレイの繰り返しが主体だ。一方でStoriesは明確な主人公と仲間がいて、感情移入できるキャラクターが織りなす物語を楽しめる。
本作は双子のリオレウスという珍しい存在を軸に、「なぜこの世界が滅びに向かっているのか」「過去の戦争が現在に何を残したのか」という大きなテーマを丁寧に描いている。プレイヤーキャラクターだけでなく、サポートキャラクターやNPCたちにも個性と動機があり、ストーリーが進むにつれて彼らへの理解が深まっていく構成だ。
Metacritic 87点という評価の意味
発売前から期待値が高かった本作が、87点という安定した高評価を維持していることは、ゲームの完成度を示している。批評家からは特に「育成システムの深さ」「モンスターハンターの世界観への愛」「前作からの丁寧な改善」が評価されている。
プレイヤーレビュー(Steam全言語)でも84%ポジティブと高い水準を維持しており、「やってみたら思ったより面白かった」という類のレビューが多い。モンスターハンターシリーズのスピンオフとして期待半分で購入したプレイヤーが、予想以上の完成度に驚いているケースが目立つ。
「モンスターハンターのモンスターが仲間になるという夢みたいな体験ができる。ラギアクルスとリオレウスを並べてフィールドを駆け回る時間が最高すぎる。」
Steamユーザーレビューより
「遺伝子システムが深すぎて、クリアしてからが本番という感じ。理想の構成を追い求めて200時間以上遊んでいる。」
Steamユーザーレビューより
「アクションが苦手でMHシリーズを諦めていたが、このゲームで初めて『モンスターハンターの世界を楽しめた』と感じた。」
Steamユーザーレビューより
プレイ前に知っておきたい注意点
エンドコンテンツの量が前作より少ない
本作に対する最も多い批判のひとつが「クリア後のやり込みコンテンツが前作より薄い」という点だ。前作には「蜃気楼の塔」という繰り返し挑戦できるエンドコンテンツが存在していたが、本作では同等のものが廃止されている。クリア後はラスボス直前の時点に戻される仕様で、「やり残したことがあれば戻ってやれる」という設計だが、新しいエンドコンテンツへのアクセスという意味では物足りなさを感じるプレイヤーもいる。
「ストーリーをじっくり楽しんで、育成を追求してクリアしたら満足」という楽しみ方なら問題ない。しかし「クリア後に何百時間もやり込む対象が欲しい」というプレイヤーには、本作は前作より短命に感じられる可能性がある。
マルチプレイが廃止された
前作ではオンラインでのco-op探索やPvP要素があったが、本作ではマルチプレイ機能が削除されている。完全にシングルプレイ特化の作品になっており、「友達と一緒に遊びたい」「自分のオトモンを他のプレイヤーと戦わせたい」という楽しみはない。
これはシリーズの楽しみ方のひとつを消したという意味で、前作ユーザーからの批判ポイントになっている。CAPCOMがなぜこの判断をしたかは公式に明かされていないが、「オンライン機能の維持コストとシングルプレイの質的な向上のトレードオフ」という見方をするプレイヤーも多い。
三すくみを無視する全体攻撃の多さ
戦闘について前述した通り、本作では全体攻撃技を持つ敵が前作より増えている。全体攻撃は三すくみの読み合いを無効にするため「戦略ゲームとして楽しみたいのに単純なHPレースになる」という批判がある。
特に「ライド攻撃の強さが突出しすぎて他の戦術が霞む」という声も多い。戦闘の複数の選択肢を活かすより、「絆ゲージを溜めてライドして強力攻撃を叩き込む」というパターンが最適解になりがちだという指摘だ。バランスへの批判は一定数あるが、一方で「ライドの爽快感こそが本作の醍醐味」という楽しみ方も十分成立する。
登場モンスター数が前作より少ない
前作「Monster Hunter Stories 2」と比較して、本作の登場モンスター数が少ないという指摘がある。新規モンスターの追加はあるものの、前作のボリュームを期待すると見劣りする可能性がある。「あのモンスターがいない」という声はファンの間で定期的に出ている。
ただしDLCによる追加モンスターがリリースされる可能性はあり、アップデートでの対応を期待している声もある。
特定のNVIDIAドライバーとの相性問題
リリース当初、NVIDIAの特定のドライバーバージョン(595.79、595.97)との組み合わせでクラッシュが発生する問題が報告された。現在はパッチと新しいドライバーのリリースで多くの場合は解消されているが、プレイ前にドライバーを最新版に更新しておくことをおすすめする。
装飾品の装備枠が少ない
細かい点だが、ライダーの装備に付けられる装飾品(ステータスを補強する小アイテム)の枠が少ないという批判もある。「もっとカスタマイズしたいのにスロットが足りない」という不満で、特にやり込み層ほど気になる要素だ。これについては今後のアップデートやDLCで改善の余地がある。
前作プレイは推奨だが必須ではない
本作は前作の直接の続きではなく、物語的に独立している。前作「Monster Hunter Stories 2: Wings of Ruin」を知らなくても、本作だけで楽しめるように設計されている。
ただし前作をプレイしているとStoriesシリーズの世界観やシステムへの理解が深まり、本作のシステム改善がよりわかりやすく感じられる。「前作を先にやりたい」という人には、2021年のSteamリリース以降セール時に割引が入ることも多いので、そちらから始めてみるのもいい。
初めてプレイする人へのアドバイス

まずはメインストーリーを進める
Storiesシリーズ初心者や、遺伝子システムに不慣れな人は、序盤は深く考えすぎずにメインストーリーを進めることをおすすめする。ゲームが進むにつれて遺伝子システムの説明が段階的に提示されるので、最初から全部理解しようとしなくても大丈夫だ。
序盤の敵は三すくみをある程度意識する程度で突破できるバランスになっている。「このターンは力で攻撃したほうがいいか、速のほうがいいか」を考えながら戦っていけば、自然とゲームの基本的な読み合いが身についていく。
卵は積極的に集めておく
フィールドの巣を見つけたら積極的に卵を採取しておこう。序盤は全部孵化させなくていいが、色々な種類のモンスターの卵を集めておくと、後で遺伝子システムを活用するときの選択肢が広がる。
特にレアな卵(キラキラした外見だったり、説明文にヒントがある)は優先的に確保しておくといい。同じモンスターでも卵によって持っている遺伝子が違うため、数を集めるほど理想の遺伝子構成に近づきやすくなる。
遺伝子の「ビンゴ」を意識し始めるのは中盤以降でいい
遺伝子の配置ボーナス(ビンゴ)は、本作の育成の醍醐味だが、序盤から完璧を目指すのは難しい。まずは「強そうなスキルをどんどん移植していく」感覚でやってみて、ゲームへの理解が深まってきたら配置パズルに取り組むのがおすすめだ。
中盤あたりからボスが硬くなり「もっと強いオトモンが欲しい」と自然に感じるようになる。そのタイミングで遺伝子の配置を真剣に考え始めると、学習と実践がリンクして理解しやすい。
絆ゲージはこまめに使う
絆ゲージが溜まったらためらわずにライドや絆技を使っていこう。「もったいない」と温存しすぎると結果的に被ダメージが増えて消耗する。絆ゲージは次のターンに再び溜め始められるので、積極的に使う感覚で問題ない。
特にボス戦では絆ゲージを使うタイミングが勝負どころになる。「そろそろ強い攻撃が来そうだ」「HPが少ないから今ここでライドして一気に削り切りたい」という読みが生まれるとゲームがぐっと面白くなる。
オトモンの相性を複数準備する
特定の1体を全力強化するのも楽しいが、ある程度ゲームが進んだら属性や得意技が異なる複数のオトモンを育てておくといい。ボスによって弱点属性や有効な攻撃タイプが異なり、「このボスには水属性のオトモンを使おう」という切り替えができると攻略が楽になる。
6体枠のパーティーには、攻撃特化、回復サポート、属性対応など役割が違うオトモンを入れておくと、どんな状況にも対応しやすくなる。
武器種は好みで選んで大丈夫
ライダーの武器種は性能に大きな差はなく、基本的には好みで選んで問題ない。ただし絆ゲージの溜まりやすさと攻撃パターンが武器によって違うので、「とにかく速く絆ゲージを溜めたい」なら速射系の武器、「一撃の重さを楽しみたい」なら大剣系を選ぶと満足しやすい。
物語が進んでから好みが変わっても、武器は素材を集め直せば作れるので途中での変更も全く問題ない。
困ったらコミュニティに聞く
遺伝子の組み合わせで詰まったり、特定のボスに勝てなくて困ったりしたときは、攻略情報を調べてみるといい。Steamのディスカッションページや攻略サイトには、育成のコツからボス攻略の具体的な手順まで豊富な情報が存在する。
特に「遺伝子ビンゴの最適解」は計算ツールを使っている人もいるほど奥が深い分野で、最初から全部自力で解き明かそうとすると時間がかかりすぎることもある。楽しみ方に合わせて情報を活用するのが、このゲームを長く楽しむコツだ。
試遊版(体験版)が配信されている
本作はSteamで無料の体験版が配信されている。購入を迷っている人は先に試遊版を遊んでみることを強くすすめる。序盤のシステム説明から戦闘の感触、育成の入口までが体験でき、自分に合うゲームかどうかを確認できる。「体験版からセーブデータを引き継ぎ可能かどうか」はリリース情報を確認してほしい。
前作「Monster Hunter Stories 2」との比較
何が改善されたか
本作は前作からいくつかの重要な改善がある。遺伝子の確認・移植のUI改善、卵の種類が孵化前に確認できること、フィールドでのオトモン乗り換えの快適化、キャラクタークリエイトの無料化、一つの巣から卵が2個取れる頻度の増加——これらは前作ユーザーが体感できる改善だ。
全体的に「繰り返し作業の煩わしさが減った」という評価が多く、快適性を重視したアップデートがなされている。
何が変わったか(好みが分かれる部分)
一方で変化が好みを分ける部分もある。マルチプレイの廃止、エンドコンテンツの縮小、全体攻撃の増加による三すくみの役割の変化——これらは「前作の方が良かった」と感じるプレイヤーを生み出している要素だ。
シリーズファンとして本作をどう評価するかは、この「改善点」と「変化点」のどちらを重視するかによって変わってくる。「ソロでストーリーを楽しんで育成に沼りたい」なら本作は前作以上に快適。「マルチで遊びたい」「クリア後に大量のやり込みを求める」なら前作のほうが合っているかもしれない。
どちらを先に遊ぶべきか
本作は前作と物語が独立しているため、どちらから始めても問題ない。ただしStoriesシリーズが初めてなら、前作から始めてシステムに慣れてから本作に来るのが自然な流れだ。前作はSteamセール時にかなりお得に入手できる機会が多い。
逆に「今すぐ最新作を楽しみたい」という場合は、本作からスタートしても十分楽しめる。気に入れば前作に戻ってみるという逆順もあり得る。
まとめ——モンスターと並び立つRPGとして、シリーズ最高峰の完成度
Monster Hunter Stories 3: Twisted Reflectionは、「モンスターを倒す」ではなく「モンスターと生きる」というコンセプトを、これまでのシリーズ中で最も洗練された形で実現した作品だ。
遺伝子システムによる育成の深さ、三すくみを軸にしたターン制戦闘の戦略性、双子のリオレウスを巡るストーリーの丁寧な積み上げ、そしてモンスターハンターの世界への深い愛情——これらが組み合わさって、87点というMetacriticスコアとSteamの高評価を生み出している。
エンドコンテンツの縮小やマルチプレイの廃止といった前作からの後退点もある。これを大きなマイナスと取るかどうかは人によって違う。しかし「ストーリーを楽しみながら育成沼にハマりたい」というシングルプレイヤーに向けては、これ以上ないくらい充実したゲーム体験を提供している。
アクションゲームが苦手でモンスターハンターを諦めていた人にとっては、このゲームが「MHシリーズと自分を繋ぐ橋」になり得る。ターン制RPGが好きな人にとっては、育成の自由度と戦略の深さが他のゲームにはない魅力を持っている。そしてモンスターハンターの大ファンにとっては、「あのモンスターが仲間として一緒に戦ってくれる」という夢が実現するゲームだ。
体験版も配信されているので、まずはそこから試してみるといい。「なんとなく気になっていた」という気持ちがあるなら、その感覚は正しいと思う。
モンスターハンターストーリーズ3 ~運命の双竜~
| 価格 | ¥8,990 |
|---|---|
| 開発 | CAPCOM Co., Ltd. |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル |

