みなさんは「ゲーム依存症」、もしくは「ゲーム障害」という言葉をご存知でしょうか?子供がゲームばかりしていると、親がよく説教に持ち出してきて鬱陶しいあれですね。そんなゲーム依存症が病気として認定されたことが話題になっています。
WHOが「ゲーム依存症」を正式に病気と認定
WHOが2018年6月18日に、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)を公表しました。
国際疾病分類(正式名称:疾病及び関連保健問題の国際統計分類)というのは、WHOが、国際的に統一した基準で定められた死因及び疾病を、アルファベットと数字の組み合わせで事細かに分類したものです。
現在適用されているICD-10が改訂されたのは1990年のことであり、28年ぶりの改訂になるのですが、なんとそのICD-11の中に、Gambling disorder, predominantly offline(ゲーム障害、主にオフライン) 、Gambling disorder, predominantly online(ゲーム障害、主にオンライン)、Gambling disorder, unspecified(ゲーム障害、不特定)といった形でゲーム依存症に関する記述がありました。
それではWHOが定めるゲーム依存症の定義についてみていきましょう。
ゲーム依存症の定義
WHOの公表したICD-11では、
ゲーム障害は、オンラインまたはオフラインでの持続的または反復的なゲーム行動(「デジタルゲーム」または「ビデオゲーム」)のパターンによって特徴付けられ、
- 開始、頻度、熱心さ、持続時間、終了、状況といったゲームをすることに関するコントロールが効かない。
- ゲームをすることの優先度が、他の生活上の利益や日常生活を上回るほどに高まっている。
- 悪影響が出ているにも関わらず、ゲームを継続または拡大してしまう。
これらの行動パターンは、個人的、家族的、社会的、教育的、職業的または他の重要な機能領域において重大な障害をもたらすほど重大である。
すべての診断要件が満たされ、症状が重篤であれば、より短い期間で診断される可能性もあるが、原則として、12か月以上続くとゲーム依存症として診断される。
と、定義されています。
ネトゲ廃人と呼ばれる人の中でもボトラーと呼ばれる猛者がいますが、これは定義の2番に該当するかもしれませんね。
※ボトラーとは?
ボトラーとはネトゲにのめり込むあまり、トイレに行く事すら疎ましくなったため、あらかじめ用意しておいたペットボトルに用を足すようになったネトゲ廃人のこと。ポリバケツに用を足すポリラーや、オムツを着用するオムツァーなどその派生は多岐にわたる。
治療方はあるの?
ゲーム依存症はギャンブル依存症とよく似ており、その治療法はカウンセリングが主体となっています。具体的にには同じ問題を抱えた患者同士で自助グループに参加することや、依存先そのものに関われない環境に身を置くことが上げられます。依存症とされる以上、それはれっきとした病気なので、個人や家族の力だけで治そうとするのは困難です。専門機関に頼りましょう。
ゲーム依存症で直接死ぬことはありませんが、長時間座っているとエコノミークラス症候群といったように、別の要因で死ぬ可能性は当然高くなります。キチンと治療しましょう。
まとめ
ICDではゲーム依存症に該当するのは、ゲームに関わる人のほんの一部と言われています。じゃあ自分は大丈夫だろうと思いがちですが、現在の日本では約421万人もの人がインターネット依存症であると言われています。案外他人事ではないかもしれませんよ?
当然、ゲームをすること自体が悪いわけではありません。ゲームは節度を守って楽しみましょうね!