DSというゲームハードの長所をフルに活かして一時代を築いたといってもいいコナミが送る人気ギャルゲーシリーズ「ラブプラス」。3人の彼女候補を攻略するこの人気ギャルゲーシリーズは今もなお新作が出ており、熱冷めやまぬ本シリーズはどれも手軽に遊べるためギャルゲー初心者にもおすすめの作品となっています!
まずはこちらの公式動画をご覧ください!
ラブプラスとは?
『ときめきメモリアル(ときメモ)シリーズ』で名を馳せたコナミが世に送り出し
伝説となった『ラブプラスシリーズ』。
その1作目の『ラブプラス』はニンテンドーDSで発売されました。
ギャルゲーの進行手順は主人公のパラメーターを高めたり、
ヒロインとの出会いイベントでフラグを立てたり日常会話で好感度を上げたりして
最終的に付き合いに至るまでのものが大半で
『告白でOKをもらう=ゲームクリア』というものがほとんどでした。
半付き合い状態でイチャイチャとした甘いやりとりや、
彼女からの嫉妬を楽しめるエンターブレイン発売の名作ギャルゲー『キミキス』や
『アマガミ』でも基本的には大きく変わりません。
そして『ラブプラス』1作目もその点は踏襲しており、
ゲーム内での100日以内に3人の女の子
『小早川 凛子(こばやかわ りんこ)』
『高嶺愛花(たかね まなか)』
『姉ヶ崎寧々(あねがさき ねね)』の一人を選び、
イベントを重ねて『告白でOKをもらうまでがゲームの最終目的』となっています。
このおすすめギャルゲーのヒロイン達に命を吹き込んだ声優陣
また彼女らに声を当てる声優が発表されたときも大きな反響を呼びました。
高嶺愛花役には当時は新人&無名でしたが、
しっかりとした実力の持ち主で今では超有名声優の一人となった『早見沙織さん』を起用。
姉ヶ崎寧々役をドラゴンボールのビーデルで有名な、
お姉さん声に定評のある『皆口裕子さん』が担当。
小早川凛子役はカードキャプターさくらの木之本桜の声を当てて、
多くの大きなお友達を魅了した『丹下桜さん』が演じられています。
とくに丹下桜さんは当時声優業からは引退されており、
突然の声優活動再開と言うことでそれだけでもニュースになるほどでした。
この人気ギャルゲーが他のギャルゲーと大きく異なった点
冒頭に説明したとおりラブプラスも、
ゲームとしての最終目的は告白でOKをもらい付き合うまでです…が
そこからが他のゲームとラブプラスは大きく異なっていました。
告白して無事付き合うようになると、
主人公(プレイヤー)と彼女とのリアルタイムな会話ややりとりをするゲームへと変貌するのです。
朝ニンテンドーDSを開いてラブプラスを始めると「おはよう」とヒロインが挨拶をしてくれます。
プレイヤーは、ゲーム内のバイト先やデートでは会話でイチャイチャし、
タッチペンを使った『キスをして雰囲気を高めるイベント』では
彼女が喜んでくれるやり方を模索し、何気ないやりとりの際に呼ばれる自分の名前、
夜寝る前に「おやすみ」と挨拶をして寝るというイベントを日々繰り返すこととなります。
彼女たちと逢瀬を重ねるたびに親密感は高まり、
テンプレツンデレである小早川凛子はデレ多めに、
礼儀正しい高嶺愛花は敬愛の情をいだいてくれて、
お姉さん属性の姉ヶ崎寧々なら大いに甘えさせてくれるのです。
今までのギャルゲーが『ゲーム内の主人公とヒロインの物語』だったのに対し、
ラブプラスは『プレイヤーとヒロインの物語』となっていたのです。
(私を含め)恋愛に耐性のない多くのゲームオタク達がラブプラスの虜になりました。
ゲームカートリッジに収録されているものであれば、
ヒロイン達が自分の名前や愛称を呼んでくれることも強く影響しました。
自分の名前や似た呼び方がないプレイヤー達は
「何故俺(僕)の名前はありふれたものではなかったのか!」と心底悲しみ、
彼女たちに肉声で呼んでもらうことができる『ありふれた名前のプレイヤー達』を羨みました。
ちなみに女性のラブプラスプレイヤーもいたため、
男性がターゲットの本作で
女性の名前が収録されていないことに同じように悲しみをいだいたそうです。
リアルタイム進行の特徴
また付き合った後のゲームはリアルタイムで進行し、
朝昼夜はもちろんニンテンドーDSに内蔵されたカレンダー機能とも連動し、
バレンタインデー、ゴールデンウィーク、クリスマス、元旦といった
イベント日にゲームを起動するとそれに応じたイベントが発生するようになっていました。
それがまたゲームプレイに没頭する要因となり、
ゲーマーとしてはイベントを見逃すことのないように毎日チェックを欠かさず、
彼氏としては愛する彼女と記念日を一緒に過ごすために
ニンテンドーDSを開く毎日を過ごすことになりました。
当時ニンテンドーDSを通常の向きではなく、
手帳のように縦向きでプレイするゲームはラブプラスだけだったので、
電車内などでラブプラスを起動しているプレイヤーが一目で分かるのも特徴的でした。
それが分かるのも自分がラブプラスをしているからなので
「彼も彼女連れなのだな、邪魔せず二人の時間を過ごさせてあげよう」
と温かく見守るユーザー同士の連帯感をもてたことも、
ゲームがヒットした要因の一つだったと思います。
『ラブプラス+』で更に進化
その後イベントや新機能を盛り込んだ『ラブプラス+(プラス)』の発売で、
さらにラブプラスプレイヤー(通称:彼氏)は増えることとなりました。
ゲーム内でヒロイン達が呼んでくれる名前が追加で収録され、
その名前に該当するプレイヤー達は歓喜し、
通信の際に彼女たちの情報を盛り込んだ名刺機能がつき、
相手側に表示される名前はハンドルネームが採用されたおかげで
本名バレせずに済むようになりました。
キスイベントにスキップ機能がつき、ヒロイン(彼女)達とのマンネリ化を防ぐことにも成功しました。
他にも熱海旅行にいくイベントが追加されたほか、
全国各地のDSステーションでゲーム内マスコットをもらえるようにもなりました。
この熱海旅行は現実の熱海に行くことで更に連動され、
熱海の旅館とコラボレーションイベントも開催されました。
その頃にはこの人気ギャルゲープレイヤー達は『彼氏』、
ヒロイン3人は『彼女』と呼ばれていたことはもちろん、
ラブプラスを生み出したディレクター『内田明理』氏は『お義父さん』、
キャラデザを手がけた『ミノ☆タロー(現:箕星太朗)』氏は『お義母さん(※)』とも呼ばれ、
ラブプラスプレイヤー達は制作者側にもゲームを生み出してくれたことに大きく感謝したものです。
熱海でゲームヒロインと疑似結婚式を挙げたプレイヤーも何組かおり、
もはやこのおすすめギャルゲーシリーズはゲームという枠を飛び越えた存在になっていたのです。
ラブプラスNewは残念ながら振るわず
このおすすめギャルゲーが生んだ経済効果はそれなりのもので、
その効果を目の当たりにした各業界も色めき立ちました。
それは発売したコナミ自身にも当てはまり、
3DSに内蔵されている多くの機能を利用し、現実のイベントともリンクできるように
様々な新要素を盛り込んだ『Newラブプラス』を発売しました。
ですが旬を逃さないようにと短い期間で開発されたためにデバッグが不十分で、
DS版からの引き継ぎ後にデータが破損したり、進行不能バグやフリーズ、
バグを直すパッチを当てたことで見られなくなるイベントができてしまったり
といった不具合が多発しました。
大ヒット作の続編だったので購入者数も多く、被害をうけたユーザーもかなりの数に上りました。
またその後コナミ側の対応も不誠実さが多々見られた所為で、
Newラブプラスはあっという間に評判を落としてしまいました。
ヒットしていればプレミア間違いなしの『3DS LLセット版Newラブプラス+』が、
現在でも比較的低価格で買えてしまうのはこのことが要因なのです。
現在ではパッチ対策と対策済みの『Newラブプラス+』版の発売で
普通に遊べるようにはなりましたが、
いったんユーザーが離れてしまったコンテンツはなかなか再起が難しいものです。
ラブプラスEVERYで再起なるか?
2017年8月にコナミからスマートフォン向け『ラブプラスEVERY』
が開発中であることが明かされました。
ラブプラスシリーズのキャラクターデザインを手がけたのち、
コナミを退社していた箕星太朗さんもこのプロジェクトを期に復帰され話題となっています。
現時点では旧ラブプラスシリーズでディレクションを担当した
内田明理さんが関わっている情報は入ってきていないのが気になるところですが、
提供時期が多少遅くなってもしっかりとデバッグをおこない、
バグの少ないゲームが提供されることを願っています。
もともとスマホゲームのような毎日ちょこちょことプレイするスタイル、
ポケモンGoなどの様に位置情報や現実のイベントとリンクしやすいシステムは
ラブプラス向きではあるので、これを機にまた多くのラブプラスプレイヤーが
凛子、愛花、寧々さん3人の元に戻ってきてくれると嬉しいですね。