ここでは当時の魅力を振り返りつつ、似たタイプのゲームも紹介しています。
40万円課金しても報われない。そんなゲームがあるのかと思うかもしれないけど、実際にあった。
「ドラゴンクエスト モンスターパレード」、通称モンパレ。ドラクエシリーズ初のPCブラウザゲームとして2013年に登場し、スマホ版「どこでもモンスターパレード(どこパレ)」も含めれば約7年間運営されたタイトルだ。
ドラクエのモンスターを仲間にして、育てて、パレードする。その響きだけでワクワクした人は多かったと思う。実際、序盤は本当に楽しかった。スライムやベビーパンサーがちょこちょこ歩く姿は見ているだけで癒されたし、ハンドでモンスターを掴んで戦う操作感は他にない独特なものだった。
ただ、このゲームには深い闇があった。タイトルにある「40万円課金しても報われなかった」は大げさでもなんでもない。レビューサイトの評価は★1.63/5.0(243件中)。この数字が全てを物語っている。
なぜこんなことになったのか。PC版はなぜあっさり終わったのか。この記事で正直に振り返ってみたい。
プレイ動画
ブラウザ上でドラクエモンスターたちがパレードする光景は、確かに楽しかった。
こんな人に読んでほしい
- 「モンスターパレード」で検索してきたけど、もう遊べないの?と思った人
- かつてモンパレやどこパレにハマっていて、当時を振り返りたい人
- DQのモンスター収集系ゲームで今プレイできるものを探している人
- ブラウザゲームの課金事情や「なぜ終わったのか」に興味がある人
モンスターパレードってどんなゲームだったのか

プレイヤーは「キャラバンマスター」となり、歴代ドラクエシリーズのモンスターを率いて冒険する。メインの遊びは「パレード」と呼ばれるシステムで、モンスターたちを連れて拠点間を移動しながら、出会う敵と戦っていく。
一番の特徴は「ハンド」操作。マウスカーソルが巨大な手のアイコンになっていて、モンスターを掴んで移動させたり、敵の攻撃から逃がしたり、状態異常を回復したりできる。これがブラウザゲームとは思えないほどアクション性があって、「見てるだけ」のゲームとは一線を画していた。
モンスターのランクはSS~Fまであって、SSランクのモンスターを引けたときの興奮は尋常じゃなかった。歴代DQの人気モンスターからマイナーどころまで幅広く登場していて、ドラクエファンにはたまらないラインナップだった。

作戦は「ガンガンいこうぜ」「バッチリがんばれ」「いのちだいじに」など、おなじみのDQコマンドをそのまま採用。BGMやUIもドラクエそのもので、ブラウザで手軽にドラクエ体験ができるという点では、間違いなく唯一無二のゲームだった。
基本情報
| 正式名称 | ドラゴンクエスト モンスターパレード(DQMP / モンパレ) |
|---|---|
| スマホ版 | ドラゴンクエスト どこでもモンスターパレード(どこパレ) |
| ジャンル | アクションRPG(ブラウザゲーム) |
| 開発・運営 | スクウェア・エニックス / ツェナワークス / ヤフー |
| 料金 | 基本プレイ無料(アイテム課金制) |
| PC版サービス期間 | 2013年9月~2019年6月24日(約5年10ヶ月) |
| スマホ版サービス期間 | 2015年~2020年7月31日(約5年) |
| 対応環境 | PC版: ブラウザ(Flash Player必須)/ スマホ版: iOS・Android |
なぜ人気だったのか

一言でいえば、「ドラクエ」のモンスターを自分の手で集めて育てられるという体験そのものが最大の魅力だった。
スライム、ドラキー、キメラ、はぐれメタル。子どもの頃に戦った敵モンスターを今度は味方にして冒険する。このコンセプトだけで多くのDQファンの心を掴んだ。
しかも無料で始められるブラウザゲーム。インストール不要で、ブラウザを開けばすぐにドラクエの世界に入れた。社会人が昼休みにちょっとパレードを進める、みたいな遊び方もできて、気軽さも大きな武器だった。
イベントも頻繁に開催されていて、毎月の「冥界の門」では無課金プレイヤーでもジェム(課金通貨)やレアアイテムを獲得できた。1600日以上ログインし続けたプレイヤーもいたほどで、ハマる人はとことんハマるゲームだった。
ちなみに、DQのオンラインゲームといえば「ドラゴンクエストX」が有名だけど、DQXが本格MMORPGなのに対して、モンパレはもっとカジュアルな立ち位置。DQXほど時間を取れないけどドラクエの世界に触れたい、という層にちょうどよかった。
DQXについてはこちらの記事でも紹介している。

「40万円課金しても報われなかった」PC版の真実

さて、ここからがこの記事の本題。タイトルで約束した「40万円課金しても報われなかった真実」について、正直に書く。
モンパレの課金システムの中核は「肉」を使ったスカウト(ガチャに相当するもの)だった。まもののエサ、野生の肉、霜ふり肉とランクがあり、高ランクモンスターを狙うには「霜ふり肉」が必須。これが1個あたり約400円。
問題はここからだ。
SSランクのモンスターがいないと話にならないバランス設計なのに、SSの入手確率が絶望的に低い。しかもSSを手に入れたあとの育成にも莫大なコストがかかる。「気合伝授」で素材モンスターを食わせて経験値を移す仕組みだが、素材にしたモンスターは消滅する。特技伝授に至っては成功率が100%ではなく、Sランク応援10体を投入しても成功率はわずか93%。失敗すれば全て水の泡。
つまり、課金してモンスターを引く→育成で課金する→特技伝授で失敗して全部消える→また課金するという無限ループに陥る構造だった。
レビューサイトのコメントが全てを物語っている。あるユーザーはこう書いていた。「特性が運ゲーで酷い。月単位の労力が全て水の泡になるのが当たり前」。別のユーザーは「スカウト肉が400円/個で確率も低い。新作ゲーム複数本分の金額をつぎ込んでも望みのモンスターが手に入らない」と。
さらに厄介だったのが急激すぎるインフレ。新しいSSモンスターがどんどん実装され、それまで苦労して育てたモンスターがあっという間に型落ちになる。最強編成はSSモンスターを複数体入れた「クローン編成」一択。モンスターを集めて自分だけのパーティを作る楽しさは、後半にはほぼ消えていた。
強い特技がないとマルチプレイで蹴られるプレッシャーもあり、初心者は離れていくし、課金者も報われない。全プレイヤーの1%未満に合わせた調整をしていると指摘されるほど、ゲームバランスは崩壊していた。

なぜサービスは終了したのか
PC版(2019年6月終了)
PC版の終了理由は、ある意味で衝撃的だった。Adobe Flash Playerのサポート終了。これがPC版モンパレの命を絶った直接の原因だ。
Flash依存のブラウザゲームだったため、Flash終了=ゲーム終了。ユーザーからは当然「HTML5に移行すればいいのでは?」という声が上がったが、スクエニはその選択をしなかった。

正直なところ、HTML5への移行はコスト的に見合わなかったのだろう。ユーザー数の減少、課金収益の低下。新しい技術基盤にゼロから作り直すよりも、新タイトルにリソースを振った方が合理的だと判断されたと見られる。5chでも「HTMLに移行する労力を考えたら、終わらせて新しいのを始めた方が得策」という冷静な分析があった。
とはいえ、何年もプレイしてきたユーザーにとっては「理由が酷すぎる」の一言だったと思う。ゲーム自体の問題ではなく、技術環境の変化で終わるなんて。
同じスクエニのブラウザゲームだと、「インペリアルサガ」もサービス終了している。Flash時代のブラウザゲームはどれも同じ運命を辿った。

スマホ版(2020年7月終了)
PC版が終わった約1年後、スマホ版「どこでもモンスターパレード」も終了。公式の理由は「お客様にご満足いただけるサービスの提供が困難であるという結論に至った」というもの。要するに、収益性が限界だったということだろう。
2019年にドラゴンクエストウォーク、2020年にドラゴンクエストタクトと、DQのスマホタイトルが次々とリリースされる中で、どこパレにリソースを割く余裕がなくなった面もあったはずだ。
プレイヤーの声

モンパレに対するプレイヤーの声は、面白いことに真っ二つに分かれる。
愛していた人たちの声
サービス終了日、Twitterには感謝の声があふれた。「終わらないでくれ。今まで遊んだスマホゲームの中で1番楽しかったんだ」。J-CASTニュースが取り上げたこの言葉が、ファンの気持ちを代弁している。
全国56位まで上り詰めたプレイヤーは、海外駐在時代に渋滞の中で1日6時間プレイしていたという。それほど生活の一部になっていたゲームだった。
プロデューサーの安次嶺佑太氏も「約10年、我が子のようなタイトル」とコメントしている。作り手にとっても特別なゲームだったことが伝わってくる。
5年間プレイし続けたブロガーは、最終日に他のプレイヤーとスタンプで別れを告げ合ったと記録している。「またいつかどこかで会おう」と。オンラインゲームのサービス終了には、いつもこういう切ない別れがある。
【重要なお知らせ】#DQMP 「ドラゴンクエスト モンスターパレード」はAdobe Flash Playerにおけるアップデートおよびサポートの終了に伴い2019年6月24日(月)18:00をもちましてサービスを終了することになりました。
【サービス終了のお知らせ】『ドラゴンクエスト どこでもモンスターパレード』は2020年7月31日(金)16:00をもちまして、サービスを終了させていただくこととなりました。突然のお知らせとなりましたことをお詫び申し上げます。
怒っていた人たちの声
一方で、課金システムへの怒りは激しかった。
「AIが頭悪いのにAI任せというゲーム性が地獄です。敵CPUだけ有利な動きをする不公平さがストレス。」
出典:オンラインゲームCH ユーザーレビュー
「スカウト肉が400円/個で確率も低い。新作ゲーム複数本分の金額をつぎ込んでも望みのモンスターが手に入らない。」
出典:オンラインゲームCH ユーザーレビュー
「重課金者向けのゲーム。全プレイヤーの1%未満に合わせた調整をしている。一般プレイヤーは置いてけぼり。」
出典:4Gamer ユーザーレビュー
ただ、全員が否定的だったわけじゃない。1600日超ログインしていたプレイヤーは「AIは実は無課金プレイを可能にしている面もある。長くやれば無課金でも楽しめる」と擁護していた。ブラウザゲームとしてはよくできていたし、鑑賞ゲームとしてスライムやベビーパンサーが可愛くパレードする様子に癒されていた人も確かにいた。
【どこパレ 4周年記念!思い出投稿キャンペーン】このアカウントをフォロー& #どこパレの思い出 をつけて、ツイートしよう!抽選で4名様に「ちいさなキューブぬいぐるみ4種セット」をプレゼント!
結局のところ、モンパレは「DQモンスターを集める楽しさ」と「課金地獄のバランス崩壊」が同居していたゲームだった。ドラクエブランドの力で人を集め、課金設計で人を遠ざけた。PC版の★1.63/5.0という評価と、スマホ版の★4.5/5.0という落差がその構造を如実に表している。
サービス終了後のこと

ひとつ救いがあるとすれば、2021年3月に「冒険の記録閲覧サイト」が公開されたこと。サービス終了後でもプレイヤーが自分のゲームの思い出を振り返れるようにした、運営なりの誠意だったのかもしれない。
オンラインゲームは「どんなに好きなゲーム、やり込んだゲーム、お金をかけたゲームも、クラウド型のゲームの場合は必ずサービスの終了が来る」。全国56位まで駆け上がったプレイヤーのこの言葉が、全てのオンラインゲーマーに刺さる。
スクエニのブラウザRPGという括りでは、「乖離性ミリオンアーサー」も同じ時期にサービスを終了している。あの頃のブラウザゲーム黄金期が、ひとつの時代の終わりを迎えた感があった。

似たゲームを探している人へ

モンパレの「DQモンスターを集めて育てる」という体験が好きだった人には、まだ選択肢が残っている。
ドラゴンクエストタクト(スマホ)
モンパレに最も近い後継的存在。DQモンスターを仲間にして、タクティカルバトルで戦わせる。モンスター収集の楽しさはそのままに、戦略性がグッと増している。2026年3月時点でもイベントが活発に開催されており、今から始めても遊べる。
ドラゴンクエストウォーク(スマホ)
位置情報を使ったDQ体験。外を歩きながらDQモンスターと戦い、装備を集め、クエストをこなしていく。モンパレとはだいぶ毛色が違うけど、「日常の中でDQの世界に触れたい」という気持ちに応えてくれるタイトル。
ドラゴンクエストX オンライン(PC/Switch/PS)
DQシリーズ初にして唯一のMMORPG。モンパレよりずっと本格的だけど、ドラクエの世界にどっぷり浸かりたいならこれ以上の選択肢はない。2026年も「春祭り」が開催されるなど、まだまだ現役。ただしブラウザ版は2026年6月に終了予定なので、PC版やコンシューマ版でのプレイを推奨する。

まとめ

ドラゴンクエスト モンスターパレードは、DQブランドの圧倒的な魅力と、問題だらけの課金設計が共存していたゲームだった。
PC版がFlash終了という技術的理由であっけなく幕を閉じ、スマホ版も1年後に追随。約7年の運営の中で、多くのプレイヤーに愛され、そして多くのプレイヤーを怒らせた。
「40万円課金しても報われなかった」のは事実だ。SSモンスターの入手確率、運ゲーの特技伝授、急激なインフレ。課金者ほど損をする構造がそこにはあった。
でも、最終日にTwitterに溢れた「ありがとう」「楽しかった」の声も、また事実。このゲームでしか味わえない体験が確かにあった。DQのモンスターを自分の手で集めて、育てて、一緒に冒険する。その原体験は、課金の痛みとは別の場所に残っている。
オンラインゲームはいつか終わる。でも楽しんだ思い出は消えない。モンパレはそのことを教えてくれたゲームだったのかもしれない。

