課金額10万円でようやく戦える——『コズミックブレイク2』が愛されつつも終わった理由

目次

サービス終了日と理由

コズミックブレイク2(CosmicBreak 2)は2020年6月25日にサービスを終了した。運営・開発はサイバーステップ株式会社。約5年2ヶ月の運営期間だった。

終了理由は公式には明言されていないが、プレイヤー人口の激減、重課金体質への不満の蓄積、そしてシリーズ全体を「CosmicBreak Universal」に統合するという戦略的判断が重なった結果だ。

同年8月には初代コズミックブレイクも約12年の歴史に幕を下ろしており、シリーズの大きな転換点だった。

「ロボット×美少女」という唯一無二の狂気

コズミックブレイク2のカートリッジシステム

コズミックブレイク2(以下CB2)の説明をすると、大抵の人が一瞬固まる。

2頭身のコミカルなロボットと、コスチュームが被弾で破損する美少女キャラが同じ戦場でドンパチやる。ジャンルは対戦型TPS。最大20vs20。開発は東京の上場企業。

何を言ってるかわからないと思うが、これが実際に5年間運営されていたゲームだ。

CB2には「ロイド」と呼ばれる機体が2種類ある。ヒュムは人型の美少女機体で、移動速度が速く耐久値も高い。ロボットは2頭身の無機質デザインで、腕・脚・頭・武器をパーツ単位で自由に換装できる。

操作はWASD移動+マウス照準のTPS方式。ダッシュ、飛行、敵ホールドなどのアクションもあり、カジュアルに見えて戦術的な駆け引きが深い。CB2では立ち回り・位置取り・射程管理が重要で、上手いプレイヤーなら格上の機体を食えるゲームだった。

6クラスと大規模PvP——CB2の戦場

コズミックブレイク2の対戦画面

CB2のクラスは6種類。それぞれ明確に役割が分かれていた。

クラス 特徴
アサルト 最高走行速度。接近戦特化で紙装甲
パンツァー 最高アーマー。地上戦の重戦車
バスター 長距離砲撃。初心者が最初に触るクラス
エアリアル 空中機動力No.1。操作難易度は一番高い
フォートレス 高高度飛行から空爆を叩き込む
ジャマー サポート・妨害特化。味方を活かす黒子役

対戦モードも豊富だった。初心者向けのルーキーリーグ、タワー攻防のプライムリーグ、上級者向けのマスターリーグ、そして最大20vs20のマルチリーグ。海外プレイヤーと対戦できるグローバルリーグもあった。

20対20の戦場はカオスそのものだった。空からフォートレスの爆撃が降ってくる中、アサルトが敵陣に切り込み、パンツァーが前線を固め、ジャマーが後方支援。クラスの噛み合わせで戦況がガラッと変わる。設計としてはかなり面白かった。

問題は、この面白さを味わえるだけの人口がいたのかどうか、という話なのだが。

カスタマイズの沼——500以上の機体とスキンエディット

コズミックブレイク2のロボットカスタマイズ

CB2が他のTPSと決定的に違ったのは、カスタマイズの自由度だ。

機体数は500以上。ロボット系はパーツ単位で換装できるから、組み合わせまで含めると天文学的な数になる。武器・アクセサリーの装着、強化継承、カートリッジ(新アクション追加)、スフィア(パラメータ強化)と、いじれる要素が多すぎて初心者は何から手をつけていいかわからない。

極めつけがスキンエディットだ。ペイント機能やデータインポートで機体の外見を完全にオリジナルに仕上げられる。痛車ならぬ痛ロボを作るプレイヤーが大量発生していた。

500以上の機体数、カスタマイズ性は最高

「自分だけのロイドを組み上げる楽しさ」はCB2最大の求心力だった。最適解を追求するもよし、見た目のロマンに全振りするもよし。同時期の対戦TPSの中でも群を抜いた自由度だった。

ただし裏もある。まともに戦える機体を組むまでの道のりが果てしなく長い。無課金だとなおさらだ。カスタマイズの沼は、プレイヤーを篩にかけるふるいでもあった。

プレイヤーの声——愛と怨嗟が入り混じる

CB2について語るプレイヤーの声には独特の温度感がある。「好きだったけど許せない部分がある」という、こじれた感情が漂っている。

10万円払ってNPCを狩るゲーム

ゴールデンタイム以外はマッチングが成立せず、高額課金で組んだ機体でNPCを狩るしかない。対人ゲームの根幹が揺らいでいた時期の声だ。

一方で、ゲームの骨格への評価は意外と高い。

基盤作り3ヶ月、戦闘可能1年、完全装備3年

批判のようで、実は「3年やり込める深さがあった」という裏返しでもある。文句を言いながらも何年も続けてしまう中毒性がCB2にはあった。

後継タイトルCBUNIがベータテストで2,500人を集めたことからも、シリーズへの愛着の根深さがわかる。初代CBから15年以上付き合っている人もいる。

重課金問題——Pay to Winが殺したもの

CB2を語る上で避けて通れないのが課金の問題だ。

CB2の主な課金要素は「ガラポン」と呼ばれるガチャだった。Rt(課金通貨)で新キャラや強装備を引く仕組みだ。

問題は、ガチャ限定の美少女ヒュムがゲームバランスを崩壊させるほど強かったこと。無課金プレイヤーは重課金勢と撃ち合っても勝ち目がなく、新規が定着しない。そして課金者にとっても地獄は続く——高額課金で手に入れた機体が、次のアップデートで下方修正される。この「売って弱体化」のサイクルが5年以上常態化し、課金者の信頼まで失った。

対人ゲームでPay to Winをやると何が起きるか。CB2はその教科書的な失敗例だった。

課金システムの問題点まとめ

問題 内容
ガチャ限定の強キャラ 戦闘バランスが課金額に直結
下方修正の常態化 課金して入手した機体が後から弱体化
無課金との格差 対戦にならないレベルの戦力差
信頼の崩壊 「今強い機体も次のパッチで産廃になる」

15年の系譜——C21からCBUNIまで

CB2を理解するには、サイバーステップが紡いできたシリーズの歴史を辿る必要がある。

2006年——鋼鉄戦記C21

すべてはここから始まった。2頭身のコミカルなメカで広大なフィールドを冒険するオンラインRPG。PvPではなく探索がメインで、ロボット好きの間でコアなコミュニティが形成された。

2008年——初代コズミックブレイク

C21のロイドを流用しつつPvP対戦に特化させたタイトル。これが大当たりし、約12年間サービスが続いてシリーズの顔となった。

2015年——コズミックブレイク2

グラフィック強化、美少女ヒュム本格導入、クラスシステム刷新。期待されたが課金問題と過疎化に苦しんだ。海外版のKickstarterは目標額の半分以下で失敗し、欧州版もわずか7ヶ月で撤退。

2020年——初代CB・CB2、相次いで終了

6月にCB2、8月に初代CBが終了。一つの時代が幕を下ろした。

2021年——CosmicBreak Universal

初代CBベースのリファイン版としてSteamでグローバル展開。多言語対応、最大30vs30。

シリーズ年表

出来事
2006年 鋼鉄戦記C21 正式サービス開始
2008年 初代コズミックブレイク サービス開始
2015年 コズミックブレイク2 サービス開始 / Kickstarter失敗
2016年 欧州版Cosmic League、約7ヶ月で撤退
2020年6月 コズミックブレイク2 サービス終了
2020年8月 初代コズミックブレイク サービス終了
2021年4月 CosmicBreak Universal 正式サービス開始(Steam)

C21から15年以上。「ロボットと美少女の対戦TPS」を貫き続けているのは、ある意味すごいことだ。

CosmicBreak Universal——後継タイトルの現在地

CB2の終了後、シリーズの灯を継いだのがCosmicBreak Universal(CBUNI)だ。

CBUNIは初代CBのリファイン版で、CB2の直接の続編ではない。ただしロボット×美少女の対戦TPSというDNAはそのまま。Steamで多言語対応し、最大30vs30とCB2の20vs20からスケールアップしている。

現状の規模は正直厳しく、同時接続数は100〜130人程度(2025年末時点)。評価は「賛否両論」(レビュー1,400件以上)。ニッチジャンルとして存続していること自体に価値があるが、過疎問題は克服しきれていない。シリーズに愛着があるなら、一度覗いてみる価値はある。

CB2が終わっても遊べるアクション系タイトル

CB2のような「カスタマイズ性が高いアクション対戦ゲーム」は意外と少ない。完全な代替は難しいが、方向性が近いタイトルをいくつか紹介する。

アクション性重視の無料オンラインゲームなら

Bless Unleashedは基本無料のアクションMMORPG。ノンターゲティング方式の戦闘はCB2のアクション性に通じるものがある。装備を揃えて強くなっていく過程が好きだった人に向いている。

爽快なコンボアクションを求めるなら

カーツペルはアクション格闘系のオンラインゲーム。コンボを繋いで敵を倒す爽快感がウリで、操作の手応えを重視する人に合う。CB2のアサルトやエアリアルでガンガン前に出るプレイが好きだった人は、こちらのスピード感にハマるかもしれない。

コズミックブレイク2の基本情報

タイトル コズミックブレイク2(CosmicBreak 2)
ジャンル 対戦型TPS(基本無料・アイテム課金)
開発・運営 サイバーステップ株式会社(東京都杉並区)
プラットフォーム PC(Windows)
サービス期間 2015年4月30日〜2020年6月25日(約5年2ヶ月)
最大対戦人数 20vs20
クラス数 6種類
機体数 500以上
後継タイトル CosmicBreak Universal(2021年4月〜現役・Steam)
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