ここでは当時の魅力を振り返りつつ、似たタイプのゲームも紹介しています。
三国志の武将たちを率いて、ヘクスマップ上で領土を奪い合う。3ヶ月のシーズンが終わるたびに領土はリセットされ、また新しい戦いが始まる——。
『ヘクサウォーズ』は、そんな「終わりのある競争」を何度も繰り返す独特なブラウザSLGだった。シーズン制のおかげで後発でも参入しやすいはずだったし、兵種の三すくみや連盟での協力プレイなど、戦略ゲームとしてのポテンシャルはあった。
でも結局、2022年9月にひっそりとサービスを終了している。約7年間。5chのスレッドがpart44まで続くくらいには固定ファンがいたのに、なぜ持たなかったのか。
こんな人に読んでほしい
- 「ヘクサウォーズ」で検索してたどり着いた人(残念ながらサービスは終了しています)
- 当時プレイしていて、懐かしくなった人
- 三国志×ヘクスマップのSLGがどんなゲームだったか知りたい人
- 似たジャンルのブラウザSLGを探している人
三国志武将でヘクスマップを塗り替える——シーズン制SLG
ヘクサウォーズは、中国のChengdu GuangYi Technologyが開発し、Vector(ベクター)が日本で運営していたブラウザ型のタクティカルシミュレーションRPG。2015年12月にサービスを開始し、後にLions Filmに運営が移管された。

最大の特徴は約3ヶ月を1シーズンとする「シーズン制」。シーズン終了時に全プレイヤーの領土がリセットされる。レベルや所有武将、アイテムは引き継がれるけど、領土はゼロからやり直し。だから理論上は、後から始めた人でも毎シーズンのスタートダッシュで活躍できる設計だった。
ゲームの舞台はヘクス(六角形)で区切られたマップ。三国志の武将をモチーフにしたキャラクター——しかも三国志だけじゃなく日本の武将やら西洋の騎士やらおとぎ話のキャラまで100名以上が登場して、彼らを編成してヘクスマップ上の領地を奪い合う。

戦闘はターン制で、兵種の三すくみ(槍兵→騎兵→弓兵→槍兵)に加えて盾兵・投石車・妖術師といった特殊兵種もいた。低レアの武将でも相性次第で高レア相手に善戦できるのは面白いポイントだった。4Gamerのテストプレイレポートでも「メインキャラと副将の組み合わせ次第で一騎当千の活躍もできる」と評価されていた。
城の建設やアップグレードで兵力・収益を強化する経営パートもあり、連盟(ギルド)に入ってチャットしながら協力プレイするのがこのゲームの醍醐味だった。

基本情報
| タイトル | ヘクサウォーズ |
|---|---|
| 開発 | Chengdu GuangYi Technology(中国・成都) |
| 運営 | Vector → Lions Film |
| ジャンル | タクティカルシミュレーションRPG(ブラウザゲーム) |
| 料金 | 基本無料(アイテム課金制) |
| 対応 | PCブラウザ(Adobe Flash Player → クライアント版) |
| サービス開始 | 2015年12月17日 |
| サービス終了 | 2022年9月28日 |
| サービス期間 | 約6年10ヶ月 |
なぜ人気があったのか——連盟で遊ぶと化けるゲーム
ヘクサウォーズの面白さは、ソロで遊んでいるうちはあまり見えてこない。このゲームが本当に楽しかったのは、連盟に入ってからだった。
レビューサイトでも「連盟に入ってわからないことは聞いたり、チャットでおしゃべりしたり戦争に参加したりしてとても面白い」という声があったように、連盟メンバーと連携して敵対連盟の領地を攻める——この協力プレイにハマる人が多かった。

シーズン制も、うまく機能していたときは新鮮さを保つ仕組みとして有効だった。3ヶ月ごとに領土がリセットされるから、「今シーズンはこの戦略で行こう」と毎回違ったアプローチを試せた。5chのスレッドがpart44まで続いたのは、こうした「次のシーズンこそは」というモチベーションが続いていた証拠でもある。
兵種相性のシステムも、課金武将に頼らずとも立ち回りで勝てる余地を残していた——少なくとも、ゲーム序盤までは。
なぜ失敗したのか——4つの致命的な問題
タイトルで「なぜ失敗したのか」と問いかけた以上、ここではっきり答える。ヘクサウォーズが7年で終わった理由は、大きく4つある。
1. 課金圧が強すぎた
これが最大の原因。レビューを読むと、課金に関する不満が圧倒的に多い。
課金ガチャが必須で、毎週高額課金が必要。プレイヤーの腕は関係なく、廃課金者が優遇される仕様。
— レビューサイト「オンラインゲームCH」ユーザーレビューより
月5万の課金が当たり前のような空気があり、ガチャ確率が極めて低い。
— レビューサイト「オンラインゲームCH」ユーザーレビューより
VIP制度で課金額に応じた有利性が得られ、最高ランクの武将は実質課金ガチャでしか入手できない。せっかくの兵種相性システムも、圧倒的なステータス差の前では無力だった。
2. 新規プレイヤーが定着しなかった
シーズン制で領土はリセットされるけど、武将は引き継がれる。つまり、何シーズンも課金し続けてきたベテランと、始めたばかりの新規プレイヤーでは武将の質に圧倒的な差がついていた。
新規サーバーでも経験者が占有してしまう。初心者には成長が困難で、引退者が続出している。
— レビューサイト「オンラインゲームCH」ユーザーレビューより
5chでも「やれば面白いのに新規が入れない構造」が長年問題視されていた。せっかくの「シーズン制で後発でも参入しやすい」というコンセプトが、課金による武将格差で台無しになっていたわけだ。
3. Flash終了という技術的な壁
2020年末のAdobe Flash Playerサポート終了は、ヘクサウォーズにとって致命的だった。Flash依存のブラウザゲームが軒並み終了していく中、Lions Filmはクライアント版をリリースして延命を図った。
ただし、このクライアント版はMac非対応。それまでブラウザで手軽にプレイしていたMacユーザーは一気に切り捨てられた。Wikiの最終更新が2020年12月23日——Flash終了直後で止まっているのは、この時点で多くのプレイヤーが離れたことを物語っている。
4. コンソール展開の頓挫
2019年6月、4GamerでPS4版・PS Vita版の開発が報じられた。新しいプレイヤー層を取り込めるかもしれないという希望があったけど、結局リリースされないままサービスが終了した。PS Vitaは2019年に生産終了しているから、そもそも開発が間に合わなかった可能性が高い。

結局のところ、ヘクサウォーズの失敗は「課金でしか強くなれない構造」と「新規を排除する環境」が、シーズン制というせっかくの良い仕組みを殺してしまったことに尽きる。ゲームの骨格は悪くなかったのに、マネタイズの設計でプレイヤーを追い出してしまった。
プレイヤーの声
当時のプレイヤーたちがどう感じていたのか、レビューサイトや掲示板の声をいくつか紹介する。
無課金でやっています。連盟に入ってわからないことは聞いたり、チャットでおしゃべりしたり戦争に参加したりしてとても面白い。武将の組み合わせが重要で、協力して領地を広げていくシステムが楽しい。
— レビューサイト「オンラインゲームCH」ユーザーレビューより(★4)
無課金で年単位の育成をする感じでやれば悪くない。良い連盟に入れば収入が大幅増する。ただ、やり方を理解するまでが辛い。
— レビューサイト「オンラインゲームCH」ユーザーレビューより(★3)
戦略性がある反面、廃課金者優遇で新規プレイヤーを切り捨てている。サーバーの過疎化が深刻。
— レビューサイト「オンラインゲームCH」ユーザーレビューより(★2)
序盤は面白いが、不親切な設計が障害になる。廃課金層との圧倒的な差で絶望感が生じる。
— レビューサイト「オンラインゲームCH」ユーザーレビューより(★2)
不親切で複雑だが、シミュレーション好きなら楽しめる面もある。ただし戦略性に欠け、課金圧が強い環境が難点。
— レビューサイト「オンラインゲームCH」ユーザーレビューより(★2)
連盟に入ると楽しいが、課金圧が強すぎて新規が続かない。
— 5ch ブラウザゲーム板「ヘクサウォーズ」スレより
ポジティブな声にもネガティブな声にも共通しているのは、「連盟に入れば楽しい」「でも課金格差がひどい」という2つの軸。ゲームの楽しさとマネタイズの問題が常にセットで語られていた。
オンラインゲームCHでの平均評価は★2.18/5。辛辣な数字だけど、それでもpart44まで5chスレが続くくらいにはコアなファンがいた。「やめたいのにやめられない」「環境さえまともなら神ゲーなのに」——そんな複雑な感情を抱えたプレイヤーが多かったんだと思う。
似たゲームを探している人へ
ヘクサウォーズは終わってしまったけど、似たジャンルのゲームはまだある。三国志SLGやヘクスマップの戦略ゲームが好きだった人向けにいくつか紹介する。
ブラウザSLGで領土を奪い合いたいなら
ブラウザで手軽に遊べる陣地拡張系のSLGなら、『ビビッドアーミー』がある。ヘクサウォーズほど硬派な戦略性はないけど、敵地を侵略して領土を広げていく感覚は共通している。基本無料でブラウザから即プレイできる手軽さも似ている。

シーズン制の領地経営SLGが好きだったなら
ヘクサウォーズの「シーズンごとにリセット→また競争」という仕組みが好きだった人には、『戦国IXA』がある。こちらも武将を集めて領地を経営するブラウザSLG。2026年2月に新章が開幕したばかりで、まだ活発に運営されている。

ヘクスマップのターン制SLGを本格的に遊びたいなら
ヘクスマップ上で部隊を動かすターン制SLGという点では、『大戦略パーフェクト4.0』がかなり近い。買い切り型のSteam版だから課金格差に悩まされることもない。ブラウザゲームの手軽さはないけど、純粋に戦略シミュレーションを楽しみたい人にはこちらのほうが満足度は高いはず。

領土争い・攻城戦の戦略ゲームが好きなら
もう少し毛色は違うけど、領土を奪い合う戦略シミュレーション要素が好きだった人には『Mount & Blade II: Bannerlord』も選択肢になる。中世ヨーロッパが舞台のオープンワールドで、自分の軍勢を率いて攻城戦を仕掛けたり、王国を建設したりできる。

まとめ
ヘクサウォーズは、「三国志×ヘクスマップ×シーズン制」という組み合わせ自体は面白いアイデアだった。連盟での協力プレイにハマった人も多かったし、兵種の三すくみで戦略を考える楽しさもあった。
ただ、課金圧の強さが全てを壊してしまった。シーズン制で「毎シーズン新鮮に始められる」はずが、武将の引き継ぎ+課金ガチャ依存のせいで「課金しないと勝負にならない」ゲームになってしまった。新規プレイヤーが定着せず、サーバーは過疎化し、Flash終了の技術的な壁も重なって、2022年9月に静かに幕を閉じた。
「環境さえまともなら神ゲーだったのに」——そんなプレイヤーたちの声が、このゲームの全てを言い表していると思う。


