ゲームの”バグ”あなたはどう思う?バグを利用した遊び方って許される?

ゲームが好きな方なら誰でも一度は出会ったことがあるであろう「バグ」という現象。一口にバグと言ってもゲームの進行やプレイに深刻な影響を与えるものから、アイテム増殖などのユーザーにとって利益になるもの、発生したところで特になんの影響がある訳でも無いしょうもないものまで多岐にわたります。今回はそんなバグについての話です。

 

※当記事はバグ利用を推奨するものではありません。ことオンラインゲームにおいては「運営が意図しない方法で利益を得ること」が利用規約で禁じられてあるものも多く、バグを利用した経験値稼ぎやアイテム増殖などに手を出すとデータ巻き戻しやアカウントの停止。悪質だと判断されると損害賠償の請求までされる可能性があります。オンラインゲームでのバグ”利用”は絶対に辞めましょう。もしバグに出会ったらすぐ運営に報告することをオススメします。

バグは基本的に不具合

バグというのは基本的には「不具合」であり、先述した通りゲームの進行が不可能になる物やデータが壊れてしまう深刻なものもあります。そういう事態を防ぐためにデバッガーという仕事も存在し、ありとあらゆる事態を想定しバグを潰していくのですが、どうしても不測の事態というものはあり、バグが発生しうる状態で世に出てくるのです。

リリース後にバグが発見された場合、多くのゲームがパッチデータを配信という形で対応されます。ネットワーク非対応のゲームでも深刻なバグが見つかると修正版と交換などしてくれます。

Corrupted Blood事件

みなさん「World of Warcraft」というオンラインゲームをご存じでしょうか?2004年のリリースから現在でも多くのユーザーに愛されている世界トップクラスの大人気MMORPGなのですが、バグが原因でゲーム内でパンデミックが発生する事件がありました。

とあるダンジョンのボスの攻撃で「数秒の間、対象への継続ダメージと周囲に同じ効果を感染させる効果」をもった物がありました。本来ならボスと戦っているプレイヤーにしか関係のないこのウイルス、2005年ペットを使ったとあるバグが影響しダンジョンの外に持ち出されてしまったのです。

ウイルスは街に到達し、NPCに感染。基本的にNPCは死なないため、NPCがお互いにウイルスを感染し合い街にウイルスが維持され続けるという事態が発生。数秒間のダメージに耐えうるだけのHPを持たないプレイヤーたちの死体の山が築かれることに・・・

最終的にウイルスをダンジョンから持ち出せないよう修正することで事態は収束しました。

「Corrupted Blood事件」と呼ばれるこの騒動、一般のメディアでも取り上げられ、疫病などの研究者によりパンデミックのモデルとして学術誌に論文が発表されるなどかなりの大ごとになりました。

バグがエンターテインメントとして楽しまれる事もある

基本的にバグは不具合であるものの、一部界隈では一種のエンターテインメントとして楽しまれています。

例えば初代ポケットモンスターの「セレクトバグ」。ゲームのバグといえばこれ!というほど有名な技ですが、なんと3DSのバーチャルコンソールでも修正されることはなく、多くのユーザーが歓喜の声を上げています。

他にはバグゲーとして有名なのが「SKATE3」というオンラインゲーム。2010年EAからXbox360、PS3向けに発売されたスケボーアクションである本作は、広いマップ自由に滑りまわることができ、ステージも自作する事ができるなど非常に自由度の高いオンラインゲーム。しかしこのSKATE3に搭載されている物理演算、これによってバグゲーとして広く名が知れ渡っています。その場で超加速をしたり地面に潜るなど数多のバグ技があり、なんと「SKATE3バグWiki」というものまで存在。このゲームにおけるバグは物理演算によるものなので厳密にはバグとは言わないかもしれませんが(笑)元来の自由度の高さと荒ぶる物理演算によってスケボー以外でも楽しめる為、YouTubeやニコニコ動画に多くの動画が投稿されるなどかなりの人気を誇ったオンラインゲームです。

 

またRTAなどではバグを利用することで通常プレイよりはるかに早い時間でゲームをクリアするルートが主流となっています。壁抜けや空中浮遊なんてほんの序の口で、エンディングを召喚するなんてとんでもないバグまで発見されています。これらの技を確実に再現するために「セットアップ」という技術もある程、RTA界隈にバグは浸透しています。

まとめ

何度も言うようにバグというのは基本的には不具合です。意図せず起こってしまったものはともかく、わざわざ起こすのはあまり褒められた行為ではないかもしれません。しかしながら、バグの存在そのものは公式の責任ですし、データ破損などのリスクを承知の上で個人的にバグを利用するのは個人の勝手です。

ただし「バグで増やしたアイテムを第三者に配布する」といったように、第三者に迷惑をかける行為は絶対に辞めましょう。もっと言うならバグを利用したソフトで第三者と通信をするのも控えたほうが良いと思います。