多くの伏線、トリックにより極上の感動と衝撃を味わえる名作パソコンゲーム!単なるPCギャルゲーではないミステリーさが面白いアドベンチャーゲーム!二人の主人公の視点を交えながら物語を進めるザッピングシステムによる演出は、必見です!
ミステリアスな恋愛アドベンチャー?気になる動画をチェック!
人気アドベンチャーゲームはミステリーなギャルゲー?
Ever17 –the out of infinity- は数あるアドベンチャーゲームの中で、
名作と呼ばれるものの1つです。
そして同時にこのゲームはネタバレが面白さの根幹に結び付いているため、
他の人達に対してその良さを表現するのが難しいPCゲームでもあります。
言い換えれば、「四の五の言わずに最後までプレイしろ」と言いたくなるADVなのです。
公式ではジャンルは恋愛アドベンチャーとなっていますが、
それは嘘ではありませんが真実でもありません。
個人的に言ってこのゲームのジャンルは、SF要素が散りばめられた不可思議な物語を、
謎を解くようにして楽しむミステリアスADVに最終的に集束していくものだとおもいます。
だから恋愛アドベンチャーが苦手な人でも大丈夫。
ミステリーな物語を楽しみたいならば、まずは手に取るべきです。
そして自分の目だけで楽しんでください。
そうすればこのPCゲームがなぜ名作と呼ばれるか、あなたは実感するでしょう。
脱出劇として始まる物語
物語は冒頭、倉成武と記憶を失った少年、この主人公2人の視点を交互に行き来して進んでいきます。
Ever17の舞台となるのは、LeMUと呼ばれる巨大海洋テーマパークです。
そして主人公2人がここを訪れ、このテーマパークの事故に巻き込まれた時、物語の幕が開きます。
主人公2人を含む数名が逃げ遅れてしまったのです。
地上へと繋がる通路は浸水してしまい、脱出は不可能。
外部への通信も利かず、海の中の孤島状態に。
しかし食料や生活空間は一先ず確保できたため、主人公らは救助を待つことになるのです。
そしてこの時から幾つもの謎がプレイヤーの前に姿を現していくのです。
6人しかいないはずなのに、生体反応が7人を示すという謎。
主人公達の視点の中で唯一異なるキャスト。
その後もルートごとに異なりますが各ヒロインのイベントが展開していきます。
LeMUが完全に圧壊するまでの残された時間が少なくなるごとに物語は加速し、
彼らはもがいていくことになるのです。
武視点のルートではこの圧壊の他にもTBウィルスという謎のウィルスが登場し、
物語を掻き混ぜます。誰も失うことのない6人での脱出。この物語はそのためだけにあるのです。
背景がしっかりしている登場人物達
Ever17に登場している人物達は、キャラクターの設定がじっくりと練られています。
おそらく主人公の1人である倉成武が1番平凡ではないのでしょうか。
全員を細かく説明するとネタバレに深く切り込むことになるのでそこまではしませんが、
例えばヒロインの1人である小町つぐみの言動に関しては彼女の過去が大きく起因しています。
劇中他人を寄せ付けようとしない彼女の姿勢は、
物語以前にあるウィルスの感染や大切なものを奪われた経験に基づくものです。
田中優美、清春、香菜の場合は、父や母という身内の繋がりがあってLeMUで働いており、
また過去での彼女の行為が物語に大きく関わってきます。
他にも茜ヶ崎空、八神ココ、松永沙羅、もう1人の主人公、
彼らにもしっかりと物語に関わる設定が存在しており、
登場人物の中に意味のない役柄などないのです。
そうある意味全員がメインキャラとして存在しています。
物語のラストで登場人物達の繋がりを知った時、この言葉が納得できるはずです。
集束するゆえの緩み部分とは?
名作パソコンゲームと言われるEver17。
ただ改善点がまったくないわけではありません。
それは先にも書いた恋愛アドベンチャーとミステリアスADVに深く関わってくる部分でもあります。
私はこの作品は最終的に後者のジャンルであると冒頭部分に書きました。
そう最終的にそうなるのです。
最後までプレイしないと、
前者を中心とした後者の部分がただ見え隠れするだけの中途半端なゲームになってしまいます。
本来アドベンチャーゲームは一本道のゲームか、分岐によって未来が拡散していくゲームが多いです。
このゲームも主人公ごとに各ヒロインルートが設定されており、拡散しているように見えます。
でも実際はその各ルートを含めて、本編の序章みたいなものであり、真エンドへと集束しているのです。
そのため真エンドへと繋がる部分では謎だった伏線が回収されていき、
絶品と言える物語になっています。
しかし各ヒロインルートの物語では、謎はそのまま放置されているため、
どうしてもヒロインとの関係を重視した恋愛アドベンチャーの要素が
ミステリアスな部分より濃くなってしまっているのです。
そのため恋愛アドベンチャーの強い部分に挫折してしまった人がちらほらと見られます。
ただこの部分があってこその集束ともとれ、実際は贅沢な悩みなのかもしれませんが。
PCゲームの可能性を表現したトリック!
さてここから先はこのPCゲームの中核となる面白さを説明していきます。
そしてそのためにはネタバレ部分に触れなければなりません。
ここまで読んで、Ever17をプレイしてみたいと思った方はここでUターンしましょう。
プレイする上で面白さを半減させる可能性があります。
それでも構わないと言う方は、このゲームの最大の売りを知ってください。
ではここから改めまして、皆さんはザッピングシステムというのをご存知ですか。
登場人物の視点を替えて物語を進めていくシステムです。
導入されているミステリー系のアドベンチャーゲームもそれなりの数が存在します。
先のストーリー紹介的な部分でも書きましたが、
このEver17は視点を自由に切り替えることは出来ませんが、視点の選択が要求されるPCゲームであり、
主人公2人の視点から構成されるPCゲームです。
かなりイコールに近いシステムを導入しています。
そのために多くの人がこのゲームに隠されたトリックに騙されたのです。
このゲームのストーリーでは、6人全員を救うためにある人物を騙す必要があります。
そしてその人物は解釈によってイコールプレイヤーになるのです。
つまりプレイヤーを騙すことが要求されていた物語とも言えます。
そしてその騙す手段として用いられたのが、2人の主人公の視点です。
ザッピングシステムの導入されたPCゲームをプレイしたことのある方なら
間違いなく引っかかるでしょう。
ゲームの表現と時間のトリックを巧みに使った
アドベンチャーゲーム史上最高の演出だったと私は思っています。
最後までプレイした際に味わう名作パソコンゲームの衝撃!
冒頭にも似たようなことを書きましたが、
「ごたごた説明を受ける前にプレイしろ」と言いたくなる名作パソコンゲームです。
ネタバレに触れる前にプレイすれば、最高の感動を得られる
そう言いたくなるのも当然でしょう。
そしてこのゲームの良さを共感したいのです。
それだけの魅力がこのPCゲームには詰まっています。
システム、ストーリー、登場人物、他にも音楽、ムービーなど、
すべての要素が真エンドに繋がるように集束されている様は、
ミステリーさのあるPCギャルゲーとしての完成度の高さを感じずにはいられません。
名作には名作と呼ばれるだけの理由があります。
難しくは言いません。ただ1度プレイしてみてください。それだけでわかるはずです。