変動する海の相場で稼ぐ——『蒼海のプライヴァティア』が実験作で終わったワケ

サービス終了タイトル

「蒼海のプライヴァティア」は2018年2月8日をもってサービスを終了しました。現在はプレイできません。本記事はサービス終了済みタイトルの記録としてお読みください。

目次

変動する海の相場を読むのが好きだった人へ――蒼海のプライヴァティアという実験

ブラウザゲームに「リアルな経済」を持ち込んだゲームがあった。

2015年6月30日、アピリッツが正式サービスを開始した「蒼海のプライヴァティア」(蒼プラ)。正式名称は「蒼海の武装商船(プライヴァティア)」。16世紀の大航海時代を舞台に、交易と海戦を組み合わせたブラウザSLGだ。

約2年8ヶ月後の2018年2月8日に終了した。オンラインゲームCHでのユーザー評価は5点満点中1.70。数字だけ見ると悲惨だ。

ただ、このゲームには「変動相場制の交易」という、他では見たことのない仕組みがあった。プレイヤー全体の売買行動が相場に影響するリアルタイム経済シミュレーション。その一点だけは、ネット上の厳しい声の中にあっても繰り返し評価されていた。

この記事では、蒼海のプライヴァティアが何を目指して、何に成功して、何に失敗したのかを、当時のユーザーの声をたどりながら振り返ってみる。

蒼海のプライヴァティアとは何だったのか

プライヴァティア――国家公認の武装商船

まず名前の話から。「プライヴァティア(Privateer)」とは、16世紀の大航海時代に実在した武装商船のことだ。国家から「私掠免許状」を与えられ、敵国の商船を合法的に襲って積荷を奪う許可を得た民間船。海賊と紙一重だが、国家公認の戦闘行為として扱われていた。

このタイトルを冠したゲームは、まさにその通りの世界観だった。交易で金を稼ぎ、海戦で他プレイヤーの積荷を奪い合う。稼ぐか、奪うか、奪われるか。「武装商船」という名の通り、商売と戦闘が切り離せない構造をしていた。

基本の遊び方――交易・海戦・投資

プレイヤーは4つの国家のいずれかに所属し、船団を率いて海に出る。やることは大きく分けて3つ。

ゲームの三本柱

  • 交易 ― 街と街の間で物資を売り買いして資金を稼ぐ。加工で付加価値をつけることも可能
  • 海戦 ― フル3Dのアクションバトル。砲撃戦と白兵戦の両方がある。最大5人の協力プレイに対応
  • 投資 ― 街への投資額で国家間の支配権が決まる。税収や交易の優遇を得られる

稼いだ金で船を強化し、強くなった船でさらに稼ぐ。街への投資で自国の勢力を広げ、支配した街から恩恵を受ける。金がすべてを回す世界だった。

ブラウザゲームとしてはかなり野心的な設計で、インストール不要でここまでの要素が詰め込まれているタイトルは珍しかった。艦船は40種類以上。小型の高速船から大型のガレオン船まで、用途に合わせて乗り換えるシステムも用意されていた。

航海士システム――50人以上のキャラとレアリティ

プレイヤーの船には「航海士」と呼ばれるキャラクターを配置できた。人数は50人以上。レアリティはN・R・SR・SSRの4段階。航海士ごとに固有スキルがあり、戦闘型、交易型、航海速度特化型などの役割に分かれていた。

入手方法は「スカウト」と呼ばれるガチャが基本。街の酒場で「贈り物」を使って入手する方法もあったが、SSR航海士を狙うなら課金ガチャが事実上の唯一の選択肢だった。ガチャは1回500円。この価格設定については、後で詳しく触れる。

展開プラットフォーム

公式サイトに加え、2016年2月にはハンゲーム版、同年4月にはYahoo!ゲーム版がオープン。複数プラットフォームへの展開で新規ユーザーの獲得を図ったが、結果的にはユーザー基盤を大きく拡大するには至らなかった。

対応環境はPCブラウザのみ。スマートフォンには非対応。動作確認ブラウザはIE、Firefox、Opera、Safariと、当時のブラウザゲームとしては標準的なラインナップだった。

変動相場制――蒼プラが他のゲームと決定的に違った部分

蒼海のプライヴァティアを語るなら、ここを避けては通れない。

多くのゲームの交易システムは固定相場だ。街Aで100ゴールドで買った品物を街Bで200ゴールドで売る。一度おいしいルートを見つけたら、ひたすら同じことを繰り返すだけ。作業感が強い。

蒼プラは違った。リアルタイム変動相場制を採用していた。

プレイヤー全体の取引量に応じて、各街の物資の価格がリアルタイムに変わる。みんなが同じ品物を買い占めれば仕入れ値は上がり、売り先に物が溢れれば売値は暴落する。需要と供給が実際に機能するゲーム内経済だ。

昨日まで大儲けできた交易ルートが、今日は赤字になるかもしれない。市場全体の動向を読みながら、仕入れ先と売り先を柔軟に変えていく必要がある。この感覚は株式投資やFXに通じるものがあって、交易だけで何時間でも遊べるという声がプレイヤーの間にはあった。

交易システムは面白くやり込める。
出典:オンラインゲームCH

大航海時代Onlineを参考にした設計自体は評価できる。交易の変動相場制は面白い。
出典:4Gamer.net

しかし、この面白い交易システムを活かしきれなかったのが蒼プラの悲劇だった。交易で稼いだ資金の使い道が海戦と投資に限られていて、交易そのものを深掘りする方向への発展がなかった。交易ギルドの設立、専門商人としてのキャリア、造船への投資など、広げようと思えばいくらでも広げられたはずだ。

相場を読んで金を稼ぐ楽しさがあったのに、稼いだ先のゴールが「課金者の海戦について行くこと」だけだった。ここに構造的な矛盾があった。

海戦――技術的には頑張っていた、でも

フル3Dの海戦アクション

海戦はブラウザゲームとしてはかなり頑張った部類に入る。フル3Dで描画された船同士がぶつかり合い、砲撃戦と白兵戦を織り交ぜながら戦う。航海士のスキルを状況に応じて発動させる戦術性もあり、最大5人の協力プレイにも対応していた。

海戦ステージをクリアすると新しい街が解放され、交易先が広がるという設計も良かった。戦えば戦うほど商売の幅が広がる。交易と海戦がゲームサイクルとして噛み合っていた部分だ。

操作性の壁

ただし、海戦の操作性については厳しい評価が多かった。

海戦は操作性が悪く難易度が高すぎる。交易メインで楽しむゲーム。
出典:オンラインゲームCH

操作性が最低のバトルシステム。時間の無駄。
出典:オンラインゲームCH

ブラウザ上でフル3Dの海戦アクションを実現すること自体に無理があったのかもしれない。当時のブラウザ技術(Flash)の制約もあり、レスポンスの悪さやUI設計の粗さがプレイヤーのストレスに直結していた。

交易は文句なしに面白い。海戦は操作がつらい。この温度差が、蒼プラ全体の評価を分断する大きな要因になっていた。

課金設計――ガチャ1回500円の世界

SSR航海士がすべてを変える

蒼海のプライヴァティアの課金構造は、航海士ガチャを軸にしたアイテム課金制だった。

ガチャ1回500円。2015年当時のブラウザゲーム市場でも割高と言われた価格設定だ。SSR航海士は1体いるだけで海戦の勝敗が変わるほどの性能差があり、SR以下の航海士とは別次元の強さだった。

問題は、このSSR航海士の排出率が極めて低かったこと。目当ての航海士を引くまでに数万円、場合によっては10万円以上つぎ込むプレイヤーも珍しくなかった。

無課金の限界

基本プレイ無料を謳っていたが、実質的には課金なしでゲームを進めるには相当な忍耐が必要だった。特に対人戦(国家戦)では、課金で強力な航海士を揃えたプレイヤーが圧倒的に有利だった。

課金しなければ強いスキルを持ったキャラクターを得ることは困難。P2W要素が強く、無課金は中級者止まり。
出典:4Gamer.net

重課金ゲームで、学生や時間のない社会人には向かない。
出典:オンラインゲームCH

「課金差が他のブラウザゲームより小さい」という肯定的な声も1件あった。ただ全体で見ると、課金バランスに対する不満は圧倒的多数だった。

航海チケットという行動制限

さらに厄介だったのが「航海チケット」の仕組みだ。航海チケットは交易や海戦に出るための消費アイテムで、時間経過で回復するが、その回復速度が遅かった。たくさん遊ぼうと思ったらチケットを課金で補充する必要がある。

航海チケットの回復が遅く、実質的な廃課金ゲーム。
出典:オンラインゲームCH

「やりたいことをやらせてくれない」。チケット制の過度な制限と戦闘の操作性悪さ。
出典:4Gamer.net

大航海時代を舞台にしたゲームで「自由に航海させてくれない」というのは、なかなか皮肉な話だった。行動制限で課金を促すスタミナ制自体は当時のブラウザゲーム・スマホゲームの定番ではあったが、蒼プラの場合は交易という面白いコンテンツへのアクセスを制限する形になってしまっていた。面白い部分を遊ばせない設計は、どう考えても悪手だ。

スキルバランスと対人環境――荒れた海

崩壊したスキルバランス

航海士のスキルバランスにも問題があった。SR以上の航海士が持つスキルの性能が異常に高く、N・R航海士との格差が大きすぎた。課金でSSR航海士を揃えたプレイヤーと、無課金・微課金でR航海士中心のプレイヤーでは、勝負にすらならない。

スキルバランスが崩壊しており、中堅・初心者が追いつけない。
出典:オンラインゲームCH

SR以上キャラの異常なスキル性能により、課金者が圧倒的優位。
出典:4Gamer.net

アクション性を否定するようなスキル実装という指摘もあった。操作の上手さではなく、持っているスキルの強さで勝敗が決まる。これでは海戦のアクション要素が意味をなさない。

PvPがPvEを壊していた

蒼プラのPvP(プレイヤー間戦闘)は任意ではなく、交易中に強制的に発生する仕様だった。せっかく相場を読んで仕入れた交易品を、課金者の船団に襲われて根こそぎ奪われる。

初心者保護期間は2週間設けられていた。が、2週間が過ぎれば容赦なく襲われる。しかも、被害を受けても補償や救済の仕組みがない。

交易で他プレイヤーから被害を受けても補償がなく、ペナルティが不公平。海賊行為への対策が不十分。
出典:オンラインゲームCH

課金廃人の支配的態度と海賊行為により、新規プレイヤーがどんどん離脱。コミュニティが荒廃していった。
出典:オンラインゲームCH

歴史的にプライヴァティア(武装商船)は海賊行為を行う存在だから、ゲーム内でプレイヤー同士の略奪があること自体は世界観に沿っている。問題は、課金力の差がそのまま略奪力の差に直結していたこと、そして被害者を守る仕組みがほぼなかったことだ。

新規プレイヤーが来る。2週間の保護期間が終わる。課金者に叩きのめされる。やめる。この悪循環が回り続けた結果、サーバーには課金者と古参だけが残り、対戦相手がいなくなって課金者も去っていくという末路をたどった。

嫌がらせプレイヤーと複垢の横行

対人環境の荒廃には、プレイヤーのモラルの問題もあった。

嫌がらせプレイヤーが多く、コンテンツも薄い。対人要素が荒れており、安心して遊べない環境。
出典:オンラインゲームCH

複数アカウント(複垢)の横行も深刻だった。交易の変動相場制は、複数アカウントを使って市場を操作すれば不正に利益を得られてしまう。運営による取り締まりが不十分だったという指摘が複数のレビューで見られた。

先行者有利と新規参入の壁

古参と新規の埋められない差

オンラインゲーム全般に言えることだが、蒼プラの場合は特にこの問題が深刻だった。先にサービスを始めたプレイヤーが圧倒的に有利で、後から参入したプレイヤーが追いつく手段がほぼなかった。

後発組は重課金が必須。先駆者が絶対的に有利なシステム。
出典:オンラインゲームCH

初心者と古参の格差が大きく、素材集めの仕組みが不足している。
出典:オンラインゲームCH

新規がお金を出して追いつこうとしても、そもそもガチャ1回500円で必要なSSR航海士が出るかどうかは運次第。時間をかけてコツコツ育てようにも、航海チケットの制限で十分にプレイできない。時間も金もかかるのに、追いつける保証がない。

これではハンゲーム版やYahoo!ゲーム版を展開して新規ユーザーを呼び込んでも、定着するわけがなかった。入口を広げたところで、中に入ってからの体験が劣悪なら意味がない。

ルーチンワーク化する日常

ゲーム中盤以降、やることがルーチンワーク化していく問題もあった。

ルーチンワークの繰り返しで感動がない。対人戦はバランス崩壊しており、やりがいが薄れていった。
出典:オンラインゲームCH

変動相場制の交易には確かに頭を使う面白さがあった。でもそれ以外のコンテンツ――海戦のステージ攻略、投資競争、イベント――が単調だったため、交易の面白さだけでゲーム全体を支え続けることができなかった。

音楽と絵だけは良かった

厳しい声が並ぶ中で、ほぼ唯一といっていいほど一貫して評価されていたのが、グラフィックとBGMのクオリティだった。

音楽と絵のクオリティは高い。大航海時代の雰囲気作りは良くできている。
出典:オンラインゲームPLANET

萌えキャラ・イケメンキャラのデザインは丁寧に作り込まれており、航海士のイラストには力が入っていた。BGMも大航海時代の冒険的な雰囲気を上手く演出していたという声がある。

ただし、これはゲームの本質的な問題を解決するものではない。「見た目は良いけど中身が……」という評価になってしまうのは残念だった。アピリッツのクリエイティブチームの実力は確かだっただけに、その才能がもっと良いゲーム設計の上で活かされていれば、と思わずにはいられない。

「大航海時代Onlineの影」という宿命

蒼海のプライヴァティアは、コーエーの「大航海時代Online」と比較され続ける宿命にあった。同じ16世紀の海を舞台にしている以上、避けられない比較だ。

運営の質が低く、コーエーの大航海時代シリーズの劣化版。オリジナリティに欠ける。
出典:オンラインゲームCH

開始からずっと右肩下がりのゲーム。複数アカウント横行の取り締まり放置、戦闘のつまらなさ、運営の要望無視。
出典:4Gamer.net

大航海時代Onlineは2005年サービス開始の長寿タイトルで、交易・冒険・戦闘のバランスが長年にわたって磨き上げられていた。蒼プラが「ブラウザで手軽に遊べる」という利点を持っていたとしても、コンテンツの厚みで比較されると厳しい。

ただ一方で、こんな声もあった。

大航海時代Onlineを参考にした設計は評価できる。変動相場制は面白い。
出典:4Gamer.net

参考にしたこと自体は否定されていない。問題は、参考にした上でどこまでオリジナリティを出せたか、そして大航海時代Onlineが長年蓄積してきた「深さ」にどこまで迫れたかだ。結論としては、変動相場制という一点突破のアイデアはあったが、それ以外の部分で追いつけなかった。

ユーザーの声を分類してみる

集めたユーザーの声20件を分類すると、蒼プラに対する評価の全体像が見えてくる。

カテゴリ 件数 主な内容
課金への批判 7件 重課金前提、P2W、ガチャ高額、後発組は課金必須
操作性・システム批判 4件 海戦の操作性、バトルUIの出来の悪さ、チケット制限
コミュニティの問題 3件 海賊行為、嫌がらせ、複垢横行、運営の取り締まり不足
新規お断り 3件 古参格差、先駆者有利、追いつくのが不可能
良かった点 3件 交易の変動相場が面白い、音楽・絵が高品質、大航海時代の雰囲気

20件中17件が否定的。オンラインゲームCHの総合評価は1.70 / 5.0(27件中大半が★1)。4Gamer.netの評価も50点以下が多い。

数字としては厳しい。ただ、全否定ではないことにも注目したい。交易の面白さ、グラフィックとBGMの質、大航海時代という舞台設定の魅力は認められていた。問題はそれ以外のすべて――課金バランス、操作性、対人環境、新規への配慮、運営対応――だった。

なぜ約2年8ヶ月で終了したのか

ユーザー離脱の悪循環

サービス終了の最大の原因は、プレイヤー人口の継続的な減少だったと考えられる。

課金バランスの悪さと対人環境の荒廃が新規プレイヤーの定着を妨げ、既存プレイヤーもルーチンワーク化と運営への不信感から離脱していく。プレイヤーが減ると対戦相手がいなくなり、課金者すらモチベーションを失う。この悪循環は一度始まると止めるのが難しい。

ハンゲーム版(2016年2月)とYahoo!ゲーム版(2016年4月)の展開は、減少するユーザー基盤を拡大する試みだったが、十分な効果を上げることはできなかった。

ニッチジャンルの壁

「大航海時代の交易&海戦SLG」というジャンル自体が、大規模なユーザー獲得には向いていなかった。RPGやアクションに比べて取っ付きにくいし、ターゲット層が限られる。アピリッツの他の代表作「式姫の庭」のような分かりやすいキャラゲーとは、潜在的なユーザー数が桁違いだった可能性がある。

ブラウザゲーム市場の縮小

2015年のサービス開始時点で、PCブラウザゲーム市場はすでにスマホゲームに押されて縮小傾向にあった。加えて、蒼プラはFlash技術に依存していた。2017年7月にAdobeがFlash Playerの2020年末サポート終了を正式発表。この発表自体が直接のトリガーだったかは不明だが、Flash終了の影が業界全体に落ちていた時期と蒼プラの終了時期は重なっている。

体力のある開発元はHTML5への移行を果たしたが、すでにプレイヤー数が減少していた蒼プラにその投資をする経営判断は難しかっただろう。

開発元のその後

開発・運営元のアピリッツは蒼プラ終了後も「式姫の庭」シリーズなど他のブラウザゲームを運営していたが、蒼プラの直接の後継タイトルは作られなかった。大航海SLGというジャンル自体が商業的にリスクが高いと判断された可能性がある。

蒼海のプライヴァティアのPV

当時の公式プロモーション映像。交易画面のUIや3D海戦のアクションを確認できる。ブラウザゲームとは思えない映像表現で、クリエイティブ面では確かに力が入っていたことが分かる。

蒼海のプライヴァティアの基本情報

項目 内容
タイトル 蒼海のプライヴァティア(蒼海の武装商船)
ジャンル 大航海シミュレーション / 貿易&海戦SLG
開発・運営 株式会社アピリッツ
サービス期間 2015年6月30日 〜 2018年2月8日(約2年8ヶ月)
プラットフォーム PCブラウザ(Flash)
展開先 公式サイト、ハンゲーム、Yahoo!ゲーム
基本料金 無料(アイテム課金制 / ガチャ1回500円)
ユーザー評価 1.70 / 5.0(オンラインゲームCH)
後継タイトル なし

大航海時代の海洋ゲームを探している人へ

蒼海のプライヴァティアは終了したが、海洋・交易・冒険をテーマにしたゲームは他にもある。蒼プラで「変動する相場を読む交易の面白さ」に目覚めた人、「大航海時代のロマン」を別のゲームで味わいたい人に向けて、似たジャンルの現役タイトルをいくつか紹介しておく。

大航海時代 Origin

コーエーテクモが「大航海時代」シリーズ30周年を記念してリリースしたタイトル。PC・スマホの両対応で、交易・探検・海戦の3要素を本格的に楽しめる。蒼プラが「目指していた世界」を、本家の技術力と開発リソースで作り上げた作品と言えるかもしれない。大航海時代の世界を本格的に味わいたいなら、まずはここから。

Port Royale 4(Steam / PS / Switch)

大航海時代のカリブ海を舞台にした交易・街づくり・海戦シミュレーション。17世紀の植民地時代を背景に、貿易ルートの開拓、都市の発展、海戦の指揮を行う。蒼プラの交易部分をもっと深く、もっと本格的に遊びたい人向け。

当サイトで紹介中のブラウザゲーム

蒼プラと同じジャンルではないが、ブラウザで手軽に遊べるタイトルを紹介しておく。

蒼プラが残した教訓

蒼海のプライヴァティアは、ゲーム史に名を刻むタイトルではなかった。ユーザー評価1.70。サービス終了を惜しむ声もほぼなし。数字だけ見れば「失敗作」だ。

でも、変動相場制の交易システムというアイデアだけは本物だった。プレイヤー全体の行動が相場に影響するリアルタイム経済シミュレーションを、ブラウザゲームで実現してみせた。サーバーサイドの負荷も大きかったはずだし、相場操作を防ぐ設計も必要。技術的にもデザイン的にも挑戦的な試みだった。

問題は、その良いアイデアを取り巻くすべてだった。

課金で勝敗が決まるPvP。操作性の悪い海戦。新規が育たない構造。行動を制限するチケットシステム。嫌がらせを放置するコミュニティ管理。そして、ユーザーの声に応えなかった運営。素材は良かったのに、調理を全部間違えた。

「交易が面白かった」「PvPさえなければ良ゲーだったかもしれない」という声は、蒼プラに対する最大の賛辞であり、同時に最大の批判だ。面白い交易を、面白くない仕組みで囲ってしまった。

2015年から2018年。ブラウザゲーム市場がスマホに押されて沈みゆく中で、国産デベロッパーが大航海時代のロマンを詰め込んだ野心作。その志は買う。ただ、志だけではゲームは成り立たない。

変動相場制の交易というアイデアが、いつかもっと良いゲームの中で花開く日が来るかもしれない。そのときに「ああ、蒼プラがやろうとしたのはこれか」と思い出す人が1人でもいれば、この2年8ヶ月に費やされた時間にも多少の意味があったと言えるだろう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次