前作「97%・1500万本」の海洋神ゲーが帰ってくる——Subnautica 2の本当の期待値を整理する【2026年新作PCゲーム】
「気づいたら夜が明けてた」——そう表現したのは、初めてSubnauticaをプレイした夜のことを振り返った、あるプレイヤーのコメントだ。
暗い宇宙船の中で目を覚ます。外は見渡す限りの海。手元には脱出ポッドと、壊れた無線と、生き延びるための道具が少しだけ。酸素ゲージが刻々と減っていく中、初めて海底に潜ったとき——その感覚は、言葉にしにくい。怖い。でも、美しい。もっと深くまで行きたい。でも、空気が。
Subnautica(サブノーティカ)は、そういうゲームだった。2018年のPC版正式リリースから今日まで、Steamで97%・34万件超の好評を維持し、全プラットフォームで累計1500万本以上を売り上げた海洋サバイバルの金字塔。「ゲーム史上屈指の没入感」「恐怖と驚嘆のバランスが完璧」——多くのゲーマーが「人生でプレイしたゲームの中でトップ3に入る」と語る作品だ。
その続編、Subnautica 2が2026年5月にEarly Accessとして登場する。
ただ、この続編は単純な「前作を大きくした版」じゃない。新しい惑星、シリーズ初のCo-op、完全新設計のベース建設システム、そしてDNA改造という前代未聞の要素。さらに開発の裏側では、KRAFTON(韓国)とUnknown Worldsの間で250億円規模の法廷闘争まで起きている。
「どんなゲームなの?」「前作を超えられる?」「Co-opで前作の魅力が薄れないか?」「訴訟騒ぎはゲームに影響する?」——そういった疑問を持つ人のために、2026年3月時点での全情報を整理してみた。前作をプレイ済みの人も、Subnauticaを知らない人も、どちらにも届く内容にしていく。
こんな人におすすめ
- ☑ 前作Subnauticaをプレイして「あれは人生最高のゲーム体験だった」と思っている人
- ☑ サバイバルゲームが好きで、戦闘より探索・クラフト・建設が楽しめる人
- ☑ フレンドと一緒に協力して生き延びるCo-opゲームを探している人
- ☑ 「海」という空間の広さ・深さ・暗さが好きで、水中ゲームを試してみたい人
- ☑ Minecraft・Valheim・ARKなどのオープンワールドサバイバル系を遊んだことがある人
- ☑ マイクロトランザクションがないシングルパッケージのゲームを求めている人
- ☑ Early Accessから参加して開発プロセスを一緒に体験したい人
こんな人には合わないかも
- ☒ PvP・対人戦がメイン目的の人(このゲームに対人要素はない)
- ☒ アクション・戦闘をメインに楽しみたい人(サバイバル・探索がメインで戦闘は少なめ)
- ☒ 水や深海が本当に苦手で、ゲームでも恐怖を感じたくない人
- ☒ 完成度の高い正式版を待ちたい人(Early Accessなので2〜3年かけて開発が続く)
- ☒ 短時間でサクっとクリアしたい人(気づけば何十時間もかかるゲームデザイン)
公式トレーラー
Subnautica 2 基本情報
まず知っておきたい——前作Subnauticaって何がすごかったの?

Subnautica 2を語る前に、前作の話をしないわけにはいかない。なぜなら、この続編への期待値の大きさは、ほぼ100%、前作が残した衝撃の大きさに比例しているから。
2018年のPC版正式リリース。それ以来、前作Subnauticaは「ゲーム史上最も没入感のある体験のひとつ」として語り継がれている。あの「圧倒的に好評(97%)」という評価は、34万件もの投票がある中でなお維持され続けている。
前作の何がそんなに特別だったのか。端的に言えば、「海」というフィールドを使い、恐怖と美しさを同時に表現することに成功したゲームだった。
陸のサバイバルゲームでは、危険を感じたら木の後ろに隠れたり、高台に登ったりできる。でも、海の中ではそうはいかない。下にも横にも上にも広がる空間で、逃げる場所がない。音だけが響いてくる。「何かがいる」という気配。酸素ゲージが減っていく焦り。そして、ふと見上げたとき差し込んでくる光の中に見えた、巨大なレビアタンの影——。
こういう体験を、10時間後、20時間後、50時間後と継続して提供し続けることができた。探索の先に待っているのが「恐怖」なのか「美しい景色」なのか、それが毎回わからないまま潜っていく感覚。それがSubnauticaだった。
「前作Subnauticaで200時間溶けた。次はフレンドと一緒にやれる。人生最高の体験になる可能性がある。」
— Steam コミュニティフォーラム
前作をやっていない人にとっては「200時間?大げさでしょ」と思うかもしれない。でも、前作をプレイした人の多くがこういう反応になる。それほどの中毒性があった。
Subnautica 2への期待が高まる(そして不安になる)のは、この前作の偉大さを知っているプレイヤーたちが見守っているからだ。「超えられるわけがない」という声も、「Unknown Worldsならやってくれる」という信頼の声も、両方が混在している。
Subnautica 2——舞台は「ゼズラ」という新しい海洋惑星
前作の舞台は惑星4546B。今回の新惑星の名前はゼズラ(Zezura)だ。
前作・前々作(Below Zero)のキャラクター、場所、生物、乗り物は登場しない。ゼズラは前作と同じ宇宙の世界観を持ちながらも、まったく別の探索体験として設計されている。前作を知らない人がいきなりSubnautica 2から始めても問題ないし、前作ファンには「あの世界の新しい側面」を発見する楽しさがある設計になっている。
ストーリーの骨格
宇宙船で14年間の冬眠から目覚めた主人公。任務を続けるよう船のAIに命じられ、惑星ゼズラを探索することになる。でも、この惑星は人間が生きられるような場所じゃない。
「世界が人間には危険すぎる。ならば、人間が何であるかを変えてしまえ」——これがSubnautica 2のテーマだ。
つまり、生存するためには、探索だけではなく自分自身を変える必要がある。これが後述するDNA改造システムの物語的な根拠になっている。なかなか興味深い設定じゃないかと思う。
前作では「謎の感染症」と「脱出」が軸になっていたが、今作では「人類の限界を超えるための適応」がテーマになっている。SF設定の深みという点では、前作以上に骨太なストーリーになりそうな予感がある。
ゲームシステム詳細——何が新しくて、何が受け継がれているのか

基本的なサバイバルループは前作と同様
Subnautica 2の基本的なサバイバルループは、前作と同じ枠組みを持っている。
最初は何もない。スキャナー、懐中電灯、生き延びるための最低限の道具だけ。海底を泳ぎながら素材を集め、クラフト台でレシピを解放し、道具を作り、もっと深い場所へ潜れるようになっていく。
前作でいうシーグライダー(泳ぎを補助するスラスター)から始まり、シームース(小型潜水艦)、サイクロプス(大型潜水艦)という乗り物の進化が「この世界の広さ」を実感させてくれた。Subnautica 2でも同様の「乗り物を通じた探索範囲の拡張」は継続される。
このループが優れているのは、「作れるものが増えるほど、潜れる場所が増え、また新しい素材・レシピが見つかる」という正のフィードバックが機能しているから。プレイヤーは常に「次は何が作れるか」「もっと深くに何があるか」という好奇心で動かされ続ける。
新要素①:DNA改造システム——自分の遺伝子を書き換えて深淵に挑む
Subnautica 2最大の新要素のひとつが、DNA改造(Genetic Modification)だ。
専用ツール「バイオサンプラー」を使って海中の生物からDNAを採取し、自分の遺伝子コードに組み込んでいく。これにより、プレイヤー自身が人間の限界を超えた能力を獲得していくことができる。
具体的には次のような能力が考えられる(開発中のため変更可能性あり):
- 深海の水圧に対する耐性強化
- 暗所でも見えるようになる視覚能力
- 極端な水温変化への適応
- 特定の生物が発する毒素への免疫
面白いのは、このシステムが単なるアップグレードじゃなく、ストーリーと直結している点だ。「世界に適応するために、人間であることを変えていく」という物語の流れの中で、DNAを書き換えていく行為が意味を持つ。
実はこのDNA改造システム、前作の開発中に一度カットされた要素だった。Unknown Worldsが長年温めてきたアイデアが、今作でついに実現する形になっている。
「DNA改造システムって前作でカットされた要素だよな?それが帰ってくるのか…胸熱。」
— Reddit r/subnautica
前作ファンがこういう反応になるのは当然だと思う。前作を深く知っているほど、開発チームの「やりたかったことをSubnautica 2でついにやる」という姿勢が伝わってくる。
新要素②:完全新設計のベース建設システム
前作でも海中に自分の拠点を建てることができた。でも、前作の拠点建設には制約が多かった。形が決まった部屋を繋ぐ形式だったため、「作った拠点に自分らしさが出にくい」という声も少なくなかった。
Subnautica 2のベース建設システムは、根本から作り直された。
2026年3月のGDC(ゲーム開発者会議)で公開されたシステムを、Base Design LeadのKiel McDonaldは「サバイバルゲームでこれをやったゲームは他にないと思う」と表現した。
具体的な特徴:
- プロシージャルなタイルベース:隣接するタイルが互いに影響し合う設計。地形に縛られず、海底のどんな場所にも自由に建設できる
- 窓の完全カスタマイズ:前作では形が決まっていた窓が、今作では丸窓・ダイヤ型・大型窓など自由な形状に変更可能
- インテリア装飾:ライティング制御・壁の塗装・家具の配置など、拠点の中身も細かく飾れる
- 円形の部屋:完全な球体型の部屋も実装予定
これを聞いて「それはMinecraftみたいな感じ?」と思う人もいるかもしれない。でも、海底という特殊な環境の中でこれをやることが重要で、「自分が作った家の窓の外に広がる海」の体験は、陸上の建設ゲームとはまったく違う感触になるはず。
前作でもベースを作り込んでいたプレイヤーには、このシステムの向上は特に響くポイントだと思う。
新要素③:シリーズ初のCo-op——でも「ソロ体験を損なわない」が大前提
Subnautica 2で最も議論を呼んでいる要素が、最大4人のCo-opマルチプレイだ。
前作・前々作はどちらも完全ソロのみ。「Subnauticaの本質は孤独感だ」「一人で広大な海底に放り出される恐怖こそが醍醐味だ」と考えるファンは多い。そこにCo-opが加わると聞いて、コミュニティに緊張が走った。
Steamのコミュニティフォーラムには「Singleplayer Experience no longer the focus?」(シングルプレイ体験はもう重点じゃないの?)というスレッドが立ち、活発な議論が続いた。「トレーラーの映像がことごとくマルチシーンで、ソロプレイヤーとしてとても不安」という声は根強い。
これに対してUnknown Worldsは繰り返し明言している。
「シングルプレイヤーが最初にあって、Co-opはオプション」
ゲームはソロでも4人でも、完全な体験ができるように設計されているという。つまり、Co-opを加えたからといってソロ体験を削ったわけではなく、「どちらでも全部楽しめる」を目指している。
「Co-op追加は歓迎だけど、ソロで遊んでも同じ体験ができるって保証してくれるならOK。」
— Steam Discussion
実際のところ、Co-opとソロの両立は技術的に難しい課題だ。前作の「孤独感」を生み出していたゲームデザイン(酸素・素材管理のプレッシャー、一人で広大な空間を探索する感覚)が、Co-opで2人・3人いることで薄まってしまうリスクはある。それでも、Unknown Worldsがこの問題を認識していることは間違いなく、どう解決するかがEarly Access後の評価を分ける大きなポイントになりそうだ。
一方で、「フレンドと一緒に深海で絶叫したい」という需要は確実に存在する。SatisfactoryやValheimなどで経験済みの人には分かると思うが、一人で恐怖だった体験をフレンドと共有するのはそれはそれで別の楽しさがある。どちらの遊び方も正解だ。
「4人Co-opでサブノーティカ…友達4人で集まってプレイしたい。絶対笑えない状況になるやつ。」
— Twitter / X
確認済みバイオームと生物——ゼズラの海底世界
Early Access時点で複数のバイオームと生物が実装予定だ。ゲームが進むにつれて段階的に追加されていく。
確認済みバイオーム(2026年3月時点)
ケルプフォレスト
巨大な海藻が林立する浅瀬エリア。光が差し込む幻想的な空間で、最序盤の探索域。
ボイド(深海)
海底の深淵。底が見えない暗闇と、正体不明の巨大生物が潜む。前作でも最も恐怖を感じたエリアのひとつ。
コーラルガーデン
カラフルなサンゴが群生するエリア。前作の「セーフシャロウズ」的な初期探索域になると予想。
グレイブヤード
名前通り不気味なエリア。かつての何かが眠る場所。ストーリーと深く絡むエリアになりそうだ。
プラトー
海底の台地。中層エリアとして機能し、乗り物が活躍する探索エリアになると思われる。
サーマルスパイア
熱水噴出孔が林立するエリア。高温・高圧の過酷な環境で、DNA改造が必要になる深部エリアのひとつ。
確認済み生物
前作の生物デザインは「海洋生物の美しさと恐怖の混在」が素晴らしかった。ゼズラの生物も同様のコンセプトを踏襲しつつ、全く新しいデザインになっている。
現時点で確認されている生物の中で特に注目なのが、巨大なレビアタン「コレクター」だ。前作では「リーパーレビアタン」「シードラゴンレビアタン」といったボス級の巨大生物が恐怖の象徴だったが、今作のコレクターも同様の役割を果たすことが予想される。もう一体、4本の触手を持つクトゥルフ的な見た目の生物も確認されており、これは前作のアンプールに匹敵する「見てはいけないもの感」を漂わせている。
Wakemaker、Hammerhead、Tadpole、Waterslugといった小〜中型の生物も存在が確認されている。これらは資源として利用できるのか、DNAサンプリングの対象になるのか、まだ詳細は不明だ。
前作との違いを整理——Subnauticaを知っている人向けの比較

前作Subnauticaをプレイ済みの人には、変わった点と変わらない点の整理が一番気になるだろう。
変わらない部分——サバイバルの基本ループ、海底探索の没入感を作るアプローチ、素材収集とクラフトの楽しさ——はそのままに、Co-op・DNA改造・新ベース建設という3つの大きな柱が新要素として加わっている構造だ。
前作のファンとしては「変わりすぎてほしくないけど、同じものでは困る」という矛盾した気持ちになりがちだが、Unknown Worldsはその点を十分に理解しているチームだと思う。Below Zeroでも、前作の感触を残しながら新しい要素(陸上探索・ストーリー重視)を加える実験をしていた。その経験がSubnautica 2に活きているはずだ。
推しポイント——Subnautica 2がとにかく楽しみな理由
1. Unknown Worldsというチームへの信頼
ゲームの期待値を測るとき、最も信頼できる指標のひとつが「誰が作っているか」だ。
Unknown Worlds Entertainmentは、前作Subnauticaを2014年のアーリーアクセス開始から4年かけて丁寧に育て上げたチームだ。アーリーアクセス中も定期的に大型アップデートを重ね、コミュニティの声を聞きながらゲームを磨き続けた。その結果として、正式リリース時の97%という評価に結びついた。
Subnautica 2も「2〜3年のEA期間」を設定している。これは前作の開発プロセスと同じアプローチで、「出しっぱなしにしない」という姿勢の表れでもある。
また、後述するKRAFTONとの訴訟の結果、チームのCEO Ted Gillが復職し、EA版のリリーススケジュールも彼が指揮することになった。前作を作ったチームの中核が主導権を持って開発を進めるということは、ファンにとってはかなり安心材料だ。
2. Unreal Engine 5による視覚・音響の進化
前作はUnityで開発されていた。今作はUnreal Engine 5への移行が確定している。
これが何を意味するかというと、前作でも圧倒的と言われていた「海底の美しさ」「光の表現」「音の空間的な広がり」が、さらに一段上のクオリティで実現できるということだ。
Subnauticaの没入感を支えていた大きな要素のひとつが、「この海が本物のようだ」と錯覚させる視覚表現だった。UE5の流体シミュレーション・光の屈折・海底の地形表現を組み合わせれば、それがどこまで行くか。トレーラーを見た多くのプレイヤーが「グラフィックだけで泣きそう」と表現していた。
3. DNA改造システムという前代未聞の要素
「生物からDNAを採取して自分を改造する」というアイデアは、サバイバルゲームの歴史の中でも珍しい。
多くのサバイバルゲームでは「装備を強化してより深い場所に行けるようになる」という成長軸があるが、Subnautica 2では「プレイヤー自身の生物学的な能力が変わっていく」という体験が加わる。これは前作には絶対になかった感触だ。
また、これがストーリーと絡んでいる点が特に良い。「危険な世界に適応するために人間であることを変える」というテーマが、プレイヤーの行動(DNAを書き換えていく)と一致している。ゲームプレイとナラティブが連動する設計は、没入感をさらに高める要素になる。
4. マイクロトランザクション完全排除という姿勢
2026年のゲーム市場では、これは強調しておく価値がある。
KRAFTONが財務レポートで「Game-as-a-Service」という記載をした際、コミュニティは激しく反発した。Unknown Worldsはすぐに「サブスクリプションなし・ルートボックスなし・バトルパスなし・マイクロトランザクションなし」を明言した。
「それが当たり前じゃないの?」と思う人もいるかもしれない。でも、今のゲーム業界では当たり前じゃない。これだけ明確に「No」と言ってくれるゲームは、それだけで信頼できると感じる。
「マイクロトランザクションなし宣言してくれたの普通に嬉しい。今のゲーム業界では当たり前じゃないから。」
— Twitter / X
5. Game Passでのプレイという選択肢
Xbox Game Pass加入者は、Day Oneからサブスクリプション内でSubnautica 2をプレイできる。「Early Accessに数千円払うのはちょっと…」という人にとって、Game Passはリスクゼロで試せる入り口になる。
前作はSteam売上の3分の2を占めるほどPC版が強かったが、今作からXboxとの同時リリースになったことで、より多くのプレイヤーが参加しやすくなっている。
正直なところ——気になる点・辛口ポイント

1. Co-opが「前作の孤独感」を殺す可能性
これは筆者が最も気になっているポイントだ。
前作Subnauticaの恐怖は、本質的には「一人であること」から来ていた。広い海に一人で放り出された感覚、暗闇の中で音を聞きながら「何かがいる」と感じるとき、その恐怖は一人だから機能していた部分が大きい。
Co-opで隣に誰かいれば、その感触は変わる。「二人で怖い」は「一人で怖い」とは別の体験だ。Subnautica 2がどちらを大切にしているのか——あるいは両方が別の形で機能するのか——は、実際にプレイしてみないとわからない。
開発チームがソロ体験を最優先と言っていることは信頼したい。でも、「ゲームデザインのどこかでCo-opを前提にした決断がなされているのでは?」という疑問は残る。Early Access後のレビューを待ちたい部分のひとつだ。
2. Early Accessのリスク——前作はEAで4年かかった
前作SubnauticaもEarly Accessから始まり、正式リリースまで約4年かかった。
今作の「2〜3年」という予測が実際に守られるかどうかは未知数だ。またKRAFTONとの訴訟が続く中、開発環境が安定しているかどうかも外部からはわかりにくい。
「前作はEAで途中まで遊んで、完成してからじっくり楽しもうと思って結局やらなかった」というプレイヤーは少なくないはず。Subnautica 2でも同じパターンを辿る可能性は十分ある。どのタイミングで参加するかは、それぞれのプレイスタイルによる。
3. KRAFTON問題——ゲームの背後にある不透明さ
後ほど詳しく書くが、Subnautica 2の開発背景はかなり複雑だ。
KRAFTON(パブリッシャー)とUnknown Worlds(開発)の間で激しい訴訟が続いており、2026年3月時点でもまだ完全には解決していない。CEOの復職命令は出たものの、その後もKRAFTONがEA日程を無断で公表したとしてGillが非難するなど、緊張関係は続いている。
ゲームの内容は素晴らしいと思うけれど、「このゲームを買ったお金は誰のところに行くのか」「開発チームは安定した環境で作れているのか」という観点では、引き続き注目していく必要がある。
「KRAFTON絡みの訴訟、結局ゲーム自体には影響ないの?そこだけが心配。」
4. Early Access価格が「完成版より安い」とはいえ、品質は未知数
Subnautica 2のEAは前作と同様にバイオーム・生物・クラフト・一部ストーリーが実装された状態でリリースされる予定だが、内容の充実度は実際に始まってみなければわからない。
前作のEA開始時は、まだゲームとして薄い部分があった。今作も同様に「まだ少ない」と感じる可能性は十分ある。「完成してから買う」という選択も決して間違いではない。
知っておきたい背景——KRAFTON vs Unknown Worlds の訴訟の全貌
Subnautica 2にはゲーム本体とは別に、業界的にも注目された騒動の背景がある。ゲームを買う前に知っておいていい話だと思うので、整理しておきたい。
何が起きたのか
2024年10月、KRAFTON(韓国のゲーム企業。PUBGの会社)がSubnautica 2を発表した。Unknown Worldsを以前に買収しており、発売を楽しみにしていた多くのファンが喜んだ。
ところが2025年7月、KRAFTONはUnknown WorldsのCEO Ted Gillと、共同創業者のCharlie Cleveland・Max McGuireを突然解雇する。理由として挙げられた表向きの説明は「スタジオの方向性に関する見解の相違」だったが、創業者たちは別の真相を主張した。
「KRAFTONは最大250億円(約1億8000万ドル)の業績連動報酬(アーンアウト)の支払いを回避するために、我々を解雇した」——これが創業者側の主張だ。
Subnautica 2が期日(2025年中)にEarly Accessリリースされれば、Unknown Worldsの創業者・主要スタッフに最大約370億円相当のアーンアウト(業績報酬)が支払われる契約があった。KRAFTONはそのリリースを延期させた上で、キーパーソンを解雇することでこの支払いを回避しようとした——というのが訴訟の核心だ。
さらに衝撃的な事実
法廷で明らかになった事実の中で、特に話題になったのがこれだ。
KRAFTONのCEO(Changhan Kim)が、ChatGPTに「250億円のボーナス支払いを回避する方法」を相談していたことが裁判の証拠書類に記録されていた。ChatGPTは「内部タスクフォースを設置してアーンアウトの再交渉を試みること、交渉が決裂した場合はゲームコードとパブリッシング権を「ロック」すること、対立全体を資金問題ではなく「ファンへの誠意」と「品質」の問題として位置づけること」などを提案したとされている。
AIに聞いて経営判断をするのか、という驚きを超えて、「ボーナス支払いを回避する方法をAIに聞く経営者」というシチュエーション自体が、ゲーム業界を超えて話題になった。
裁判の結末(2026年3月時点)
2026年3月16日、デラウェア州の裁判所はCEO Ted Gillの復職を命令した。判決文には「KRAFTONは正当な理由なくKey Employeesを解雇し、Unknown Worldsの業務支配権を不当に掌握した」と明記されている。
Gillの復職に伴い、Subnautica 2のEarly Access日程の決定権もGillに戻され、2026年5月のEAが確認された。アーンアウト期間は2026年9月15日まで延長されることも決定した。
KRAFTONはこの判決を「尊重するが同意できない」としており、まだ最終的な法的決着はついていない。しかし、開発チームの主導権はUnknown Worldsに戻ったことで、ゲームの品質に最も影響する部分は守られた形だ。
「KRAFTONとUnknown Worldsの裁判、ChatGPTに250億のボーナス回避策を聞いてたって笑えない怖さ。」
— Twitter / X
ゲームを購入する側としては、この訴訟の背景を知っておくことで「今のSubnautica 2が誰の手で作られているか」が理解できる。2026年5月以降、ゲームをリリースするのは、前作を作ったチームが主導権を持ったUnknown Worldsだ。
Subnautica 2 のEarly Accessでできること・できないこと
Early Accessは「完成版ではない」。これは重要な前提だ。
EA開始時に実装予定のもの
- 複数のバイオーム(ケルプフォレスト・コーラルガーデン・プラトーなど)
- 確認済み生物群(コレクター・Wakemaker・Hammerheadなど)
- 基本的なクラフトシステム(スキャナー・道具・一部乗り物)
- ベース建設の新システム(基本機能)
- 一部のナラティブ(ストーリーの入り口部分)
- 1〜4人のCo-op
- DNA改造システムの基本機能
EA期間中に段階的に追加されるもの
- 追加バイオーム(より深い場所・未知のエリア)
- 追加生物(特に深海の生物)
- より高度なクラフト・乗り物
- ストーリーの続き・エンディング
- ベース建設の追加機能(インテリア装飾・特殊部屋など)
- DNA改造の能力種類の拡充
前作のEA開発期間を見ると、初期は「海は広いけどやることが少ない」という感想が多かったが、アップデートのたびに急速に充実していった。今作も同じ流れを踏むと思われる。「最初から全部遊びたい人」は2〜3年後の正式版を待つのが正直な選択肢だ。
Steamウィッシュリスト1位——コミュニティの期待値と温度感
Subnautica 2は2026年のSteamで最も多くウィッシュリスト登録されたゲームの1位に立っている。
これは単純な人気ではなく、前作の「97%・1500万本」というベースがあるから生まれた数字だ。前作を知っているプレイヤー数の多さが、そのまま続編への期待に転換されている。
ただ、ウィッシュリスト1位という数字が「保証」になるわけではない。期待値が高いほど、実際にリリースされたときの「落差」も大きくなりやすい。前作の神話的な評価を超えることが果たして可能なのか——それは誰にもわからない。
コミュニティの声を拾うと、大きく3つの反応に分かれる。
期待派:「前作チームが帰ってきた。信頼できる。」「DNA改造とCo-op、どちらも楽しそう。早くやりたい。」
懐疑派:「Co-opで前作の孤独感は失われる。ソロ体験を損なわないでほしい。」「KRAFTON問題が解決するまで様子見。」
楽観的中立派:「ひとまずEAで試してみてから判断する。前作チームへの信頼はある。」
どの立場も理解できる。前作Subnauticaがそれほどの作品だったということだ。
Subnautica 2 前作を知らない人へ——「今から前作を始めるべきか?」
Subnautica 2が気になっているけど、前作をプレイしたことがないという人も多いと思う。
結論から言えば、前作Subnauticaは今すぐやる価値がある。
Steamで70〜80%オフのセールが頻繁にあり、そのとき購入すれば数百円〜数千円でプレイできる(通常価格でも2000〜3000円台)。この価格でプレイできる体験の質としては、今でもトップクラスだ。
前作をやってからSubnautica 2を始めると、「新しい惑星・新しい生物・新しいシステムを前作の体験と比較しながら楽しむ」という二重の楽しみ方ができる。Subnautica 2のストーリーが前作と同じ世界観に属している以上、前作の知識があるとより深く楽しめる部分が出てくるはずだ。
同じく海洋サバイバルや協力プレイが好きなら、他のジャンルのゲームも一緒に探してみるといいかもしれない。たとえば宇宙を舞台にした広大な探索系サバイバルなら、これも深くハマれる作品がある。

工場建設・クラフト系に興味があるなら、前作Subnauticaと同様に「長時間溶ける」として知られるSatisfactoryもおすすめだ。

また、Co-op系のサバイバルゲームとしては、Deep Rock Galacticも名作中の名作として知られている。海底ではなく宇宙の洞窟を舞台にしたCo-opシューターだが、「チームで協力して生き延びる」感触の参考になる。

Early Accessの入り方——いつ、いくらで参加するのが正解?
2026年5月にEA参加すべき人
次のような人には、早めのEA参加をすすめたい。
- 前作のファンで、開発プロセスを追いながら体験したい人
- フレンドと一緒にCo-opを今すぐ試したい人
- Game Pass加入者でリスクゼロで試せる人
- 「未完成でも楽しめる」という気持ちでEAゲームを楽しめる人
正式版まで待つべき人
- ストーリーを最初から最後まで一気に楽しみたい人
- バグや未実装要素が気になる人
- 「完成したゲームを適正価格で買いたい」という考え方の人
- 前作を知らなくて「試しに」という気持ちで入ろうとしている人(前作を先にやることをすすめる)
EA版の価格は正式リリース時より安く設定されると予告されているが、具体的な金額は2026年3月時点では未公表だ。Steamのページに価格が出たときに確認してほしい。
まとめ——前作「97%」の続編は信頼できるか

Subnautica 2について、わかっていること・わからないことを正直にまとめておく。
わかっていること
- 前作と同じUnknown Worldsのチームが主導権を持って開発している
- 全く新しい惑星・生物・システムで、前作の焼き直しではない
- Co-op・DNA改造・新ベース建設という3つの大きな新要素がある
- マイクロトランザクション・サブスク等は一切ない
- 2026年5月にEA開始予定、その後2〜3年でフルリリース
- Xbox Game Pass Day One対応
わからないこと
- Co-opがソロの孤独感・没入感と両立できているか
- EA開始時のコンテンツ量が十分かどうか
- KRAFTON問題が今後どう展開するか
- 前作の「初めて深海に潜ったあの感覚」を超えられるか
結論として——Subnautica 2は期待していい、と筆者は思っている。
前作を作ったチームが、前作でやりたかったことをすべて詰め込もうとしている。DNA改造は前作でカットされた夢、Co-opは多くのファンが「友達と一緒にやりたかった」という声に応えた形、新ベース建設は前作の制約への反省から生まれた改善だ。
「前作を超えられるか?」という問いへの答えは、誰にも出せない。前作Subnauticaが多くの人にとって「人生最高のゲーム体験のひとつ」になったのは、当時の「初めて深海に潜る」という体験の新鮮さが大きかったから。それはどんなゲームでも一度しか味わえない。
でも、「別の惑星で、仲間と一緒に、自分のDNAを書き換えながら、完全自由設計の拠点を建てて生き延びる」という体験は、前作とは違う形で新しい。それを前作の魂で作っているチームがいる。
2026年5月、深海へ飛び込む準備をしておこう。
Subnautica 2 まとめ
| 発売時期 | 2026年5月(Early Access) |
| プラットフォーム | PC(Steam/Epic)・Xbox Series X|S・Game Pass |
| マルチプレイ | 最大4人Co-op(ソロも完全対応) |
| 目玉新要素 | DNA改造・新ベース建設・新惑星ゼズラ |
| マネタイズ | 買い切り(課金要素一切なし) |
| こんな人に | 前作ファン・探索好き・Co-op好き |
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