魔法学校に通う魔女になれるゲームを、ずっと待っていた人がいる。
ホグワーツを舞台にしたゲームはあった。箒で空を飛ぶゲームもあった。でも「自分が魔女として学校に通い、授業を受けて、友達を作って、のんびりと魔法の日常を生きる」ゲームは、長い間どこにもなかった。
そのニッチを、とことん真剣に埋めようとしているのが『Witchbrook(ウィッチブルック)』だ。
開発はChucklefishとRobotality。Chucklefishといえば、あの『Stardew Valley』の元パブリッシャーだ。コージーゲームの歴史に刻まれた名作と同じ血筋を持ちながら、魔女×学校生活という独自の世界観で新たな地平を切り開こうとしている。しかも最初からCo-op対応で、最大4人の友達と一緒に魔法の日常を過ごせる。日本語にも対応予定だ。
2016年に最初の情報が公開されてから約10年。長い開発期間を経て、ついに2026年のリリースが近づいている。「これを待ってた」という声が世界中で上がっている。このゲームが何者で、何がそんなに期待されているのか、できる限り詳しく書いていこうと思う。
公式トレーラー(Nintendo Direct 2025.03.27 初公開)
こんな人におすすめ / こんな人には合わないかも
こんな人には刺さる
- Stardew Valleyが好きで、魔法ファンタジー版を求めていた人
- 魔女・魔法学校の世界観が好きな人(ハリポタ、魔女の宅急便など)
- のんびりしたライフシムで友達と遊びたい人(Co-op対応)
- キャラクタークリエイションにこだわりたい人
- 農業・釣り・街のNPCとの交流系が好きな人
- コージーゲームを日本語でプレイしたい人(日本語対応予定)
- Game Passに加入しているXboxユーザー(Day One対応)
こんな人には合わないかも
- アクションやバトルを中心にしたいプレイヤー(Witchbrookは戦闘メインではない)
- 発売日確定を待ってから購入を決めたい人(現時点では2026年内の予定のみ)
- ストーリー一本道の短編ゲームを求めている人(ライフシム型で自由度が高い)
基本情報
| タイトル | Witchbrook(ウィッチブルック) |
| 開発 | Chucklefish(ロンドン) × Robotality(ドイツ) |
| パブリッシャー | Chucklefish |
| 発売予定 | 2026年内(具体的な日付は未発表) |
| 価格 | 買い切り(価格未発表)/ Xbox Game Pass Day One対応 |
| ジャンル | 魔女ライフシミュレーション / ソーシャルRPG |
| 対応機種 | PC(Steam)、Nintendo Switch / Switch 2、Xbox One / Series X|S |
| マルチプレイ | 最大4人オンラインCo-op |
| 日本語 | テキスト対応予定 |
Witchbrookはどんなゲームか
一言で言えば、「魔女として生きる自由なスローライフゲーム」だ。
舞台は海辺の賑やかな都市「モスポート(Mossport)」。プレイヤーはここに越してきたばかりの新入生魔女として、ウィッチブルック・カレッジに通い始める。授業を受けて魔法の腕を磨きながら、街のNPCたちと仲良くなり、コテージを自分好みに改装し、ガーデンを育て、時にはほうきで街の空を飛び回る。
方向性としてはStardew Valleyに近い。でも同じゲームではない。Stardewが農村での農業と採掘が中心だったのに対し、Witchbrookは魔法学校での学習体験と都市生活が軸になっている。授業のスケジュール、テスト対策、コヴェン(魔女集団)との関係性、街の住民との交流――そういった要素がライフシムの骨格を形作っている。
ゲームの世界は生きている。モスポートには数百人の住民が独自の日常ルーティンで動き回っており、それぞれに固有の外見・名前・自宅がある。Chucklefishが過去にX(旧Twitter)で「市民全員が独自の外見・名前・家を持っている」とシェアした情報は、コージーゲームファンの間で大きな話題になった。
そしてモスポートの外には、森に囲まれたプレイヤーのコテージが待っている。この空間が第二の生活拠点になる。
魔法学校での学びと生活——授業システムを深掘り
Witchbrookの最大の特徴のひとつが、魔法の授業システムだ。ウィッチブルック・カレッジでは複数の科目を学ぶことができ、それぞれに固有のゲームプレイが用意されている。
スペルクラフト(Spellcraft)
魔法呪文の基礎を学ぶ科目。授業を受け、課題をこなすことで新しい呪文を習得できる。家具を浮遊させて移動させるような日常魔法から、より高度な呪文まで段階的に習得していく。
ポーション醸造(Potion Brewing)&錬金術
錬金術系の科目で、始まりは「軽い風邪薬」のような単純なポーションから。技術が上がるにつれて複雑なポーション、特殊な効能を持つ薬まで作れるようになる。原料となるハーブや植物は街の周辺でフォレジング(採取)できる。農業や動物の世話とも連動しており、材料集めのルーティンが自然と生まれるのが面白い。
植物学(Botany)
魔法の植物を育てることを学ぶ科目。Stardew Valleyの農業に近い要素で、コージーゲームファンが特に期待しているパートだ。魔法的な効果を持つ植物や、変わったキノコを栽培できる。
占星術(Divination)
タロットカードを読んだり、星座を分析したりして未来を占う科目。望遠鏡で星を観察するというゲームプレイが確認されている。他の科目とは一線を画した、瞑想的でゆったりした体験になりそうだ。
アーケイン・アーツ(Arcane Arts)
これは上級科目。1学期・2学期の試験にパスした生徒だけが受講できる。儀式の執行や、より深い魔法――悪魔召喚の概念も含む――を学ぶ。「魔女の学校ってそっち方向もあるよね」という部分をしっかり取り込んでいるのが、この世界観のリアリティを高めている。
各科目で腕を磨くと、それが街での生活にも影響する。ポーションを調合して地元の人の悩みを解決したり、植物学の知識でコテージの庭を豊かにしたり、呪文を使って探索の幅を広げたり。学校での学びが日常生活に直結しているという設計が、このゲームのライフシムとしての完成度を高めていると思う。
開発チームは「実践的な教育アプローチ」をコンセプトに掲げており、「勉強に縛られて楽しさを妥協することはない」と語っている。試験や課題はあるが、それがストレスになるのではなく、プレイヤーを次の楽しいことへ導く仕組みとして機能するよう設計されているという。
モスポートという「生きた街」——探索とNPCの世界
ウィッチブルック・カレッジが生活の中心なら、モスポートはその舞台だ。
海沿いの賑やかな都市で、魔法を使う人たちが普通に暮らしている。商店が立ち並び、カフェでコーヒーを飲む魔女たちがいて、学生たちは下校後に街を歩き回っている。その光景は「魔法が日常になった世界」を説得力を持って描いていて、最初のトレーラーを見た人たちが真っ先に反応したのがこの部分だった。
NPCは数百人規模で登場する。それぞれが固有の名前・外見・自宅を持ち、独自のスケジュールで動いている。プレイヤーが出会うすべての人物が「モブ」ではなく、世界の一部として機能している設計だ。
確認されているキャラクターの例を挙げると:
- Eli Ivers:学校新聞のライター。知的で本好きな雰囲気。恋愛対象キャラクターの一人。
- Hana Satō:「Calico Fresh Threads」という服屋のスタッフ。アパレル好きでファッションセンス抜群。彼女も恋愛対象。
これ以外にも、さまざまなコヴェン(魔女集団)のメンバー、教授陣、街の商人たちとの関係を深めていくことができる。コヴェン内のランキングでトップを争うという要素も確認されており、ただの友好関係だけでなく、ライバル関係や競争心も描かれる模様だ。
街でできることは多彩だ。郵便物を届けるデリバリー、ショップとのパートナーシップでビジネスを展開する、カフェでゆったり時間を過ごす、コヴェンの集まりに参加する……。Chucklefishは「モスポートはただのマップではなく、プレイヤーが本当に暮らしたいと思える場所を作りたかった」と語っている。
「EVERY citizen has their own look, name, and home.」
— Chucklefish公式(GamesRadar記事より)
このコメントが拡散されたとき、「これはStardew Valleyのペリカンタウンよりも生きた街になるんじゃないか」という期待の声が多く上がった。
コテージ生活——自分だけの魔法の拠点を作る
学校の授業や街の探索と並ぶ、もうひとつの生活の柱がコテージ生活だ。
プレイヤーは街の外れにある森の中の小さなコテージを拠点にする。最初は質素な状態だが、ゲームを進めるにつれて改装・リノベーションができる。壁紙を変えたり、家具を配置したり、インテリアをこだわって作り込んでいく楽しさは、Stardew Valleyのファームのデザインに通じるものがある。
コテージの外には庭が広がっている。ここを「植物と野生動物が共存できるスペース」に変えていくのがひとつの目標になっている。魔法作物を育て、不思議なキノコをフォレジングし、動物の世話をする。魔法世界の農業体験だ。
家具の移動は浮遊魔法で行う。物を持ち上げて、ひょいひょいと動かせる。この小さなディテールが「魔女の日常感」をすごく自然に演出していて、トレーラーを見た人たちがリアクションした場面のひとつでもある。
採集した素材や育てた植物は、ポーション醸造やビジネスの材料になる。コテージが豊かになるほど、できることが広がっていく仕組みだ。ライフシムの醍醐味である「少しずつ世界が豊かになっていく感覚」をコテージ改装でも味わえるように設計されている。
釣りもある。魔法の世界の釣りがどんなものになるか、まだ詳細は公開されていないが、コテージ近くの川や海岸でのんびり釣り糸を垂らす時間も、この作品の大事な一コマになりそうだ。
最大4人Co-op——友達と過ごす魔法の日常
Witchbrookを語る上で外せない要素のひとつが、最大4人オンラインCo-opだ。
これは単なる「マルチプレイヤーモード」ではない。ゲームの設計段階からCo-opを前提に作られている。Stardew Valleyも後からCo-opが追加されたが、Witchbrookは最初からCo-op対応として設計されており、その分よりシームレスなマルチプレイ体験になるはずだ。
トレーラーでは4人の魔女が一緒に箒で街の上空を飛び回るシーンが確認されている。これが見た目にも楽しそうで、コミュニティの反応は特に熱かった。4人でほうきに乗って海辺の街を飛ぶだけで、もうそれは絵になる体験だ。
Co-opで何ができるかというと、授業の同席(スペルクラフトのクラスに一緒に参加)、街の探索、箒レース、日常の作業の分担などが考えられる。「自分が農業担当、友達がポーション担当」みたいな役割分担も生まれるかもしれない。
ライフシムのCo-opには独特の楽しさがある。誰かと一緒に同じ世界でゆっくり時間を過ごす感覚は、バトルゲームのCo-opとは全然違う。Stardew ValleyのCo-opを友達と楽しんだ人が、次にこの「魔法版」を求めているのは自然なことだと思う。
「Witchbrook will feature cooperative multiplayer for up to four players, drawing further parallels to Stardew, which got four-player co-op a few years post-launch. Since Witchbrook is being developed with multiplayer in mind from the outset, perhaps its co-op systems will be even more dynamic, fleshed-out, and feature-complete than Stardew’s.」
— Game Rant
Game Passに加入しているXboxユーザーはDay Oneから追加費用なしでプレイ可能。友達をCo-opに誘いやすい環境が整っているのも嬉しいポイントだ。
キャラクタークリエイション——「誰でも自分を見つけられる」設計
Witchbrookのキャラクタークリエイションは、相当な力が入っている。
顔の輪郭・目の形・眉・鼻・口のデザイン、肌の色、体型、髪型――これらを幅広くカスタマイズできる。そして重要な点として、すべての髪型・服・ひげオプションは性別に関係なく選択可能だ。どんな外見でも、自分が「こうありたい」と思う姿に近づけることができる。
服のシステムも凝っている。最大11レイヤー(帽子・アウター・インナー・スカート・パンツ・靴など)まで重ね着でき、魔法世界のコーデを自由に楽しめる。ゲームを進めるにつれて新しい服をアンロックしたり、ショップで購入したりと、ファッションも成長の一部になっている。
魔法の適性も選択できる。特定の科目にボーナスがかかる得意分野を選ぶことで、プレイスタイルに影響を与えられる。ポーション醸造が得意な魔女にするか、呪文学の天才にするか、占星術師タイプにするか――そういった選択が序盤のゲームプレイに個性をもたらす。
Chucklefishは「プレイヤーが自分自身を見られるように」というデザイン理念を掲げている。ライフシムというジャンルはアバターへの愛着がゲーム体験全体に影響するから、この設計は理にかなっている。自分が作ったキャラクターがモスポートを歩き回り、授業を受けて、友達を作っていく。その没入感が、長時間プレイを支える根幹になる。
Chucklefishとはどんなスタジオか
Witchbrookを深く語るには、開発元Chucklefishについて知っておく必要がある。
Chucklefishはロンドンのインディーゲームスタジオ。2013年に設立され、主にインディーゲームのパブリッシャーとして成長した。その歴史の中で最大の出来事は間違いなくStardew Valleyのパブリッシングだ。ConcernedApe(Eric Barone)が一人で作り上げたあの農業ライフシムを、小さなスタジオが世に送り出した。現在はConcernedApeが自己パブリッシュに移行しているため関係は薄れているが、コージーゲームの歴史における重要な一ページを作ったのはChucklefishだ。
その後、自社タイトルとしてStarbound(2016年・宇宙探索サンドボックス)、Wargrooveシリーズ(2019年、2023年・ファンタジーウォーゲーム)を開発。どれもコアなゲーマーに支持された作品だ。
そしてWitchbrook。これが自社タイトルとしては最も大きな野心を持つ作品だと言っていい。
Chucklefishの現在の社員数は約18名。パブリッシング業務と並行してWitchbrookを開発している。小さなチームが長期間かけて作り込んでいる作品だ。
もうひとつ重要なのが、ノークランチ・4日間労働週ポリシーだ。Chucklefishはゲーム業界に広く存在するデスマーチ・クランチ文化を明確に拒否している。開発者の健康を最優先にし、週4日の労働時間でクリエイティビティを保つことを選択した。
「4日間労働週とノークランチポリシーを採用してきたことは、私たちのゲーム開発へのアプローチを実現する上で大きな柱になっています。チームが大切にされ、休息を取り、サポートされていると感じることが重要です。クリエイティビティは健全な職場環境で育まれるということを知っています」
— Chucklefish開発チーム(公式コメント)
この姿勢が開発期間の長さにも影響している。でも逆に言えば、それだけチームが疲弊せずに作り続けられているということでもある。コミュニティからは「健康的に開発してほしい」「クランチしてほしくない」という応援の声が絶えない。
共同開発のRobotality(ドイツ拠点)は、Simon & Stefan Bachmann兄弟がNia Schmidheinyと共に2013年に設立したスタジオ。こちらも品質重視のスタジオとして知られている。両チームが持つ「丁寧に作る」という哲学が、Witchbrookの開発文化を形作っている。
長すぎる開発の旅——2016年から2026年まで
Witchbrookの開発史は、ゲームの期待感と同じくらいドラマチックだ。
最初の情報が公開されたのは2016年頃。当時のゲームメディアは「Chucklefishが魔女ライフシムを開発中」と報じ、ピクセルアートの概念ビジュアルが少し公開された。
しかし開発はすぐに止まった。Starboundの後処理とWargrooveシリーズの開発に集中するため、Witchbrookは棚上げになってしまったのだ。2017年から2020年頃まで、チームはWargrooveシリーズに注力した。
転機が訪れたのは2020年、パンデミックの最中だ。開発チームはWitchbrookに戻り、改めてプロジェクトを見渡した。そして下した決断は「ゼロからやり直す」だった。
ゲームエンジンを変え、アートスタイルを変え、世界観をより豊かに再設計した。当初の「魔女×農業」という小さな企画が、モスポートという生きた都市を持つ大きなライフシムへと生まれ変わったのはこの時期だ。
2020年から開発を再開したChucklefishは、長い沈黙期間を経て2025年3月27日のNintendo Directで初のゲームプレイトレーラーを公開した。Winter 2025リリース予定と発表された。コミュニティが熱狂した瞬間だった。
2025年4月2日にはNintendo Switch 2でもリリース予定が発表された。そして……
2025年10月15日、延期のニュースが届いた。Winter 2025から2026年内への変更だ。
この延期発表に対して、コミュニティの反応は意外なほど成熟していた。「もう10年近く待ってるんだから、もう少し待てる」「品質を妥協してほしくない」「Chucklefishのことを信じている」という声が多くを占めた。長年待ち続けてきたファンには、延期を受け入れる忍耐が身についていたのかもしれない。
「開発チームはゲームを、世界が豊かに感じられる状態にするためにさらに時間が必要だと感じていた。それだけのことだ」
— AllKeyShop(延期理由についての報道より)
発売まで約10年。その長さを「失望」と捉えるか、「それだけ丁寧に作っている証拠」と捉えるかで、このゲームへの向き合い方が変わってくる。Chucklefishを知るファンは後者として受け取っているようだ。
Stardew Valleyとの関係——後継者か、別物か
Witchbrookを語るとき、必ずStardew Valleyの名前が出てくる。これは避けられない比較だし、むしろ積極的にしておく価値がある。
まず共通点から。
どちらも2Dピクセルアートのライフシムだ。日常の繰り返し(毎日同じルーティンをこなしながら少しずつ世界が広がっていく)がコアにある。NPCとの関係構築、特に恋愛要素がある。農業・収穫・加工という作業ループがある。季節の変化がある。そしてのんびり時間をかけて遊べる作品であること。
次に違いを見ていこう。
舞台が違う。Stardewの舞台は農村のペリカンタウン。生活の中心はファームだ。WitchbrookはモスポートというアクティブなCity。生活の中心は魔法学校だ。都市の活気とコミュニティの豊かさが全然違う。
魔法要素の深さが違う。Stardewにも魔法的な要素はあるが(地下での戦闘、農業の不思議な植物など)、Witchbrookは魔法そのものが学習システムとして機能している。呪文を習得し、ポーションを調合し、星を読み、儀式を執り行う。魔法が日常の一部として設計されている深さが違う。
Co-opへの対応が違う。Stardew ValleyはPC版の2018年アップデートで後からCo-opを追加したが、Witchbrookは最初からCo-op対応として設計されている。この差は体験の質に直結する。
規模感が違う。Stardew Valleyはバランスよく1〜2人で作ったゲームだ。Witchbrookはより大きなチームが、より複雑な世界を作ろうとしている。NPCの数、授業システムの深さ、Co-opの設計――全体的なスケールがより大きい。
ChucklefishはStardew Valleyのパブリッシャーだった。でもWitchbrookは「Stardewの二番煎じ」ではなく、「コージーライフシムという同じ大地から生えた、別の花」だと思う。Stardewが好きな人ならWitchbrookも好きになる可能性は高い。でも「Stardewをもう一度」ではなく、「Stardewとは違う体験」として向き合った方がより楽しめるだろう。
コージーゲームコミュニティの熱狂
2025年3月のNintendo DirectでWitchbrookのトレーラーが流れた瞬間、コージーゲームコミュニティが沸いた。
「8年待った価値があった」「EVERY citizen has their own look, name, and homeという情報で倒れた」「StardewとHogwarts Legacyの良いところを混ぜたようなゲームだ」「これが出たら全部放り投げてダイブする」――こういったコメントがゲームフォーラムやSNSに溢れた。
特に反響が大きかったのは以下の点だ。
1. 箒でのCo-op飛行。4人が一緒に箒で空を飛ぶシーンは、多くの人の「ずっと見たかった映像」だったようだ。友達と一緒にコージーな世界を飛び回る体験への欲求は潜在的に非常に高かった。
2. 街の密度。数百人の住民がそれぞれ固有のルーティンで生きているという設計は「本当の意味で生きた街」の予感を与えた。モブキャラの概念を廃した世界作りへの評価は高い。
3. キャラクタークリエイションの自由度。性別を問わずすべての外見オプションが使える設計は、「自分を見つけられる」ゲームとして広い層に刺さった。「プレイヤーが自分自身を見られるように」というChucklefishの言葉は、多くの人に届いた。
4. 日本語対応。英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語・日本語・中国語(簡体・繁体)の多言語対応が確認されており、特に日本語コミュニティにとってはプレイへのハードルが大きく下がるポイントだ。
2026年に向けて期待感はどんどん高まっている。Steamのウィッシュリスト登録数は「最多登録ゲームのひとつ」という水準になっており、Eric Baroneが開発中の次回作「Haunted Chocolatier」と並ぶ「次のコージーライフシムの最有力候補」として位置付けられている。
「If the game is as good as Stardew and develops an active mod community, that game could consume me.」
— ResetEraユーザーのコメント
プラットフォームと価格——どこで遊べるか
Witchbrookは複数のプラットフォームで同時発売が予定されている。
PC(Steam)が最初の選択肢だ。ストアページはすでに公開されており、ウィッシュリスト登録が可能。Steamのすべての機能(実績、クラウドセーブなど)に対応する見込みだ。将来的なMod対応への期待も高い。
Nintendo Switch / Nintendo Switch 2にも対応。携帯モードでのんびりプレイできるのはライフシムとの相性が抜群だ。通勤電車の中で魔法学校に通う魔女の生活を送る、という絵が容易に想像できる。
Xbox / Xbox Game Passにも対応。Day Oneからゲームパスでプレイ可能という発表があったため、Game Passに加入しているユーザーは追加費用なしですぐに試せる。これはコージーゲームユーザーの裾野を広げる可能性がある。
価格はまだ未発表だが、Chucklefishのこれまでの作品のラインナップを見ると、インディーゲームとして適切な価格帯(20〜30ドル程度)になると予想される。
日本のプレイヤーにとって嬉しいのは、日本語テキスト対応が公式に確認されている点だ。英語の壁なくゲームの世界に没入できる。
2026年リリースに向けて——何を期待するか
いよいよ2026年、Witchbrookの発売が近づいている(具体的な日付はまだ未発表)。
このゲームに期待していることを整理してみると、大きく3つに分けられると思う。
①ライフシムとしての深さ。Stardew Valleyが農業を中心にした「没入できるもう一つの人生」を実現したように、Witchbrookが魔法学校での生活を中心にした「本当に住みたくなる世界」を作れるかどうか。NPCの豊かさ、授業システムのバランス、コテージ改装の自由度、釣りや農業の心地よさ――これらが有機的に繋がるか。
②Co-opの質。最初からCo-op対応として設計されているという強みを、実際の体験でどれだけ発揮できるか。4人が同じ世界を共有しながら、それぞれのライフシム体験を持てるか。技術的な安定性と、マルチプレイならではの楽しさが両立するか。
③開発哲学の実証。ノークランチ・4日間労働週という姿勢で作られたゲームが、業界標準を超えるクオリティを実現できるかどうか。これはWitchbrookだけの問題ではなく、インディーゲーム業界全体の「持続可能な開発」というテーマへの回答にもなる。Chucklefishがこれを証明できれば、業界に与える影響は大きい。
2016年に最初の情報が出てから約10年。その間に魔法ゲームの世界はHogwarts Legacyが制覇し、コージーゲーム市場はStardew Valleyが作ったブームに後続タイトルが続いた。その中でWitchbrookは独自の地位を保ち続けた。「魔女として学校に通い、のんびりと魔法の日常を生きる」という体験を本当に丁寧に作ろうとしているゲームとして。
待った甲斐があったと思えるゲームになることを、強く期待している。
似たゲームも一緒にチェック
Witchbrookが2026年の発売まで待ちきれないなら、同じような楽しさを提供してくれる作品を先に遊んでみるのもいい。
ガッツリとしたRPGの世界に飛び込みたいなら、圧倒的な自由度と没入感で人気の高い作品がある。

Witchbrookと同じく長期開発の末に世に出た期待の一本。スローライフの魔法と言えばこちらも外せない。

ダークファンタジーとアクションを組み合わせたスタイリッシュな作品も、コージーゲームの合間に気分転換として遊べる。

ソウルライクで歯ごたえある挑戦を求めるなら、こちらも候補に入れておきたい。

壮大なスケールの世界を探索したいなら、サバイバルと建築を組み合わせたゲームも根強い人気がある。

また、よりアクション寄りのRPGとして注目されているのがこちら。Witchbrookを待ちながら、別のジャンルでゲーム欲を満たすのに最適だ。

日本的な世界観とアクションを楽しみたい人には、この作品もおすすめだ。


まとめ——Witchbrookに賭ける価値はあるか
長い記事を読んでくれてありがとう。最後に、この記事で伝えたかったことを一言で言うと:
Witchbrookは、ずっと誰かが作るべきだったゲームを、正しい方法で作ろうとしている作品だ。
魔女として学校に通い、魔法を学び、友達を作り、コテージを育て、のんびりと海辺の街で暮らす――そういう体験が欲しかった人は世界中に大勢いた。その需要に、ChucklefishとRobotalityは約10年かけて丁寧に応えようとしている。
ノークランチポリシーで作られるゲームの発売には時間がかかる。でもそれは「しっかり作っている」証拠でもある。延期のたびに失望ではなく「もう少し待てる」という声が多かったのは、ファンがこのスタジオの誠実さを信じているからだと思う。
2026年、Witchbrookが発売されたとき。世界中の「ずっとこれを待っていた」という人たちが一斉にモスポートに集まる日を、楽しみに待ちたい。
Steamのウィッシュリストへの登録はいつでもできる。2026年の発売通知をいち早く受け取るために、今のうちに登録しておくことをおすすめする。

