クソゲーオブザイヤー映えあるランキング次点「Takedown: Red Sabre」!「赤サブレ」の通称で呼ばれる本作は、現実性を求めすぎた結果、理不尽な難易度になってしまいました。とはいえ緊張感やクリア時の達成感は他の追随を許さないので、腕に自信があるならおすすめFPS!
まずはこのオンラインゲームのプレイ動画をご覧ください!
紹介元:shu yok様
ゲームの概要
現実的なFPSを作りたいという思いから生まれた
近年のFPSは超人的な動きをしたり傷ついても一瞬で回復したりとフィクション性の強いものとなっています。そんな状況に一石を投じる「ハードコア・タクティカル・シューター」の御旗を上げて『Takedown: Red Sabre』は開発されました。
1発でも被弾すれば致命傷、綿密な戦術が求められるステージ、仲間への細やかな指示によってスマートに作戦をこなさなければならない、そんなFPSを作者は求めていたのです。
ただその結果生まれた本作は成功とはいえない結果に終わってしまいました。
そんなオンラインゲーム「Takedown: Red Sabre」についてみていきましょう。
開発はSerellan LLC
本作を手がけるのはアメリカのワシントン州シアトルで活動している「Serellan LLC」です。2011年にゲームデザイナーのクリスチャン・アレン氏によって設立されました。アレン氏は過去に『Ghost Recon』や『Halo: Reach』の開発に参加し『Tom Clancy’s Ghost Recon 2』などにおいてリードデザイナーを務めた経験もあります。
リアル系FPSの極北として知られる『Ghost Recon』のデザイナーが設立し、近年減少しつつあるリアル系FPSを開発するとなったら話題を呼ばないわけがありません。
同社では2015年から本作のコンセプトを受け継ぐ『Epsilon』をアーリーアクセス版としてリリースし、2016年には視覚障害者の世界を体験できる『Hotel Blind』というユニークなコンセプトの作品を発売しています。ただいずれも評価は渋く、もしかしたらその原因は本作にあるのかもしれません。
キックスターターでの熱いCM
本作はクラウドファンディングサイトのキックスターターで開発資金を募っていました。そのときに宣伝用の映像を公開したのですが、これがなかなか熱い。
ワシントン州のシアトルに監禁されたアレン氏が近年のFPSに苦言を呈し「ハードコア・タクティカル・シューター」への意気込みを熱く語っているのです。映像としてきちんと作られており主張が分かりやすく人々の心に訴えかけるようなCMとなっています。
雰囲気としてはいわゆる近年の風潮に反旗を翻すものとなっており「真のゲーマー」に訴えかける形です。さくさく進んで何も難しい事を考えずに楽しめるFPSではなく、スローペースで戦術を練って初めてクリアーすることができるような、シビアなゲームを作りたいとのこと。アジテーションとして良くできているので思わず心を動かされるかもしれません。
こうしてゴールを200,000ドルに定め2012年3月からスタートしたプロジェクトは同年4月までの間に221,833ドルを集めることに成功しました。1ドル100円換算で考えると2,000万円以上の出資を受けることに成功したわけです。開発資金は十分すぎるほど集まったといえるでしょう。
実際のゲーム内容:期待との乖離が大きすぎた
完成した『Takedown: Red Sabre』の評判は散々なものとなりました。もしかしたらアレン氏の関わってきたタイトルが傑作揃いだったため、それらとどうしても比較してしまうのかもしれません。CMなどで期待を煽られたプレイヤーの前にお出しされたものは想像していたものとは全く異なるものだったのです。
指示がまともにできない
『Ghost Recon』のような仲間が随行するタイプのリアルでシビアなタクティカルシューターというのは様々な指示を出せるものです。ですが本作では大雑把な指示を少ししか出せません。戦術というのは「集まれ!」と「そこにいろ!」だけで構築できるものではないのです。最早この時点で「ハードコア・タクティカル・シューター」のコンセプトは破綻しています。
AIの挙動が怪しい
仲間の目の前に敵がいるのに攻撃をしてくれなかったり、敵が不用意なダッシュをするかと思えば精密射撃を超長距離から放ってくるなどリアルとは程遠い挙動をするのです。リアリティの無い世界においてリアルなシューティングをできるわけもなく、ただただ良く分からないAIの挙動に悩まされることになります。
敵が圧倒的に有利に作られている
先述したように敵は途轍もない距離からこちらを寸分違わず狙撃することができます。また壁の向こう側からこちらが見えているかのような挙動をするのでほとんど待ち伏せと変わりません。
筋の通ってない形で難易度が高いためプレイヤーが敬遠するのも無理はありません。
本当に厳しかった現実
キックスターターで資金を募った当初、本作のサブタイトルには「REALISTIC SQUAD-BASED TACTICAL SHOOTER」とありました。日本語にするなら「現実的な分隊ベースの戦術シューター」となるでしょう。ただこれを現実化することこそが本当に難しかったのです。
誰しもが想像力を駆使すれば「理想のゲーム」「理想の生活」「理想の異性」などを思い浮かべることができます。中にはそれが現実化すれば途轍もなく素晴らしい体験ができるように語れる方もいるでしょう。ですが語ることと実際にそれらを手にする行動の間には越えられない溝があるものです。
理想の生活を手に入れるためには地道な努力が必要ですし一発逆転は夢のまた夢。理想の異性と出会うにはどこまでも自分を磨き怠惰は許されず運すらも味方につけなければならないでしょう。そして理想のゲームを作るということも本当に困難なことなのです。
まずゲームの枠組みを作ったとします。このときに何らかのミスが紛れ込んでおり、後々修正しなければならなくなった場合、もし以降に追加した要素へ影響が出てしまうなら強引に解決しなければいけません。またある要素に依存する要素を追加し、後に片方を修正するときにも面倒な事態になるでしょう。特にAIの開発は一朝一夕に進められるものではありません。
特にFPSでのAI開発の難しさは想像に難くありません。原則的に敵はプレイヤーを発見し次第、プレイヤーの頭部座標へ向けた方向弾を発射すれば勝つ事ができます。もちろんそれは開発項目の中でも比較的簡単に実装できるでしょう。ですがプレイヤーにとってみればそんな戦場はお断りです。見つかれば即死、というのは難しすぎるゲーム性ですし、プレイヤーにとって圧倒的に不利な状況だからです。
そんな中、敵の挙動をどう作れば正解なのか悩むところです。プレイヤーを見つけても即撃ってはいけない敵はどう動いたらよいのか。その場で棒立ちをするのか、決まって初撃は外すのか、はたまたうろうろ動くか物陰に隠れるのか、果たしてどの距離から視認できるようにするべきか、巡回ルートはどうするか、どこにリスポンさせればよいのか、といったメチャクチャな量の要素について作り込みをしなければいけません。最早AI以上の敵に関する全ての要素を気にしなければならなくなり、段々とプログラムもハチャメチャなものになっていくでしょう。
敵についてだけでなく、あらゆる膨大な要素を作りこまなければ「ハードコア・タクティカル・シューター」は完成しないのです。そしてそれはとても現実的な作業で、1つ1つ詰めていかなければならず時には巻き戻しも起こるでしょう。
正にゲーム開発という行為自体がハードコアであり、本作はそんなハードコアな「ゲーム開発ゲーム」に負けてしまった作品といえます。
まとめ:難しさを楽しめるならプレイするのもあり
『Takedown: Red Sabre』は「ハードコア・タクティカル・シューター」を目指したFPSです。完成度は正直なところ高いとはいえず、リアル性も乏しく訳も分からないまま倒されるかもしれません。夢と現実の狭間で奮闘した開発者の1つの形といえるかもしれません。
ただ、開発者が目指したゲーム性を否定するなら本作を肯定的に捉えることも可能ではあります。プレイヤーが敵に対抗できる主な手段は「見つけ次第できるだけ早く攻撃する」というものなのですが、この部分を徹底すれば超高難易度なFPSとして楽しむ事ができるかもしれません。見つかり次第倒されるので、それよりも早く相手を察知し攻撃を叩き込まなければならないという緊張感は没頭すればするほど高まるでしょう。
理不尽レベルの超高難易度なFPSをプレイしてみたい方ならプレイしてみるのもありなオンラインゲームです。
このPCゲームの基本情報
タイトル | Takedown: Red Sabre |
---|---|
ジャンル | FPS |
開発元 | Serellan LLC |
パブリッシャー | 505 Games |
リリース日 | 2014年2月11日 |
料金 | 498円(通常版) |
日本語 | 非対応 |
オンライン | 対応 |
OS | Windows |
スペック/動作環境
必須環境 | 推奨環境 |
---|---|
OS: Windows XP SP3 (32-bit only) プロセッサー: 2GHz or better CPU メモリー: 2 GB RAM グラフィック: A graphics card with Shader Model 3.0 support DirectX: Version 9.0 ネットワーク: ブロードバンドインターネット接続 ストレージ: 3 GB 利用可能 |
OS: Windows 7 64-bit プロセッサー: Intel Core2Extreme Quad Core Processor – Q6800 – 2.93 GHz メモリー: 4 GB RAM グラフィック: nVidia GeForce 8800 (768 MB GDDR3) DirectX: Version 9.0 ネットワーク: ブロードバンドインターネット接続 ストレージ: 3 GB 利用可能 |
このPCゲームのレビュー(引用元:Steamカスタマーレビュー)
おすすめ・高評価の口コミ
ほかのFPSにはない面白さがあります
何の意味もなさないリーン、超反応かつエイムが良すぎる敵兵士
2mほどの高さから落ちて足を折る主人公、もっさりしすぎてもどかしくなる移動
しかし、この点をふまえてもクリアできる難易度調整ワンコインで買えるお手軽さなので気になったら買ってみてください
正直私より上手くて、FPSガチ勢みたいな敵NPCに最初こそ苛立ちさえ覚えましたが、案外慣れるもので、クリアするととても強い達成感を味わえました。
低評価の口コミ
独特の緊張感はあるので、FPSの経験値を少しでも積みたい方、クソゲーコレクションを充実させたい方はどうぞ。
“人は撃たれると死ぬ”
このゲームは命の尊さを教えてくれる。
クソゲーオブザイヤー次点は伊達じゃない
遅すぎる移動、うそつきリーン、敵は忍者、列になって射殺される味方、文句を言えばきりがないただしマルチは別
マルチプレイであれば全員に平等にクソなのでそこそこ遊べることだけは書いておく