「パラディンが帰ってくる。それだけで課金確定だわ」
2025年12月、The Game Awards前夜にBlizzardが投下した一本のティーザー動画。Diablo 4の第2弾拡張パック「Lord of Hatred(憎しみの君主)」の発表を見た瞬間、Redditのr/Diablo4は文字どおり爆発した。Diablo 2で多くのプレイヤーが愛し続けてきたパラディンの復活。しかもそれだけじゃなかった。ホラドリックキューブの帰還、スコヴォスという未知の大陸、全8クラス一斉スキルツリー改修、トーメント12段階への大拡張。
発売は2026年4月28日。Diablo 30周年という節目に合わせたこのタイトルが、前拡張「Vessel of Hatred」からどう進化しているのか。2クラス追加・ゲームシステムの大規模刷新・スコヴォスという新大陸——今わかっている情報を全部まとめながら、「これは買いなのか?」を正直に考えていく。
この記事ではゲームの基本情報から新クラスの詳細、新システム、前拡張との比較、コミュニティの反応まで徹底的に書いた。すでにDiablo 4を持っている人も、これから始める人も、どちらにも必要な情報がある。
Diablo IV: Lord of Hatredとは——Diablo30周年の集大成拡張

まず基本から整理しよう。Lord of Hatred(LoH)はDiablo IVの拡張パック第2弾だ。第1弾の「Vessel of Hatred」が2024年10月に発売され、本拡張はその約1年半後にあたる2026年4月28日のリリースとなる。
Blizzard Entertainmentが開発・販売するこのタイトルは、PC(Battle.net / Steam)のほか、PS4/PS5、Xbox One/Series X|Sにも対応する。価格帯はStandard Edition($39.99)、Deluxe Edition($59.99)、Ultimate Edition($89.99)と3段階。そして注目なのが「Age of Hatred Collection」($69.99)——Diablo 4本体、Vessel of Hatred、Lord of Hatredの3点セットで、これからDiabloを始める人には圧倒的にお得な選択肢だ。
タイトルの「Lord of Hatred」は、ディアブロシリーズに登場する大悪魔「プライム・イービル」のひとり、メフィスト(Mephisto)の称号だ。Diablo 2では終盤の強敵として印象に残ったプレイヤーも多いはず。本拡張では彼が主要な敵として登場し、アカラットの体を乗っ取ってスコヴォスに渡来——「憎しみを固定化する儀式の場」を求めて島を混乱させているという設定だ。
2026年はDiabloシリーズ30周年。1996年に第1作が発売され、Diablo 2(2000年)、Diablo 3(2012年)、Diablo 4(2023年)と続いてきた伝説のシリーズが、節目の年に本拡張という大型タイトルを投下するのは、Blizzardにとっても気合の入った仕事だと思う。
前拡張との関係——VoH購入者はどうなる?
重要な点として、Lord of HatredはVessel of Hatredのコンテンツを同梱している。つまり、新規プレイヤーがLoHだけを購入すれば、VoHの全コンテンツも一緒についてくる。
ただし、これがVoH購入済みのプレイヤーにとって不満の種にもなっている。すでにVoHに課金したのに、LoHに同梱されて「あなたの課金は意味がなかった」とも取れる状況になるからだ。Redditには「補填か割引はないのか」という声が今でも散見される。Blizzardはこの点について明確な補填を発表していない。個人的にも、この点は「うーん」と思う部分ではある。
新クラス1:パラディン(Paladin)——Diablo 2ファン待望の帰還

パラディンはすでに2026年3月のSeason 11開始と同時に、プレオーダー特典として先行アンロック済みのクラスだ。正式リリース前にも関わらず、このクラスの登場によってDiablo 4のプレイヤー数が大幅に増加したと各メディアが報じている。
「シーズン11は辛口な意見が多かったPTRから大化けした。パラディンが完全にゲームを救った感じ」というRedditコミュニティの声が端的に状況を表している。ランキングボードが再活性化し、多数のコンテンツクリエイターがパラディンガイドを制作——発売前からここまで盛り上がるクラスは、Diablo 4の歴史でも初めてだろう。
Oathシステム——4つのプレイスタイルから1つを選ぶ
パラディンの最大の特徴が「Oathシステム」だ。4つのプレイスタイル(誓い)から1つを選択し、クラスの方向性をカスタマイズできる。
Zealot(ゼアロット)は、フレンジー型の近接スタイル。Zeal(熱狂)スキルを強化し、専用アビリティ「Zenith」では天上の刃で戦場を薙ぎ払う。ダッシュして連撃して、ということを繰り返す爽快感重視のビルドだ。先行プレイした人たちから「ホーリースキルの爽快感が段違い」という声が上がっているのはこのスタイルに起因する部分が大きい。
Juggernaut(ジャガーノート)は、防御を神聖な攻撃力に変換するという変わり種。受けたダメージが次の反撃を強化するという仕組みで、タンクでありながら殴り返す力も持つ。ソロ向きかつ初心者にも扱いやすい方向性だと思う。
Judicator(ジュディケーター)は、魔法系パラディン。Blessed Shield、Hammer of the Gods、Consecration、Heaven’s Furyといった神聖魔法を中心に戦う。Diablo 2時代の「ハマディン」を知っている人には懐かしい感覚がある構成だ。
Arbiter(アービター)は、天使形態への変身スタイル。Spears of the Heavensと翼を使った飛行攻撃で、パラディンの「神聖な力の解放」というファンタジーを最大限に体現する。見た目の派手さはこのOathがトップだろう。
コミュニティの初期評価では「現在のメタで最強クラス」との声もあるが、これはSeason 11開始直後の話であり、バランス調整が入る可能性は十分ある。
新クラス2:ウォーロック(Warlock)——悪魔を従えるリスクとリターン

ウォーロックはLoH正式リリース(4月28日)から使用可能になるクラスだ。コンセプトは「地獄に仕えるのではなく、地獄を兵器にする」——禁断の力を使う存在として、Diablo 4の世界観では異端中の異端だ。
「As a Necromancer Fan, Diablo 4: Lord of Hatred’s Warlock Might Be My New Favorite Class.」というGame Rantのプレビュー見出しが印象的だった。召喚・操作・変身という要素を持つ点でネクロマンサーとの類似性があるが、ウォーロックは「悪魔そのものになる」という方向性でよりアグレッシブな設計になっている。
2リソース制と「コンボ」の設計思想
ウォーロックのリソースは2種類。魔法詠唱用のWrath(怒り)と、悪魔召喚用のDominance(支配)だ。この2リソース制が、ウォーロックのプレイスタイルの核となる。
ゲームフローは「召喚→変化→消費→起爆→次スキルの強化」というコンボチェーンで構成される。単発でスキルを使うより、連携して使うことで威力が跳ね上がる設計だ。PC Gamerの先行プレビューでは「Casting demons like they were spells with Diablo 4’s warlock rules」と表現されており、スペル感覚で悪魔を使役するという独特の操作感がウォーロックの個性になっている。
Soul Shardsシステム——3方向のビルド路線
パラディンのOathシステムと対をなすのが、ウォーロックの「Soul Shardsシステム」だ。3つの方向性を持つ。
Legion(レギオン)は召喚型。異次元から悪魔を一時的に呼び出すスタイルで、複数の悪魔を使いながら戦場をコントロールする。Necromancerに近い感覚を求めるプレイヤーはここから試すといい。
Ritualist(リチュアリスト)は地獄の火を使った攻撃型。Hellfire系スキル「Apocalypse」などを軸に、群衆制御と組み合わせて戦う。ウォーロックの中で最もmage的なプレイスタイルだ。
Vanguard(ヴァンガード)は悪魔形態(Demonform)への変身スタイル。変身中は専用スキルセットに切り替わり、「悪魔になって戦う」という没入感が強い。見た目重視・変身もの好きなプレイヤーへのツボを直撃する設計だと思う。
パラディンとウォーロックを並べると、「光と闇」「秩序と混沌」という構図が見えてくる。Blizzardが意図的に対称的なクラスデザインをしているのは明らかで、この2クラスを両方育てることがLoH最初のゴールになる人は多いはずだ。
新舞台・スコヴォス(Skovos)——サンクチュアリ最古の大陸へ

Lord of Hatredの舞台となるスコヴォスは、Diablo IVで初めてプレイアブルになる地域だ。Vessel of HatredがNahantu(ナハントゥ)という密林地帯を舞台にしたのに対し、スコヴォスは「サンクチュアリ最古の文明の発祥地」という重みを持つ。
伝承によると、スコヴォスはリリスとイナリウス(最初の人間を生み出した堕天使と悪魔)の旧居とも言われている。つまりDiablo世界の神話の源流にあたる土地だ。現在は「アマゾンの女王と神託者(Oracle)」によって統治されており、ゲームではこのアスカリ族の文化が中心に描かれる。
地形は多様だ。荒れた海、火山性海岸、密林、そして水没した古代遺跡。Nahantuの密林一辺倒だったVessel of Hatredよりも、バリエーションに富んだビジュアル体験が期待できる。GameSpotは「Lord of Hatred brings back everyone’s favorite hot mom, Amazons, and Lorath」という刺激的な見出しで新マップの多様性を紹介している。
ストーリーの核心——メフィストとの決着
物語はVessel of Hatredの続きだ。前拡張ではネイレルの行方を追いながら、最終的にメフィストの存在が示唆されるエンディングを迎えた。Lord of Hatredではそのメフィストとの対決が本筋になる。
メフィストはアカラットの体を乗っ取り、スコヴォスに渡来。信者たちを引き連れて島を混乱させながら、「憎しみを固定化する儀式の場」を探している。彼の目的が何なのか、その答えがLoHのクライマックスとなる。
同行者は「ロラス・ナール」。前拡張からの継続キャラクターで、若い頃ホラドリム(悪魔と戦う魔法使い組織)としてスコヴォスに来た過去を持つ。彼の記憶と現在のスコヴォスがどう交錯するかが、ストーリーの感情的な軸になりそうだ。
また、前日譚小説「The Lost Horadrim」も発売済みで、若き日のロラスとアドレオナ(現アスカリの女王)のスコヴォスでの冒険が描かれている。ゲームをより深く楽しみたい人は読んでおいて損はない。
前拡張について「Vessel of Hatredは全体的には良かったが、ストーリーはあまり進まなかった」という声は多くあった。Lord of Hatredがメフィストとの決着という「本筋の解答」を持っているだけに、ストーリー的な満足度はVoHを超えることへの期待は高い。
全8クラス・スキルツリー大改革——既存プレイヤーへの最大の変化
Lord of Hatredで最も大きな変化のひとつが、全8クラスのスキルツリー全面リワークだ。新クラスを追加しつつ、既存の6クラス(バーバリアン、ソーサレス、ドルイド、ネクロマンサー、ローグ、スピリットボーン)全員のスキルツリーに手を入れる。
具体的には全クラスに新スキルバリアントを追加し、レベルキャップも引き上げる。これはDiablo 4史上最大規模のバランス改修と言ってもいい。
「前拡張のロックビルドを頑張ってきたけどスキルツリー改修が楽しみすぎる」というRedditユーザーの声がある一方で、「They just keep flipping between design directions.」という懸念の声も出ている。長くプレイしてきたほど「また全部変わるのか」という疲弊感が出やすいのは事実で、この改修がプラスに働くかどうかはリリース後の評価待ちだ。
ただ、個人的にはDiablo系のゲームというのは「今シーズンの最適解ビルドを探す」ことがコンテンツの一部なので、スキルツリーが変わること自体は新鮮さをもたらすと思っている。問題は「変化が納得できる形かどうか」だ。
War Plans(ウォープランズ)——エンドゲームを自分でカスタマイズする
エンドゲームにおけるLoH最大の新機能が「War Plans」だ。エンドゲームの進行を自分でカスタマイズするシステムで、最大5つのエンドゲームアクティビティをプレイリストとして設定できる。
仕組みとしては、6種のエンドゲームモードから好きな順番で選び、シームレスに連続プレイできるというもの。さらに各アクティビティに固有の「アクティビティツリー」が実装されており、同じアクティビティを繰り返すことで特化が進み、独自のパワーアップが得られる。
これがDiablo 4のエンドゲームにどう影響するか。従来のDiablo 4エンドゲームは「何をするか」の選択肢はあっても、「自分のペースで組み合わせる」という感覚が薄かった。War Plansはその部分を変えようとしている。
Path of Exile 2のように「自分だけのキャラクターを育てる旅」を大切にするタイトルがARPGジャンルで人気を集めている流れを考えると、War Plansの方向性は時代に合っていると感じる。
同じARPGジャンルで深いビルド構築とエンドゲームを楽しみたいなら、Path of Exile 2も参考になる。

ホラドリックキューブ復活——Diablo 2ノスタルジーの切り札
「ホラドリックキューブの復活に声が出た。D2の時代を思い出す」——これは発表時に多数の日本語ユーザーから上がった反応だ。Diablo 2をプレイしたことがある世代にとって、ホラドリックキューブは特別な意味を持つアイテムだ。
Lord of Hatredで帰還するホラドリックキューブは、Diablo 2から帰還した伝説のクラフトアイテムとして機能する。Common・Magic・Rare・Legendaryアイテムにランダムアフィックスを付与できるほか、アフィックスを除去したりレアリティを引き上げたりも可能だ。エンドゲームにおけるクラフトの軸となるシステムと位置付けられている。
Diablo 4の課題のひとつだったのが「アイテムに深みがない」という点だった。VoHでRunewords(ルーンワード)が追加され、LoHではホラドリックキューブとTalisman/Charmシステムが加わることで、アイテムクラフトの奥行きが格段に増す。「もらったアイテムをそのまま使うゲーム」から「自分でアイテムを育てるゲーム」に変わっていく感覚がある。
タリスマン&チャームシステム——セットボーナスがDiablo 4に来る
LoHキャンペーンクリア後に解放される新システムが「タリスマン&チャーム」だ。「Horadric Seal(容れ物)」と「Charms(強化素材)」の2コンポーネントで構成される。
ゲーム内でチャームがドロップするようになり、スロットに装備することでセットボーナスが発動する。同じセットのチャームを複数装備することで段階的にボーナスが強化される仕組みだ。
Diablo 2ではセットアイテムがビルドの軸になることがあったが、Diablo 4には長らくそれに相当するものがなかった。チャームシステムはその空白を埋める可能性を持っている。「何を集めて、何を装備するか」のインセンティブが増えることで、エンドゲームの牽引力が上がるだろう。
Torment 12——「本当に鬼畜な難しさ」へ
現行のTorment 4段階から、Lord of HatredではTorment 12段階へと一気に拡張される。8段階追加によって、Pit以外のコンテンツ(Helltides等)も難易度の意義を持つようになるという設計だ。
Blizzardのゲームデザイナー・Aislyn Hallは「It’s going to be really f****** hard」とコメントしており、上限である Torment 12がいかに厳しいかを強調している。ハードコアなプレイヤーが「もう上がない」と感じていたDiablo 4の難易度上限問題に対する明確な回答だ。
ただし、懸念点もある。「This change will split the player base further.」というコミュニティの声が示すように、異なるTormentレベル間ではマルチプレイのマッチングが分離される問題だ。Torment 1〜3の人とTorment 8のプレイヤーが一緒に遊べなくなる。コンテンツを楽しむ幅は広がる一方で、野良マルチプレイの選択肢が狭まる可能性がある。
PC Gamerはこの難易度拡張について、「Blizzards wants Diablo 4’s outrageous damage numbers to mean something again」という角度から取り上げていた。大きなダメージ数字が単なるインフレでなく、実際にコンテンツクリアの達成感につながるよう調整しようとしているということだ。数字が大きいだけでコンテンツが消化できてしまうという過去の批判への応答として読める。
Echoing Hatred&釣り——エンドゲームの新顔と癒し枠
エンドゲームアクティビティとして新たに「Echoing Hatred(エコーイング・ヘイトレッド)」が追加される。無限波のウェーブ型コンテンツで、どこまで進めるかによって報酬がスケールアップする設計だ。
このタイプのコンテンツは「今の実力でどこまで行けるか」を試す場として機能する。Diablo 4にはすでに「Pit」という無限型のコンテンツがあるが、Echoing HatredはWar Plansの構成コンポーネントとして組み込まれており、エンドゲームのルーティンに自然に溶け込む設計になっている。
そして忘れてはならないのが「フィッシング(釣り)」だ。スコヴォスの危険な水路で楽しめる新アクティビティとして発表された。Diablo 4に釣りが来るとは思っていなかった人も多いだろうが、ゲームのピリ辛な雰囲気の中の「息抜きコンテンツ」として機能する。ARK: Survival Ascendedがオープンワールドサバイバルに釣りを組み込んで好評を得ているように、ハードコアゲームにほっとできる要素があることは純粋に良いことだと思う。

ルートフィルター——アイテム探しの革命
地味ではあるが、長時間プレイヤーには重大な改善が「ルートフィルター」だ。欲しいアイテムの発見を容易にする新機能で、アイテム探しの効率を大幅に上げることが期待されている。
ARPGジャンルにおいてルートフィルターは実は非常に重要な機能だ。Path of Exile(初代)はルートフィルターの高度なカスタマイズ性で熱心なプレイヤー層を獲得してきた実績がある。Diablo 4にこの機能が加わることで「ドロップの海から自分に必要なものを見つける」という苦労が大幅に軽減される。
ホラドリックキューブ・チャームシステムとの連携で考えると、「特定のアフィックスを持つアイテムを探してキューブで加工する」というプレイが活性化する。ルートフィルターはこのサイクルをストレスなく回すための基盤技術だ。
前拡張「Vessel of Hatred」との比較——LoHはどれだけ大きいか
Lord of HatredとVessel of Hatredを並べてみよう。
| 項目 | Vessel of Hatred | Lord of Hatred |
|---|---|---|
| 発売日 | 2024年10月8日 | 2026年4月28日 |
| 新クラス | Spiritborn(1クラス) | Paladin + Warlock(2クラス) |
| 新地域 | Nahantu | Skovos |
| 主要な新システム | Mercenaries・Runewords・Party Finder | War Plans・ホラドリックキューブ・タリスマン |
| エンドゲーム追加 | Dark Citadel | Echoing Hatred・War Plans |
| スキルツリー変更 | 個別調整 | 全8クラス大改修 |
| 難易度上限 | Torment 4 | Torment 12 |
| 主な敵 | Lucion / Hatred Aspect | Mephisto |
数字だけ見ると、LoHはVoHの2倍近い規模感がある。新クラスが2つ、エンドゲームシステムが複数、スキルツリーも全クラス改修——これだけの量を一度に実装してきた拡張はDiablo 4史上最大だ。
「The sheer volume of content being added with LoH… this might finally be what gets me to give D4 another chance after the rough launch.」——ResetEraのこのコメントが多くのプレイヤーの気持ちを代弁していると思う。2023年の発売時に離脱したプレイヤーが、LoHで戻ってくる可能性は十分ある。
VoHの評価は概ね好評で、OpenCriticでは批評家の92%が推薦という成績を残している。その土台の上にLoHが来るのだから、出発点は良い状態だ。
コミュニティの本音——期待と懸念を正直に
ここまで新機能の紹介を続けてきたが、コミュニティには懸念の声もある。正直に書いておきたい。
前拡張購入者への補填問題
Vessel of Hatredを正規価格で買ったプレイヤーが、Lord of HatredにVoHが同梱されて販売されることに不満を持っている。「補填か割引はないのか」「せめてロイヤリティ特典をくれ」という声がRedditには定期的に上がっている。Blizzardがこれに対して何らかの対応をしないまま4月28日を迎えた場合、既存ファン層の一部は冷めた目でLoHを見ることになるだろう。
Torment分離によるマルチプレイ問題
前述のとおり、Torment 12段階化によって異なるTormentレベル間のマルチプレイが難しくなる可能性がある。Diablo 4は基本的にソロコンテンツが主体だが、フレンドと一緒に遊ぶ楽しさがある。その選択肢が制限されるとしたら惜しい。
スキルツリー大改修への不信感
「また設計方向性が変わるのでは」という声は根強い。Diablo 4はこれまでに何度もメタゲームを揺るがす変更を加えてきた歴史がある。「今ビルドを作り込んでも、LoHで全部変わるかもしれない」という疲弊感を持つプレイヤーは一定数いる。「I’m not dreading Lord of Hatred, but I’m more cautiously optimistic compared to the complete hype train before Vessel of Hatred’s launch.」というWindows Centralの読者コメントが、多くのプレイヤーの正直な気持ちを表していると思う。
それでも全体のムードは「ポジティブ」
懸念を列挙したが、コミュニティ全体のムードは「Diablo is in a great shape right now and the future is bright.」という声に代表されるようにポジティブだ。特にSeason 11でのパラディン先行プレイが予想以上に好評だったことで、LoH本編への期待は高まっている。「パラディンを先行アンロックしてプレイしてみたけど、ホーリースキルの爽快感が段違い。LoHまで待てない」というリアクションが多数上がっており、LoH発売まで実際にゲームを続けているプレイヤー数は増加傾向にある。
Diablo 4 Lord of Hatredは誰に向いているか
ここまで読んでくれた人のために、正直に「向いている人・向いていない人」を整理しておく。
こういう人にはかなりおすすめ
Diablo 2時代からのシリーズファンには間違いなく刺さる内容だ。パラディン復活、ホラドリックキューブ帰還、Mephisto主役——これだけ「D2への愛」を詰め込んだ拡張はなかった。Age of Hatred Collectionを買ってD2と見比べながら遊ぶのも面白そうだ。
ARPGのビルド構築が好きな人には環境として最高峰に近づいてきた。ホラドリックキューブ・チャームシステム・ルートフィルター・War Plansが揃えば、「自分だけのビルドを最適化する」というARPGの醍醐味が深まる。
Diablo 4を発売時に離れた人は再挑戦するタイミングとしてLoHは良い機会だ。Age of Hatred CollectionでVoH+LoHをまとめて入れれば、今の状態のDiablo 4が体験できる。
ウォーロック的な「悪魔使い」クラスが好きな人にはウォーロックが唯一無二のクラスになるはず。既存のネクロマンサーとは違う方向性で「禁断の力を扱う」感覚は、他のクラスでは得られない。
慎重に考えた方がいい人
Diablo 4で一度ヤケドしている人は少し待つのも選択肢だ。LoHが発売されて実際のエンドゲームがどうなるかが見えてから購入判断をしても遅くない。Standard Editionの$39.99は誰でも気軽に出せる金額ではないので、レビューを見てからでも十分間に合う。
スキルツリーの大改修に疲れを感じているプレイヤーは、発売後のビルド情報が出揃うまで少し待つのが賢明かもしれない。大改修は楽しさもある一方で、「せっかく作ったビルドが無効化される」という痛みも伴う。
同じく拡張型のARPGとして、Destiny 2の運営モデルも参考になる。長期間続く基本無料+拡張モデルがどう機能するか知りたい人は見ておいて損はない。

PC動作環境——今のPCで動くか確認しよう
Diablo IVは2023年の発売当初から比べると、要件が若干上がっている可能性があるが、現在発表されている動作環境は以下のとおりだ。
| 項目 | 最低動作環境 | 推奨動作環境 | ウルトラ(4K/60fps) |
|---|---|---|---|
| CPU | Intel Core i5-2500K相当 | Intel Core i7-8700K / AMD Ryzen 2700X | 記載なし |
| GPU | NVIDIA GeForce GTX 660相当 | NVIDIA GeForce RTX 2060 / AMD Radeon RX 5700 XT | NVIDIA GeForce RTX 3080以上 |
| RAM | 8GB | 記載なし | 32GB以上 |
| OS | Windows 10 64bit以上 | Windows 10 64bit以上 | Windows 10 64bit以上 |
| ストレージ | 90GB(SSD推奨) | 90GB(SSD推奨) | 90GB SSD |
最低環境のGPUが「GTX 660相当」となっているが、これは非常に古いGPUだ。最低でGTX 660相当なので、現行の普及帯GPU(RTX 3060やRTX 4060など)であれば快適に動作するはずだ。
4K/60fpsを目指すなら RTX 3080以上が目安。ただLoH発売の2026年時点では、RTX 4070や5070クラスのGPUが普及帯に近い価格帯になっているはずなので、4K環境のハードルは下がっているだろう。
ストレージは90GB(SSD推奨)。Diablo 4は最初の90GBからアップデートを重ねており、LoH追加後はさらに容量が増える可能性がある。200GB程度の空き容量を用意しておくのが安全だ。
関連タイトル——ARPGジャンルをもっと広く楽しみたい人へ
Diablo IVが好きなら、ARPGジャンルには他にも面白いタイトルがある。ここで合わせて紹介しておきたい。
同じBlizzard作品として長年のファンを持つWarframeは、基本無料のアクションゲームで独特の忍者+SF世界観が特徴だ。ビルド構築の深みという意味ではDiablo系と通じるものがある。

仁王3はチームニンジャが開発するソウルライクアクションRPGで、装備収集と高難易度バトルを両立する。Diablo 4のアイテムハント要素に魅力を感じるなら刺さる可能性が高い。

Phantom Blade Zeroはアクション色が強いARPGで、スタイリッシュな戦闘とビルドの組み合わせが特徴だ。2026年リリース予定で、LoHと近い時期に注目を集めているタイトルのひとつだ。

Warhammer 40,000: Space Marine 2は濃密なアクション体験を求める人に向いたタイトル。多人数での協力プレイが楽しめる。

Diablo IV Lord of Hatredまとめ——これはDiablo史上最大の拡張かもしれない
最後にまとめておこう。
Diablo IV: Lord of Hatredは2026年4月28日発売の拡張第2弾。パラディン・ウォーロックの2クラス追加、スコヴォスという新大陸、War Plansによるエンドゲームカスタマイズ、ホラドリックキューブとチャームシステムの復活、全8クラスのスキルツリー大改修、Torment 12段階化——これだけの内容が一度に来る拡張は、Diablo 4の歴史でも前例がない。
パラディンのOathシステムが先行プレイで高評価を得て、ウォーロックのコンセプトもゲームメディアから期待されている。ノスタルジー層・新規層・復帰層のすべてに何かを持っている拡張だと思う。
懸念点として、VoH購入者への補填なし問題・Torment分離によるマルチプレイへの影響・スキルツリー大改修の方向性については、発売後に実際のコミュニティ評価を確認することをおすすめする。
「Diablo is in a great shape right now and the future is bright.」——この言葉通りの未来をBlizzardが見せてくれるかどうか。4月28日が楽しみだ。
Age of Hatred CollectionでDiabloを始めるなら、D4本体・VoH・LoHが全部揃う$69.99のオールインワンが最初の一手としておすすめだ。すでにD4を持っている人はSeason 11のパラディンをプレオーダーで先行体験してから判断するのがいいと思う。

